キョロちゃん 


(H10ウチダ全国教職員発明考案コンクール審査員特別賞受賞作品)

 私が現場の教員だったころ、森永チョコボールのおまけに「ミニキョロちゃん」が付いていた時期がありました。それをずっと見ていて、「こいつが動いたら面白いだろうな・・・」と思って、次のような装置を作りました。これは、よくある共振振り子を逆さまにしたのがポイントで、振り子に比べ桁違いに速く前後に動きます。キョロちゃんのこの動きが子どもに受けます。地震・共振・固有振動などの授業や、科学を使ったトリックのネタとして使ってきました。

ブルーバックス「ふしぎ体感,科学実験」掲載「ガリレオ通信」掲載

 これは3mm厚のアクリル板に長さの異なる3枚の下敷きを切った板を両面テープで貼り付けて、その先を少し折り曲げて、3種類の小さなキョロちゃんを両面テープで貼り、それぞれに「キャラメル・イチゴ・ピーナッツ」と書いています。この装置で一体何をするかというと・・・

・1 私がアクリル板の両端を持ちます。

・2 子どもに「どのキョロちゃんが好き?」とたずねます。

・3 他の2つは動かさずに、子どもが好きと言ったキョロちゃんだけを前後に振動させてみせます。

 本当に一つだけが揺れるのを見て多くの子どもは驚きますが、中には「どこかにタネがあるのでは?」と疑う子もいます。そのような時は手で持っている部分を間近で見せたり、違うチョロちゃんを続けて動かしてみたりして、特に手品のような「タネ」は無いことを確認してもらいます。

 なぜこんなことができるのでしょうか? キョロちゃんの簡易版の「ふしぎふりこ ぱんだくん」を作って実験してみて下さい。それができたら、ぜひ3枚板のキョロちゃんにもチャレンジして下さい。(原理など詳しくは「ぱんだくん」のページをご覧下さい。)

ミニキョロちゃん
チョコボール(小箱)と比べると
その小ささがわかります。
ミニキョロちゃんを持って、
イチゴだけ動かしています。
小キョロちゃん
キョロちゃんの1号機です。
 
中キョロちゃん 
暗闇で点滅して光るタイプの
キョロちゃんを搭載しています。
大キョロちゃん
大ステージの演示用です。
頭を押すと鳴きます。
 

 子ども達はこのキョロちゃんを見ると「欲しい! ちょうだい!」の大合唱です。でも、これだけのものを作るために、私はいくつチョコボールを食べ、おもちゃの缶詰を当て、オカシなBIG缶を当て、UFOキャッチャーにいくらつぎ込んだと思いますか?

 それを考えると、とてもじゃないけどさし上げることはできません・・・

 

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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp