リニアモーターが回転モーターに! 


(H11年度ウチダ全国教職員発明考案コンクール奨励賞・・・結線の要らないリニアモーターとペアで受賞)

 簡単リニアモーターを作って「磁界の中で動く導線」について実験した後,同じ台を用いて,アッという間に「回転モーター」を作ってしまいます。世間では小・中学生にコイルモーターだけを作らせることが多いですが,回転の仕組みを理解するのは困難です。作って回すだけならそれでも良いですが,原理を教えたいときには,「リニアモーター」で導線の動きを理解してから,「回転モーター」を作るべきです。この流れで展開すれば「なぜ導線を半分磨きにしなければならないか?」という部分もしっかり教えることができます。まず「簡単リニアモーター」のページをご覧になってからこのページをご覧下さい。

 今回、私が開発したのは、リニアモーター台に「大型ワニ口クリップ2個」を挟むだけで回転モーター台にしてしまうという方法です。発明協会富山県支部主催の「ワンパク発明教室」のために考案・実施しましたが,授業等でどんどん使えそうです。私も授業での展開例を含め,今後いろいろなところで発表していく予定です。

リニアモーターの台にワニ口クリップを2個挟んだだけです。コイルは直径0.5mmほどのエナメル線を006P電池(角形9V)に10回ほど巻き付けて作ります。腕の部分は片方はペーパーやカッターですべて磨き,もう片方はクリップに取り付けたときに,下になる方(重い方)だけを磨きます。こうすることにより電池を押しつけた瞬間には電流が流れ,コイルが動きます。そして半回転したら電流が途切れます。これによりコイルの回転方向が逆転することがなくなります。これの繰り返しで半回転毎に通電と非通電状態になることにより回転が持続します。
腕の部分の作り方です。3回ほどコイルに巻き付けています。そしてワニ口クリップと接する部分を「片方全部磨き,片方下半分磨き」します。ペーパーで磨くと半分磨きがしにくいのでカッターで削ぎ取る方が良いかも知れません。万一,半分磨きに失敗して全部磨いてしまったら「修正液(ホワイト)」を半分に塗ることにより非通電部分ができます。

ワニ口クリップの穴をうまく利用していると自分では思うのですが・・・

磁石の面積も大きく,電圧も高いので,本当にくるくるよく回ります。発熱することもないようです。うまく動かないときは電池を押しつける部分を磨き直し,コイルをバランスよく作り直し,腕の磨き方を確認して下さい。
 
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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp