炭酸抜けま栓を復活させる方法 


日本全国の研修会で実演・紹介。もちろん授業でも使用。

 ペットボトルの中を加圧してから,その圧を一気に解放してボトル内に雲を作る実験はいろいろな手法で以前より広く行われています。その中でも私のお気に入りは大阪府の小学校教諭・十河信二先生が考案された「炭酸抜けま栓」と「ちびレモンのペットボトル」を組み合わせて行う方法です。加圧の回数が少なくて済むのでボトルは小さい方が良いに決まっているのですが,これと組み合わせた「炭酸抜けま栓」(ホームセンターや理科教材会社で購入可)が優れものなのです。片手で簡単に圧を一気に解放できるのです。(ボトル内は少量のエタノールを霧吹きで入れておくと雲が格段にきれいに発生します。)

 ※注意・・・「炭酸抜けま栓」であっても,場合によっては3気圧以上になることがあるので,必ず傷などがない炭酸系のペットボトルを用いること。非炭酸系では破裂の危険があります。

 しかし,この実験の弱点は「抜けま栓」の可動部分が破損しやすいということです。ここが破損すると,もうどうにもなりません。私も各種接着剤や溶剤などで修理を試みたのですが,まったくダメでした。(同じことをした方は多いのでは)

 これまで数十個の破損品を捨てたのですが,1個500円程度なのでバカになりません。そこで平成16年に真剣に復活法を考えてみました。それが以下の方法です。このアイデアは「可動部が壊れて修理不能なら非可動にしてしまえ!」というものです。そして圧を抜くところをボトルの底に作ってみました。その部分には0番のゴム栓を使っています。安全のため糸をつけましたが,糸をつけなくてもあまりゴム栓は飛びません。(1〜2m前後) また十分に加圧してもゴム栓が飛ばないときは,指でゴム栓をちょっと弾いてやると飛びます。

 たったこれだけの工夫で,炭酸抜けま栓を捨てずに済むようになりました。「もったいない!」は工夫の原動力ですね。

壊れた可動部を「結束タイ」(100円ショップやホームセンターなどで購入可)数本で完全にくっつけてしまいました。他にもうまいくっつけ方があるかも知れませんが,とにかく空気が一切漏れないようにくっつけてしまうのです。

ボトルの底にはボール盤で10mmの穴を開けます。ゆっくり時間を掛けて穴を開けるようにすると熱の効果もあってきれいに穴を開けることができます。

そこにゴム栓を差し込むだけです。ゴム栓には安全のため糸がつけてあります。

図にすればこんな感じです。穴から霧吹きでエタノールを入れておき,あとは「抜けま栓」をシュポシュポするだけです。ゴム栓が飛ぶと同時にボトル内に雲が発生します。

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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp