ピックアップ原理説明装置 


ピックアップ原理説明装置
 
 エレキギターなどで音を拾う「ピックアップ」の原理と働きを、実験しながら確かめられる装置です。装置内部がすべて見えるように、透明アクリル仕様になっています。
 
「京都市青少年科学センター報告」「H9青少年のための科学の祭典京都大会冊子」他、多数掲載
 ピックアップ原理説明装置の全景です。手前中央に2つのピックアップモデルがあり、その両端に3本ずつの異なる素材の棒(弦)が置いてあります。
 奥には検流計が付いていて、電気信号(電流)が流れたかどうかわかります。
 簡単なピックアップです。フェライト磁石の上にステンレスボルトをアラルダイトで貼り付け、エナメル線を巻いただけです。
 本物のエレキギターのピックアップは、アルニコ磁石などにエナメル線かホルマル線を直に巻いているものが多いです。
 ピックアップの上で磁石につく金属弦を振動させると、その振動に対応した誘導電流が流れます。 それをアンプで増幅して大きな音を出します。
 
◇ピックアップとは・・・
 一般的なエレキギターはふつうのマイクではなく、「ピックアップ」といわれる装置で弦の振動をひろっています。ピックアップの基本的なつくりは、
 
 @磁石に直接コイルを巻く
 A磁石にくっつけた鉄芯にコイルを巻く
 
のどちらかで、この「ピックアップ原理説明装置」では
 
(左)アルニコ磁石に直接コイルを巻いたもの
(右)アルニコ磁石の先端に鉄芯をつけ、それにコイルを巻いたもの
 
の2つを使用しています。
 
◇音が出る仕組み
  ピックアップの近くで何らかの変化が起き、コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れます。この電流を誘導電流といいますが、磁界の変化の大きさによってこの誘導電流の大きさも変化します。また、磁界の変化が1秒間に100回あったとすると、この誘導電流も1秒間に100回流れます。
  ここでピックアップの近くでエレキギターの弦が振動することにより、コイルの中の磁界が変化したとすれば、その弦の振動と大きさがほぼ比例し、1秒あたりの回数が同じ誘導電流(電気信号といってもよいでしょう)がコイルに流れることになります。その電流をアンプなどで増幅しスピーカーから出すと、弦の振動と対応した大きな音が出ます。
 
◇最も簡単なピックアップ仕組みと原理
 @鉄芯は永久磁石に接着され、強く磁化されている。
 A鉄芯から1〜2mm上の金属弦も磁化される。
 B金属弦が振動すると鉄芯の磁界が変化し、コイルに誘導電流が流れる。
 C弦の振動の強弱がそのまま誘導電流の強弱になり、電気信号が送られる。
 D電気信号をアンプなどで増幅する。
 
◇ピックアップ原理説明装置の使い方
 @手前のスイッチを実験したいピックアップの方に動かします。
 Aたとえば右(鉄芯コイル+アルニコ磁石)を選んだら、その上で6つの材質の棒や線を素早く振ってみます。
 Bどの材質のときに、どのような電流が流れるか検流計で確かめます。
 ※右側のアルニコ磁石は、取り出して向きが変えられるようになっています。
 
 左から、
  @竹の棒 Aアクリル棒 Bピアノ線(鉄)
  C銅線 Dアルミの棒 E鉄の棒
 手前のスイッチを左右に切り替え、そちらのピックアップの上で6本の棒などを素早く振ってみます。電流が流れたら検流計が振れます。
 
☆最後に問題です。実験結果から考えてみましょう!
 
@ピックアップの上で素早く振ったとき、電流が流れたのは次のどれでしょうか?
 A すべての材質
 B すべての金属 
 C 磁石につく金属
Aエレキギターにクラシックギターの弦を張ると、スピーカーから音は出るでしょうか?
 A 同じように大きく出る 
 B やや小さく出る  
 C 音は出ない
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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp