マジックマジックとらっかぱんだ 


 「マジックによるマジック」は、H9科学の祭典神戸大会で兵庫県立鈴蘭台高校の森井先生&物理部員がやっておられたものを間近で初めて見せていただきました。これは机の端に置いたマジックペンが、手も触れないのに「エイッ!」という掛け声と共に落下してしまうと言う「超不思議科学マジック」です。森井先生によると、このネタはずっと前からあるとのことでした。(ご存じの方はお知らせ下さい。)  そのタネは使用済みのマジックペンの中身を取り去り、代わりに液体糊を入れるというものです。これはすぐに作れますが、せっかく作るのなら、ただの真似はつまらないので、とことんタネがわからないように工作しました。 「らっかぱんだ」は「マジックによるマジック」というものを説明するために作ったものです。 
 
(実験教室等で多数実施)
 ◆作り方
 
・油性マジックペンの中のインク綿を取り出します。
・それを2cmほど切り取り、あとは捨てます。
・マジックの筒の中をアルコールなどでよく洗い乾燥させます。
・筒の中に液体糊を少し流し込みます。
・筒の上部1/3くらいの所に「仕切」を入れ、液体糊が入った部分を完全に遮蔽します。
・仕切はアラルダイトなどの接着剤で止めますが、このノウハウは研究して下さい。(苦労した所です。)
・上部にはじめに切っておいたインクが染み込んだものを詰めます。
・芯がついたキャップを締めます。
 
 筒の内部を2重に仕切り、下半分に液体糊を入れたことで糊が乾きにくく長持ちします。さらに上半分は普通のマジックなのでちゃんと書くことができ、ペン先を取って分解してもタネは見えません。
「マジックマジック」用の改造ペンと透明ポリカー
ボネートチューブに液体糊を詰めた原理説明グ
ッツ。これにたくさんパンダの絵の付いた紙を巻
き付けて「らっかぱんだ」を作ります。
 液体糊の重心移動により、机の端に置いたペンがいかにも超能力で落ちたように見えます。
 
 「らっかぱんだ」は透明のポリカーボネートパイプに液体糊をすこし封入したもので、これで「マジックによるマジック」の原理説明に使います。原理がわかったところで、透明パイプの上にぱんだがたくさん書いてある紙を貼り、中が見えないようにします。これを使えば今日から君も超能力者!(のまねごとができます)
 
◆使い方
 
@ペンははじめに立てておきます。胸ポケットに入れておいても良いでしょう。
 これは液体糊を底部にもってきておくためです。
 
Aペンを机の端に置きますが、重心のちょっと外側を端に合わせます。
 「どの位置なら何秒くらいで落ちる」ということを何度も事前にやって把握しておきます。
 
Bその時間帯になったら、気合いを大きくしていき、グラッと来た瞬間に「落ちろ!」と叫びます。
 
Cペンを渡して中を見せてもタネはバレません。しばらくして原理を説明し、重心移動や粘性のある物体の話などにつなげます。液体糊の代わりに筒の中にスライムやサラダ油を入れるとどうなるでしょうか???
 
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海老崎 功 ebisan@mbox.kyoto-inet.or.jp