推敲指導1

原 婚礼や生駒の山に照り紅葉
推 婚礼や生駒の山の照り紅葉


 原句の「に」ですと、何処の山でも入れ替え出来て婚礼との整合性がありません。一字「にをの」に変えるだけで、婚礼をしている所から見える生駒山に紅葉が照っていると美しい光景になりました。

原 改築の湯殿の窓に冬の月
推 改築の湯殿や窓に冬の月


 原句は口で言っているだけですが「のをや」にするだけでお風呂に浸かっていて窓に出ている月を眺めている情景がイメージ出来ました。

原 大利根の波頭をたたく冬の雨
推 大利根や波頭をたたく冬の雨


 この句は良く出来ていて、それでも原句はモノクロのイメージですが「のをや」に変えるだけで凄い情景が目に浮かびます。唯、河に波頭が立つ様な流れが有るのか気になりますが。

原 木目椀粕汁ぬくい母の傍
推 木目椀粕汁注いで母の傍


 原句ではぬくいと説明しているのでお話になっていますが「ぬくいをついで」にしますと、行動が見えてしっかりと母の傍に甘えている情景が見えます。
平成二十一年一月

 

 

推敲指導 トップ

戻る  次へ

トップ 推敲 絵解き

アクセスト 出版ページ ギャラリー