■ データ
データは東京穀物取引所のコーンの終値で、期間は1999年2月16日から1999年11月22日まで。銘柄は2000年3月限と1月限で、3月限から1月限を引いた価格差(サヤ)を分析した。
■ 相関
サヤ取りには銘柄間の高い相関が必須。「クイックベータ」を使って、3月限と1月限の相関を計算した。
とした。相関は99.82%であった。
■ 基本統計量・ヒストグラム
サヤの基本統計量・ヒストグラムを「正規分布とは何か」を使って分析した。
サヤのパーセント点をみると、サヤは70%(85%-15%)が140円と280円の間にある。が、310円以上に拡大することは、10%以下であることがわかる。また、ヒストグラムをみると、サヤが310円以上に拡大することは稀であることがわかる。
したがって、サヤが300円以上の拡大を示したときを、「拡大」の目安とした。
■ グラフ
サヤの拡大時点と収斂時点をグラフで示した。第一の拡大は5月31日の300円で、収斂は7月27日の90円である。
第二の拡大は10月18日の300円である。
■ サヤの分析結果と予測
サヤが拡大した時点をday=1として、「さや取り一発」を使って分析した。
分散分析結果をみると、「重みなし」の最小二乗法の方が「重みあり」の方法よりも良好な結果を出した。(p値が5%以下である。)サヤの幅が拡大時の約半分になる時点である「半減期」は37日である。実際、第一のサヤの拡大では、サヤの収斂は40日目に起こっている。
そうすると、10月18日に拡大(300円)したサヤは、1月限の納会日のほんの少し前に起こると予測される。
ようするに、分析に使用したデータによる推定では、コーンのサヤの拡大を約300円とみなすならば、その収斂には約2ヶ月の経過が必要と思われる。コーンのサヤは大豆に比べるとあまり大きくは拡大せず、収斂には時間がかかることが分かった。