■ データ

データは1999年2月24日から同年10月29日までの12月限と2000年2月限の大豆終値である。

=12月限

=2月限

とし、回帰式

=A・ + B

を使って、相関分析を行った。

 

 

■ 相関分析の結果

回帰分析・相関分析には、「クイックベータ」を使った。このソフトでは、「予測」を使うと価格での相関分析となり、「ベータの計算」を使うとリターンでの相関分析となる。

 

◎ 価格どうしの相関分析結果

Y=1.07X - 1796.79

(1.05, 1.10)

傾きのP値は5%以下で、統計学的には「有意」である。傾きの95%信頼区間を括弧内に示す。相関係数=0.9915であった。

(「P値」とは、統計学的判断で使用される判定基準で、この値が5%以下なら、「分析結果は有効である」と考えてよい。K’sソフトの統計分析ソフトでは、P値が出るようになっている。)

 

◎ リターンどうしの相関分析結果

Y=0.958X + 0.0000497

(0.896, 1.020)

傾きのP値は5%以下で、統計学的には「有意」である。傾きの95%信頼区間を括弧内に示す。相関係数=0.9208であった。

 

◎ 解釈

このように、価格どうしでの相関が99%以上あるにもかかわらず、リターンを使っての相関は92%に落ちている。

また、傾きの95%信頼区間であるが、リターンの方は、1が区間に入っている。これは、12月限が1%上昇すると、2月限も1%上昇する傾向が強いことを意味する。「12月限と2月限は同じような値動きをする」といえよう。

ところが、価格どうしの相関分析結果をみると、傾きは1より大きい。つまり、価格ベースでは、2月限の方が12月限よりも割高になる傾向が出ている。が、価格ベースのみで相関をみることは、誤っている。以下のとおり「ヒストグラム」によって説明する。

 

■ 価格とリターンのヒストグラム

 

◎ 価格のヒストグラム

以下のヒストグラムは「正規分布とは何か」を使って得た結果である。

 

 

 

◎ リターンのヒストグラム

 

このように、リターンは正規分布するのである。が、価格は必ずしも正規分布しない。

 

◎ 重要ポイント

回帰式

=A・ + B

で使用されている変数であるが、そもそも理論上は、も正規分布することを前提としている。

 

■ 結論

大豆相場の12月限と2月限には、リターンでみて高い相関があるといえる。ただし、限月が10月27日から変わっているので、ここで示した回帰式を継続して使用できる保証はない。

10月27日以降のデータにおいては、ここで説明した方法を用いて、価格とリターンでみて高い相関関係が出る銘柄を見つけるべきであろう。


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