三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[113]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻107号 2010.03.30発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻108号 2010.06.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻111号  2011.08.03発行
通巻106号 2009.12.31発行 通巻112号 2011.12.31発行
    通巻113号 2011.12.31発行
    通巻114号 2012.10.31発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[113]
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2012/04/26[14-01-113]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 113号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「(歌集)汀暮抄」大辻隆弘 砂子屋書房
  ◆「(歌集)エクウス」梅内美華子 角川書店
  ◆「みすず 2012年1-2月号:読書アンケート特集」みすず書房
  ◆「おとぎ話の幻想挿絵」海野弘 パイインターナショナル
  ◆「『絵のある』岩波文庫への招待」坂崎重盛 芸術新聞社
  ◆「高橋巖講演録2 いまを生きる」昴・日本人智学協会関西
  ◆「人智学31・32・33」高橋巖ほか 日本人智学協会
  ◆「赤い雪」、「深海魚」勝又進 青林工藝舎
  ◆「書 文字 アジア」吉本隆明+石川九楊 筑摩書房
  ◆「飢餓陣営37号」編集・佐藤幹夫 飢餓陣営発行所
  ◆「吉本隆明が語る親鸞」 東京糸井重里事務所
  ◆「kototoi 2号」吉本隆明ほか 菊谷文庫 


[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「Myaku 12号 吉本隆明追悼号」比嘉加津夫・編集 脈発行所
  ◆「(文藝別冊)追悼 吉本隆明」 河出書房新社
  ◆「IICHIKO 114」編集:山本哲士 文化科学高等研究院出版局
  ◆「現代詩手帖 2012年5月号:吉本隆明特集」思潮社
  ◆「(増補)次の時代のための吉本隆明の読み方」村瀬学 言視舎
  ◆「蝉と螢」河野裕子 中央公論新社  
  ◆「(歌集)金の雨」横山未来子 短歌研究社※入荷済み
  

[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その75)   

  ○河原町商店街の長期低落傾向についてはほぼ毎回お知らせしていま
   すが、今度は「河原町オーパ」に「ブックオフ」の大型店が出店し
   ました。「河原町オーパ」は1998年開業の地上9階地下1階の商業ビ
   ルで、若い女性を主なターゲットとしたファッション関係がメイン
   のビルです。開業当初こそにぎわってましたが、その後はあまり景
   気の良さそうな雰囲気ではありません。その8階がまるごとブックオ
   フになりましたが、9階の「タワーレコード」以外のショップとの調
   和性はほとんどなさそうに思えます。しかし、おそらく、今の河原
   町に合うのは「ブックオフ」のほうでしょうから、そう遠くないう
   ちに、「ブックオフ」に親和性のあるテナントと入れ替わることに
   なることでしょう。開店3日目の見学記はこちら

  ○「大垣書店」は次々に新たな出店をしていますが、今度は高野に
   「大垣書店&cafe」というのをオープンしました。4月5日の開店の
   この店は、昨年11月に閉店した「丸山書店高野店」の跡ですから、
   トーハン帳合書店の看板換え的なことでしょう。まだ見学に行って
   いないので、サイト情報で判断しているだけですが、併設のcafe部
   門は専門業者をテナントしたのではなくて、自前の経営のようです。
   よーするに書店業の儲からなさを、レンタルや雑貨で補うかわりに
   カフェでということなのでしょう。
   
  ○このメルマガの109号[2010/10/26]に開店情報を載せたばかりの、
   手芸本の専門店「アートブックショップ京都店」が、わずか一年で
   閉店していました。まだ残っている同店のブログに「この度、
   art-bookshop京都店は事情により平成23年9月30日を持ちまして閉
   店する事となりました。」とあるのをたまたま見つけただけで、そ
   れ以上のことは何もわかりません。しかし、ネットで検索すると、
   本店のサイトは消滅、池袋店のブログも更新ストップ、そして「9月
   30日に神田の本店が閉店」したという常連客ブログも見つかりまし
   た。したがって、京都店の閉店は売上が低調だったとかではなくて、
   会社全体がまずいことになったからということのようです。
   
  ○うちの店から西へ徒歩5分ほどの高倉二条に「レティシア書房」と
   いう古書店が開店したそうです。「Sanpo magazine」の第5号の記事
   で知ったばかりで、まだ見に行ってないので受け売りですが、「古
   本をメインに、中古CD、ミニプレスを扱い、ギャラリーを併設」し
   ているようです。この記事によれば、店主の方はレコード店や新刊
   書店で働いておられたとのことですが、古書店の経験はないそうで
   す。ブログの写真を見ても古本屋とは思えない、きれいなお店です
   が、整理されすぎていて掘り出し物が見つかりそうにないような気
   がしないでもありません。もうしばらく過って、本が溢れ整理が追
   いつかないような状態になることを、個人的には期待しています。
   
  ○「ダヴィンチ5月号 京都で、本を。」はなかなか手間をかけた特
   集で、かなり読みでがあります。登場するのは「竹苞書楼」「萩書
   房」「古書善行堂」「ガケ書房」「恵文社一乗寺」「アスタルテ書
   房」「ヴィレッジヴァンガード三条」「三月書房」「ふたばプラス
   京都マルイ」「London Books」「Fabulous」「books&Things」
   「Cafe Bibliotic Hello」「TRACTION book cafe」「雨林舎」
   「UNITE」「町屋古本はんのき」「カライモブックス」。これを見
   ると、新本しか扱っていないのは「三月書房」のみです。よそはど
   こも古本屋だったり、ブックカフェだったり、古本や雑貨も扱って
   いる新本屋だったりです。うちにしても新本とはいえバーゲン本を
   扱っていますし、見た目が古本屋ぽいのは今に始まったことではあ
   りません。はじめて目にした店名もいくつかありますがどこも古本
   系で飲食ありのところが多いようです。   

 ○筑摩書房の「ランキング表201202」から京都市の分のみ 
   ※順位は全国順位。( )内は前期順位。  
   27(28)  ジュンク堂BAL店
   36(29)  ジュンク堂京都店  
   40(40)  京大生協書籍部ルネ
   80(65)  アバンティBC     
   90(107) 恵文社一乗寺
   114(143) 三省堂京都店    
   129(112) 立命大存心館ブック店
   132(136) 大垣書店烏丸三条店      
   133(132) ブックファースト京都店
   142(264) 大垣書店イオンモール
   188(232) ジュンク堂外商部     
   203(211) ふたば書房京都タワー
   
   ちかごろ筑摩書房はほとんど文庫と新書ばかりですが、恵文社では
   何がこんなに売れているのでしょうか。クラフト・エヴィング商會
   くらいしか思いつきませんが、きっと他にもドル箱があるのでしょ
   う。ちなみにうちの店は京都で23番目、ふたば八条口の下あたりで
   すが、意外と健闘しているほうでしょう。
   
      
[#04] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など

  ○「パロル舎」が昨年倒産していました。もともとさほど新刊の多い
   出版社ではなく、補充品は今年の初めまでふつうに入荷していたの
   で、まったく気がつきませんでした。しかし、先月“取引中止に付
   返品不可”と日販から逆送されてわかりました。ネットで調べたと
   ころでは、昨年秋?に倒産し、「エフ企画」という新会社に移行し
   たもののうまく行かなかったようです。倒産を知る少し前に、八木
   書店のバーゲンブックの新着リストに大量に登場したのを見ていた
   のですが、たんなる在庫処分であろうと思っていました。
   ここは地味ながらもよい本をいろいろ出していて、うちの店では金
   井田英津子の4冊、ライナー・チムニクの3冊、シュタイナー関係
   の2冊など、10点以上のロングセラーがありました。
   いずれにしろ、少子化の影響で児童書出版の経営はとくにたいへん
   のようです。うちの店はほとんど児童書を置いてはいませんが、理
   論社のようなこともあるので、在庫の見直しをする必要がありそう
   です。
   ついでながら、理論社は順調に新会社に移行したようですが、大口
   債権者の西原理恵子氏がその内幕を「人生画力対決3」から「4」
   にかけて証拠書類付きで公表しておられますから、ぜひお読み下さ
   い。出版業界の従来の「常識」が、いかに世間からかけ離れている
   かが、たいへんよくわかります。もちろん弁護士まで立てた西原氏
   の勝利だったようですが。
   
  ○4月の初めに日販から「新企画」というところが破産手続きを開始
   したというFAXが届きました。ぜんぜん知らない社名ですが、「盆
   栽世界」の版元だそうです。うちは現在扱いがないので影響はたぶ
   んありません。
   
         
[#05]  雑、雑、雑、……

  ○本屋大賞実行委員会のフリーペーパー「LOVE書店18号」の「本屋さ
   んが好きな本屋さんはどこだ!?」という頁の取材を受けました。こ
   れは書店がおすすめの書店を次々に紹介するという企画で、往来堂
   →定有堂→ブックスキューブリック→J STAYLE BOOK→恵文社一乗
   寺と続き、そして恵文社の店長のご推薦が三月書房だったとのこと。
   それはたいへんありがたい話ですが、次に推薦するべき本屋をまっ
   たく思いつかないので、一瞬あせりました。しかし、幸いなことに、
   うちが今回の終点ということだったので助かりました。実のところ、
   ちかごろ行きつけの新刊書店はまったくありません。1960年代の丸
   善京都店の洋書文具売場とか、1970年代の駸々堂京宝店の地方小出
   版コーナーなどはよく眺めに行っていたのですが、それ以降は、古
   本屋と中古レコード屋にしか行かなくなりました。それも近ごろは
   次々に撤退してしまって、ほとんど行くべき店がなくなりつつあり
   ます。したがって、この企画に無理にでも答えるとしたら、「ガケ
   書房」と答えておけば世間的には無難に違いありませんが、いまだ
   に一度も見学に行ったことがないので、そうも言えません。取材の
   方に「もしもブックオフと言ったらどう」と聞いてみましたが、こ
   れはやっぱりシャレにならないようで、記事では言った覚えのない
   適当なコメントをでっちあげていただいています。それに、ブック
   オフにしてもAmazonにしても便利なのでよく利用はしていますが、
   好きかと聞かれれば、ちょっと違うような感じです。
      
  ○前号にて「梓会出版文化賞」について、これは「会員社がお手盛り
   で順番にもらうという、まるで頼母子講のような感じの賞です。実
   際は会員外の出版社にも授賞されることもあるようなのですが、ど
   の会社が会員なのかいちいち調べる気もないのであくまでも印象で
   す。」と書いたところ、梓会の関係者から必ずしもそうではないと
   いう意味のやんわりしたご意見と、授賞リスト等を送っていただき
   ました。そのリストによれば、会員社と会員外はほぼ半々というと
   ころでしたが、もともとこちらの文章も「あくまでも印象」と言っ
   てるわけでとくに訂正の必要はないでしょう。それに「頼母子講み
   たい」という言い回しが、ちょっと気に入ってるので、捨てるには
   惜しいような気もしますから。しかし、「頼母子講」なんて言葉は
   いまでも若い人たちに通じるのでしょうか?
   
  ○民主党が無理矢理消費税を上げようとしていますが、なんとか廃案
   になってほしいものです。新聞や書籍は軽減税率にとかいってるバ
   カな人たちがいまだにいますが、現在の消費税は欠陥だらけで、い
   ろいろな税率を混在させることは技術的に不可能です。これは、本
   来なら各段階の取引毎に書類(註:インボイスということが多い)
   を作成して、外税で課税しないといけないのに、どんぶり勘定の売
   上税のようになってしまっているからです。それから、ヨーロッパ
   では25%位がふつうだと財務省が宣伝してますが、あれは最高税率
   であり、食料品とかは軽減(又は非課税)しているために実効税率
   は半分程度のはずです。もしも政府案が通れば、一段と不景気にな
   るのは確実な上に、またぞろ出版物の税額表示に悩まされることに
   なるでしょう。3%から5%になったときとか、内税表示を強制され
   たときとかに、あれだけ苦労したのを忘れてしまったらしい出版物
   が少なくありませんから。
   
---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎-----------------------------------------
   
   ☆小田光雄
     「出版状況クロニクル3〉2010年3月‐2011年12月
         定価2000円+税 論創社 
    
  ※この本の内容はいまでもすべてネットで読むことができますし、
   頁数の関係で各月のリード部分が省略されているのが惜しまれま
   すが、それでも「本」のほうが遙かに読みやすいことは確かです。
   
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜112号)」はHPにて公開中です。
     
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