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e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻106号 2009.12.31発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻107号 2010.03.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻108号 2010.06.30発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻111号  2011.08.03発行 通巻112号 2011.12.31発行
    通巻113号 2011.12.31発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[112]
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2011/12/31[13-03-112]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 112号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「河野裕子読本」角川学芸出版
  ◆「塔 2011年8月号 河野裕子追悼号」塔短歌会
  ◆「(歌集)蝶」渡辺松男 ながらみ書房 ※完売
  ◆「(歌集)静かな生活」岡井隆 ふらんす堂
  ◆「(歌集)食卓の音楽」杉崎恒夫 六花書林
  ◆「日日草」山本かずこ 北冬舎
  ◆「コタニ・プレイズ・タルホ」古谷仁昂志 喜多ギャラリー
  ◆「吉本隆明と共同幻想論」高橋順一 社会評論社
  ◆「吉本隆明『心的現象論』の読み方」宇田亮一 文芸社
  ◆「吉本隆明の社会理論」宮本孝二 晃洋書房
  ◆「飢餓陣営36 特集*吉本隆明と東北」飢餓陣営発行所
  ◆「撃論 vol.3 <脱原発>という思想」吉本隆明ほか オークラ出版
  ◆「中央公論特別編集 江藤淳1960」吉本隆明ほか 中央公論新社
  ◆「kototoi 創刊号」吉本隆明ほか 菊谷文庫※売り切れ
  ◆「ねうちもん京都 お金をかけずに京めぐり」グレゴリ青山 メディアファクトリー
  ◆「そうだ、京都に住もう。」永江朗 京阪神エルマガジン社
  ◆「だれか来ている」杉本秀太郎 青草書房
  ◆「象の消えた動物園 同時代批評」鶴見俊輔 編集工房ノア
  ◆「日本の小説を読む」山田稔 編集グループ<sure>
  ◆「シュタイナー社会論入門」高橋巌 昴・日本人智学協会関西
  ◆「佐々木マキのマンガ1967-81 うみべのまち」 太田出版  
  ◆「文藝別冊 諸星大二郎」諸星大二郎ほか 河出書房新社
  ◆「『思春期を考える』ことについて」中井久夫 筑摩書房

   以前、紙版の「販売情報(仮題)」を出していたときには、5冊以上
   が「わりと売れてる本」、10冊以上が「かなり売れてる本」とわけ
   てましたが、ちかごろはデータをあまり整理していないのでおおよ
   そです。この「売れてるような気がする」のは5冊以上からとかで
   はなく、あくまでも印象ですから、もともとの期待値によって変動
   します。たとえば吉本隆明とか山田稔とか河野裕子とかだと、5冊
   程度では「ぜんぜん売れていない」ような気になるし、たいして期
   待していなかった本ならば3冊でも「よく売れ」てるような気がし
   てしまいます。今回ほんとうに「よく売れた」本は、「塔 河野裕
   子追悼号」が70冊程度、「飢餓陣営36 特集*吉本隆明と東北」が
   80冊程度、「日本の小説を読む」が40冊程度というあたりです。ど
   れもよその書店ではほとんど扱っていない上に、Amazonでも見かけ
   ないために、通販での売上が地べた以上に多いのが共通点です。
   

[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「(歌集)エクウス」梅内美華子 角川書店※入荷済み
  ◆「森 岡崎京子未完作品集」祥伝社※入荷済み
  ◆「未踏の野を過ぎて」渡辺京二 弦書房※入荷済み
  ◆「女子大生、渡辺京二に会いに行く」亜紀書房※入荷済み
  ◆「ぼくの古本探検記」高橋順次 大散歩通信社※入荷済み
  ◆「アナキズム・カレンダー2012」A文献センター※入荷済み
  ◆「齋藤愼爾句集『永遠と一日』」思潮社※入荷済み
  ◆「ぽかん 02:特集 『私の大阪地図』」ぽかん編集室※入荷済み
  ◆「わたしはここよ」河野裕子 白水社※入荷済み
  ◆「わが告白 コンフェシオン」岡井隆 新潮社※入荷済み
  ◆「吉本隆明が語る親鸞」 東京糸井重里事務所
  ◆「高橋巖講演録2 いまを生きる」昴・日本人智学協会関西※入荷済み
  

[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その74)   

 ○「出版ニュース 2011年10月中旬号」掲載の「2010年度書店売上実績」
   にランクインしていた京都市に本社のある書店グループは下記の3
   店でした。

   ・047位 大垣書店   70.2億円 10.9%増
   ・063位 ふたば書房  36.9億円  3.1%増
   ・229位 恵文社     6.1億円  3.8%減 

   「大垣」と「ふたば」はあいかわらず順調に延びているようですが、
   新規出店で店舗面積も大幅に増加していますから、既存店レベルで
   はどうなのかは不明です。「恵文社」は昨年に続いて減少ですが、
   これは一乗寺店を拡張する余地がなくなったからでしょう。それに
   しても、4%近い減少にもかかわらず、全国順位が276位から229位
   まで上昇しているということは、他店の減少がもっと大きかったり、
   廃業したりしたからに違いありません。なお、昨年は193位に突然
   「思文閣出版(神陵文庫京都)」が登場しましたが、今年は消えて
   います。神陵文庫の京都営業所は今も昨年と同じ場所にあるようで
   すが、今年になって古書部などが移転したことと関係があるのかど
   うかは不明です。もともと古書、出版、画廊、がメインの会社なの
   で、昨年、新刊書店のランキングに登場したことが何らかの間違い
   だったのではないでしょうか。
   
  ○「紀伊國屋書店 MOVIX京都店」が9月末に閉店しました。2005年開店
   だったので6年余りでしたが、これは「ゼスト御池店」の1997年から
   2003年で6年とほぼ同じです。しかし、心斎橋のオーパのように1年
   程度で撤退ということもありましたから、この数字にあまり意味は
   ないでしょう。くわしいことはブログに掲載しましたが、ようする
   に立地も広さも中途半端だった上に、全体の3分の1ほどをCD/DVD
   売場にしたのがよくなかったのではないでしょうか。
      

[#04] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など

  ○朋友出版、日経出版社、新葉社、HMB企画(旧・ほるぷ出版)、
   などが破綻したり解散したりしたようですが、まったく知らない会
   社ばかりです。一般流通もほとんどなかったようですから、書店業
   界への影響はたいしてないでしょう。出版業界の景気はあいかわら
   ず右肩下がりのままですが、今年はあまり大口の破綻はなかったよ
   うです。しかし、リーマンショック以降、銀行業界は全世界規模で
   危機的状況になりつつあり、出版業界のような小口の不良債権の整
   理するヒマなどないために放置されているだけかもしれません。
   
  ○短歌新聞社が廃業を発表しました。月刊の「短歌現代」と「短歌新
   聞」は12月号で終刊、書籍の刊行も終了。ただし、在庫書籍の販売
   はしばらく(2012年3月末まで?)継続予定。廃業の理由は「社長高齢
   (九十五歳健在)のため」とのことです。短歌専業の出版社の多くは
   社主兼編集長(兼歌人)とスタッフ数名(家族を含む)であり、社主が
   倒れたら廃業というところが少なくありません。近年では白玉書房、
   雁書館などがそうでした。しかし、短歌本業界は他の出版分野に比
   べるとまだ比較的ましなようで、新規開業もそこそこあって出版社
   の数はむしろ増加しているような感じです。ちなみに、ここ10年ほ
   どに開業されたのは柊書房、青磁社、六花書林、北冬舎などですが、
   どこもそれなりに順調なようです。短歌新聞社の元編集氏も、さっ
   そく「いりの舎」を起業されました。
   
   
      
[#05]  雑、雑、雑、……

  ○八木書店のバーゲンブックの書店用発注サイトがオープンしました。
   http://www.books-yagi.co.jp/bb/(※要パスワード)
   これがかなり金をかけたらしくて、使い勝手も上々です。従来は毎
   月発行のB5判の目録により、発注票に手書きしてFAXするシステ
   ムでしたが、サイトで検索して在庫があればショッピングカートに
   入れるという、ネットショップの標準スタイルになりました。個別
   の書籍情報も紙の目録よりは格段に詳細になった上に、ほぼすべて
   に表紙の画像がついていてたいへん便利です。さらにありがたいの
   が、在庫冊数が表示されていることで、残りが大量なら急ぐことは
   ないし、残り少なければあるだけ全部仕入れてしまうことも可能で
   す。以前は在庫数がぜんぜんわからなかったために、かなりの機会
   損失と過剰仕入れがありましたが、これで仕入れの効率がかなりよ
   くなるはずです。いわゆるウィッシュリスト機能もあり、アマゾン
   並みに点数無制限で保存できるようです。(余談ながら、ブックオ
   フ・オンラインはわずか200点が上限というショボさ)
   欠点はカートの内容がサイト側に保存されず、こちらのパソコンに
   一時保存されるだけのため、電源を切ると消えてしまうことです。
   アマゾンのようにサイト側で保存してくれれば、気が向いたときに
   少しづつ注文を溜めていけるので発注が楽になります。それと、在
   庫がある本の検索は早くて軽くてけっこうですが、在庫がなくなる
   と同時に表示が消えてしまうのはたいへんに不便です。これは在庫
   ゼロとして一定期間は表示しておくべきでしょう。なぜなら、以前
   仕入れたことがある本を検索しても見つからない場合、売り切れな
   のか、検索ミスなのかがわからなくて困るからです。
   新本バーゲンの卸問屋は八木書店が最大手で、二番手以下はどこに
   いるのかすらよくわからない状況ですが、これでまたその差が開い
   てしまったことでしょう。不景気な出版業界にあって、比較的有望
   と思われる特価本業界の発展のためには、八木書店に対抗しうる競
   合業者も必要なはずなのですが。   

  ○出版梓会の「出版ダイジェスト」は10月21日(通巻2238号)で終刊し
   ました。この新聞は批評精神も野次馬精神も皆無の、たんなる宣伝
   情報紙でしたから、今となっては無くなっても不便はありません。
   この梓会は毎年「梓会出版文化賞」を決めていますが、これは会員
   社がお手盛りで順番にもらうという、まるで頼母子講のような感じ
   の賞です。実際は会員外の出版社にも授賞されることもあるような
   のですが、どの会社が会員なのかいちいち調べる気もないのであく
   までも印象です。その意味で、今年は会員外らしいにもかかわらず、
   わざわざ自薦で名乗りを上げた岩田書院が受賞されるかどうか、少
   し気にしていたのですが、結果は落選で受賞は会員の創元社でした。
   「岩田書店 新刊ニュース裏だよりNo.727(2011.12)
   
   「出版ダイジェスト」よりもはるかに読者が多い(かどうかは知り
   ませんが、少なくともはるかに面白いのは確かな)「ひとり出版社」
   に授賞しておけば、少しはこの賞も見なおされたと思うのですが…。
   
---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎-----------------------------------------
   
   ☆「本の世界に生きて五十年 (出版人に聞く 5) 」
      能勢仁(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社

   ☆「リブロが本屋であったころ (出版人に聞く 4)
      中村文孝(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
       
   ☆「営業と経営から見た筑摩書房 (出版人に聞く 7)
      菊池明郎(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社

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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜111号)」はHPにて公開中です。
     
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