買い物

10年ほど前にアメリカでは鉛筆1本でもインターネットショッピングで買っていると聞いてそんな時代が日本に来るだろうかと思ったものです。ところが現在は日本もそのような時代になっているのです。最近わたしに「かぎ針」と「レース針」が必要になったのですが、近所に売っているところがありません。ネットで調べるといくらでも売っているところがありしかも種類も好きなものを選ぶことができました。どちらも2〜300円のものでしたが丁寧に包装して一方は郵便で他方はメール便と安い送料ですぐに送ってくれました。ネットショッピングはこれまでのお店を潰してしまうという人もいるでしょうが、武士が廃業に追い込まれると言って明治維新を敢行していなかったら今日の日本は生まれていなかったでしょう。

私にはいくつかの買い物原理があります。まず値段と品質がバランスして居れば少々高くても買います。外見では同じようなものはいくらでも作れます!。売値を下げようとすれば材料の質を落とすことは可能です。よく話題になる新築住宅の“シックハウス症候群”は粗悪な建築素材からは有毒なホルマリンなどの発生飛散が多く、これもやはり値段と質の問題です。
次男のところに初めての子供が出来ました。何をお祝いしようかと考えましたが、結局この子の実印を贈ることにしました。注文したのは第一印房です。例えば印材一つとっても良いものを使っていますし、彫り師に一流の人がいます。これなら少々高くても当たり前です。

もう一つの買い物の原理とでも言うべきものも私にはあります。勤めているとき私は学生の実験も担当していました。当時、助手の方にいつも私自身の実験器具はもちろん、学生実験用の器具も五割余分に準備して置いてもらっていました。破損などで使えなくなってから、業者に注文したのでは入荷までに何日か掛かり、その間実験が出来ないのです。注文先が夏休み中でもあれば悲劇的に品物の入手が遅れるのです。器具の多くは時間が経っても使用不能ということはありませんし、無駄にはなりません。
こういう経験があるので、家事をするようになってからも、急に無くなると困るもの例えば、石けん、洗剤、クッキングタオル、ゴミ袋、アルミフォイルやラップ、出し昆布、削りかつをぶし、胡椒、液体歯磨き(GUM)、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、家内用の脂取り紙、リップジェリーなどは、いつも予備品をストックし、使うたびに補給購入して保有しています。こうすると精神的にも余裕が出来て、のんびりして居られます。インタ−ネットで多量に仕入れると大抵は運賃がかからず重いものも家まで届くのですから、自家用車を持たない私には運搬の苦痛もありません。余裕を持って予備品を保有すると気持ちの上でも豊かな感じがするものです。近頃は近所の店でも閉店して消えていくものが多く、生活必需品でも自分の気に入ったものの入手が京都でも困難になっています。ネットショッピングでは種類も豊富で選択の幅が広く価格の比較も出来ますから、ネット購入がないと生活が成り立たない状態です。

近頃よく利用しているのは 爽快ドラッグです。品数が多いのと送料無料扱いの金額が低いからです。私はexelの縦に品名(アタック・トイレットペーパー・石鹸など)を記入し横に日付を入れて交点に必要個数を日頃不足に気付いた時に記入し、ある程度溜まってくると注文しています。

月末に集金に来てくれる牛乳代、新聞代などは月の初めから小分け用の袋にお金を入れておきます。これでは余分のお金がいるとお考えかもしれませんが、結局はあわてて買う必要がなくなり、気持ちの上でも経済的にも余裕が生まれるのです

家内の看病であまり外出できなくなって、通信販売を使うことも多いのです。一定量以上を買うと運賃が無料になるケースがたくさんありますので、必需品は出来るだけ纏めて、仕入れ送料は要らないし、家まで届けてくれるありがたさを満喫しています。今も楽天を利用することは多いのですが、楽天その他ショッピング大手に加盟してないいい品物を扱っている店がたくさんあります。たとえばこのごろはコーヒーは京都の前田コーヒーの「弁慶」がお気に入りですが、この店は楽天に加盟していません。しかしインターネットで簡単に購入できます。楽天やヤフーだけでなく自分で気に入る店を探すのも大事です。
デパートに行ってもなかなか目に付かないものが、カタログだと目について、結構おもしろいものがあります。たとえば水道の取っ手(water pivot)があります。陶器の中に金具が埋め込まれているタイプで、デザインが西欧風で操作がしやすいです(取り扱い店:伊吹物産)。また家の中、散歩など良く歩くので、靴下がすぐに破れて困りましたが、アメリカのソロパッズ製スポーツ用靴下(“Thorlos”)を買ったところ、ファッション性はありませんが、実用的には強く破れてほしいと思っても破れないのです。3足を毎日かわるがわる回し使いしますと半年は保ちます。色も褪せず、ゴムも弱りません。暖かくしかも通気性も良く夏冬共通で使っています。私はこれまでインターネットでアメリカから買っていましたが、最近国内で開業されたFootRevoは“Thorlos”の専門店で、値段もアメリカと比べてもそう高くなくまずまず手頃で何よりも品数が豊富なので、こちらで買っています。最近の国内の市販靴下から見るとずいぶん高いと思われるかも知れませんが、それだけのことはあるのです。
スポーツ用の品は機能的にできていて堅牢です。こういう考えからいずれは必要となると思ってチェコ製のLEKIの長さも調節できるトレッキングポールをソニーファミリークラブで扱っていたので買いました。スプリングが3個組み込まれています。株式会社キャラバン(Tel:03-3944-2231)が総販売元のようです。若々しいスポーツデザインですがいざとなれば杖としてこれを使う予定です。

輸入品はカタログに一時的に掲載されてすぐに姿を消すものが多く、後で買っておけばよかったと思っても手遅れになります。私の手持ちのものですと、西部ダイレクトで買ったドイツ製の電動スライサー、丸善からのアメリカ製のイニシアル入りの封筒と便箋、サントリーから買ったイギリス製のワインのコルク栓開け、などです。最近もソニー・ファミリー・クラブのポルトガル製ビッグタオル、サントリーショッピングのイタリヤ製のワイングラス、スイス製のワインの栓抜きなど、使い心地も上々ですが、これなども直に姿を消してしまいました。もっとも、これらもしかるべきルートでいつでも手に入るのでしょうが、通販カタログからは姿を消していくのです。また、家事を始めた頃は、家計の目途もはっきりしなかったので、1万円くらいの品物を通販で良く買いましたが、次第に”値は値”だなと分かってきました。冬、日常愛用しているNiffi社の不染ウエルズ産ウールセーターはとても暖かく、ブルゾンを着ないままでも外出できるほどです。耐久性もあります。155ポンドですが、高いとは思いません。インターネットで直接注文できます。あるいはまた、マイセンの磁器など高いのですが、手描きのデザインと重厚な石のような感触は他の陶磁器になかなか見られないもので、愛用しています。子供が小さい内は上等のものを日常使うのも割られる心配があって使えませんが、この年になるとその心配もなくなり、日常に使えるのも老年の楽しみかも知れません。“この器を使っている喫茶店などまずあるまい”と密かに贅沢な満足感を覚えながら、気に入ったコーヒーを飲むのも悪くありません。2,3年前気に入って買ったのはアメリカの スミソニアン博物館でカタログ販売しているロシアのロモノソフ陶器製作所製のコーヒー茶碗です。陶器と思われ、高級ではなく値段も高くありません。デザインはいくつかあるようですが、入手したものは何より嬉しいのはそのコバルトブルーの素朴な美しさと、茶碗の口の形が丸くなくて四角めいていてコーヒーが呑みやすいことです。取手もよく指にフィットします。デザインも一部は押し型を使っていますが、大体は手描きで、何となく人間の息吹が感じられるのです。ロシアのものがアメリカから買えるのも面白いでしょう。相対的には今、ロシアのものは安価で、しかも細工に人の温かみがあるのかも知れません。以上のようにいろいろの店の通信販売を利用していますが、総評としてはソニーファミリークラブの取扱品はどれも品質が優れているようです。ソニーから買った前原光栄商店製の大型洋傘(18,000円)も骨に炭素繊維を使っていて軽く、防水も非常に良く、もう何年も使っていますが、相当な大降りの時でも全く雨漏りはしないのです。前原光栄商店は最近は自分のところでもインターネット通販しています。別注ができ通常の鉄骨を炭素骨にしてもらうこともできます。傘地・持ち手など自由に選んで注文できます。前原自身「一生道具」というだけあって耐久性があり、こういう品は値段が張っても価格以上の快適さをもたらしますから、高いとは思いません。雨傘としてはヌレンザも振るだけでさっと水気が切れます。高島屋のショッピングで購入しました。

USMMFの運用報告書には次のような文章が見られるのです。アメリカの市況について「輸入品を含む商品価格の低下とインターネット・ショッピングの急増がインフレ水準を低く保つ要因となるでしょう」。ヨーロッパでも2002年の電子商取引は334億ドルでしたが2003年は607億ドルさらに2006年には2434億ドルに達すると調査会社eMarketerは報告しています。1999年朝のNHKワールドレポートに拠りますとアメリカではもはや歯ブラシから自動車に至るまでインターネットショッピングが使われ、店での直接取引よりも提示価格は安く納入期日まで指定できると言うことです。日本でもインターネットショッピングは安いという感じがしてきました。消費税分を値引きするところもありますし、必需品は多量に購入すると送料がかからないのが普通です。今後ますます急速に発達し、競争で遠からず値段もますます安くなるでしょう。アメリカでも年現在、最近の不況にもかかわらず、ネットショッピングは好況が続いています。まだ欲しい輸入品を扱っている店が少なく、直接外国へ注文することも多いです。個人が使用する程度の量ですと関税もかからず、まして日本の消費税はかかりません。アメリカからの運賃も日本の運賃に比べると格安ですね。いま考えていること 46(2000年05月)―勘―もご覧ください。

話をもとに戻しますが、家具の類は結局、高価でも良い材料を使っているものは、使っていても狂いがなく、イライラしなくて済みます。満足して使えるものは、値段が高くても精神的には高価という気がしません。私宅の夜具入れと水屋は昭和の初め父が結婚の時に買った物ですからもう80年も経っています。近頃の家具は大抵ベニヤですが、80年前のものは木材そのものを使っていますからしっかりしています。温かみがあります。比較的近頃に買ったインドネシア製のカップケースはチーク材を使っていて、ベニヤと違った重厚さがあります。値段もそんなに高くありません。東南アジア製家具がブームのようですが、ベニヤにない重厚さと価格の安さが理由でしょう。最近のガス器具は昔に比べて相対的には安いのですが、材料が悪くなっていて耐久性という点では劣ります。30年ほど前に家内が買ったガスオーブンは頑丈で今もよく使いますが、最近器具点検にきたガス会社の人自身が、これと同じ材料で作ろうとすると、とても今の売値ではできません。今のものは7年くらい使えれば良いという設計ですといっています。資源保護の見地からは嘆かわしいことです。外見だけでなく実質を吟味して購入しましょう。満足できるものは高価でも結局高くありません。調理器具の優れものの例は料理のところに紹介しておきました。

電気器具は量販店で比較的安く売っていますが、私は電気工事にも確かな普通の一軒の特定の店から買うようにしています。少し高価なエアコンを何年も前に入れましたが、200ボルトで動きます。能力は暖房6.7kw,冷房4.5kwですが、室温の微妙なコントロールに威力を発揮しています。今後老人に恐らく必要になる電磁調理器は200ボルトですし、この機会に引いてもらいました。冷凍冷蔵庫は出入りの電気屋の親父が“年寄り世帯で人数も少ないので小さい冷蔵庫でよいと思われるかも知れませんが、だんだん買い物に行くのもおっくうになるので大きいのをすすめます”という言葉に乗ったのですが、親父の言うのも正解に思えます。大容量の455リットルですが、冷凍スペースにも充分余裕があり今年の正月、手作りのお煮染めの格納にも威力を発揮しました。洗濯機は三洋電機のドラム式洗濯乾燥機で、斜めから出し入れが出来、使い勝手は上々です。オゾンも発生していて仕上がりが前よりも白いようです。家内の介護の都合から梅雨でも洗濯乾燥は欠かせませんから、これまた威力を発揮しています。介護に必要な照明器具など、何か電気関係で必要になると、この店に一任して使用目的に最も適した器具を探してもらいます。こうしますと責任を持って店も動いてくれ、性能のよい品を設定してくれます。アフターサービスや電気関係の相談一切にも、一軒決まった店を持っていると安心です。対応の早さと相談料・安心料・探索料だと思えば少々高くても当然だと思っています。最近のものは省エネ設計で使用電気料金も以前よりむしろ安くなっています。ガス器具も信頼の置ける店に一任ですが、対応が早く、満足できる設定にこれまた少々高くても喜んでいます。こちらは社長自身が下見に来てくれますし、後のサービスも良いので少々高くても、大きいそろばんを弾けば決して高くないのです。

クレジットカードはVISAの付いたセゾンカードです。国内でも外国からでも、まずVISAがあれば十分です。高島屋がVISA年会費を負担してくれなくなったので、年会費無料のクレディセゾンに乗り換えました。昔はVISAとMASTER CARDさらにJCBも会費を払って持っていましたが、無駄なことでした。JCBはまず外国では使えません。クレジットカードは使い方を誤ると借りが込んで大変です。まして限度以上に買い物をしてカード会社から借り入れするようなことが起こると、高金利の借入になりますから十分用心が必要です。分割払いも一見便利ですが、ツイ気を許して買い越すかも知れません。私はよほど高価なものでない限り分割払いは使いません。一回払いです。何種類ものカードを作って借金を重ね、多重債務に破産する人もあります。カードも使い方が大事です。一種類だけにして普通に使えば大抵は精算が二、三ヶ月先には終わっていますから、計画をしっかり立てておれば、支払い月の収入を考えて、当月は苦しくて到底買えないものでも購入できます。これが私にとっては利点です。京都では、銀行のカードを使って現金なしで買い物ができるシステム(デビット)が導入されましたが、即座に引き落とされますから、私にとってはメリットはありません。現金を揃えて即金で支払うことに満足感を覚える凡人なのです。


最近の経験を一つ:
昨日散歩から帰った時、表の鍵が空転して遂に戸を開けることが出来ず、やむなく塀を乗り越えて庭に入り、内側から鍵を開けました。修理を試みましたが鍵ももう長く使っていますから少し摩耗しているようなのでこの際交換しようと思い、NTTのイェロウページで鍵の修理をしてくれる店を調べたのですが、何軒もあり、いまいち内容がわからなかったのでインターネットGoogleで「鍵 京都」と入れて検索しましたら、ホームページに修理費、鍵の種類について詳しく載せているところがありました。ACEレスキュー24(鍵屋)ですが、約束した時間にきてくれ3種類の鍵を見せて詳しく説明してくれました。合い鍵もすぐに必要な個数作ってくれ、おまけにホームページについていたアンケート用紙に記入して渡すと1,000円快く割り引いてくれました。お勧め出来ます。鍵も毎日使うのでやはり高くてもしっかりしたものを買っておきましょう。  

HOME