京の晩夏

 五山の送り火   写真をクリックすると、拡大写真のページにジャンプします。
「お精霊(しょうらい)さんが、ほら、帰(い)なはんのえー。」五山の送り火に京の町衆は、手を合わせます。
鳥居形
鳥居
左大文字
左大文字
船形
舟形
妙法
妙法
大文字
大文字
 8月16日、京の夜空に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」と、相前後して松明の火で文字が描かれる壮大なページェントです。虚空を行く霊を、天に届かんばかりに燃えさかる五山の火とともに送ります。
 五山の火を守るため、学生ボランティアなど多くの人々が奉仕されました。おかげさまで五山の送り火を今年も楽しむ事が出来ました。感謝とともに胸が熱くなる思いです。
 夏の夜空につつまれ送り火に清められ、心の静寂をとりもどすことができました。
 燃え盛る送り火の鮮やかさ、そして、ポツンポツンと欠けていく火の文字。涼風とともに、はかなさと季節のうつろいを感じる宵でした。
 上七軒
「今日も暑おしたな。お疲れさんどす!さあさあ、冷たいビールをグウーとやっておくれやす。」
 「はっとする美しさ」を上七軒の梅若さんの表情の中に感じ、思わず見とれてしまいました。

清らかに咲いた花・どこか頼りなげで愛らしい花

 いつか美術館で観た黒田清輝の「湖畔」を思い出しました。
しゃんとした姿が鶴のように美しい梅嘉さんは、気品溢れる芸妓さんです。
 優しい心くばりが感じられる仕草や会話に、同性の私もうっとりしてしまいます。
 地蔵盆
 夏休みの終わりに、子供たちがとっても楽しみにしている「地蔵盆」がおこなわれます。
 京の小路のいたるところに、可愛いちっちゃなお社がありお花が絶やされることなく供えられています。これらのお地蔵さんのまえに座をこしらえ、美味しいお菓子をたっぷりもらって、みんなで遊びに遊ぶんです。「戯れせんとや生まれけん。遊びをせんとや生まれけん・・・・・。」 
 
赤ちゃんが生まれると、その子の名を書いたよだれ掛けと提灯を町内のお地蔵さんにお供えし、健やかな成長を祈ります。
 最近は、京の町でも少子化の影響でかわいい歓声が小路から聞こえてくることが稀になりました。地蔵盆は,年々寂しくなるばかりです。 

室町 無学寺にて

はんこやさんの仲良し兄妹
 今日は、里帰りでおばあちゃんの家にやって来たお孫さんたちも大勢加わり、仲良く楽しく遊ぶんです。
 さあ、数珠回しです!
 和尚さんがお地蔵さんにお祈りしている間中、皆で輪になり大きな数珠を回します。数珠の房が自分に回って来たら、両手でありがたくかかげ、ペコンとお辞儀をし
 「元気ですくすくとおおきゅうなれますよう」と祈るのです。
「あんたようころぶさかい、しっかりお祈りしなはれ。おなかこわさへんよう。」
 子供は,社会の宝物。未来につながる希望です。
 どうぞ多くの人たちに愛され守られて、のびやかに成長していけますよう・・・。

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