震災後充実された専門家派遣
神戸市においては、 震災前から専門家派遣の制度があり(「神戸市まちづくり条例」)、 この流れをふまえ、 震災後95年(平成7年)7月にこうべまちづくりセンター内に、 「こうべすまい・まちづくり人材センター」が設立され、 専門家派遣が一元的に行われるようになった。 神戸市以外の被災都市においても、 兵庫県都市整備公社内に「ひょうご都市づくりセンター」が95年(平成7年)9月に設立され、 被災地全体の専門家派遣制度ができあがった。
専門家派遣の主な内容は、 (1)まちづくり計画、 (2)被災住宅等の共同化・協調化計画、 (3)被災マンションの再建計画、 他である。 派遣される専門家は、 まちづくりコンサルタント/プランナーや建築家が中心ではあるが、 復興まちづくりの複雑化・多様化にともない、 弁護士、 司法書士、 大学教員、 ランドスケープアーキテクト、 などの専門家の派遣が行われている。 また、 これら専門家派遣の財源は、 震災後設立された「阪神・淡路大震災復興基金」によっている。
専門家派遣の果たしてきた役割と課題
専門家派遣制度によって、 専門家の“仕事”としての場が与えられると同時に、 住民にとっても専門家の支援が基本的に無償で受けられることになり、 お互いに“ありがたい”制度となっており、 復興市民まちづくりを推進していくための不可欠な制度となっている。
今後の課題としては、 復興基金による制度の期間延長や、 基金以外の財源確保によって定着した制度として安定化を図っていくこと、 などが求められている。