ホーム | 医療 | 高齢者福祉 | 芸術,哲学 | 京都伏見・宇治 |
随想 | シュワィツァ−・緒方洪庵 | ギャラリ | 検索リンク集 |
人工授精
授精を目的として,精液を女性性管内(腟,子宮頚管,子宮腔など)に,人工的に注入することをいう。
注入精液の提供者の違いにより,配偶者間人工授精(AIH)と非配偶者間人工授精(AID)とに区別される。
乏精子症や精子無力症などの精子異常や逆行性射精,性交障害,精子頚管粘液不適合,
原因不明不妊また伴性遺伝性疾患回避のための男女産み分けなどがAIHの適応となり,
無精子症などの絶対的男性不妊,夫側に重篤な遺伝性疾患があるなどの場合にはAIDの適応となる。
推定排卵日に,新鮮精液を0.5 mL程度子宮腔内に注入するのが一般的な方法であるが,
最近ではフィコール法,パーコール法などによる洗浄濃縮精子, swim‐up法により選別された運動良好精子や,
AIDの場合,凍結保存精子なども使用されている。
副作用として,出血,疼痛,感染の3点に注意する必要がある。
なお畜産の分野でも,人工授精は産業的見地から重要な技術の一つであり,
ウシ,ウマ,ブタ,ヒツジ,ヤギなどに対し,優良品種の凍結保存精子を用いた人工授精が,
家畜繁殖に応用されている。