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介護保険
保険料を徴収して高齢者に介護サービスを提供する新たな社会保険制度。
高齢化の進展に伴い,要介護高齢者も急激に増加し,介護は老後を脅かす重大な問題となってきた。
このために簡易保険やその他の民間保険でも介護を保険リスクとして種々の私的保険を売り出しているが,
国も介護問題を深刻な国民的課題として捉え,このために介護の社会化を軸とする介護システムの構築が必要であるとして,
その一環として公的介護保険構想を明らかにし,1997年12月に介護保険法を制定した。
ドイツでは約20年余りの論議を経て,1995年に介護保険制度が創設され,同年4月に在宅サービス,
96年7月に施設サービスの給付が開始されている。
日本の介護保険法は,加齢に伴って生じる心身上の変化に起因する疾病等により介護を要する者が,
その能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう,
必要な保健サービスおよび福祉サービスに係る給付を行い,
国民の保健医療の向上および福祉の増進を図ることを目的として制定されている。
そして,保険給付は,介護の必要な状態の軽減,悪化防止,またその予防に資するとともに
医療との連携を配慮して,また被保険者の選択に基づき,適切な保健医療サービスおよび福祉サービスが,
多様な事業者または施設から,総合的かつ効率的に提供されるように配慮して行われなければならないこと,
また保険給付の内容および水準は可能なかぎり,
その居宅にいてその有する能力に応じ自立した生活を営むことができるよう配慮して行われなければならないこと,
が規定されている。
保険者は市町村(特別区を含む)で,被保険者としては,
第1号被保険者を65歳以上の者とし,要介護状態になると給付を受けることになる。
また第2号被保険者は40歳以上65歳未満の者で,加齢に伴って生ずる疾病により要介護状態になった場合に給付を受ける。
保険料は第1号被保険者の場合,年金等から差し引かれる形で徴収されるが,
第2号被保険者では,医療保険に上乗せして徴収する。
被用者保険では半額は使用者負担で,国民健康保険の場合の半額は国が負担することとしている。
介護給付に要する費用は,
1割の自己負担(自己負担が高額の場合は医療保険と同じように高額介護サービス費が給付される)の残りを,
公費と保険料で1/2ずつ負担することとなっている。
公費の負担割合は,国2,都道府県1,市町村1(総給付費のそれぞれ25%,12.5%,12.5%)である。
介護給付を受けるためには,市町村の介護認定審査会によって,
要介護者であること,および要介護状態区分(虚弱等の要支援者を対象とするものから,
状態に応じて要介護度 V までの6段階)の認定が必要となる。
そしてこの要介護度に応じて介護給付額が決定される。
保険給付は介護給付,予防給付,
市町村特別給付(要介護状態の軽減や予防のために保険給付市町村が条例で定めた給付)に分かれ,
介護給付に居宅介護サービスと施設介護サービス(生活介護施設,保健介護施設,介護療養型医療施設)がある
居宅介護サービスには12種類のサービスの他に介護計画(ケアプラン)作成が含まれる。
なお,貧困等の理由で介護保険に加入することのできない者に対して,
生活保護法による介護扶助制度の新設が行われることになっている。