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O157


下痢原性のある大腸菌群の一つで,

血便を主とする出血性大腸炎hemorrhagic colitisを引き起こすことから名づけられた菌名。

血清型ではO157:H 7のものが多いが,O 26, O 111, O 145なども知られている。

1982年アメリカでのハンバーガー食中毒事例を契機に発見された。

わが国では1996年7月に大阪堺市を中心に約6,000人に及ぶO 157の感染が発生し,

世界でも例をみない規模で流行した。

この事例を契機に本菌の感染症は指定伝染病に指定された(1996年8月)。

病原因子としてリボソームRNAからアデニンを切り出すRNAN‐グリコシダーゼ活性を有する

ベロ毒素verotoxin(VTあるいはSTと略称される)を産生するため,結果的にタンパク合成阻害が起こり,

腸管上皮細胞が死滅し,血便が生じると考えられている。

ベロ毒素産生性大腸菌VT‐producing E. coli(VTEC);(ST‐producing E.coli(STEC))と呼ばれることもある。

VTにはVT 1とVT 2の互いに類似(約55%の相同性)した2種類の亜型と

その変異体variantと考えられる毒素が知られている。

なお,VT 1はShigella dysenteriaeが産生する志賀毒素Shiga toxin(→赤痢菌属)と同一である。

VTは1個のサブユニットと5個のBサブユニットからなり,後者はレセプター(グロポトリオースセラミド)に結合し

,Aは毒性(RNAN‐グリコシダーゼ活性)を有する。

致死性の合併症として溶血性尿毒症症候群hemolytic uremic syndrome(HUS)や

血栓性血小板減少性紫斑病thromboticthrombocytopenic purpura(TTP)が知られ,

VTの関与が考えられている。

なお,本菌が腸管内にとどまるための定着因子(AE付着)も病原因子と考えられている。


   
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