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デボラ(Deborah)

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 「女王蜂」の意。母権制社会のイスラエルの統治者。この統治者の名前は「けがれなき母親蜂」としてミュケナイやアナトリアの初期統治者に化身した女神と同じ名前である[1]。デボラは同じくデボラという名前を持つ聖なる椰子の樹の下に住んだ。そしてヒフムxikum(イシュタルの樹)と同様、母なる「生命の樹」と同一視された。聖書ではデボラは「女予言者」あるいは「士師」と呼ばれているが、そのために、デボラが昔の支配者である女族長のひとりであったことが隠されてしまった(『士師記』第4章 4節)。

 デボラは他にヤエルJaelという名前でも呼ばれた。ヤエルとは「女神ヤー」の意味で、おそらく、父権制社会のペルシア人たちが娼婦ヤヒJahi the Whore(ヤハウェが女性であったころの昔の名前)と呼んでいた女神と同じ女神であったと思われる[2]


[画像出典]
Deborah, the Prophetess

[1]Sobol, 138 ; Neumann, G. M., 267.
[2]Albright, 23.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)