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レートー(Lhtwv)

 ギリシア神話で、太陽と(アポッローンアルテミス)の母親。レートーは、東方における豊穣の女神ラトLatのギリシア版だった。ラトは、イタリアにおける彼女の領土、すなわちローマ以前のラティウムでは、ラトナあるいは「女王ラト」と呼ばれていた[1]。レートーに関するギリシア神話の記述は混乱していた。彼女は、(アルテミス)の母親であると同時に、(ポイぺ)の娘だった。その上さらに、「天界の父神」ゼウスによって受胎させられた人間の「処女母(virgin mother)」であると誤伝されていた。


[1]Graves, G. M. 1, 57.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



 レートーは、エジプトやパレスティナではラトという名で現れ、ローマではラトーナLatona(「女王ラト」)になる。これはレーダーと同一である。レーダーLhvdaはリュキア語で(ということはクレータ語で)「婦人」の意味だと云われる。(グレイヴズ、p.86、p.298)