「月の王」を意味し、ホメーロスのトロイ物語における月の王女へレネーの夫。神々は、彼がヘレネーを妻にしたため不死となるだろうと告げた[1]。ヘレネーを失ったとき、メネラーオスは不死性と財産をともに剥奪された。
Helen of Troy.
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)
スパルタの王。メネラーオスという名前の語源を「月の王」とするバーバラ・ウォーカーの所説は信用しがたい。
彼はエーリュシオンでの楽しい生活を約束されていたが(『オデュッセイア』561)、それは、彼がとくに善人であったとか勇気にとんでいたというのではなくて、スパルタの月の女神に仕える巫女ヘレネーと結婚していたという、ただそれだけの理由による。エーリュシオンでの喜びにみちた生活をつづけることは、常に聖王の特権だった。(グレイヴズ、p.181)