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ペンテシレイア(Penqesivleia)

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 「男を悲しませる者」を意味し、トロイ戦争のとき、戦場でアキッレウスに殺されたアマゾーン女人族の女王。一説には彼女は最初アキッレウスを斃したが、ゼウスが彼を甦らせという。各種の資料が、彼女の死に際に、アキッレウスがその死体を犯したことを認めている。いくつかの物語によると、彼女はをえぐり取られ、片足を持って引きずられ、川に投げ込まれた。他の物語では、彼女は丁重に扱われて、偉大なる英雄としての栄誉をもって葬られたと言う[1]。


[1]Graves, G. M. 2, 313.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



 アマゾーン女人族の女王。
 ヘクトールの死後、アマゾーン女人族を率いてトロイアに来援した。ペンテシレイアはマカーオーンをはじめ、多くの者を討ち取ったが、ついにアキッレウスに右乳を刺されて斃れた。アキッレウスは死にぎわの女王の顔の美しさに感動し、女王の死を嘆いたのを、テルシーテースに嘲られ、怒って彼を殺し、その結果テルシーテースの親戚にあたるディオメーデースと争ったという。

 いくつかの資料が、アキッレウスは、ペンテシレイアを倒すとすぐに屍姦をやったと伝えている。ホメーロスは、アキッレウスがこうした屍姦をやったのは、女王の美しい死体を見て愛してしまったからだとしている。しかし、本当は、そうすることが、女王に復讐心を起こさせないまじないとなるからであった。ギリシア人は殺されたアマゾーン女人族の亡霊を恐れた。それで、ギリシア人はアマゾーン女人族を「美しき人々」と呼んで、神殿を建て、トロイ戦争後何百年も、その霊を慰めるために生贄を捧げた。pointアマゾーン


 画像は、ペンテシレイアを倒すアキレウス。
 前6世紀末の黒絵式壺、大英博物館所蔵。