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プリアモス(PrivamoV)

 「あがなわれし者」を意味し、ホメーロスの語るトロイの王で、ヘカベー(へカテー)の姿をとった母神と結婚した。一説にはトロイの聖なる呪物であるパッラディオンは、男根の形をしたプリアモスの笏であるという。他の説では、パッラディオンは女性のシンボルであったという。おそらく聖なる結婚を表す男根と女陰の2つの部分を持ったものであったと思われる。


[1]Dumézil, 323.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



 プリアモスには五十人の息子があったが、そのうちの十九人は嫡出だった。このことは、トロイアにおいては王の統治期間がクレータやアルカディアにおけるように、王と後継者によって分担される太陰月百カの周期ではなく、十九年のメトーン〔アテーナイの天文学者、前四三三年〕周期だったことを示唆している。プリアモス王の十二人の娘たちは、おそらく々の守護者だったのであろう。(グレイヴズ、p.866)