8つのタイポロジー 整形/明快な境界/路上占用なし
整形/明快な境界/路上占用あり
整形/曖昧な境界/路上占用なし
人一人がようやく通れるようなところを残して、 私的な色々なものが道に出てきています。 尾道の土堂の1丁目、 2丁目あたりの路地と比べると、 空間的なゆとりがかなり大きくて、 こういった色々なものが出てくる余地があります。
整形/曖昧な境界/路上占用あり
右は香港の旺角です。 やはり同じように、 商店街の地先利用に加え、 さらに道路側に屋台が出てきて、 全部で4列の店が並んでいます。
不整形/明快な境界/路上占用なし
左はギリシャのミコノスです。 道の形は不整形な形になっています。 このグループでは、 道は不整形ですが公私が非常にはっきりしています。 路上の占用もありません。
右は、 イタリアの山岳都市の一つのウルビーノです。 先ほどの井口さんのスライドにもありましたが、 公私のエッジがきちんとしていて、 ここに色々なものが出てくるという形ではありません。 境界が曖昧なグループに比べますと、 非常にコントラストの強いあり方になっています。
不整形/明快な境界/路上占用あり
左がネパールのキルティプル(Kirtipur)というカトマンドゥのとなりにある街です。 お米を干していたり、 洗い物をするという色々なアクティビティが出てきていますので、 路上占用ありというグループに入れています。
右は、 香港の上環です。 香港の場合、 街は基本的にはきちんとしたグリットにのっているのですが、 色々な屋台が道に出てくることによって、 結果的に通路が不整形になってごちゃごちゃしていくという例です。 ここに出てきている屋台は建物側の商店とは全く関係のない主体がやっています。
不整形/曖昧な境界/路上占用なし
右は東京の向島の京島3丁目というところです。 どこからが道で、 どこからが私なのか分からなくなっていて、 路上にも私的なものが出てきています。 しかし、 第三者が路上で何かするということはありません。
右は渋谷のスペイン坂です。 路上に商品が並べられたりしたり、 商店の開口が非常にオープンでいつのまにか店の中に広がっていくような形で、 店と道との境界が曖昧な使い方がされています。
左は先ほどの台湾の基隆の莫斉宮という廟の前です。 道路であるのか、 あるいは廟の前の広場であるのか定かではありません。 廟の横に建物があって、 さらにその道側に屋台があって、 建物とは違う業種になっています。
右はカトマンドゥの目抜き通りのアサントーレ(Asan Tole)です。 ここは昔ヒマラヤ越えの道の一つであったところで、 まわりは古い商館が建っています。 現在は1階部分は商店になっていて、 さらにその前は露店が出ています。 空間形態は複雑な形をしていて、 公私の領域も曖昧です。
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