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  2009年8月23日(日)〜8月28日(金) 文化庁「国際文化交流派遣」参加報告
 
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2009年8月27日(木) シンガポール派遣 5日目 


 今日はシンガポール滞在の最終日で、午後からNJCでのコラボ曲の発表会を兼ねたコンサートがある日です。       11:00前にホテルのチェックアウトを済ませてホテルロビーに集合した部員たちはいよいよ目前に迫ったメイ ン公演の成功の決意を胸に順次バスに乗り込みました。 昨夜は顧問の部屋にリーダーたちが集まり、昨日のコラボ練習で上手くいかなかった部分を手直ししました。 バスの中で曲のリーダーから部員たちにその変更点が告げられ、それをもとに全員で声を上げて、コラボ曲の 練習をしながら、NJCに向かいました。
 到着後、NJCのフードコートで各自、昼食を取りました。フードコートの壁には今日の和太鼓と古箏のコラボ 演奏会のポスターが掲示され、テレビのモニターで芥川高校和太鼓部の全国大会での演奏DVDが流されていま した。学校の中のフードコートの各店舗は家賃が安いため、メニューの値段も安くて、3ドル(約250円)も あれば十分に食事がとれます。
 食後に今日のコンサートの会場であるNJCホールで練習をしていると、予定より早く古箏クラブの生徒たち が衣装を着て現れました。和太鼓部の生徒たちも着替えのため、ステージを古箏クラブに譲り、その間に着 替えをしました。
 両者が衣装を着て舞台に出そろい、コンサートの直前までコラボ曲の調整が続きました。古箏クラブの生徒 たちは昨日とは代わって、大人びた衣装のためか、今日は顔つきもキリッとして自信に満ちた表情になって いました。ホールの外では太鼓を習いたいと申し出た7名のNJCの生徒たちも、短いソロ演奏ですが、何回も 何回も真剣に練習をしていました。部員たちはこの7名にも衣装を用意し、鉢巻きの材料も支援スタッフに お願いしてそろえてもらい、着付けをしました。7名は緊張の中にも嬉しそうな表情で、部員たちと「しっ かりやろう!」と硬い握手を交わしていました。
 コンサートは14:30から始まりました。NJCの生徒たちが300名ほど詰めかけ、ほぼ満席状態で照明のラ イトもあってか、場内は熱気で満たされました。コンサートのオープニングは、NJCのギター部のポピュラー ミュージック演奏が2曲あり、レベルの高い合奏に会場からかけ声や大きな拍手が起こりました。 そして和太鼓部の演奏です。今回も篠笛の演奏の中で会場がシーン静まりかえった中で、大太鼓がいきなり 「ドドーン!」と大音響を発する演出で始まりました。効果はてき面で、その瞬間、客席では「アッ!」と 思わず声を上げて口を押さえこむ女子生徒もおり、みんな大きな衝撃を受けていました。
 2曲の演奏の後、いよいよ「笑傲江湖(しょうごうこうこ)」の演奏です。箏と太鼓を左右に別々に配置 せず、10台の古箏を和太鼓が包む配置にし、日本とシンガポールの融合を表現しました。「笑傲江湖」 のドラマは、敵味方に分かれた武闘家どうしの友情と敵どうしの男女の愛情を描いています。シンガポー ルの学生たちはみんなこの「笑傲江湖」のメロディを知っており、両国の生徒たちがどう演奏するのか、 興味深げに聞いていました。
 コラボ曲「笑傲江湖」は古箏と篠笛のきれいなメロディで始まり、中盤では太鼓と津軽三味線が力強く闘争 を描き、最後は古箏と篠笛を中心にして太鼓群がそれをドラマチックに盛り上げて友情や愛情の素晴らしさ を表現しました。演奏が終わった瞬間、客席から学生たちの歓声が聞こえ、割れんばかりの拍手が湧き上が りました。それは全員のお辞儀が終わるまで続きました。
 最後に和太鼓部が残りの3曲を演奏し、1時間にわたるコンサートは終わりました。客席の生徒たちは和 太鼓の演奏から受けた衝撃を口々に話し合いながら、会場を出て行きました。両国の部員たちはコラボ曲 とコンサートの成功を祝い、握手したり、抱き合ったりして喜びました。
 その後、両国の生徒たちと関係者で、成功を祝う会が行われました。ワークショップやコラボの練習風景、 今終わったばかりのコンサートの画像などがスクリーンに次々と映し出されました。部員たちは、コラボ曲 練習の困難を乗り越えた今、湧き上がってくる達成感を感じながら画面を見ていました。
 NJCの交流担当の先生は挨拶の中で、両国の生徒たちの健闘を称え、和太鼓部顧問は、「今回のコラボ演奏の 取り組みは、ちょうど『笑傲江湖』のストーリーのように、目の前に立ちふさがる厚い壁を、国や立場の違い を超えて両国生徒が力を合わせて打ち破り、お互いの友情の絆や、愛情を育むことができた。その友情と愛情 をいつまでも持ち続けて欲しい。」と述べました。
 お互いにプレゼント交換をした後、帰国用の太鼓の梱包に入りました。NJCから空港に向けて出発する際、 太鼓のバチにみんなで寄せ書きをして、NJCの交流担当の先生と生徒の代表に渡しました。先生は「このバ チは一生大切に持っておきます。」と言ってくれました。  空港には19:00に着き、太鼓の税関検査を受け、チェックインカウンターまで運んだ後、空港内で食事 をして、11:00発のJAL機で帰国の途につきました。
8月28日(金):6日目
 飛行機は6:30に無事、関西空港に着陸し、入国審査の後、保護者の方が運転するトラックに積み込みました。 学校にはバスで9:10に到着し、校長室で解団式が行われました。校長先生の言葉の後、2年生、3年生が「多く を見学した時、初めて知った。しかし、シンガポールの人たちはとても優しくしてくれた。」、「現地では演 奏会の反応が良くて、元気をもらった。」、「コラボ練習で行き詰まった時、NJCの生徒が一生懸命に理解しよ うとしてくれたのが嬉しかった。」などの感想を述べました。
 東京の旅行会社の添乗員さんや最初から最後まで部員と行動をともにした企画会社のスタッフは「社会に出 て仕事をしていて感動することが少なくなったが、みなさんは私たちに感動をくれた。この経験を大切にし て欲しい。」、「和太鼓部の人間関係は家族のような不思議な感覚があった。」と言葉を下さいました。顧問 は「今回の交流派遣の成功は文化庁、旅行会社や企画会社のスタッフ、芥川高校の教員、部員が『チーム』を つくって、派遣事業成功に向けて各々がベストを出した結果だ。『チーム』は人生の至る所で結成される。今 回の経験を生かしてチームワークで壁を乗り越えて欲しい。そして今日、『チーム』はばらばらに散り、また 新たな『チーム』が結成され、その目標達成に向けて、各自がベストを尽くすだろう。」と結びました。そし て最後の記念写真を撮って『チーム』は解散しました。