━━エステイト 信の風通信 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇◆ 京町家、扱こうてます! ◆◇◆ ━京町家専門の不動産屋エステイト信の風通信メイルマガジン━゜・.★。・゜・*。:☆.*:・゜ Copyright(c) 2002, Estate-Shin。☆*゜・゜★・。・゜★。・* ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.1〜vol.10/vol.11〜vol.22/vol.23〜vol.32/vol.33〜vol.41/vol.42〜vol.50/vol.51〜vol.56/ ♪2005.2.4 立春号 vol.57/♪2005.2.18 雨水号 vol.58/♪2005.3.5 啓蟄号 vol.59/♪2005.3.20 立春号 vol.60/ ♪2005.4.5 清明号 vol.61/ ♪2005.4.20 穀雨号 vol.62/ ♪2005.5.5 立夏号 vol.63/ ♪2005.5.20 小満号 vol.64 ♪2005.2.4 立春号 vol.57 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・立春号をお届けします。大家(家主と店子(居住者)の関係は、ビジネスライクにいうと「賃貸人」と 「賃借人」なのですが、言い換えるとそれは「財産を貸して代価を得る人」と「他人の財産を管理・利用する人」となるのではないでしょうか? 両者の間に横たわっているのが家という少なからぬ財産であるだけに、ともす れば「(家を)貸してやっているのだから…」或いは「家賃を払っているのだから…」となりがちです。確かに昔々から大家と店子といえば犬猿の中とも言われ、嫁姑と同様、仲のよいのが珍しかったりするんですよね〜。うちの近所で三代にわたってもめているお宅もあります。幸い、うちで管理をさせてもらっている借家は、ほとんどの家で家主さんと 居住者はうまく行っており(お店のオープン時、家主さんからお祝い花が届いたり、ちょこちょこ買い物をしてくださったり…りです。家主と店子、うまく行く秘訣をひとつ。それぞれ、「(家を)借りてもろてる」、「貸してもらっている」と感謝しながら日々を送ることです。あっ!これって、夫婦とか嫁姑がうまく行く秘訣と同じかも…? ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 町家をお探しのみなさん! そこに何年くらい住まはるおつもりですか? ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「借家を探したい」と言うてご来店される転勤のあるサラリーマンや学生さんには、まず何年位その家で住むおつもりかお訊きすることにしています。定期借家契約の関係もあるにはあるのですが、お訊きする一番の理由は、改修費用の問題です。(京)町家にご入居いただく場合、ご自分たちで改修・改装が必要なことがままあるのですが、短期間しか住まれない場合、この費用がペイできないことが多いからです。例えば改装費用が100万円かかったとすると、10年(120ヶ月)住めば1月あたり8000円足らずの負担です。2年(24ヶ月)しか住まなければ一月あたり4万円ほどの負担となります。これが高いか否かは議論が分かれるところかもしれませんが、当店では、住む期間の予定がだいたい2、3年以下の場合、大改修を要する物件はお奨めしておりません。例外もありますが、一般的に家賃は、改修とのバランスで設定されていることが多いです*。つまり、要大改修のものほど賃料が抑えられているのです。 ひとつの例ですが、とある五軒長屋があり、そのうちの二軒が空き家となり貸しに出されていました。4.5畳3畳6畳と庭(約1.5坪)の一列三室の平屋です。二軒の家は前後して入居者が決まったのですが、東側の家は改修費用280万円で賃料4万2千円、西側は390万円の改修費用で賃料が2万6千円でした。さて、どちらがお得だと思われますか? 言い換えると、賃料を抑えたいと思うと、それなりに改修費用を負担する必要があるということにもなります。 ですから、比較的短期間しか住まれない場合はそれなりに家賃をお出しになる方向で考えられた方がよいかもしれない…ということになるわけで。例え、ビニールクロスやベニヤ板が貼ってあって風情の点で不本意でも、床下から水まわり、畳建具に至るまで改修することを思えば、ほどほどのところで心を納め、インテリアやエクステリアで好みや風情を演出するほうがよいと思います。 また、受け入れる側と申しますか、そのご近所のことを考えますと、そう短期間で転居されるのはあまり歓迎されることではありません。コミュニティという視点で考えるとお分かりいただきやすいかと思いますが、2、3年の居住では、一時的な滞在者としか見てもらえず、まるでお客さん状態のままかもしれません。いつ転居していくかもしれない転勤族とて同様です。学区のお役はおろか、お町内のお役も廻って来ることなしにサヨウナラとなってしまうかもしれません。お町内の立場で言うと、腰を据えてできるだけ永く住んで欲しいのです。誤解を恐れずに申し上げるなら、町家、特に京町家には短期入居者や転勤族は向きません。。。。。 それでも町家に住みたい!という方、一日も早く地域に馴染んでください! 短い間ではあるけれども、その間でできることは何か、一所懸命考えてください。そして、願わくば、その後もそこで暮らし続けられる方策はないか探ってみて欲しいのです(無理かな…)。 *もちろん、敷金・礼金も家賃をもとに算定されているので、家賃が低ければ敷金・礼金ともに低い金額となります。仲介手数料も同様です。 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 「消防団員募集中!」 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京町家でお商売をしている自営の方、20〜40代のあなた、消防団に入りませんか? 募集中です! ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 京ことば*ノート p.25 性格や性情を表すことば その5 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 性格や性情を表すことばのうち、今回はあんまりよい意味では使わないものを集めてみました(例外もあり・タ行)。 例1) ちっこい:ちいさい 例2)ちびっと:少し 例3)ちびる:すり減る・すりきれる 例4)ちめたい・ちべたい:冷たい 例5)ちょか:落ち着きのない人のこと・おせっかいやき 例6)ちょこざい:小ざかしい 例7)ちょろくさい:たやすい・弱い 例8)ちんまり:小さくこじんまりとした←よい意味で使う方が多いかも 例9)つうつう:風通しのよい様子・男女の仲ができている 例10)つけつけ:ずけずけ(ものを言う) 例11)つねぎ(常着)・洗い替え:普段着 例12)でっつい:桁外れに大きい・かなり大きい 例13)てんご:いたずら 例14)てんこもり:山盛り 例15)どえらい:大変な・途方もない 例16)どもならん(どもならず):どうしようもない(どうしようない人・手に負えない人) 例17)どやす:どなりつける 例18)どん:自分の鈍さを謙遜して使う[例文]えらいどんなことですんまへん。 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆編集後記 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 立春号、いかがでしたでしょうか。旧暦でいうと、2月9日(水)が新年正月となります。 新年行事にもいろいろありますが、新しい活力ある神を迎え、豊作や家族の幸福を祈願するのが新年の神事です。神道の考え方でいうと、「お年玉」というのは、新年の新しい神そのものを指し、さらには神へのお供えもの(神饌)を意味するようです。いわゆる「お年玉」は、そのお供えもののおさがり(撒撰)をいただき、神の霊力を賜るということになるとか。初詣と同様、お年玉も年初の神道行事の一つなのですね。 一般にお年玉は子どもを喜ばすためにあげるもの…と思われているようですが、実はあげる方にとっては厄払いなのです。あげるのは子どものみならず目下の若者や自分のところの従業員にあげるのも以前はごく普通のことでした。「物入りでやっかいな…」と思わず、せいぜい厄をはらって清々しい気持ちで新年をスタートさせませんか? ♪2005.2.18 雨水号 vol.58 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・雨水号をお届けします。 ちょいとややこしいのですが、ゆっくり読んでください。AさんとBさん、Cさんがいはるとします。AさんとBさんは友人で、AさんとCさんも友人ですがBさんとCさんは知り合いではありません。Cさんはうちのお客さまで、去年の秋に築70年ほどの京町家にご入居されました。 同じころBさんが築28年の中古住宅を購入されたのだそうです。そのお祝いを兼ねてAさんはBさんの家を訪ねた時、あまりの古さと薄汚れた感じにびっくりしたらしいのです。確かに今時の家は築後30年位で建て替えるのが前提ですから、それもむべないことと思います。さてAさんですが、「引っ越しをしたから遊びに来て〜」とCさんに誘われ、築70年と聞いてちょっとびびってしまわれました。築70年というと、B家の築年数の倍以上、それはお化け屋敷同然のあばら屋…?おそるおそる(恐々?)C宅を訪ねたAさん、「えーっ!ほんまに築70年やの〜?」。まさに目がテン(点)状態だったそうです。これはどういうことかと申しますと、今時の家は、建てた時が一番美しく、町家は年数を経るに従って美しさを増し、家として最もよいのは築100年〜200年の頃だとか。ま、もっともきちんと手入れをしていれば…というのが大前提なのですが。 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 歌い継ぐ人がいなくなれば無くなってしまう… 手作業の仕事が無くなれば仕事唄も無くなります ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「紙ふうせん」というフォークデュオをご存じでしょうか?1970年に赤い鳥でデビュー。代表曲は「翼をください」。1974年、赤い鳥を解散し紙ふうせんを結成。ミリオンセラー「冬が来る前に」のほか、身体障害者補助犬施行の応援歌「あなたの風になりたい」等でも親しまれております。 歌ふうせんは、いわゆる「伝承歌」にも注目されているそうですが、このデュオの片割れ、平山泰代さんによりますと… 歌は、歌い継ぐ人がいなくなれば無くなってしまう。手作業の仕事が無くなれば仕事唄も無くなります。なかには、土地の言葉が入って今はもう使われない言葉まわしもあって、一度聞いただけではわからない表現もあります。それを現代の言葉に置き換えてしまうんじゃなくて、説明を加えてそのまんま歌っています。・・・とのことです。 伝承歌と町家には共通項があるような気がします。また、相違点も。前者は、「歌い継ぐ人がいなくなれば無くなってしまう。手作業の仕事が無くなれば仕事唄も無くなります。」…町家もそこで暮らし商売をし続ける人が居なくなれば、荒居となりやがて朽ち果てます。町家を修繕できる大工さん等の職人の技術も失われていきます。後者は、「今はもう使われない言葉まわしもあって、一度聞いただけではわからない表現もあります。それを現代の言葉に置き換えてしまうんじゃなくて…」ではないでしょうか…。 確かに、町家も、昔のままの姿で、更にはソフト面もしきたりをまもってきっちりと暮らしておられる方もないわけではありません。加えて、昨今の町家ブームによって若い世代に町家のよさが見直され、昔の元の姿に戻すような改装がなされる場合もないわけではありません。しかし、多くは、経済的な問題や京都の冬の辛さ、生活上の不便さからいわば文化住宅のごとき改装がなされていることも少なくありません。このことに対して今、わたしは「そんなことすれば町家の風情をだいなしにしてしまう、もってのほかだ!」とは言えないのです。むしろ、それもありかな…と思っています。 ある面、歌と違って家は人々の生活の変化に寄り添うように姿を変えるものだと思います。家がどんなに旧くても、そこに今生きている人は過去の遺物(人)ではなく、現代の人だからです。家と同じように明治初中期や江戸時代の人が暮らしているのではないからです。からだが辛いのを我慢してまで通りにわを守り通す必要はないのです。家の構造のために車椅子をあきらめる…なんて、本末転倒も甚だしい話です。 これは、わたくしどもの反省でもあるのですが、町家が物件として出たとき、流しがあげ間の東京だいどこになっていたりビニールクロスやベニヤ板が貼られているとがっかりしたりします。でも、その方が有難いっていう方も少なくないはずです(もっとも、床があがっているかどうかはともかく、壁については別の次元の問題なのかもしれませんが…ビニールクロスが大好き!って人は僅少でしょうね。壁の改修に関しては経済面が大きいと思います)。 これからの課題として、高齢者やからだの不自由な方も愉しいと思える町家のスタイルを考えていかんとあかんと思っています。町家のよさを壊すことなく、かつ現代の暮らしに貢献できる町家の改修・改装について…。 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 京ことば*ノート p.26 性格や性情を表すことば その6 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 性格や性情を表すことばのうち、今回はあんまりよい意味では使わないものを集めてみました(例外もあり・ナ行)。 例1)なきめそ:泣き虫 例2)なぶる:いじる 例3)なまくら:だらしがなく不精。のたりくたりしている 例4)なまくらな味:味にしまりがないこと。茫洋とした味 例5)なんぎ(難儀)な:面倒な。戸惑った。困った。 使用例)難儀なこっちゃなぁ。難儀やなぁ・・・。 例6)にじくる:なすりつける。「にしくる」とも 例7)ねきもん:年期もの。売れ残り品 例8)ねっから:もともと 例9)ねちこい:執拗な。しつこい 例10)残りもん:余って(残って)いるもの。残飯 例11)のつこつ:もてあましている状態。 使用例)お肉がのつこつして呑み込めない。 例12)のんどり:ゆったり。のんびり ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆編集後記 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 雨水号、いかがでしたでしょうか。地球温暖化防止のため、先進国にCO2など温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書が、日本時間の2月16日午後2時に発効しました。議定書は、1997年に岩倉の国立京都国際会館で開かれた国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で採択されました。 企業からの排出、自動車や照明・動力、電気製品などからの排出を削減するとともに森林の管理も重要であるといわれています。確かに、上記のようなこともないがしろにできない問題であると思いますが、見方をかえてみると、「地産地消*」をもっと推し進めることで削減できることもあるのでないでしょうか? この方がずっとポジティブシンキングだと思いますが…。現代の日本人は、輸入食材や他国の料理よりも、もっともっと日本の伝統的な食文化の継承をはかるべき…と、考えます。ところで、みなさん、“ぬた(京都では「おてっぱい」といいます)”食べたはりますか? *地産地消とは、「地域で生産された物を地域で消費しよう」という以前からある考え方で、食べ物への安心の確保という面からも着目されているます。 ♪2005.3.5 啓蟄号 vol.59 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・啓蟄号をお届けします。 町家にご入居される方の中には「着物好き」という方も少なくありません。昨年の夏、西陣のとある町家に入られたNさん(♀)。仕事に出る時以外はずっと「おべべ(着物)」というくらいの着物好き。その暮らしぶりは町家住人になっても変わらず…というよりむしろ水を得た魚のよう。朝、着物姿で家の表を掃除(門掃き-かどはき-といいます)することが近所の人の目に留まり、「えぇねえ、うちらも前はべべ着とったんやけど…」から始まって、輪が拡がり、本年早々のお町内の婦人部のお食事会は全員着物を着て…となったのだそうです。さぞや和気藹々なごやかなひとときとなったことでしょう! とても自然な形でお町内に溶け込まれているNさん、うれしいメイルをありがとうございました! ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 「身土不二」という言葉をご存知でしょうか… 日本人の暮らしの原点を見つめなおしてみませんか… ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先号(2004.2.18 雨水号 vol.58)の編集後記で、地球温暖化防止のための温室効果ガスの排出削減云々の話で、「地産地消」をもっと推し進めることの方がずっとポジティブシンキングだと思う…と、書きました。 「地産地消」とは、特に農林水産業の分野でよく使われる言葉で、「地元生産−地元消費」を略したものです。つまり、「地元で生産されたものを地元で消費する」ということ。最近は「スローフード*」という言葉とともに時折マスメディアでも取り上げられたりしていますから、耳にされた方も多いでしょう。 これとよく似た意味合いで用いられるのが、韓国や中国で古くから言われている「身土不二(しんどふじ)」という言葉です。これは、「身体(心)と土とは一つであり、二つに分けることはできない。全ての生き物は土から生まれた。自分の身のまわり(三里四方、四里四方)で育ったものを食べ、生活するのが健康にもよく、おいいしくいただける…とする考え方」です。「身土不二」が文献として最初に登場するのは、中国の仏教書「廬山蓮宗寶鑑」(ろざんれんしゅうほうかん、1305年)で、仏教界では「しんどふに」と読むそうです。 考えてみれば、「身土不二」は食べ物ばかりの話ではないような気がしませんか? たとえば織物。沖縄には沖縄の気候風土に合うた風通しのよい織物があります。代表的なものは芭蕉布。これは、糸芭蕉(食用のバナナの木の親戚)という植物の繊維で作られるのですが、肌にべとつかず、軽くてさらりとした風合いはまさに南国の宝物、夏着尺として珍重されています。 同じ植物の繊維を利用する織物でも「小千谷縮み」は、苧麻(ちょま…別名:カラムシ)という上質の麻で織られ、できあがった反物は地を白くするために雪の上でさらされます(「雪さらし」という)。これが叶うのは雪深い新潟・小千谷の地であればこそ。この雪さらしのお蔭であの独特のしぼが生まれるのだそうです。 例をもう一つ。うちの妻が以前、岐阜の桐箪笥屋さんに友人と遊びに行ったときのこと。その当時、誰と結婚する予定もなかったにもかかわらず「わたしも桐の箪笥ほしいなぁ…」と言うと、そこの小父さんにこんこんと説教されたのだとか。「桐の箪笥作るなら、どこに嫁に行くか決まってからにしなさい」と。一生嫁すことがないかもしれないから?・・・否。そうではなくて、「嫁に行く場所が決まらんと、どこの桐を使って箪笥を作ればよいか決まらない」から。住む家の30km四方以内の桐材を使って作ると箪笥のもちがよく仕舞う着物にもためがよいというお話だったそうです。 わたしは不動産屋なので、すぐに建物のことに思いを至らせるのですが、近頃の家は木造建築というても輸入材や用いたものが何と多いことか!京都のこの蒸し風呂のような夏に、カナダの冷涼な気候のもとに育った針葉樹がどのような反応をするのか、また、底冷えの厳しい寒中に熱帯雨林の柔らかい材がどのように耐えうるのか、想像してみるまでもありません。 京都は日本で一番、寒暖の差が大きく、高湿度の地域だそうです。ひょっとすると世界で一番過酷な気候かもしれません。そんな中で、かの兼好法師も言うたはるように、京町家は夏、涼しきように…できております(ただし、その分、冬はとても寒いです)。人間は暑いだの寒いだの風邪をひいただの…あれこれ言うばかりですが、家はただ黙ってこらえて、そして300年も持ち堪えるのです。 それもこれも、それこそ双葉のときからその地域の気候の中で大きくなった近在の材木だからこそ、のものではないかと思います。その柱の、梁の材木の中のDNAに組み込まれた遠い記憶のようなものも作用しているのかもしれません。。。 ともすれば効率やコスト優先の現代社会ですが、「身土不二」というのは日本人の暮らしの原点ではないかと思います。 *「スローフード運動」とは、世界の食生活をほとんど支配したファストフードに対抗するようにイタリアの小さな村で生まれた運動です。1986年に始まり、1989年に協会を設立しました。「スローフード宣言」というのを発表し、現在、世界中7万人以上の会員がいるとか。食べる喜びを権利として求めること、味の画一化や食物の同質化に対抗し伝統を守ること、動植物の多くの種を救うこと、味覚教育を行うこと、がスローフードの活動です。 「スローフード宣言」:以下の3つの指針を掲げる。 1. 消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、ワイン(酒)を守る。 2. 質のよい素材を提供する小生産者を守る。 3. 子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 京ことば*ノート p.27 性格や性情を表すことば その7 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 性格や性情を表すことばのうち、今回はどちらかというとよい意味で使うものを集めてみました(例外もあり・タ行)。 例1)だいじおへん:たいしたことありません。 例2)だいじおまへん:「だいじおへん」の丁寧な言い方 例3)だだがらい:ただただ塩辛い 例4)たとむ:(洗濯物などを)たたむ 例5)たらす:口説く。なだめる。 使用例)飴でも買(こ)うて子どもたらそか…い。 例6)だんない:構わない。心配ない。「大事ない」の撥音化したもの 例7)ちんと…:きちんと… 使用例)「ちんと坐りなさいね」 例8)ちんまり:こぢんまり 例9)つくぼらせる:しゃがませる 例10)つけつけ:ずけずけ 例11)つろくする:釣り合いがよい。調和している。 例12)つろくする:釣り合いがよい。調和している。 例13)であいもん:双方の味が引き立つ取り合わせのよい食べもの 例14)てんでに:それぞれが勝手に 例15)てんと…:とんと… 例16)とうに:とっくに 例17)とぼる:(灯りが)ともる ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆編集後記 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 啓蟄号、いかがでしたでしょうか。この3月1日に改正(船舶)油濁損害賠償保障法が施行されたことで、北朝鮮から運ばれる海産物についてのことがいろいろ話題になっています。先日、とあるTVワイドショーで、若いコメンテイターが「もぉ北朝鮮の海産物なんて食べないことにしましょうよー」なんて話したはりました。近海のものならともかく、漁業においてはどこ産ってどれほどの根拠があるものなんやろ…と、妙な気分になりました。北朝鮮の東側は日本海に面しているわけですし…。まして、回遊魚はどうなるのでしょう?? 結局、どこの漁協に持って帰ってくるかどうかだけなんだと思うのですが・・・! ♪2005.3.20 立春号 vol.60 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・春分号をお届けします。 「暑さ寒さも彼岸まで」とか「本当の春は奈良のお水とりが終わってから」とか言われますが、今年は三月に入って雪が舞うたり、なかなかすんなりと春にはならないようですね。今年のような年でなくても、実際の感覚と新暦とはぴったりこないことが多いです。 一般にお雛さんというと、三月三日・桃の節句。でも、この時期、桃は温室栽培のものしか手に入りません。また、お雛さんを仕舞うにも泡雪が舞(も)うたりするので何とのう気づつない。それで、京都ではひな祭りは旧暦で四月にするのが普通です。 桃の節句は別名「上巳(じょうし)の節句」ともいわれます。上巳とは旧暦三月の最初の巳の日で、年によってかわります(今年は旧暦3月7日/新暦4月15日)。現在のように3月3日(今年の旧3月3日は、新暦4月11日)に固定されるようになったのは中国・三国時代、魏(AD220-265)時代。中国古代では、上巳の節句には河で禊ぎを行い(「上巳の祓(じょうしのはらえ)」)、宴を張る習慣がありました。また同じ日に「曲水の宴」も行われ、これは奈良〜平安時代に日本の貴族階級に取り入れられるようになったそうです。・・・話がそれますが、この曲水の宴を再現しているのが、伏見鳥羽離宮の城南宮です。4月29日と11月3日、平安貴族の装束をつけた歌人が即興で和歌を詠みます。わたしも歌人として参宴しておりますので、ご興味がおありになる方、ぜひどうぞ! ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ お惣菜を買うたり仕出しを頼むことははずかしいこと? 「アグネス論争」が起こりえない街・洛中 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先日、ご来店されたお客さまから興味深い話をうかがいました。「主婦として、外で買うて来たお惣菜なんて、家族に申し訳なくて出せない」そうなんです。・・・さて、うちだったら? うちに限らず、この西陣とか室町あたりではお惣菜を買うて来たり仕出しを頼むことはごく日常的なことで、別に申し訳ないことでも恥ずかしいことでもありません。特にお昼ごはん(*1)は仕事の合間にささっと済ますものですから、冷ご飯にありあわせのおぞよ(お惣菜)、それもないときには近所で適当に出来合いのものを買うてきたりします。 京都の町に仕出し屋さんが多いのは、お客さんがみえた時とかお祭、家の何ぞごとの折に気軽に仕出しを頼むからでしょう。お客さんに家族と同じものを食べていただくこともないわけではありませんが、それはよっぽど親しい場合とか急なとき、あとは子どもの関係のお客さんくらいでしょうね・・・。もっとも、お客さんをお迎えするのにいろいろ準備があったりしますから、お料理はとった方が主婦にとって気が楽、というのもあります(これは、実は招かれる方もそうだったりします(*2))。それに、いつも頼んでいる仕出し屋さんなら献立についていろいろ相談に乗ってくださったり、無理をきいてくれたりします。うちなんか、「お弁当頼みたいんやけど、鶏はあかんというお客さんが来はるさかいに…」とか、「ご飯はあるし、何ぞ肴だけ見繕って持ってきてもらえしませんかぁ?」とか。 結局、西陣や室町辺りは職住一致生活が基本で、専業主婦というのが存在しない街でした。ですから、上記のようなことになるのでしょう。特に西陣は女性の織り手(職工)さんが多く(*3)、日々の買い物は男の人の仕事!なんてお家も少なくなかったようです。お役目…までとはいかなくても、仕事で出たついでに食料品等の買い物をして帰るなんて、うちでは日常茶飯事です。 15年ほど前の「アグネス論争(*4)」というのを覚えておられるでしょうか? 「子連れ出勤」をするアグネス氏を、中野翠氏や林真理子氏らが「職場に子どもを連れてくるなんて…アグネスだから許されること」「『母親』であることの特権性をふりかざすアグネスのイヤラシサ」と批判したことから始まり、これにフェミニスト上野千鶴子氏等が加わって盛り上がりました。 このアグネス論争の背景には、男女雇用機会均等法の施行など、その当時女性の社会進出機運が高まっていたことと関係が深いようです。上野氏は「男が子連れ出勤しなくてよかったのは、誰のおかげか?」と、女は家庭、男は会社、とくっきりと役割分担をして発展してきた「男日本経済社会」への批判をした…ということなんですが、では、職住一致の家で、職場に子どもが居るのがふつうの場合はどうなんでしょうか? うちの妻なんぞ、誰も見ていないのをいいことに授乳しながら急ぎのFAX.を送信したり、当たり前でしていました。機を織っている工場へ、おっぱいの時間になると赤ちゃんを連れて行った…というのもよく見る光景でした。 男女雇用機会均等とか男女同権(平等)とか言わなくても、洛中では昔からそれが普通なんですよね。男も女も仕事をする。家事もする。どちらがたいへんでも楽でもない。京都って、昔からのしきたりに縛られた古臭い街のようないイメーヂがあるかもしれませんが、実は逆で、風通しのよい街なんですよ〜。 *1)意外なことかもしれませんが、京都はパンの一人当たりの消費量が日本一なんやそうです。確かに、パン屋さんは多い!それもそんなに大きくない店が多い。デパートの地下でもかなりの面積をパンに割いています。京都人の朝ごはんはパンにコーヒー… *2)仕出し屋さんのお弁当やお料理だったら、だいたいいくらくらい…って、値段がふめます。ですから、お返し(御礼)をしたり、今度なんぞのときにお返しする(招き返す)目安にすることができます。これがあんじょうできないと京都人失格…!? *3)それゆえ、うちの辺にはたくさんの保育園・幼稚園があります。このごろは子どもが減ったので、ずいぶん遠くから通園しておられるようです。 *4)「アグネス論争」については次のサイトが詳しいです。http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/agunesu_text.html ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 「消防団員募集中!」 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京町家でお商売をしている自営の方、20〜40代のあなた、消防団に入りませんか? 募集中です! ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆ 京ことば*ノート p.28 性格や性情を表すことば その8 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 性格や性情を表すことばのうち、今回はどちらかというとよい意味で使うものを集めてみました(例外もあり・な行)。 例1)なんどり:穏やか。和やか 例2)なんやかや:いろいろと 例3)ぬくごぜん:温かいご飯 例4)ねき:傍 例5)ねっから:もとから。もともと… 例6)ねっちり:粘り強く 例7)ねぶる:舐める 例8)ねんきもん:年代もの。時代もの 例9)のんどり:ゆったり。余裕がある 例10)のんのしょ:家に帰ろう ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆編集後記 ◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 春分号、いかがでしたでしょうか。ところで、blogはじめることにしました。お時間ありましたら、覗いてみてください。 ブログ 天音乃月草(あまねのつきそう) ♪2005.4.5 清明号 vol.61 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・清明号をお届けします。突然ですが、みなさん! お米は何をお使いですか?コシヒカリとかササニシキとか…そういうことではなくて、無洗米*か研ぎが必要な普通のお米かってことです。 と、申しますのも、先日、あるおばあちゃんの家主さんに「あんたとこは何?」と突然訊かれたのです。「うちは…、ささっと2、3回水換えて洗うだけですわ〜」と答えると、「そんなん、あかんあかん。米はな、こう腰を入れて研がんとあかんのよ」と言われました。家に帰って妻にその話をしたところ、妻曰く、「な〜に言うてるの〜!? 日本の海や湖、川を汚している一番の原因は米の研ぎ汁なのよ。米の研ぎ汁は栄養がありすぎて(「富栄養」というそうな)赤潮のもとなの。だから、横着とかそんなことではなく、環境保護のために無洗米を使わんとあかん」のだそうです。へぇーそんなこともあるのかぁ? 無洗米って研がずに済むということばかり宣伝されているけれど、そんなのは二の次で、とっても意義深いことだったんですね〜。みなさん、無洗米、お使いですか? 註*)詳細は次のサイトをご参照ください。 http://www.musenmai.com/ ◇………………………………………………………………………………………………………………………… ◆ 成熟した社会が成り立っていくには秩序が必要 これを馴れ合いと考えますか? ◇………………………………………………………………………………………………………………………… つい先日、とんでもないことを耳にしました。お世話になっている工務店の小父さんがお茶をのみに寄られた折、聞いた話です。 とある町家の住人から緊急の電話があったのだそうです。「どこからか水漏れしていて、土間が水浸しになっている…」。それはタイヘン! 直ぐに水道屋さんを手配し、見に走ってもらったのだそうです。しばらくして、水道屋さんから連絡があり、水道管の破損はたいしたことなく、工事は簡単なものでもう終わってしまったとか。それはそれでよかったのですが、続く水道屋さんのことばを聞いて、唖然としてしまったそうです…。 その町家に住む千葉出身の若い夫婦、「支払いは工務店を通さず直接にしてほしい」と、のたまわったと言う…つまり、工務店の手配料を上乗せして払いたくないから、直接の取引にしてほしいと。何を言い出すのかと、驚き困った水道屋さん、工務店さんにどうしたものかと連絡をしてきたというわけです。工務店さんとは今までの歴史があります。今後、仕事がもらえるかどうか…ということもあります。この場限りの付き合いではないのです。プロとしては信用を無視してはやっていけません。 ブームに乗っかるように関東から越してきたこの夫婦。格子の内側の京都人気質や京都商法については興味がないのか見くびっているのか…。町家ブームを当て込んだ観光客相手の飲食店をしておられるのですがなかなか軌道には乗りにくいようで、少しでも出費は抑えたい一心から先の水道管事件となったようです。観光客は水物です。いくら観光都市京都とはいえ、季節によってかなりの斑(むら)も予想されます。安定した経営のためにはどうしても地元民を顧客に持つことが必須です。 そのためには地元民が求める商品構成も大切ですが、同時に人間関係の構築を忘れてはいけません。前述の工務店の小父さん、二度とこの夫婦にお客さまを紹介してあげることはないでしょう。たかが数千円の手配料をけちったばかりに、未来の利益がチャラになったのです。 京都人はよく言います。「うちらかて、いつ世話になるかわからへんのやし…」「情けは人のためならず(廻り廻って自分のため)」。 京都・洛中では「出ず入らず」というて、1200年余の永きに亘って、出るところは出る、退くところは退いて、みなが足並みを揃えてやってきているのですから、例えそれが本意であれ不本意であれ、右へ倣えするのが大人のやり方というもの(もちろん、ポリシーを曲げてでも…とは申しませんが、そこそこの部分は呑み込んでいただきたいのです)。成熟した社会が成り立っていくにはそれなりに秩序があるはず。ある面から見れば、それは馴れ合いと映るかもしれませんが、やはりわたしは、それを歴史の蓄積と考えます。あなどるなかれ、京都人。 ◇………………………………………………………………… ◆ 「消防団員募集中!」 ◇………………………………………………………………… 京町家でお商売をしている自営の方、20〜40代のあなた、消防団に入りませんか? 募集中です! ◇………………………………………………………………… ◆ 京ことば*ノート p.29 性格や性情を表すことば その9 ◇………………………………………………………………… 性格や性情を表すことばのうち、今回はどちらかというとよい意味で使わないものを集めてみました(例外もあり・は行)。 例1)はげちょろけ:色あせているようす 例2)ばばちい:きたない 例3)はよしぃ:早くしなさい 例4)ひつこう:しつこく 例5)ひね:年季のはいった。古びた 例6)ひねくれ:根性の曲がった。または、根性の曲がった人 例7)ふたぐ:ふさぐ 例8)へちゃ:鼻のひくい醜い女性 例9)へちゃむくれ:「へちゃ」より器量の悪い女性 例10)へったらばっちも:なにもかも 例11)べったり:ずっと 例12)べっちゃこ(べったこ・べべ):最下位 例13)へばりつく:べったりとくっつく 例14)へんだん:…なかったの。 例文)あんまり似合わへんし、買わへんだん。 例15)へんねし:ひがむ。やきもちを焼く 例16)ほいない:たよりない。甲斐がない 例17)ほたえる:(主に子どもが)あばれて騒ぐ 例18)ほったらかす:放っておく 例19)ほんがら:からっぽ ◇………………………………………………………………… ◆編集後記 ◇………………………………………………………………… 清明号、いかがでしたでしょうか。今年の桜は遅れているようですが、かえって入学入園式にはぴったり!になりそうですね。読者の方々のお子たちの中にも新入生がおられるのでは…? おめでとうございます。 ♪2005.4.20 穀雨号 vol.62 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・穀雨号をお届けします。 先日、新首相官邸がオープンしましたね。これは、旧首相官邸を新公邸として保存、活用するため、昨秋から工事を進めていたものです。旧官邸は、二・二六事件の現場にもなったりしており、歴史的、建築的価値も高いのです。そんなこともあって、できるだけ元の姿をくずさないように移築する(50m移動)ために、工事にあたっては「曳家」という工法が用いられました。 これは、床下を掘り下げてコロの上を移動させ、30台の油圧ジャッキで1秒間に1mmの速度で押していったとか。総重量は2万トンで、国内最大級の曳家工事になるそうで、移動後は、建物には免震装置を組み込んだようです。工事の詳細は下記サイト*をご参照ください。 ちなみに、現在梅小路公園にある旧二条駅舎(300トン)もこの1990年に曳家をして13mほどひっぱった後、梅小路公園まで運びました。 なぜこんなことができると思われますか? それは「町家」だからです。町家だから石の上に柱と土台が載っており、地面に接着していないからこそ!できるんです。つくづく、町家ってすごいと思わはりませんか? 【参照*】http://www.mlit.go.jp/gobuild/jigyou/project/kantei/hikiya_gaiyou.htm ◇…………………………………………………………………………………………………………………………… ◆ 職住一致とは単に住んでいる家で商売(作業)をすること? 職住一致とは「職住不可分」とお考えください。 ◇…………………………………………………………………………………………………………………………… うちは京町家専門の不動産屋なのですが(くどいですねぇ…)、とりわけ職住一致の暮らしをしたい方や職人さんの卵をえこひいき(優先)して物件のご紹介をしています。なぜって、職住一致の暮らしをするための家が京町家なのですから。 先日、うちのお客さまで、職住一致でお商売を始めて半年…という方(前後してお店をオープンされた二組とべつべつに…)とお話しする機会がありました。これは、どの方にもあることなのだと思いますが、お店もすこし軌道にのりかけ、疲れも出かけるころなのでしょうか…。加えて今まで職住一致の生活をしてこられなかった方にとっては、入居前に考えていた以上に、職住一致の生活に適応するのはたいへんなことのようです。 前述の二組、口をそろえて、「お休みがないのがつらい。家で仕事をしているのでついつい仕事している時間が長くなり、週一回では疲れがとれない…」。ま、もっとも、これは軌道に乗って(乗りかけている)いるからこそ出る言葉で、食うや食わずの状態ではまずは糊口(ここう)を凌ぐことが先決で、こんなことは言うてられないのですが…。 ただ職住一致というのは、単に職(商売や仕事)と家庭生活の場所が物理的に同じ場所で行われているということのみを意味するわけでは決してありません。この点誤解されている方も多いようなので記しておきたいと思います。職住一致というのは、実は、「職住不可分」あるいは「職住一体」と表現する方が的確だと思います。子どもを抱っこしながら接客もするし、子どもの相手をしながら契約書を作る。電話を受けながら食事の仕度もする。営業時間内であっても順番にご飯も食べてまた仕事をする。表向きにはお休みの日であっても急なことや顧客には対応する。溜まった事務処理もする。その代わり営業日であってもお稽古ごとにも出かけるし、時間を作って買い物にも出る。天気がよければ、衣替えもしてしまう…(笑)。生活の中に仕事があり、仕事の中に生活がある。これが職住一致の真の意味です。いくら仕事と家庭生活の場所が物理的に同じ場所で行われていても、仕事は仕事、プライベイトはプライベイトと分けているようでは職住一致とはいえません。 過日の新聞に、京都市指定有形文化財になっている杉本家住宅の三女の方の取材記事が載っておりましたが、いわく、「こういうこと(注*)になって家の中を他人さんが見に来はるとか、そういう生活に慣れるのに10年かかった」そうです。奈良屋さんとして呉服を商っていたのはかつての話で、お母上さまは伏見の造り酒屋のお嬢さんですが、お父上さまは学者の杉本秀太郎氏ですし、生活自体はサラリーマン家庭と変わらなかったということは容易に想像できます。 本来、室町の呉服関係ならば、住み込みの若い人たちが常にいて、家族生活なんて、だれも思いを馳せてはいなかったはずです。うちの妻なども、家族だけでご飯を食べた記憶は皆無だといいます。ご飯を作ってくれるのも母親ばかりとは限らず、賄いの女子衆(おなごし)さんだったり、夜のご飯はだいたい週の半分が店屋もので残業のお店のみんなといっしょにだったそうです。さすがにそれぞれの箱膳で…なんてことはなかったようですが、家族旅行にも必ず、お店の若い子を連れて行ったとか。確かに、古いアルバムには名所旧跡で赤ちゃん(妻)を抱いた若いお嬢さんが写っている写真がたくさん貼られていました。 多かれ少なかれ商売をする家に生まれた子はみんなそんなもので、だからというて不良になったとかなんて聞いたことがありません。家族でそろってご飯をたべなきゃいけないとか、家族団欒の重要性…なんて大正中期以降のサラリーマン家庭での話でしかないようです。 わたし自身は、祖父は不動産屋をしておりましたが、父や母は西陣の職人でよその工場に働きに出ておりましたから、少年時代以降の生活はサラリーマンとかわりありませんでした。 ですから、正直なところ、エステイト 信を立ち上げて職住一致になったものの、当初は「住んでいる家で仕事をしている」に過ぎませんでした。結婚してから妻に「自営業者は24時間仕事のことを考えてんといかん」と言われ、それはどういう意味なのか真剣に悩んだときもありました。時間的にも物理的にも仕事とプライベイトが共存する空間にきりきまりがつかず、うんざりしたこともあります。子どもが生まれてからは、仕事をしている傍で泣いたりぐずったりするものですから、いい加減頭にきてしまったことも、数えられません。そんなときに「子どもはここに居る人なんやから、それが気に入らんのやったらあなたが出て行ったらいい」と妻に言われ、自分の中で、自分の個人生活と仕事とを分けたい欲求とか、自分の仕事イコール井上 信行とは考えていない自分に気づきました。結局、そのころのわたしは、職住一致を「職住不可分」とは考えてなかたのだと思います。 (注*)現在、杉本家住宅は、(財)奈良屋記念杉本家保存会ということで、維持・保存されております。それゆえに、年に数回、保存会会員向けの公開やイベント、一般公開がなされております(祇園祭中は「伯牙山」 のお飾り場となります)。財団であるということは、そこに生まれ育った家族が暮らしているという住民兼職員というかたちで、日々の掃除をしたり季節に応じた室礼を整えるといったことになります。財団へのあれこれ ◇………………………………………………………………… ◆ 京ことば*ノート p.30 性格や性情を表すことば その10 ◇………………………………………………………………… 性格や性情を表すことばのうち、今回はどちらかというとよい意味で使うものを集めてみました(例外もあり・ま行)。 例1)まいまいする:ぐるぐる・うろうろする 例2)まける:値引きする 例3)まったり:濃厚でやさしくとろんとした口あたり 例4)まるぐち:まるごと ※「〜ぐち」とは「〜ごと」ということ 例5)まんいんこ:満員状態 例6)むくり:柔らかな丸み 例7)むこ:あちら 例8)みょうがが悪い:もったいない 例9)へちゃむくれ:「へちゃ」より器量の悪い女性 例10)めんめ:それぞれ・めいめい・各自 例11)〜しもって:〜ながら。英語でいうと[with] 例12)もてて:気に入られて 例13)ものすご:とっても ◇………………………………………………………………… ◆編集後記 ◇………………………………………………………………… 穀雨号、いかがでしたでしょうか。今年は遅かった桜の季節も終盤。葉桜が目立ってきました。お花見には行かれましたか? 近所の桜を見に行ったのはよいのですが、そこに落ちていたまつぼっくりと松の枝で遊んだ上のボンは、その晩から喘息の発作と目やにでさんざんです。彼は、松のアレルギーだもので…。かわいそうだけれど、仕方がない。ただ時の過ぎるのを待つばかりです! ♪2005.5.5 立夏号 vol.63 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・立夏号をお届けします。 突然ですが、みなさん、電池や電球はどこで買うたはりますか?スーパーとか量販店でまとめ買いされているのでしょうか?それともコンビニかドラッグストア? うちは、基本的にご近所の電気屋さんで買うています。家電品に限らず、どこで買うても同じものはなるべくご近所で調達するようにしています(もちろん、「これは、ここのこれじゃなきゃ!」というものは交通機関を使ってでも買いに行きますが…)。当然ご近所のお店は定価販売で、その辺のコンビニの方が安いことは承知の上です。 これって多分、京都人共通の行動ではないかと思います。京都は狭いまちですから、みなが持ちつ持たれつ…というか、ご近所のお店にとってうちはお客であると同時に、ご近所のみなさんはうちのお客さまであったりお客さまを紹介してくださる方であったりするのです。京都・洛中では、ご近所によく言われない店が栄えた例(ため)しがないというても過言ではありません。 洛外の方にはちょっと解りにくいかもしれませんが、これは「金は天下の廻りもの」というのとは違います。お金が廻って行けばいい(廻り廻って自分のところに還ってくる…)ということではなく、コミュニティ意識と申しますか、もっとファミリー的な感覚なのです。やっぱりわからないですか?・・・すっとわかれば、あなたも今日から京都人!? ◇…………………………………………………………………………………………………………………………… ◆ はよう商売しはったら、その分はよ軌道に乗せられますよ〜 町家物件を決めるときのポイントは・・・ ◇…………………………………………………………………………………………………………………………… よくも悪くも、うちの妻は一般人的な感覚の薄い人で、ときどきびっくりするようなことを言い出すことがあります。 先日、町家を買おうかどうしようか悩んでおられる方に、「そんなん、100万くらい高いかて、そうして考えたはる間にはよ買うて、はよう商売しはったら、すぐに取り戻せますよ。飲食しはるんやったら、100万なんて、何ヶ月分かの利益でしょ。利益だけの問題やのうて、三ヶ月はよはじめたら、三ヶ月はよ軌道に乗せられますよ〜」ですって! 乱暴に聞こえる方もあるかもしれませんが、町家を買おうとするとき、それが現在の景気状況に鑑みて高いか安いか…ということ、つまり地価をあんまり気にするのはどうかと思います。(でも、これを気にされる方は非常に多いです)。 相場より高いと言えば「じゃ、止めときます…」ということなのでしょうか? 町家は旧い家ですから、銀行の評価とかは0円に等しいものかもしれません(固定資産税としての評価もかなり低いです)。が、古家付売土地であっても、売買代金には家代がそれなりに含まれています。ですから、ただの一坪単価×面積よりも高いことの方が多いと思います。 しかし! 相場よりも高かろうが安かろうが、一番肝腎なのは、それだけのお金をそのお家に出せるかどうか、言い換えると、自分がその価格分の価値を見出せるか否かだと思います。 賃貸であれ売買であれ、町家物件を決めるときのポイントはただひとつ、その町家に惚れ込めるかどうかに尽きます。最後は、自分の動物的勘と申しますか、感性をあてにすることだと思います。いわば町家探しは嫁婿探しです(一度に二軒の家を本宅にできないという点でも似ていますよね。現在の日本では重婚は禁止ですし…)。経済条件や立地条件等いろいろなポイントはありましょうが、そういった点のみを考慮して町家物件を決められた方というのは、あとあとうまくいっていないケースが多いです。この点でも結婚と似てますよね。いろいろ欠点や気に入らない点、自分の来し方やポリシーとの相違点があっても、それを補って余りある魅力があれば、踏み切ってしまう価値はあると思います。 ただこういった自分の感性を信じて町家物件を決めることができる方は、経営者として並々ならぬ資質をお持ちの方なのだとは思いますが…。 うちにもいろいろカップルが来られますが、みな、それぞれ、いろんなプロセスを経て同居ということに相成られるのだと思います。ま、なんや(いろんな意味で)怪しいふたりというのも少なくありませんが…(笑)。 ◇………………………………………………………………… ◆ 「消防団員募集中!」 ◇………………………………………………………………… 京町家でお商売をしている自営の方、20〜40代のあなた、消防団に入りませんか? 募集中です! ◇………………………………………………………………… ◆ 京ことば*ノート p.31 性格や性情を表すことば その11 ◇………………………………………………………………… 性格や性情を表すことばのうち、今回はどちらかというとよい意味で使うものを集めてみました(例外もあり・ハ行)。 例1)はしこい:素早い 例2)はりこむ:奮発する。大盤振る舞いをする 例3)はよしぃ:早くしなさい 例4)はれがましい:面はゆい。思い以上の評価をされて恥ずかしい 例5)はんなり:派手ではないが華やかな様子 例6)ぶいな:おっとりした 例7)分限者(ぶげんしゃ):お金持ち 例8)ふたぐ:ふさぐ。しめる 例9)へべたい:平べったい。平らな 例10)ほうすっと:そうすると 例11)ほてから:それから 例12)ほんに:本当に(軽い感じ)。ただの相槌のこともある。 例13)ぽんぽん:満腹 ◇………………………………………………………………… ◆編集後記 ◇………………………………………………………………… 立夏号、いかがでしたでしょうか。TVを視ていたら、「京都は日本のスローライフの原点」と言うたはりました。何がスローライフか、ようわかりませんが、京都はほんまに日本なんでしょうか? 「京都・洛中は『京都』という独立国家で、日本やない」と誰か言うたはりましたが、確かにそうやと思います。京都は日本やないのです! なんや、ようわかりませんか?またいずれ、このことについても書きたいと思うております。首をキリンにしてお待ちください。 ♪2005.5.21 小満号 vol.64 こんにちは、エステイト 信の井上です。風通信・小満号をお届けします。 京都人の家主さんの場合、自分の借家に入ってもらう方のお商売がうまく行くか否か、非常に気にされる方が多いです。それが高じて、新規開業の店子さんはお断り…という方も珍しくはありません。 せっかくご縁があって入ってもらったからには成功して欲しい…という思いももちろんおありなのでしょうが、一方ではご近所さんに「よい方に入ってもろて…」と言うてもらいたいという思いもあるのだと思います。ご近所の面々にとって「よい方」とは、永く其処に住んで、町内や元学区のお役に立ってくださる方でしょう。商売がうまく立ち行かなくなって早々に退去するようなことでは、ご近所にとっては歓迎されるはずはありません。 うちが職住一致を優遇していることもあってか、家でお商売をしたいというカップルがよくご来店くださいます。 職住一致の新規開業の方がみえたとき、うまく行くか否か、私たちが考えるポイントはいくつかあります。これは企業秘密なので(笑)、ここに公開する訳にはいかないのですが、ひとつだけお伝えしましょう!それは、主たる事業主でない方の方がそのお商売に関してどのように考えたはるのか、ということです。「えっ、なんでそんなこと訊かれんとあかんの?」というお顔をされることも少なくありませんが、結構これがキーポイントだったりします。つまり、どれくらい「家業」としての意識が高いか、ということなのです。「家業」でなくて、いわゆる「夫(妻)の仕事」という位置づけの場合、職住一致の生活は、はじめはうまくいっても、やがて破綻するケースが多いようです。 ◇…………………………………………………………………………………………………………………… ◆ 「アイデアがひらめいた時にすぐに作業に入れる」京町家 Kさんから賜ったメイルから… ◇…………………………………………………………………………………………………………………… 風通信のvol.62(2005.4.20発行)を出した数日後、とある京町家にお住まいのKさんから一通のメイルを賜りました。Kさんがご入居されてもうすぐ丸二年。初めての更新を迎えられます。まだ町家を探しておられるころ、「今は勤めているが、独立して家で仕事をするのが夢」とおききしました。そのとき、「一日も早く実現してくださいね〜」とお話ししていたのですが、念願叶って、今年から名実共に「京町家住人」となられました(奥様は外に働きに行っておられます)。Kさんにとって職住一致の生活は、思い描いておられた生活とは若干の違いがあるようですが…。せっかくですので、ご本人の許可を得て、一部転載いたします。 --------------------------------------------- 今号(注)の「風通信」にも書かれてましたが、やはり「職住一致」というのは、考えていたより何かと大変ですね。 ウチは妻も働いているので、最近は今までしてなかった家事をこなしてます。といっても掃除洗濯、食器洗い程度なのですが・・・。 だから辞めた直後は、「往復4時間の通勤時間が浮くから、仕事に費やす時間も余裕できるし、少しは遅くまで寝てられるかなぁ…」なんて甘い夢を見てたのですが、いざ始まってみると、朝からバタバタです。妻が作ってくれた朝食の後片付けに始まり、掃除、洗濯をしてると、あっという間に時間が経ってます。夕方も同様です。まあ当然ですが、仕事の時間は勤めてた時の方が確実に長いです(笑)。 でも、やはりメリットの方が多いです。デザインという仕事柄、仕事のことは常に考えてますし、アイデアがひらめいた時にすぐに作業に入れるのは嬉しい限りです。アイデアというのは生ものと同じで「明日、会社行ってから試してみよう」では新鮮さが無くなってしまうものですから。それに僕にとっては食事を規則正しく摂れるのも、嬉しいことです。不規則でしかも夜遅くに食べていたせいで、悲しい体型になっていたのですが、最近は夕方にジムにも通い出したので、規則正しい食事とのW効果でずいぶんスリムになれました。(V!) 「職住一致」が始まって4ヶ月、ようやく自分なりのペースが出来てきて、その良さを実感し始めています。これから夏になるとまた何か新たな問題や、嬉しい事が出てきそうですが、そんないろんな事を含めて、妻と共に町家生活を楽しんでいきたいと思っていますので、今後もご指導頂ければ嬉しいです。 また今後、デザイン事務所として軌道に乗り、看板を揚げられるようになった時には改めてご挨拶しようと思っています。 注)風通信vol.62(2005.4.20発行) ------------------------------ いかがでしたでしょうか? デザイン事務所という性格上、純然たる商家というよりも、むしろ職人さんの暮らしに近いのではないでしょうか? やはり、職住一致に向く職業とあまり向かない職業はあると思うのですが、デザイン事務所、それも個人事務所はぴったりな気がします。Kさんもお書きのように、「アイデアがひらめいた時にすぐに作業に入れ」ますし…。 身も心も(!)職住一致の生活に馴染むには、まだ相当の時間がかかるやもしれません。でも、それも家業として事務所を軌道に乗せるために必要な軌跡なのだと思います。Kさん!続伸を楽しみにしていますよ〜! ◇………………………………………………………………… ◆ 「消防団員募集中!」 ◇………………………………………………………………… 京町家でお商売をしている自営の方、20〜40代のあなた、消防団に入りませんか? 募集中です! ◇………………………………………………………………… ◆ 京ことば*ノート p.32 性格や性情を表すことば その12 ◇………………………………………………………………… 性格や性情を表すことばのうち、今回はどちらかというとよい意味で使うものを集めてみました(例外もあり・マ行)。 例1)まし:よい・適当な 例2)ませ:おませさん 例3)まっさら:真新しい 例4)まったり:とろんとした穏やかな(口あたり)・落ち着いた重厚な(お人柄) 例5)まどす:弁償する 例6)まんいんこ:混雑している・満員である 例7)めっそうな:とんでもない 例8)みょうががわるい:もったいない 例9)めんめに:めいめいに 例10)ものすご:非常に・ものすごく ◇………………………………………………………………… ◆編集後記 ◇………………………………………………………………… 小満号、いかがでしたでしょうか。今年の夏(7・8月)に町家のお店ばっかりでショップラリーをすることにしました。お散歩がてら、いろんな町家をみてほしいと思います。「洛中洛外 風散歩 町家ショップラリー」と名づけました。次号くらいに詳細をご案内できたら…と、思っています。どうぞ、お楽しみに…! |