間歇日記

世界Aの始末書


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2003年3月中旬

【3月20日(木)】
海のむこうで戦争がはじまった。なるほど、考えてみれば、いつのまにか日本人にとって戦争というものは、必ず海のむこうではじまるものになっていたのだなあ。
 どうでもいいけど、『海の向こうで戦争がはじまる』ってのは、小説のタイトルとして完璧な響きだなあ。ほかの作品もそうだけど、村上龍の作品タイトルには、じつに天才的なコピーライティングのセンスを感じる。糸井重里になっていたとしても大成した人ではあるまいか。しかし、村上龍が糸井重里になっていたとしたら、それはやっぱり糸井重里と言わんかっておれはいったいなにを書いている?

【3月16日(日)】
『仮面ライダー555(ファイズ)』テレビ朝日公式サイト東映公式サイト)が、だんだんヘヴィーになってくる。子供だけに観せておくのはもったいないわ、これは。そろそろ巧ウケ啓太郎セメやおい同人誌を若いお母さんたちが幼稚園で手渡し回覧するくらいの時期ではないかと思うが、いやその、なにもそういう意味でばかり子供だけに観せておくのはもったいないと言っているのではない。子供番組としての妥協はずいぶんあるが、ほんとに大人が観ても面白いのだ。
 バイクのハンドルが剣になる“ファイズ・エッジ”登場。うーん、“ファイズ・サーベル”“ファイズ・ブレード”がいいんだがな。“エッジ”には“ある程度の長さがある”ということが含意されないから、剣タイプの武器としてはちょっと間抜けな感じを受けてしまうのだ。たとえば、石ころの一部が鋭く削れていても、それはやっぱり edge なのである。ま、剣の形をしたエネルギー兵器みたいだから、ファイズ・エッジそのものは、事実かなり短いけどね。
 それはともかく、剣が出たのはいい。チャンバラができるだけで、アクションの幅はずいぶん広がる。やっぱりチャンバラがなくっちゃあ。バイクの左ハンドルが抜けて剣になるってのは考えたな。バイクにまたがったまま剣を抜いて戦うというアクションが期待できる。

【3月12日(水)】
《ご恵贈御礼》まことにありがとうございます。

『家に棲むもの』
小林泰三、角川ホラー文庫)

 “棲む”というあたりが、いかにも小林泰三らしいおどろおどろしい文字遣いである。衣食住にはなはだ無頓着なおれは、自分の家にも“住んで”いるというよりはどちらかというと“棲んで”いるといったほうが適切な気もするが、それはこの際無視する。
 書下ろし三篇を含む小林泰三ホラー短篇集である。書下ろし以外の作品もSF誌以外に載ったものばかりなので、おれは読んでいないものが多い。といっても、小林泰三のことだから、一般誌用の作品でも、濃ゆい濃ゆいSF的設定を背後に隠して「ぐふふふ」とほくそ笑んでいたり、SF的に面白い屁理屈を捏ねまわしているに決まっている。楽しみだ。


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