ホーム | プロフィール | 間歇日記 | ブックレヴュー | エッセイ | 掌篇小説 | 企画モノ | リンク |
← 前の日記へ | 日記の目次へ | 次の日記へ → |
2003年10月上旬 |
|
あっ、なんてことだ。もう「2」が出てしまった。申しわけないことに、まだ「1」も読んでいないのだ。“SF大河ロマンス”だというので、そうそうすぐには完結しないだろうと悠長に構えていたら、「1」が出てからもう四か月以上経ってしまったのか。二重太陽系での戦乱を舞台に医学生と画学生のロマンスが繰り広げられるようで、むろん医学生のほうが女性である。なにが“むろん”なのかわからない人にはさっぱりわからないでありましょうが、こういう場合、医学生は女性でなくてはならない説明困難な自然の法則のようなものがある。男がふたりおったら、“やおい”の血を持つ人には攻守の弁別が即座に可能であるように、“医学生と画学生とのロマンス”と言われたら、SFファンには医学生が攻め――じゃない、女性だとすぐわかるものなのだ。なぜと言われても困る。電子はなぜ負の電荷を持つのかと問うようなものである。長年の条件付けによる学習がそのような感覚を培う。まあ、そんな条件付けはされたくないという方もいらっしゃいましょうが……。
【10月7日(火)】
▼北朝鮮の恵山(ヘサン)で中国を相手に密輸業者をやっているという人へのインタビューを『ニュースステーション』(テレビ朝日系)で放映していた。晩飯を食いながら漫然と観ていたおれは、不謹慎にも、こんな言葉に思わず大笑いした――「要領の悪い人はみんな死にました」
おれには朝鮮語はわからない。もちろんテロップで訳が出たわけだが、文字で見たからこそ、密輸業者の淡々とした口調とあいまって、めちゃくちゃよくできたギャグのように感じられ、無性におかしくなったのである。要領の悪い人はみんな死にました、か。なんという明解なコメントであろう。要領が悪くても、少なくとも生きていられる国に生まれてよかったなあ。
【10月5日(日)】
▼最近いよいよ面白くなってきた『仮面ライダー555(ファイズ)』(テレビ朝日公式サイト/東映公式サイト)、もう夢中である。大きなお友だちは、多少のアラには目をつぶって、子供番組としては大きなことをやろうとしているのを、愛を持って見守ろうではないか。なにしろ、“毎週必ず、変身した状態の仮面ライダーが一度は登場しなくてはならない”という、脚本家にしたらめちゃくちゃつらい縛りがあるのだ。この縛りの下でこれだけのものを詰め込んでいるのはたいしたものである。主要登場人物が運転する走行中の車の前に、しょっちゅうオルフェノクが立ちはだかるのは大目に見よう。あわてた啓太郎が支離滅裂にケータイに叫ぶだけで、いつもちゃんと事件現場に乾巧や草加雅人が現われるのも、それはそれでよしとしよう。仮面ライダーなのに、変身した状態でバイクに乗っている場面がほとんどなく、乗っているのは変身前の人間ばかりだというのも、シリーズ名のレゾンデートルを問う大胆な試みだということにしておこう。
今回は、ついに木場勇治が555に変身。はっきり言って、乾巧よりカッコいい。じつはおれ、個人的には木場がいちばん好きなんだよな。「555性格判断」ってのをやると、
草加雅人 90pt
菊地啓太郎 80pt
村上峡児 110pt
海堂直也 110pt
木場勇治 150pt
長田結花 60pt
琢磨逸郎 80pt
乾巧 120pt
影山冴子 100pt
という結果になる。なんでもこの性格診断によれば、木場勇治タイプは「知識を得て観察する人」なのだそうだ。要するに、傍から見てると、あたりまえすぎていちばんつまらないタイプである。当たっとるな。
それはともかく、流星塾の同窓会でウルフオルフェノクに襲われた真理の記憶は、たぶんスマートブレインの手で人為的に植えつけられた記憶なんだろうなあ。でも、ちょっとあたりまえすぎて面白くないな。かなり大胆に意外性を狙うとすると、草加もじつはウルフオルフェノクだって手もあるか。流星塾の連中は、オルフェノクを人工的に覚醒させようとするスマートブレイン前社長の研究の実験体であるらしいという推測はかなり一般的だと思うので、「失敗作」である草加が同窓会でウルフオルフェノクに変身し、己を見失って暴れたとて不思議はないのだ。いままで登場したオルフェノクが、みな異なる種類の動植物だったのは、ここへ来てこの手を使うためのミスリードだったのであーる――てのはどうでしょう? なんだか最近、『仮面ライダー555』が手塚治虫の『バンパイヤ』に見えてきてしようがない。スマートブレイン現社長の村上は、もちろん間久部緑郎である。
日曜日の朝七時半から八時半までは、『爆竜戦隊アバレンジャー』と『仮面ライダー555』の二本立てで、いつのまにか「SUPERヒーロータイム」という枠で括られているのだが、今日はこの「SUPERヒーロータイム」のエンディングに、草加雅人のナレーションが入って大爆笑した――「次回も観てくれるって解釈で、イイのかナ」
いやあ、草加に言われると、一瞬、「誰が観てやるものか」という気になるからたいしたもんだ。この台詞、小さなお友だちが真似しそうだよなあ。「カイシャクってなに?」などとお子さんに訊かれた親御さんも多いにちがいない。草加役の村上幸平って役者は、かなり楽しんで厭なヤツをやってるよな。壊れてるやつが多い登場人物の中でも、草加はとくに壊れてるから(海堂のほうが壊れているという意見もありましょうが)やり甲斐があろう。おれがもし役者だったら、けっこう琢磨クンをやってみたいかも。かなり地でいけそうだが、ダメダメ具合と壊れ具合を出すのが楽しそうだ。
今日の日記は、『仮面ライダー555』を観てない人にはさっぱりわからないよな。すんません。いやしかし、下手な大人向けのドラマより面白いんだってば。“大人が観たほうが面白い”って作りかたが、はたして子供にとっていいのか悪いのかはわからんけどねえ。
↑ ページの先頭へ ↑ |
← 前の日記へ | 日記の目次へ | 次の日記へ → |
ホーム | プロフィール | 間歇日記 | ブックレヴュー | エッセイ | 掌篇小説 | 企画モノ | リンク |