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e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第8B冊[76号〜80号]
通巻071号 2004.02.10発行 通巻076号  2004.10.12発行
通巻072号 2004.03.30発行 通巻077号  2004.12.07発行
通巻073号 2004.05.03発行 通巻078号 2005.01.20発行
通巻073.5号 2004.05.29発行 通巻079号 2005.03.21発行
通巻074号 2004.06.20発行 通巻080号 2005.05.24発行
通巻075号 2004.08.13発行     
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[076]
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2004/10/12[06-06-76]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 076号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

 ◆「現代詩手帖別冊:春日井建特集」思潮社
 ◆「京都学派の誕生とシュタイナー」河西善治 論創社
 ◆「寄せ場文献精読306選」日本寄せ場学会・編 れんが書房新社
 ◆「ふるさとは貧民窟(スラム)なりき」小板橋二郎 筑摩文庫
 ◆「吉本隆明全講演ライブ集ビデオ版2[わが月島]」全講演CD化計画 
 ◆「超恋愛論」吉本隆明 大和書房
 ◆「幻のロシア絵本:1920〜30年代」 淡交社
 ◆「現代随想集 青い兎」杉本秀太郎 岩波書店
 ◆「スカトロジア」山田稔著(挿絵・富士正晴) 編集工房ノア
 ◆「残光のなかで 山田稔作品集」 講談社文庫
 ◆「中城ふみ子全歌集:美しき独断」 北海道新聞社
 ◆「(歌集)午後の音楽」紀野恵 砂子屋書房
 ◆「(歌集)けやき少年」渡辺松男 砂子屋書房
 ◆「打刃物職人」三原久明 ワ−ルドフォトプレス
 ◆「這えば立て」金子光晴 中公文庫

 
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

 ◆「(復刊)夜想02 Yaso#doll」 ステュディオ・パラボリカ
   ※10月15日発行予定
   昨年秋に出た復刊1号は、現在までに130冊以上も売れてます。2
   号目なのでそこまでは売れないかもしれませんが、最終的には100
   冊近くは売れるでしょう。初回40冊発注です。
   復刊1号は倒産した青山ブックセンターでも大量に売れていたそう
   で、忘れた頃に配信される今野編集長のメルマガ「F L A S H * M
   E M O R Y」の12号によりますと、「青山ブックセンターとは、売
   上げ計算がなかなかまとまらずぐずぐずしているうちにこんなこと
   になってしまった。なんと次号の夜想の制作費分まるまる売掛で残
   すことになった」が、「夜想の千冊近い売上げをどこかでカバーし
   なければ、復刊第2号は成立しない」から「ステュディオ・パラボ
   リカでは、9月29日の再開にあわせて本を納品することにした」と
   のこと。倒産債権の回収率は1割以下が常識のようですから、まこ
   とにお気の毒というしかありませんが、それにしても、刊行から1
   年近くも請求してなかったというのは、えらくのん気な話でちょっ
   と驚きです。それともうちがチマチマと払い過ぎなのでしょうか?
   とここまで書いたら、いつになく短い間隔で13号が配信されて来ま
   した。復刊1号から2号のわずか1年の間に、出版業界の状況がま
   すます悪化しているのがよくわかります。超大型店と超小型店の2
   極分化の業界において、青山BCのように中途半端なミドル店はい
   かにすれば生き延びられるのだろうかとか、「大手取次2社が書店
   に対して強制返品をさせて、返品を版元に戻しては黒字を確保する」
   という手法をとりつつあって、小出版社が立ちゆかなくなりつつあ
   るというひどい話とかが載ってます。このメルマガは、まぐまぐか
   ら無料配信されてますから、業界関係者はぜひ読んでみてください。
   [mag2 ID 0000046406]
   
  ※「強制返品」の話は初耳ですが、おそらく支払いの悪い書店に対し
   て、現金による入金率の向上をあきらめ、現物の返品によって見か
   上の入金率を向上させて、自社の決算をよくしようとしているので
   しょう。これは以前に永井朗氏が指摘されていた、再販制のおかげ
   で書籍や雑誌が「偽金化」していることの実にわかり安い例です。
   決算が終われば棚の空きを埋めるために、間に合わせの腐れ商品を
   送りつけてくるのでしょうが、こんな非生産的なことをしていると、
   書店も出版社も取次もご臨終が近いことでしょう。
      
 ◆「カップリングの思想」村瀬学 平凡社※入荷済み
 ◆「宮崎駿の『深み』へ」村瀬学 平凡社※入荷済み
 ◆「舞踏(BUTOH)大全:暗黒と光の王国」原田広美 現代書館※入荷済み
 ◆「シベリア鎮魂歌」立花隆 文藝春秋※入荷済み
 ◆「本棚探偵の回想」喜国雅彦 双葉社※入荷済み
 ◆「熊谷守一の猫」求龍堂※入荷済み
 ◆「(歌集)枇杷の花」玉城徹 短歌新聞社※入荷済み
 ◆「(歌集)瀧と流星」米川千嘉子 短歌研究社※入荷済み
 ◆「装飾の美術文明史」鶴岡真弓 日本放送出版協会※入荷済み
 ◆「酒はなめるように飲め(北沢恒彦)/酒はいかに飲まれたか(山田稔)」
   (2冊1組・分売不可) 編集グループ〈SURE〉※入荷済み
 ◆「白洲次郎の流儀」白洲正子ほか 新潮社※入荷済み
 
   やたらに暑かったり、台風がたくさん来たり、イチローを見るのが
   忙しかったりで、このメルマガの発行をサボっているうちに、これ
   から出る予定だった本が全部「入荷済み」になってしまいました。
 

[#03] 日販のB-QUICKシステムについて

   今月初めから稼働を開始した、注文品の新しい流通システムで、手
   数料を払えば超特急で送ってくるらしい。似たようなのをトーハン
   がかなり以前からやってるようですがよくは知りません。所要時間
   は3〜4日とのことですが、本体価格の7%もの手数料を支払う値
   打ちがあるとも思えないので、登録の申し込みはしてません。ちか
   ごろ日販の流通は以前に比べると格段に早くなりましたし、出版社
   がネットで注文を受注してくれるシステムが発展しつつありますか
   ら、たいていの注文品は7日以内に入荷するようになってます。ネッ
   トで受けない出版社も、直接FAX発注すれば最悪でも2週間以内
   に入荷します。これは倉庫が遠いとか、週一度しか納品しないとい
   うような、出版社側の事情による遅れが大部分のようで、日販の責
   任はほとんどないように思えます。
   今後、注文品をB-QUICKに誘導して手数料を稼ぐために、通常の流
   通をわざとゆっくりにする、というようなアコギなことはまさか考
   えておられないだろうと信じてますが、書店としては流通速度につ
   いては常に注意を払い続けるべきでしょう。
   それにしても、このネット時代になぜB-QUICKは電話専用サービス
   なのでしょう。せめてネットで受けてくれれば少しは使ってもよい
   場合もありそうなのですが、電話代と手間を考えるとさらに何%も
   経費がかかりそうです。それと一律7%は高すぎるので、1冊200円
   か300円位を上限にすべきでしょう。扱う手間は文庫でも高額本で
   もたいして違はないはずですから。
   

[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その41)

  ○今回もたいしたネタはありません。ここで言うところのネタとは、
   主として開店・閉店情報なのですが、知ってる範囲では静かなもの
   です。よその町では千坪超の大型店がバンバン開店しているようで、
   あいかわらず賑やかですが、京都はこのまま千坪以下で棲み分ける
   つもりなのでしょうか?それはそれでまことにけっこうなことと言
   うべきことかもしれませんが、同業とはいっても局外者同然の野次
   馬としてはちょっとさびしいような気もします。それにうちのよう
   なスキマ狙い専門から見ると、大型店が増えれば、それにつれてう
   ちの棲息しうるスキマが、むしろ大きくなるような気がしないでも
   ありませんから。
   ぼちぼち、以前から噂の紀伊国屋書店の京極店の詳細とか、それを
   迎え撃つブックファースト河原町店が入居している、京都宝塚劇場
   の建て替えについての噂が聞こえてくるころと思われます。しかし、
   どちらにしても500坪以下の中型店ならば、大きな変動はないで
   しょう。
   
  ○京阪神の街情報誌「Lマガジン」の11月号は「ずっと通いたい本屋
   のかたち。」という特集です。巻頭の第1頁はまたまた「ガケ書房」
   でしたが、開店から半年足らずの間に、ここまで見事に売り出した
   のは、近来まれなあざやかさというべきでしょう。いまだに見学に
   行けてないので、どんな店なのかはよくわかりません。
   京都ではほかに恵文社一乗寺、祇園書房、書肆砂の書、スフェラ・
   アーカイヴ、トランス・ポップ・ギャラリー、と三月書房などが載っ
   てます。
   それから、10月16日オープンの複合施設「文椿ビル」に、
   「traction」という絵本カフェが入るそうです。このビルは三条烏
   丸西入るの元繊維問屋の大正レトロビルを改装したものだそうで、
   いちおう行動範囲ですから、そのうち見に行ってみるつもりです。
   しかし、この記事による限りでは、絵本はカフェの客が店内で読む
   だけのもので、販売する気はなさそうですから、書店とはいえない
   ようです。ようするに早い話が週刊誌やコミックのかわりに、絵本
   があるだけのことなのでしょう。
   

[#05] 雑、雑、雑、…

  ○「文藝春秋」11月号に佐野眞一さんが「ハリー・ポッター不況で出
   版崩壊」というかなり詳しいルポを書いておられます。それにより
   ますと第5巻は予想よりをかなり下回る売れ行きのようで、書店業
   界全体では、「最終的に7割行けばいいほう」との悲観的な見方が
   強いとのことです。なにしろ初版290万部ですから、90万部近い在
   庫を抱えて年を越すことになりそうですが、売れ残りを抱える金銭
   的な損と、限りのある店頭や在庫置き場を占領されるというマイナ
   スがずっしりとこたえることでしょう。佐野氏の文によりますと、
   ジュンク堂池袋店の地下倉庫には、第4巻の在庫が1000セット以上
   も残っているとのことですが、そんな余裕のある倉庫を持つ書店は
   少ないはずです。それから驚いたこと、ある大取次は6万セット以
   上も4巻の在庫を抱えているそうです。これは、一部の書店からは、
   何らかの理由で返品を取らざるをえなかったからということです。
   もちろん取次自体の手持ち在庫も少しはあり、倒産書店からの回収
   もあるでしょうが、大部分は返品自由という条件をつけて帳合い変
   更を誘ったりした結果なのではないでしょうか。
   今回は初回配本の5%以内の返品が可能ですから、返品が可能にな
   る年明けには、およそ14万セットの返品が版元を襲うことになりま
   す。その金額はともかくとして、はたして破棄せずに、倉敷料を払っ
   て在庫しておける量なのかどうか、なにしろかさの高い本だけに見
   当がつきません。   
   まだ最終成績はわからないものの、第5巻の販売方法が版元にも取
   次にも書店にも損害を与えた場合、次回はぜひとも正味安の完全買
   い切りにした上で時限再販にしてみていただきたいと思います。ふ
   つうの本ではなかなかできないことでも、ハリポタならいろいろ試
   してみることが可能でしょう。そして第7巻は最初から非再販とな
   れば、業界としても得難い学習ができるのではないでしょうか。
   なお、うちの店はすでに8割消化ですから、少なくとも損はしてま
   せん。とはいえ、5セット仕入れて1セット残りですから、まこと
   にささやかな話です。5%返品可といわれても1セットが20%にあ
   たりますから返品は不可能です。まあたぶん年内には売れるでしょ
   う。なお4巻の在庫は残ってません。

  ○郵便小包(ゆうパック)の料金体系が大幅に変更になり、うまく利
   用すれば以前よりもやや安くなるようです。変更点の最大のポイン
   トは、重量は関係なくサイズのみで料金が決まることです。30キ
   ロまでなら重量に関係なく料金が決まるのですから、レンガとか砂
   利とか金塊とかを送る場合は、かなり得になるでしょう。本も衣類
   などに比べれば重いので、おそらく損ではないはずです。以前のゆ
   うパックはたとえ1グラムでも超えると、一切負けてくれなかった
   ので、ぎりぎりの重さの荷物を作るときは気をつかいましたが、そ
   の点は楽になりました。ただし今まではサイズはぜんぜん気にして
   いなかったので、慣れるまではたいへんです。たとえば、ふつうの
   厚さのB6判を6冊荷造りする時に、3冊づつの2山にして平たい
   荷物を作るよりも、6冊1山で背の高い荷物を作るほうが3辺の合
   計が短くなるようです。持ち込み100円引きは宅配便のマネです
   が、めんどうなのが、同じ相手に2回目からは50円引きになるサー
   ビスです。前回の控え(有効期限は1年)を持参する必要があるの
   ですが、保存しておいていちいち探すのはかなりめんどうです。
   このゆうパックのコンビニ扱いについては、ヤマト運輸が差し止め
   請求中です。心情的にはヤマトを応援してますが、きっとまた、公
   社よりも安いサービスを開発してくれるだろうと期待してます。
   
  ○7月半ばからジャパンネット銀行とイーバンクの口座を開いて、通
   販の送金を受けることにしました。利用数は今日現在、13件対1件
   でJNBの圧勝です。通販は毎月100件を軽く超えてますから、利用
   率はまだ僅かですが、送金手数料が50円とか0円と安い上に、夜間
   でも休日でも送金できてたいへんに便利なので、今後は急速に増え
   るでしょう。この分ですと、遠くないうちに、民業を圧迫するため
   に郵便振替もネットに進出してくることが予想されます。

  ○いまぼちぼちとアフィリエイトの研究中です。うちのサイトは毎日
   1000頁前後のビューがありますから小遣い稼ぎになるかもしれませ
   ん。たとえばうちのサイトを経由してアマゾンで購入されると、う
   ちに3〜5%のコミッションをくれます。うちのサイトで紹介して
   いるすべての本にではなく、アマゾンで買われた方が早くて送料も
   安いような本にのみリンクを貼ると、お客にも得なのではないでしょ
   うか。非流通本とか新本特価はもちろんのこと、アマゾンでは取り
   寄せになってかなり待たされるような本については、いままで通り
   うちの通販をご利用いただけばよいわけです。うちのサイトでは、
   お客の参考になるかと思い、品切れ本や絶版本、そしていろんな事
   情で店頭には在庫してない本もなるべく掲示するようにしてますか
   ら、そのあたりにも有効でしょう。問題はどのようにすれば混乱無
   く、こちらの趣旨を閲覧者に理解してもらえるのかということと、
   本来の通販に悪影響がないのかということで、そのあたりをもう少
   し研究してみるつもりです。
   
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 「Bookish 本の遊覧 第8号  特集 画家のポルトレ」
        予価700円+税 発売・ビレッジプレス 
 
  ※1号からずっと三月書房の「売れてる本/売りたい本」のリストを
   無料で掲載していただいてます。
   
 「Bookish」のサイトへ(半年ほど更新が止まっているようですが…)

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ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜75号)」はHPにて公開中です。
     http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/

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