三月書房HOME販売速報総目次>三月書房販売速報[079]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第8B冊[76号〜80号]
通巻071号 2004.02.10発行 通巻076号  2004.10.12発行
通巻072号 2004.03.30発行 通巻077号  2004.12.07発行
通巻073号 2004.05.03発行 通巻078号 2005.01.20発行
通巻073.5号 2004.05.29発行 通巻079号 2005.03.21発行
通巻074号 2004.06.20発行 通巻080号 2005.05.24発行
通巻075号 2004.08.13発行     
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[079]
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2005/03/21[07-02-28]  (c)SISIDO,Tatuo     

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 079号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

 ◆「吉本隆明『食』を語る」聞き手・宇田川悟 朝日新聞社
 ◆「イエスとはなにか」笠原/佐藤 編 吉本隆明ほか 春秋社
 ◆「吉本隆明資料集43:高村光太郎」猫々堂
 ◆「吉本隆明資料集44:日本現代詩論争史」猫々堂
 ◆「中学生のための社会科」吉本隆明 市井文学
   吉本氏の書き下ろし本は、おそらく7年か8年ぶりでしょう。糖尿
   病で視力が落ち執筆がかなり困難になられたために、近年大量に出
   ている本は、対談かインタビューか講演か談話筆記ばかりでした。
   この本はおそらく電子ルーペを駆使して執筆されたのでしょう。こ
   の電子ルーペについては、うちのメルマガ「<吉本隆明>本 新刊
   のお知らせ 2004/11/08
」に詳しいことを紹介済みです。
   市井文学はこれが最初の出版物という新しい出版社です。取次口座
   がまだなく、直でと案内をいただいたのが、発売日の数日前でした。
   2月末に入荷した時点では在庫を持つ書店は全国でもほとんど無かっ
   たようで、初回入荷の50冊はわずか36時間ほどで完売してしまいま
   したが、その大部分がネット通販でした。これは<吉本>本に限らず
   とも、うちの店では近年の記憶にない出足です。ジュンク堂ほかの
   書店からの問い合わせも多かったので、いまでは主な書店にはたぶ
   ん並んでいることでしょう。
   3月20日現在、取り置き分を含めて売り上げは100冊を超えました。
   市井文学のサイトへはこちらから2回のジャンプで行けます。

 ◆「吉川宏志集」邑書林
 ◆「(歌集)海雨」吉川宏志 砂子屋書房
 ◆「永井陽子全歌集」青幻舎
   数年前に40代で亡くなった歌人の全歌集。生前から人気が高くて、
   入手困難な初期の歌集を探す人が多かった上に、定価が6000円+税
   と全歌集としては高くないので、これは売れて当たり前という本で
   す。現在20冊を越えたあたりですが、書評や紹介が載るのはこれか
   らですから、まだまだ売れるでしょう。それに、歌集というのは著
   者がやたらに贈呈したり、自力で販売したりされることが多いので
   すが、これは故人ゆえにそれもありませんから、その分も多目に売
   れるでしょう。
   
 ◆「名優・滝沢修と激動昭和」滝沢荘一 新風舎文庫
 ◆「新宿・大久保文士村」茅原健 日本古書通信社
   この2冊は坪内祐三さんの「週刊文春」連載コラム「文庫本を狙え
   !」で知って仕入れた本です。筑摩とか中公とか岩波あたりの文庫
   だったら、発売前からおよその見当がつくのですが、この2冊は出
   ていたことすら知りませんでした。
      
 ◆「ちぐはぐな身体:ファッションって何?」鷲田清一 ちくま文庫
 ◆「シュタイナーの人間論」高橋巌 春秋社
 ◆「神様がくれた漢字たち」白川静・監修 理論社
 ◆「みすず1−2月合併号:読書アンケート特集」みすず書房


[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

 ◆「失踪日記」吾妻ひでお イースト・プレス
 ◆「モカシン靴のシンデレラ」中沢新一 マガジンハウス
 ◆「雲の上からの手紙」沼田元氣 ブルース・インターアクションズ
 ◆「京都スーベニイル手帖(夏秋編)」沼田元氣 白夜書房
 ◆「『死の棘』日記」島尾敏雄・著 新潮社


[#03] Amazonのマーケット・プレイスについて

   1月下旬から、Amazonのマーケット・プレイス(以下MPと略)に
   出品を開始しました。前号でお知らせしましたように、1月中旬に
   「本とコンピュータ」の「新刊/古書の壁が崩れる日(仮題)」とい
   うテーマの座談会に出席しましたが、その時点では、まだMPに手
   を出していなかったので、このシステムについては残念ながら話題
   にできませんでした。MPに出品してみてわかったことは、Amazon
   においては「新刊/古書」の壁どころか、「プロ/アマ」の壁すら
   ないのも同然ということでした。

  ※MPでは本ばかりでなく、CDやDVDやパソコンソフトや電化製
   品など、Amazonが扱ってるものならなんでも出品できるようですが、
   話がややこしくなるので、今回は本以外は無視しておきます。

   MPが登場したのは2年程前だそうですが、まだ新刊業界ではあま
   り話題にはなっていないようです。小生も出品者として参加してみ
   るまでは、「古本も売ってるのだ」という程度の認識しかありませ
   んでした。しかし、どうやらこれはいままでの通販とはまったく次
   元が違う、画期的なシステムのようです。今後はこのMPとヤフー・
   オークション(以下ヤフオクと略)が、「新刊/古書」の壁と「プ
   ロ/アマ」の壁をなし崩し的に溶かして行くに違いありません。そ
   して、Amazonを追う2番手以下のネット書店も、これと同等かそれ
   以上のシステムを開発しないと差が開くばかりでしょう。ただし、
   ヤフオクが2番手以下に大差をつけているのと同様に、いまから追
   いかけるには、よほど画期的なシステムを発明しない限り至難と思
   います。

   MPをとりあえずわかりやすく説明するならば、どこかの書店の店
   頭で、ある本を定価で買おうとしたら、その場にまったく同じ本を
   1冊づつ抱えた売り手が何人もいて、「こっちのほうが安いから」
   とか「こっちのほうがきれいよ」とか「初版限定グッズ付きでっせ」
   とか口々に勧誘するようなものです。もちろん地べたの書店でそん
   なことをしたら、営業妨害で追い出されること確実ですが、その書
   店に歩合を払う契約した人には許されているのだとしたらどうでしょ
   う。もちろんリアル書店で、そういうことをするのは、物理的にも
   生理的にも経済的にも不可能ですが、それを可能にしたのがMPな
   のです。言葉を換えて言うならば、本来のAmazonのネット通販は、
   大昔からあった通信販売の手段として、インターネットを利用して
   いるにすぎませんが、MPは過去に例のない、まったく新しい販売
   方法を発明したと言えると思います。

   例として「ハリー・ポッターシリーズ第五巻」を検索してみますと、
   価格: ¥4,200 (税込)
   新品/ユーズド価格 : ¥2,200より(※金額は時々刻々変化します)
   と表示されています。上の行は再販商品としてAmazonがごくふつう
   に通販する価格(定価)で、下の行がMPへのリンクです。
   新品/ユーズド価格をクリックすると、最安値2200円から安い順に
   何冊も出品されていることがわかるでしょう。後述しますが、MP
   は送料が別途にかかりますが、それでもこの本の場合は1700円ほど
   安く未開封の新品が購入できるわけです。Amazonが再販商品を値引
   きして売っているわけではなくて、第三者が自分の所有物を購入希
   望者に売るわけですから、再販制とはまったく無関係です。商品を
   預かっての委託販売ですらありません。Amazonはこの商品の現物に
   は一切手を触れることはなく、売買情報の交換と代金の決済のみを
   引き受けて手数料を稼いでいるわけです。そして、おそらくMPの
   方が現物の通販よりも利益率がよいのでしょう。もし、そうでなけ
   れば、自分で自分の足を引っ張っているようなものですから。
   
   このように、MPは第三者同士の取引をAmazonが仲介して手数料を
   稼ぐシステムですが、このシステムの優れた点は、ネット通販とし
   ては最大手のAmazonのサイトに完全に寄生して、第三者同士が取引
   できることです。見ず知らず同士の取引とはいえ、Amazonが出品者
   及び購入者に関する個人情報を、クレジット情報を含めて管理して
   いますから、詐欺にあう確率は極めて少なくて互いに安心して取引
   できます。

   MPには個人でも法人でも1点から出品できて、売れない限り手数
   料は一切発生しません。Amazonの手数料は1点売れる毎に一律100円
   (税込み)の成約料及び販売価格の15%となってます。たとえば税
   込み1000円で売れれば、100円+150円の250円がAmazonの取り分で、
   残りの750円から仕入れ値を引いた分が出品者の利益です。もちろん
   定価で買った人なら損ですが、それでも古書店に引き取ってもらう
   よりははるかによい値段になるはずです。
   送料は別途で、本の場合、購入者は一律340円請求されますが、出品
   者は一律260円もらえます。この差額の80円はAmazonの取り分ですが
   その名目は知りません。
   出品者は260円より安い送料で発送できれば利益が増えますが、足を
   出せば利益が減ります。したがって重たい本の時は、あらかじめ送
   料の不足分を販売価格に適当に上乗せしておく必要があります。
   うちの場合はクロネコメール便が基本ですが、210円で送れる本が
   一番多いようです。佐川急便の冊子小包扱いのメール便と大口契約
   すれば、驚くほど安くなるようですから、件数が多い大手の古書店
   はかなり送料の差額でも儲けているでしょう。(佐川は郵政公社に
   丸投げして儲けているのですが、郵政公社が損をしていないのかど
   うかは不明です。それにしても変な話でまったく理解できません。
   ヤマト運輸が民業圧迫というのも無理ないでしょう)

   出品希望者は最初にAmazonと契約する必要がありますが、これは銀
   行口座とクレジットカードさえあればごく簡単です。あとは出品し
   たい商品をAmazonで検索して、見つかれば「マーケットプレイスに
   出品する」というボタンをクリックして必要事項を記入するだけで
   す。ためしに先の「ハリポタ」の頁をごらんになれば右側に出品ボ
   タンがあるのがわかるでしょう。

   出品した本に購入希望が入った場合、Amazonは購入希望者のクレジッ
   トカードが有効かどうかを確認し、引き落とし手続きをしてから、
   出者に購入者の住所氏名とメルアドを通知します。この作業は自動
   化されていて、おそらく一瞬ですむのでしょう。それと同時に、購
   入希望があった本は自動的にMPから削除されます。出品者は指示
   があった送品相手に2営業日以内に発送するだけでよく、販売代金
   は1月毎にまとめてAmazonから銀行口座に振り込まれます。   

   このように、ネット書店としては日本一の販売量を誇るサイトに、
   敷金も礼金もなしで出店できる上に、1点ごとの出品作業がごく簡
   単で、しかも購入者から集金する業務がいっさい不要なわけですか
   ら、出品者としてはとても便利なシステムです。

   もちろん購入者にも定価より安く買えるとか、Amazonの取り寄せ商
   品よりも早く届くとか、絶版や品切れの本でも買えるというメリッ
   トがあります。しかも、さらに便利なシステムとして、自分の買い
   たい本が売り切れていたら、リクエストすることもできます。「こ
   の商品を安く買いたい」のボタンをクリックして、ここへ希望価格
   を登録しておくと、条件にあった本が出品されたときにメールで知
   らせてもらえます。逆に言うならば、リクエストのある本を購入者
   の希望額で出品すれば間違いなく売れるわけです。

   購入者にとってMPの欠点は、クレジット以外の決済がないことと、
   1件づつ別々に請求されるために、2冊以上のまとめ買いができな
   くて、送料がかなりかさんでしまうことです。Amazonの本来の通販
   ですと、まとめ買いもできるし、代引きも選択できる上に、1500円
   以上は送料無料ですから、このあたりはかなり不便です。

   出品するときは出品者としての登録名(ニックネーム)が必要です。
   既存の出品者の名前と重複しなければ、商標や商号に関する法律に
   違反しない限りどんな名前でもよいのですが、うちは堂々と本名の
   「三月書房」で出品してます。例えば「三ちゃん」だとか「ほにゃ
   らら書房」とかでもまったく問題はないのですが、本名で販売すれ
   ば、購入者にうちのサイトの宣伝をすることができるからです。う
   ちの出品本が売れたら、Amazonは購入者の住所氏名のほかにメルア
   ドも知らせてくれますから、購入のお礼と発送日のお知らせメール
   をするついでに、うちのサイトの案内もすれば、次からはAmazonを
   介さずに直接購入していただける可能性があるからです。
   
   うちは新刊書店ですから、手数料が20%前後ということを考えると
   出品可能なのは、自由価格本以外にはありません。自由価格本を出
   品する場合に、最初の関門はAmazonで検索してその本が見つかるか
   どうかです。うちが八木書店から仕入れて、ネットと地べたで販売
   している特価本の中でも、とくに売れ行きがよい小沢書店、博品社、
   リブロポートなどの商品は、残念ながら大部分がAmazonのデータベー
   スに登録されていませんから出品不能です。そのおかげでうちのちゃ
   ちなサイトでも、それらの本はけっこうな売り上げがあるわけです
   から、これはこれでたいへんけっこうなことですが。
      
   出品可能な本が見つかれば、次に販売価格を決定することになりま
   す。販売価格を決めるには、出品する本の状態を考慮する必要があ
   ります。これはAmazon設定の五段階評価のチェックボックスにて、
   新品、ほぼ新品、非常に良い、良い、可、から選択します。それか
   ら特記事項等を66字以内で自由に説明することもできますから、そ
   こに「新本特価につき底にB印あり」という意味のことなどを書き
   込みます。
   
   先に出品している人がいなければ自由に値付けできますが、Amazon
   が新品を定価で売っている場合には、送料込みで2割引き程度が上
   限になるでしょう。出品者がある場合はその人の価格や状態の評価
   を参照して、上にするか下にするかを考える必要があります。下に
   したらほとんど利益がないかもしれないし、上にしたら順位がかな
   り下位になって、いつまで待っても売れないかもしれません。新本
   特価の場合、元定価の5割引き程度で売れれば十分なのですが、な
   にしろ競争相手は不要品を処分する素人だったり、一山いくらで買
   い入れることができるプロの古書店ですから、なかなかうまくは行
   きません。
   
   いわゆる絶版本とかサイン本とか限定グッズ付きとかの場合は、定
   価より高い価格をつけることも可能です。この場合は「ユーズド商
   品」ではなく「コレクター商品」として出品することになってます
   が、まだ出品したことがないので、今回はパスしておきます。   

   当初の出品作業はぼちぼちやって、1週間ほどかかりましたが、
   Amazonにデータがあり、うちの利益もそこそこ見込める本は350冊程
   でした。売り上げは初日からほぼ毎日あり、今のところ平均して1
   日に2冊というところです。MP全体では1か月に出品商品の7%程
   度が売れているとのことですが、うちは17%程度ですから上出来で
   しょう。
   粗利益は1月で数万円位ですからたいした額ではありませんが、出
   品商品はもともとうちのサイトに並べているのと同一で、新たな仕
   入れは不要ですし、特別な設備も不要ですから、経費ゼロで新たな
   売り場を1箇所増やしたようなものです。
   
   販売の手間は、うちのネット通販に比べると格段に楽です。うちの
   ネット通販ですと、お客の問い合わせがあってから発送するまでに
   お客と間をメールが数回往復するのがふつうですが、MPではその
   手間がありません。代金の決済もAmazonがやってくれますから請求
   書も郵便振替用紙も不要です。しかも、Amazonからの送品指示のメー
   ルには、プリントするだけで使える「宛名紙」と「納品書」も含ま
   れていますから、こちらの作業は梱包して発送するだけです。
   ある商品が売り切れても、うちの自前のサイトのように、いちいち
   売り切れ表示をアップロードする必要がありませんし、同一商品の
   在庫がまだあれば再出品するのも簡単です。

   先に成約料は1件あたり100円と記しましたが、プロマーチャント契
   約という大口契約にすると1月4900円の固定料金になります。月に
   50件以上安定して売れるならばこの方が安上がりですし、入金が月
   1回から14日に1回になるほか、大口契約者にのみ利用できるサー
   ビスもいろいろありますから、うちも2月目からはこの契約をして
   います。
   
   MPには販売終了後に、購入者が販売者を評価するシステムがあり
   ます。5点満点の5段階評価を選択し、その理由も書き込めます。
   取引件数が増え、高い評価が集まれば信用度が高くなって、同じよ
   うな状態の本を同じような価格で出品している場合、注文してもら
   える確率があがります。同様のシステムはヤフオクにもありますが、
   こちらは出品者と落札者の相互が評価しあい、どちらの立場で得た
   評価もまとめて持ち点に加算されますから、お互い様ということで
   ほぼ全員が毎回評価作業をしているようです。しかし、MPの場合
   は購入客に対する評価はありませんから、購入客が販売者を評価す
   るのはあくまでも気が向けばということになりますので、率はかな
   り低いようです。うちの場合100件ほど売った時点で30件ほどの評価
   をもらっています。
   
   たまたま目に付いた他店の過去12ヶ月の評価件数を見ますと、
    29056件 高原書店
    22751件 ブックセンターいとう
    20220件 イーブックオフ
    11438件 ブックスーパーいとう
    11362件 ブックセンターいとう札幌店
   というように、かなりの件数が表示されています。これはあくまで
   もたまたま見かけたのをメモしただけですから、他にも大手がある
   かもしれません。先に記しましたように、評価作業をする人の率を
   を30%とするならば、高原書店は1年間に10万冊近く販売している
   ことになります。1件平均1000円の販売額として年間1億円という
   ことになりますからかなりの売り上げです。実は上記の5社はうち
   が出品しようとするとたいていぶつかる相手ですが、当然ながらほ
   とんど勝ち目がありません。高原書店とかブックセンターいとうな
   どは、八木から仕入れたらしいB本を出品されていることも多いよ
   うです。(これはまったくのデタラメな思いつきですが、もしかし
   たら八木書店も変名で出品されてるかもしれません。別に何に違反
   するわけでもありませんから。もしまだだったら止めておいてくだ
   さいね)。イーブッククオフはもちろん例の如くに安値で買い取っ
   たものを出品しているのでしょうから利益率も高いことでしょう。
   ブックオフ関係ではbookuoffロジテックスという出品者名も見かけ
   たことがありますが、やはり評価件数は5桁でした。ブックオフグ
   ループが、もしも本気で全社を挙げてMPに出品を始めたら、おそ
   らく評価件数にして年間に数十万件位は簡単に稼げることでしょう。
   
   ブックオフといえば、100円コーナーで仕入れた本をMPに出品して
   いる素人も多いようです。ブックオフの棚の前で、ケータイで検索
   して相場を調べ、利益が上げられそうなのを買って行くわけです。
   慣れればけっこうよい小遣い稼ぎになるともいわれてます。
   うちの店内でもケータイで検索している人をよく見かけますが、こ
   の人たちはMPでなら安く買えるかもしれないと確かめておられる
   ことが多いに違いありません。もちろん、ご自分のお買い物メモを
   チェックしたり、知人からの購入依頼メールを確かめられているだ
   けかもしれませんが。ほかに三月書房のサイトを再確認している方
   も多いようです。ケータイの画面を示して、この本はどこに並んで
   るか聞かれることもよくあります。しかし、サイトで想像してたの
   とは別物のごとき貧弱な品揃えに、目を疑ってるおられるだけかも
   しれません。
   
   先にちょっとあげた5店のみで30万冊は売っているのだとすると、
   MP全体ではどれくらいの冊数が売れているのでしょうか?
   評価件数が3桁以上の出品者は無数にありますから、おそらく、数
   百万冊、金額にして数十億円くらい売れているのではないでしょう
   か?もしそれが過大だとしても、100万冊または10億円くらいは固い
   でしょう。
   そして、今後も当分は伸びることはあっても減ることはないと思わ
   れますから、Amazonといえば新刊書店だとだけ考えている業界人が
   いまだにおられるとしたら認識を改めるべきでしょう。それにブッ
   クオフはコミックや読み捨て本がメインと思われますが、MPでは
   けっこう固い本や専門書も売れていますから、その影響はいずれボ
   ディブローのように新刊業界に効いてくると思われます。もちろん
   ふつうの古書店のほうがその影響を多く受けているとは思いますが、
   彼らはいざとなったらMPに出品することもできますから、まだ逃
   げ場があるだけましでしょう。
   
   かなり長くなってしまいましたから、今回はこの程度にしておきま
   す。「予約注文リストについて」とか「29円バトルの謎」とか、ほ
   かにも書きたいことはいろいろありますが次の機会にしておきます。
   MPについてもっと知りたい方は、まずAmazonのサイトにあるイン
   フォメーションを読むことからお始めください。
   また参考書としては「Amazonマーケットプレイス 徹底活用」とい
   う本がソフトバンクから出ています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797330058/sanngatushobo-22


[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その42)

  ○紀伊国屋書店の新京極店(※正式な店名は不明)が、4月下旬にオー
   プンするとの新聞発表が1月下旬にありました。新京極通三条下ル
   の松竹系シネコン「MOVIX京都」の南館の地下1階と地上1階に出店
   するとのことで、店舗面積は約千平米となってます。あの大失敗だっ
   たゼスト御池店の2倍弱の広さですが、人通りはうんと多いのであ
   のような悲惨なことにはならないでしょう。記事によりますと、
   「映画関連の書籍やDVDなどの品揃えを充実したい」そうです。
   おそらくどちらかの階がその映画関連で、別の階がその他全般を置
   くことになるのでしょう。
   DVDはちかごろかなり安くなってる上に、再販制に縛られていな
   いので、バーゲンがあれば買いに行きたいと思います。いまのとこ
   ろ近辺にはDVDが質量ともに十分揃っている店はなくて、タワー
   レコードかJEUGIA本店かビーバーレコード京極店がややましという
   程度ですから、その気になれば地域一番店になるのは簡単でしょう。

  ○京都のジュンク堂が改装中だそうです。5フロアで計3百坪強の中
   型店ですが、レジを1階のみに置く池袋店方式にするのでそうです。
   こうすると、撤去するレジカウンターの分だけ商品を多く並べるこ
   とができますが、店員の人数を減らす効果があるのかどうかは聞い
   てません。この方式の場合万引きのことはともかくとして、棚から
   抜いて持ち歩いた後で買うのをやめたときに、いちいち元のフロア
   の棚まで戻しに行くような立派な客は少ないと思うのですが、その
   あたりはどうなってるのでしょう。うちのようにわずか10坪の店で
   も、お客が元とは違う棚に並べてしまったら、なかなか気がつきま
   せん。集中レジは、時間があってゆっくりと買い回りたいお客には
   便利であることは間違いありませんが、急いで1冊だけ買うお客に
   は、やや煩わしいのではないでしょうか?
   この工事は3月19日までの予定と聞いてますから、ぼちぼち完成し
   たころでしょう。いずれ暇なときに見学してきます。
   
====[受贈本 勝手に御礼広告]==========================================

 「本とコンピュータ 2005春号」
   特集:出版再考 このままでいいのか、悪いのか。それが問題だ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887521936/sanngatushobo-22
   
   小生が出席した座談会は「新刊を売るだけが、書店の仕事じゃない」
   というタイトルになりました。まあまあ面白いのではなかろうかと
   思いますから立ち読みでもしてください。
   
   この号に関しては月曜社のサイトの「ウラゲツブログ:3月11日」
   にとても行き届いた「提灯持ち」記事が載ってますからご参考に
   どうぞ。http://urag.exblog.jp/
   
===================================================================
  
====[受贈漫画 勝手に御礼広告]=====================================

 「彷書月刊」に大好評連載中!!!
      “ブンブン堂のグレちゃん”グレゴリ青山
   
  ※「三月書房販売速報[077]」にてグレゴリ氏の「ナマの京都」をよ
   く売れてると紹介したところ、わざわざ「彷書月刊 2004年8月号」
   を贈ってくださいました。この号にはおそらく1990年代初頭の三月
   書房らしき本屋とご近所の尚学堂さんらしき古書店が出てきますが、
   「この辺の本屋さんは商売気がないのでしょうか」とグレちゃんに
   感心していただいております。
   この号のことは萩書房氏から聞いてましたが、現物を見たのは初め
   てでした。「三月書房販売速報(仮題)」は業界向けのお気楽なメ
   ルマガですが、だらだら続けていると、ときどき思いがけない余得
   があってうれしくなります。
   小生もわりと義理堅いほうなので、グ印センセの本を取り揃えて、
   ネットにも掲示してみました。
 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/gabun/guregori.htm#
  
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜78号)」はHPにて公開中です。
     http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/

   ※新規購読のお申し込みはメールで下記までどうぞ
     sangatu@mbox.kyoto-inet.or.jp

     (c)SISIDO,Tatuo     三月書房
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