神々の中で最長老と呼ばれる母なる大地、「厚い胸をした者」を表すギリシア名。ゼウスが支配するようになると、オリュムポスの神々がガイアの古い神殿を受け継いだが、神々はガイアの法に従っていたので、ガイアの名のもとに結束の誓いを立てた。
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)
《大地》の意で、それを擬人化した女神。ローマのテルースTellus。彼女の崇拝は各地に認められる。デルポイの神託所は元来は彼女のものであった。彼女はさらにあらゆる事柄がその上で行なわれる者として、誓言の神となっている。神話の中では、彼女はあらゆるものの原初、神神も人間も彼女から発していることになり、したがって神々の系譜を歌ったへーシオドスの《テオゴニアー》では大きな位置を占めているが、ホメーロスではまったく度外視されている。
大地たるガイアはまたデーメーテール、ケレース、キュベレーのごとき大地女神と同一視され、混同されている。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)