「女陰」の意。タントラにおいて、ヨーニは崇拝の対象として筆頭にあげられており、ヨーニを象徴するものは三角形、魚、両端が尖っている楕円形、馬蹄、卵、果物などさまざまである。ヨーニの化身であるカーリー女神は、クンティCuntiまたはクンダKundaという添え名を持っていた。この両語は印欧語族のどの言語にもある言葉cunt(「女陰」)とそのすべての同族語の語根である(同族語は cunnus、cunte、cunning、cunctipotent、ken、kin、countryなどである)。
ヨーニ・ヤントラ、すなわち、ヨーニを表す三角形は、万物の源としての太母を表す、原初のイメージとして知られていた[1]。太母の聖なるエネルギーの横溢する女性性器を表すヨーニ・ヤントラは、十字架がキリスト教徒に崇拝されたように、幾何学記号による女陰の象徴として崇拝された。
洗礼による再生の儀式とは、再生を要する人を、純金製の巨大なヨーニの中に押し込め、再び身体ごと引き出すことを意味する場合が多かった。この儀式を終えた者は「二度生まれし者」と呼ばれた[2]。
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)