萌える緑の「京だより」

古より、伏流水や湧き水に恵まれてきた水の都・京都の初夏は、萌えるみどりに包まれます。

下鴨神社 糺の森
 世界遺産に指定されている糺の森は、源氏物語の中で「憂き世をば 今ぞ別るるとどまらむ 名をば糺すの神にまかせて」と光源氏も歌っています。
 原生林には、珍しい植物や昆虫も生育しています。深いみどりの木立にかこまれ、都会の喧騒を忘れさせる別空間です。
下鴨神社 糺すの森

花園  妙心寺
 妙心寺 「東林院」  花園上皇離宮を禅寺とし、1342年妙心寺と命名。塔頭47を数える京都最大の寺にもかかわらず、五山に入っていないのが不思議です。
 禅寺の凛として簡素な佇まいが心の中にも、初夏のさわやかな風を運んできます。 

妙心寺 東林院
 すみずみまで掃き清められたお庭。
 訪れる人を歓迎するかのように、獅子の頭には沙羅双樹の花1輪。
思わず笑みがこぼれます。
 厳しい修行の禅寺にも、「萌える緑」の季節到来です。
東林院の庭

東林院 沙羅双樹の花
紗羅双樹  祇園精舎の鐘声
  諸行無常の響きあり
   沙羅双樹の花の色
     盛者心衰の理をあらわす

 はかなさを嘆かず、潔さや清らかさを想いつつ、散ったばかりの
白い白い花をみつめていました。
 こころが透きとおっていくようです。このひと時に出会うために、訪ねて来てよかった・・・・・。

花 園 妙心寺
 「沙羅双樹の花を愛でる茶会」が催されていました。
 礼儀正しく、精一杯努める修行僧たちが点ててくれたお茶をいただきながら、雨に打たれ散ってゆく沙羅双樹の花を眺めていました。
修行僧

賀茂川 四条河原
鴨川 四条河原町   水の都・京都を、きらきらと輝きながら貫く水流。賀茂川は若いカップルのデートコース。人は水辺に憩う時、その心地よさで素直に喜びを表せるのかもしれません。二度とない青春の時を、賀茂川は見守り流れつづけています。

先斗町 川 床
 夕闇がおとずれるころ、川床(かわゆか)に灯りがともり「乾杯!」と宴に歓談の声。せせらぎと川風に涼をもとめ、京都では、古も今も夏の宵を賀茂川の河原で涼みます。 先斗町 川床

四条 先斗町
先斗町 芸子さん  四条から賀茂川に沿った小路が、先斗町です。御茶屋の格子戸から、やさしい灯りがもれています。
 石畳をそぞろ歩いていると、「はっ」とするほど美しい芸妓さんに出会いました。「夏の夜の夢」のようです。 

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