都市環境デザインを目指す若者集まれ
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バリアフリーを考える

景観とバリアフリー

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写真19 公開空地のベンチ
改行マーク写真19のように公開空地にさりげなくベンチをつくっているというのは、 非常にいいなと思います。 これからの高齢社会では、 このようなちょっと休憩できる場所がまちのあちらこちらにあれば、 都市として随分住み心地がよくなる思います。 さらにもっと木が茂って木陰ができれば、 空間としては最高です。

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写真20 大阪城(エレベーター)
改行マーク写真20は大阪城のエレベーターです。 江戸時代に将軍が石段を使わずに入る専用の入り口があり、 平成の大改修でリニューアルと同時に、 そこにエレベーターを取り付けました。 今の大阪城は昭和6年にできており、 内部には一部エレベーターがありましたが、 これも天守閣まで伸ばし、 この2つのエレベーターで天守閣まで行けるようになりました。

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写真21 中山寺(エスカレーター)
改行マーク写真21は、 阪急宝塚線の中山駅に近い中山寺です。 安産祈願のお寺ですので、 妊娠した方や乳児を連れた方、 あるいはお年寄りなど歩くのが大変な方もたくさん参拝に来ており、 阪神・淡路大震災の復興にあわせて、 お寺の雰囲気にあったデザインのエスカレーターをつけています。 入り口には山門があり、 4段くらいの階段があるので、 そこにもすぐ横にスロープをつけ、 階段を使わずに本堂までいけます。


リーディングラインとバス停

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写真22 歩道のリーディングライン(イエテボリ/スウェーデン)
改行マーク写真22はスウェーデンのイエテボリという都市です。 日本は視覚障害者誘導ブロックの整備が発達した国で、 おそらくは世界で一番ではないでしょうか。 ヨーロッパではあまり見かけず、 そのかわり歩道の舗装の素材や色を変えることで誘導しています。 写真はリーディングラインと呼んでいます。

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写真23 バス停留所(ストックホルム/スウェーデン)
改行マーク写真23は、 ストックホルムの南地区にあるバス停ですが、 これも素材と色のコントラストで車道との境界を示しています。

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写真24 バス停留所(ボロース/スウェーデン) 
改行マーク写真24もバス停です。 ここには視覚障害者誘導ブロックとあわせて、 素材と色でコントラストをつけています。


道路とバスの段差を解消する二つの方法

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写真25 プラットホーム型のバス停留所(ハルムスタッド/スウェーデン)
改行マーク写真25は私の好きな写真ですが、 スウェーデンのハルムスタッドという都市にあるバス停です。 普通のバスの入り口は道路より高いため、 バスと道路の高さを合わすのにどうするかというと、 バスの入り口を下げるかバス停を上げるかしかないわけです。 これはバス停を上げている例で、 53センチの高さのバス停をつくりました。

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写真26 バス停留所とバス(ハルムスタッド/スウェーデン)
改行マークバスからバス停にむかっては、 動く板をブリッジのように出して繋ぐようにしており、 車椅子でも平行移動でバスに乗れるようにしています。

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写真27 ローフロアーのバス(ボロース/スウェーデン)
改行マークそうこうしているうちに、 だんだんバスの入り口の高さを下げたローフロア(低床式)のバスが開発されてきました。 写真27のバスは、 ローフロアーで、 さらに停車時には床が下がる装置(ニーリング)もついています。

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写真28 スペシャル・トランスポート・サービス(コペンハーゲン/デンマーク)
改行マーク写真28は「スペシャル・トランスポート・サービス」という、 ドア・ツー・ドアの送迎サービスで、 歩くのが困難な高齢者などが資格を得てサービスを受けることが出来ます。


「ショップモビリティ」というシステム

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写真29 ショップモビリティの道路のかさ上げ(ロンドン/イギリス)
改行マークショップモビリティは、 イギリスの商業地で普及しており、 電動スクーターや車椅子などを貸し出し、 道路や建物の段差をなくし、 また必要に応じてボランティアがエスコートし、 高齢者が自由に街で買い物が出来るシステムです。 写真29は道路を上げている例です。

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写真30 ショッピングモール
改行マーク道路を上げたり、 建物の入り口を下げて段差をなくし、 また建物の入り口も広くし、 フラットで楽に建物に出入りできるようにします。

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写真31 電動スクーターでのショッピング
改行マークそうすると、 こういう電動スクーターの方でも店に自由に出入りできるようになり、 店の方の売り上げの増加にもなるわけです。 電動スクーターは、 企業の寄付で購入しており、 寄付をした企業の名前が入っています。

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写真32 エレベーターで屋上へ
改行マーク駐車場やショッピングセンターにはエレベーターがあり、 電動スクーターで使えます。

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写真33 屋上の駐車場で自動車に乗り換え
改行マークこれは屋上の駐車場で、 電動スクーターから車に乗り換えられます。

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写真34 電動スクーターは乗り捨て
改行マーク写真34では電動スクーターが乗り捨てられ、 横の管理事務所で保管しています。 この仕組みは、 自治体が中心となり、 企業や市民の協力で運営し、 高齢者のモビリティの確保と地域経済の活性化を図るものです。

改行マーク参考図書:『タウンモビリティとにぎわいまちづくり』


まちづくりと高齢者福祉のリンク

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写真35 高齢者住宅(アムステルダム/オランダ)
改行マーク写真35は地下鉄の駅の前の高齢者住宅です。 高層部が一般住宅で、 低層部が高齢者住宅で、 再開発で地下鉄とこのような住宅を整備しています。

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写真36 高齢者住宅の中庭
改行マーク高齢者住宅の中庭ですが、 この地下に地下鉄が走っています。

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写真37 高齢者住宅の食堂
改行マーク食堂は暖色系の色を使っています。 また、 周辺の在宅の高齢者に給食のサービスもしています。

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写真38 高齢者住宅の居室
改行マークこれはある高齢者の居室ですが、 家具などはできるだけ今まで使っていたものを持ち込んで、 継続性を尊重しています。

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