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(100)河川敷公園ということで、 淀川にしてもそうですが、 ゴルフ場にしたり、 イベントプラザを造ったり、 運動場があったりと、 広く利用されていますが、 この写真のように硬質なデザインで広場化する必要があるかは疑問です。
[大阪市石川]
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(101)河川の場合、 低水域と高水域という2つのレベルがあります。 低水域は、 通常、 水が流れていても大丈夫な川幅と水深が保たれています。 高水域は一定量以上の雨が降った場合の受け皿としての幅と深さを保持し、 洪水から守る領域です。
この高水域については、 河川法で高さ1mまでのものは河川敷に設置しても構わないということになっています。 従ってスライドにありますような遊具であるとか、 樹木というものは高さが1m以内であれば設置できるわけです。 これらの遊具類は完全に固定されておらず、 ボルトで仮止めしています。 大雨が降ればこのボルトをはずして移動させるということが建て前ですが、 もちろん実際にそんなことは出来ません。 結果として水はこれらの上を流れ、 水が引いたあと、 ここはゴミの山になります。
この様に高水域を河川敷オープンスペースとして様々な方法で利用しています。 ただ美しい水の流れや川の風情をずたずたに傷つけてまで利用する必要があるかは疑問です。 もちろん地域の防災や安全のスペースとして利用することは賛成ですが。
[大阪府石川]
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(102)これも高水域を利用した芝生広場と自然石を並べたプレイスカラプチャーの景観デザインです。 これはまぁまぁいいですね。
向こうに大きな樹林が見えますが、 もともとあった樹林です。
[大阪府石川]
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(103)これは高水域の中に花畑を造ったものです。 この部分は数年に1回程度水がつくかつかないかのエリアなので、 この様な思い切った利用法が出来るのでしょう。
[大阪府石川]
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(104)よく見かける階段テラス状の河岸公園です。 単調ですがノビノビと連続した水際エッジはいいですね
[大阪府石川]
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(105)これもコンクリートのプレキャストによる護岸のデザインで、 近くで見ますと汚いのですが、 少し離れて見ればそれほど悪くは感じません。 それは護岸にいろいろな構造要素を持ち込まないで、 単調に仕上げているからでしょうね。
[岐阜県木曽川]
町の風景もそうですが、 川のデザインは、 近景・中景・遠景という距離感の中で注視して、 デザインとして許せるのは何処までかという許容範囲を考えて造らねばいけません。
川の景観デザイン・川の整備は公共事業ですから、 システムとして単年度完成が原則となります。 そこで、 今年は100m分の予算がついたからその分だけ、 来年もまた同じように100m分だけというように行われます。
これでは行政の方も、 その仕事を受ける民間の設計者も、 自分の受け持った100m分でしか川の景観を捉えることが出来ない。 そのため、 十年たったら1kmの川の中にいく通りものデザインがあるということも、 極端な例ですが、 あるわけです。 少なくとも川の風景をデザインする場合、 自分の受け持ちが100m分しかなかったとしても、 1km先の地域環境を読んで、 百年先の景観文化を創造し造っていく努力が行われなければならない。 そう思います。
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(106)これは嵐山です。護岸を1:1.25以下の傾斜度にいたしますと人が腰を下ろすのにちょうど良い河岸機能を造ってくれます。
同時に玉石の素材がきめ細かく築造されていて美しいですね。
[京都市嵐山桂川]
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(107)ここでは河岸に大きな石をおいて、 子供の彫刻もありその上で子供達が遊べるような親水空間を作っています。 緑の丘と澄んだ水辺に挟まれた自然石の造形による楽しそうな空間、 広場です。 いいですね。
[岡山県旭川]
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(117)これは奈良の飛鳥にある新しく造られた川の護岸整備で、 地元の素材を用いて場に順応しています。 成功例です。
[奈良県飛鳥川]
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(118)このように、 川と護岸、 生活の場である建物、 張り出した小さな庭的空間が上手く融合しています。
[岡山県旭川]
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(119)これはみなさんよくご存知の鴨川です。 川面に張り出た桟敷(床)の空間が京都独特の風情を見せてくれます。 車が河川敷にいっぱい並んでいますが、 これはいやですね。
[京都市鴨川]
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(120)岐阜の長良川です。 玉石の護岸がいいです。 赤の屋形船と合っています。
[岐阜県長良川]
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(121)これは近江水郷です。 コンクリートブロック護岸も周辺の緑で助けられています。
[滋賀県]
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(122)水のあるところには、 魚や貝や鳥などの生物が集まってきます。
[岐阜県木曽川]
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(123)犬も水浴びしています。
[大阪市淀川]
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(124)小さな地蔵様です。 河川敷に祀られています。
[京都市鴨川]
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(125)河川敷の草木のオープンスペースはシンボリックな一本の樹木以外は開放的なグリーンランドで気持ちが晴れ晴れします。
[大阪府枚方市淀川]
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(126)支流の川と合流する淀川です。 水辺の遊歩道と緑の堤のスケールがいいですね。
[大阪府天の川と淀川の合流点]
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(127)街のレベルがあって高水敷の道があって緑の土堤があって水面がある。 河川の断面構造としてスケール的にうまく調和しています。
[京都市鴨川]
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(128)陸上と水面のエッジに45度前後の緑の土堤の空間が水際を美しく見せてくれます。
[大阪大和川堤]
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(129)この景観では手前の護岸はコンクリートで造られていて、 奥の上流部の護岸は自然石で造られています。 見比べてみますと、 やはり自然ととけ合った奥の景観の方がすぐれています。 お金も知恵も手間もかかるのでしょうが、 ぜひこの様な事例を参考にして、 日本の川風景をデザインして欲しいものです。
[高知県四万十川]
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(130)道路と護岸を統一した御影石で築造し、 エッジに丸みをつけて護岸にやさしさを表現させています。 うまいですね。
[京都市鴨川]
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(131)同じように水際のエッジがシンプルでいいですね。
[京都市鴨川]
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(132)先ほどの御影石による丸みのある河岸空間のデザインです。 川への思いやりが伝わってきます。
[京都市鴨川]
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(133)自然石の玉石を編んで積み上げたように、 手づくりによる川の水際を築造した美しい川岸デザインです。
[石川県金沢市犀川]
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(134)この様に護岸の風景を多く見ていただいているのは、 人間と水とのかかわり合いを考える場合、 陸と水面その接点がこのように川と水辺の風景であり、 景観を語る時のテーマであるからです。 ですからディティールとしての水際の構造としての護岸は非常に重要になるわけです。
[金沢市犀川]
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(135)自然石で新しく整備されています。 悪くないですね。
[大阪府交野市天の川]
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(136)御影小舗石の護岸と道のデザインです。 回りの緑と合ってすごく美しいです。
[京都市鴨川]
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(137)遠景で見ると豊かな水の量の流れと木橋に背景の雄大な山の風景、 手前の玉石、 玉砂利の河原がそれぞれにうまく溶け合っていい風情を造ってくれます。
[京都市嵐山]
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(138)階段テラスのエッジと川岸広場です。
[大阪府枚方市淀川]
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(139)川辺を二つのレベルの遊歩道と広場で造っています。
[岡山県旭川]
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(140)川辺に突きだした船着き場のような水辺のテラス。 柵もなくオープンでいいですね。
[大阪市中之島]
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(141)これも誰かががんばって造った都市の中の親水空間、 せせらぎのデザインなのでしょうが、 あれこれと空間をいじりすぎています。 がんばりすぎだなと思います。
[岐阜市忠節水路]
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(142)これは安藤忠雄さんのデザインで、 建築と水の関係をうまく階段ステップとフロアでつないでいます。 防護柵もなく、 シンプルでいいですね。 京都木屋町のタイムズビルです。
[京都市三条木屋町]
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(143)この様な何も造らないデザインの方がかえって水辺が美しく見えていいと思います。
[京都市三条木屋町]
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