サンガ日記 (2001 August)


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2001 Aug.31

 7時台に起きる。ゴミ出しを済ませ、朝食とweb browse。早めに切り上げて時刻表をめくり、今日のイメージを膨らませる。

 10時を過ぎて、京都駅へ出発。10時52分のみやこ路快速に乗り込む。平日の昼前、車内は座席こそ埋まっているものの、混雑しているというほどではない。東福寺へのカーブを過ぎると、電車は結構な速度で走る。京阪電車の特急よりもスピード感がある。斜め前の席に座っていた、若い白人バックパッカーが、運転席の真後ろに移動して前を見ている。その隣で前を眺めている子供とそっくりな仕種。連れのラスターヘアーなお姉さんも、笑いながらその光景を眺めている。

 11時32分、JR奈良駅に到着。ひょっとしたら初めて来たかもしれない。しかし駅舎を見物する時間は無く、すぐに桜井線のホームへ移動。みかんをイメージしているのだろうか、オレンジ色のストライプが入った電車は2両編成でワンマンカー。これに3時間近く乗って、和歌山を目指すことになる。

 11時41分、発車。ロングシートは8割方埋まっているだろうか。ふと見ると、車内に閉じ込められたトンボが、乗客の注目をよそに飛び回っている。このまま和歌山まで一緒だったら楽しいのに、と思っていたら、3駅ほど過ぎたあたりでおばさんに捕まえれらて、窓からつまみ出されてしまった。残念。天理を通過。昼近くに天理を通過。信者の宿舎が建ち並ぶ様は、他には無い風景。いわゆる天理ラーメンを食べたのは、もう何年前のことだろう。

 12時22分、高田に到着。5分ほど停車していたのだが、いきなり逆方向に走り出して面食らう。和歌山線のどこかの駅でも、また逆走したかと思ったら、何とスイッチバックで1段下の線路へ降りてみたり。吉野口では同じホームに近鉄電車が停まっているし、和歌山線、侮れない。

 五条を過ぎると、両側を山に挟まれた谷あいを緩やかに下り続ける。地理の教科書で見た風景が、目の前を流れてゆく。橋本でかなり長い間停車。南海電車との接続駅で、しばらく見なかった自動改札機が新鮮だ。なおも走り続けること1時間、ようやく和歌山駅に到着。

 とりあえず駅ビルを一回り。地下の食堂街、中央にはカウンター形式の飲み屋が幅を利かせている。心なしか、普通の喫茶店の肩身が狭そうだ。4階の本屋でガイドブックをチェック。とりあえず南海の和歌山市駅方面に歩くことに決定。駅前のけやき大通りを歩く。ちょうど御池通ほどの道幅で、街路樹もけやき。しかし歩く人は少ない。和歌山城のある交差点を北に折れて、繁華街と思われる方向へ。また本屋でガイドブックを開き、現在位置を確認。何となく当たりを付けて再び歩く。

 5分ほど歩き、一応目指していた店、山為食堂を発見。一瞬躊躇したが、紺色の暖簾をくぐって店内へ。店内は本当に昔ながらの食堂の雰囲気。テーブルの上には、小さなメニューと大きなコショウ入れ。うどんが350〜500円、丼物が600円程度の中、中華そばは700円。値上げがあったのか、新価格を書いて貼った紙が少しだけ真新しい。10分ほど待っただろうか、中華そばが運ばれてくる。見た目はいかにもこってりとしたスープ。紅白のかまぼこが目を引く。ところが、口にするとコクはあるのに意外とさっぱりした味に意表を突かれる。麺はかなり太くて腰があり、チャーシューは柔らかい。バランスの良い組み合わせ。正直、美味しい。評判になるのも頷ける味だ。スープを全部飲み干したのも久しぶり。最後にざらっとした粉が残ったが、あれは多分煮干しの粉なのではないだろうか、と推理。青春18きっぷの消化の為とはいえ、はるばる和歌山まで来た甲斐はあったと思わせる1杯。

 店を出ると午後4時。とりあえず南海和歌山市駅へ。駅舎は立派で小さいながらも高島屋が入店しているが、見た範囲ではあまりぱっとしない駅の周辺。そのままJRで和歌山駅に向かっても良かったのだが、歩いて戻ることにする。地図を頼りに歩き、繁華街のぶらくり丁へ。老舗の百貨店やビブレが閉店しているのを目にしたばかりだったので、それなりに賑わいがあって何となくホッとする。アーケードを通り抜け、再び駅へ。17時02分発の紀州路快速に乗り、和歌山を後にする。

 日根野で関空快速と連結、阪和線を北上する。進行方向左手から陽が射していたのに、天王寺の手前で太陽が前方に移動する。本当は、こちらの線路がカーブしているだけのことなのだが。環状線に入り、再び射し込む夕日。見えない大阪湾に沈んでゆく太陽が、ビルの横腹を純粋なオレンジに染めたのも束の間、大阪駅の少し手前ですうっと色が失われてゆく。ビルの彼方には、あと幾日かで満ちる月が白く輝いている。美は遍く在り、儚い。

 大阪駅で18時34分の新快速に乗り換え。家路を急ぐ人々で、車内は覚悟していたとおりの混雑。それでも立錐の余地ぐらいはあったので、まだマシか。高槻で3割程度の乗客が降り、かなり楽になる。それでも立ち続けること30分近く、ようやく京都駅に戻る。近鉄の地下で少し食料品を購入。ポルタに出来た輸入食品店で、パスタと粉チーズ、それと劇物系ドリンクを確保。帰宅はちょうど午後8時。関東への移動で慣れてしまったのか、あまり長旅とは感じなかった。東海道線に3時間乗っても、京都から豊橋まで行くのが関の山。和歌山、決して近くはないけど近畿の中だ。




2001 Aug.30

 体調はかなりイマイチだが、普通に起きる。外は曇り。某氏からmail。ちょっとだけだが「愛想の良い人」に反応してもらえたのが、妙に嬉しい。些細な事だけど、心の中の澱が薄れていく気がする。

 午後、大宮戦の録画を見る。中河のスーパーセーブ、遠目にもすごかったが、別角度から見ても相当なものだ。あれを決められていたら、あるいはバレーあたりに2点ぐらいやられていた可能性もある。あるいはペナルティエリア内でのタックル。主審次第では(各方面に強烈な印象を残して帰国したディック・ヨルとか)危なかったかもしれない。

 こういう表現が適切かどうかわからないのだけど、最近の中河は絶対的なレベルは多少違えども(失礼)「良い時の川口(もちろん現日本代表GKの)」を彷彿とさせるものがあると思う。何故ここでこんな表現をしたかと言うと、かつて中河がマリノスに在籍していた頃、川口が試合に出られなかった時(ひょっとしたら途中退場だったかもしれない)に代役で出場、川口に負けないような好セーブを連発した、というVTRをスポーツニュースか何かで見た記憶があるから。web上とはいえ、たかが日記。別に遠慮することは無いのだけど、最近の中河の活躍を見ていると、どうしてもあの映像を思い出してしまう、という事を書きたかっただけ。

 夕方、隣の家の屋根を叩く音で、激しい雨に気が付く。先日の台風以来か。一雨ごとに、夏が洗い流されてゆくような気がする。




2001 Aug.29

 かなりブルーな日。有り難くない話だが、ここ1カ月ぐらいでは一番かもしれない。昼時で混雑したコンビニに行ったが何も買わず出て、改めてスーパーまで歩く。商品を思い付くままにカゴに入れ、支払い。結果的には常識的な買い物になったのだが、気分は沈んだまま。帰宅して食事を済ませても、全く元気が出ない。

 大宮戦のデータを作成。作業中は、目の前にあるファイルに集中できる分、気が紛れたようにも思える。テープレコーダーの動きが、相変わらず渋い。再生を停止しても、ヘッドがきっちり戻らないのだ。明日あたり、分解してみるか。いっそ壊れてくれれば、ICレコーダーを買う口実にはなるのだけど。こういう時は、得てしてしぶとく動いてくれるものだ。夜、作業が終了。勢いで、おまけ画像も作成、トップページから期間限定でリンク。

 深夜にコンビニに向かう道すがら、ふと空を見上げると、巨大な翼のような雲が、頭上の空を覆っている。地上のかすかな光に照らされて、闇夜との境目が驚くほどくっきりと見える。そんな夜空を見て、何故か少しだけ回復。ひどい1日だったが、こんな終わり方もあるのだ。




2001 Aug.28

 窓を開け放したままの状態で目が覚める。もう夜はエアコン無しでも大丈夫そうだ。とは言え日差しはまだ強く、直射日光の当たった足だけが、やけに暑い。

 ブルーな午後。ネガティブな気分のまま、スーパーへ。無性に肉が食べたくなり、安い牛肉を買う。洗濯しながら野菜を切り、洗濯物を干してから肉を焼き、食べる。

 深夜のStar Trek Voyagerは、ロバート・L・フォワード『竜の卵』そのままのネタ。中性子星ではなく、ヒューマノイドであるという点を除けば、アイデアをそのまま使ったと言っても差し支えない、スタートレック的な翻案。元ネタを知らなかったら、もうちょっと楽しめたのかもしれない。つい最近読んでしまったからなあ。




2001 Aug.27

 冷房をまともに浴びたまま寝たせいか、身体がだるい。しばらく起き上がれずベッドの上で転がったまま。

 昼に近所のスーパーで買い物をし、食事を済ませたが元気が出ない。午後、コンビニでぴあと仙台スタジアムのチケットを買い、梨木神社で水を汲む。気力が欠けている。

 夕食は野菜炒め。少し味が濃くなってしまった。食事中に電話が掛かってきたので応対。夜風は心地よいが、目の前の料理もまた冷ましてくれる。こんな時に、食事中だから、と怒ることが出来れば、あるいはもっと違った自分であったのだろうな、と後から考える。




2001 Aug.26

 目を覚ましたのは愛知県内だっただろうか、夜が次第に朝になる頃。岡崎始発の普通電車に乗り換えようかと思っていたのだけど、少しまた眠ってしまったらしく、気が付けば名古屋が目前。あきらめて大垣まで乗り続ける。網干行きの電車に乗り換える人波を横目に、途中下車。大垣駅前に出る。駅ビルはあまり大きくはないが、ロッテリアとミスタードーナツがある。7時を待って、ドーナツの朝食。20分ほど時間を潰して、再びホームに戻ると米原行きの電車が入線している。接続する電車が到着すると、一気に込み合う車内。少し早めに席を確保して正解だった。この乗り換えパターン、良いかもしれない。米原へ向かう途中、警笛と共に電車がスピードダウン、ざわめく車内。席を立って何事かと前方に目をやる乗客の様子を見ると、どうも誰かが線路を横切ったか何かのようだ。昨夜の事といい、人身事故でなくて良かった、と胸をなで下ろす。電車は特に遅れるでもなく米原に到着。向いのホームで待つ新快速に乗り換え。これも混み始めたのは近江八幡あたりからだったろうか。車窓から眺める空には、灰色の雲。雲行きは怪しいが比較的楽に京都駅に到着。

 少しだけ気分を変えて、山陰線に乗る。古びた電車を二条駅で降りると、柔らかい雨が駅の外をしっとりと濡らしている。傘を差すほどではなく、一安心して地下鉄に乗る。ガラガラの東西線を2駅、烏丸御池で乗り換えて丸太町で降りる。少し遠回りだったが、ようやく戻ってきた。コンビニに寄って帰宅。時計は午前10時を回っている。

 web browseと未読処理で昼は過ぎ、大宮戦も後回しに、録画しておいた「J2ワールド」を見終えて外出。ちょっと京都駅方面へ。何だかんだと他人の買い物に付き合い、天ぷら屋で夕食、軽くビールを飲む。妙なところで歳をとったと感じる。地下鉄で丸太町へ、コンビニで買い物を済ませて戻る。




2001 Aug.25

 3時間ほど寝て起床。準備しながら時計を見る。御池の駅だと間に合いそうにないので、近い方の丸太町駅へ。30円で時間を買ったと思えば無駄ではない。京都駅に到着。一旦駅を出て、塩小路口から少し歩いてセブンイレブンへ。食料を仕入れてホームに入ると、間も無く電車が入線する。乗り換えにもすっかり慣れ、米原、大垣、豊橋、浜松と順調に通り過ぎる。豊橋からは沼津まで2時間乗りっぱなし。今日は東京より向こうに行かなければならないので、東海道で休憩する余裕がない。唯一、熱海の乗り換え時にホームで蕎麦を食べる。東京風の黒っぽいつゆ。塩辛くはないが、醤油を感じる。

 熱海からは快速アクティー。行楽帰りの人で幾らか込み合っていたが、小田原や横浜を過ぎると徐々に空いてきて、品川では空席が目立つようになる。どこで乗り換えるのかがよくわかる。午後2時半頃、東京駅に到着。京浜東北線で大宮を目指しても良かったのだが、混んだ電車に1時間近く乗りたくなくて、山手線で上野へ出て、そこから東北本線の普通電車に乗り換える。時刻表で見て、京浜東北線よりずいぶん速いなと思っていたら、実際に停車駅が少ないからだ、というのを知る。東京の電車は奥が深い。3時15分、大宮駅に到着。

 駅前のそごうへ行ってみる。横浜で見たのと同じ様な雰囲気。吹き抜けの空間を埋めたシャンデリアが、時代から乖離したまま輝いている。中を見て回るほどの時間は無いので、再び駅を抜けて東口へ。勘と記憶を頼りにサッカー場を目指す。適当に歩くと、氷川神社の参道入口に出る。コンビニで食料を確保、10分ほど歩くと見覚えのある照明灯が出迎えてくれた。

 開門には30分近くあるのに、サンガサポは既に10人以上が列を成している。狭い通路に腰を下ろし、サンドイッチを齧る。金網の向こうには、噂のキャベツが。そうこうするうちに、サポーターが三々五々集まってくる。午後4時半、開門。キャベツがしっかり手渡される。あまり葉の詰まった感じはしないが、それでもずっしりとした手ごたえがある。これを持って帰るのか。もしひどい負け方でもしようものなら、ピッチに投げ込む輩も出るのだろうか、と悪い想像。

 何故か稲森会長が登場。首位決戦だけあって、力が入っているということか。選手を激励した後にゴール裏までやってきて、サポーターと臨時の握手会。とりあえず、写真だけは押さえておく。

 声を欠けあぐねている間に時間が過ぎる。試合開始まであと30分となり、ようやく動き出す。ところが、声を掛けたら以前お話を伺った方。恐縮しながら弁解めいた挨拶をし、そそくさと離れる。頭を抱えながら、得点表示板(電光掲示板、とは書けない)の前におられたカップルに声を掛ける。こちらは何と、サッカー観戦初めてとのこと。サンガサポでも大宮サポでもない方が、こんなコアな場所(しかもアウェイ側)におられるというのも不思議。でも、実際こんなこともあるのだ。その後に声を掛けた親子連れも、大宮サポーター。今日はサンガサポに縁の無い日かもしれない、と苦笑。少しお話が長引き、終わる頃にはキックオフ目前。急いで席に戻る。

 試合開始。サンガはこのところのベストメンバー。対する大宮は満身創痍。バルデス、ジョルジーニョは登録抹消、横浜FマリノスからFW外池を緊急補強し、早くもスタメンで使ってくる。DF陣も出場停止の関係で、急造の感が否めない。大宮は早速のサイド攻撃。しかしほとんど様子を窺う程度のクロスボールでしかない。4分、サンガもようやく攻撃をビルドアップ、右の熱田からトップの黒部にクロスボールが入るが、DFと競り合いながらのヘディングでチャンスにはならず。

 8分、やや遠目から朴のFK。松井が反応してDFラインを抜け出すが、GKがキャッチ。9分、大宮はサンガのペナルティエリアに長いボールを入れてくるが、冷静に対処。10分、松井が中央でドリブルしながらキープし左の中村へ、その折り返しを上野が頭で合わせるがDFと競り合いながらでジャストミートせず。

 12分、パス交換を重ねながら好機を窺うサンガ。右に流れた朴がセンタリング。中央で待つ黒部がダイレクトでシュートを放つが、GKがキャッチ。14分、CKのチャンス。朴のキックを黒部がヘディングシュート、一旦はGKに反応されたが、良い位置に詰めていた松井が押し込んで、サンガが先制。好調、松井。

 得点後も、ややサンガペース。18分、熱田のFKはGKが直接キャッチ。ここまでなかなか攻撃の形を作れなかった大宮だが19分、右サイドから中央、最後は最前線のFWバレーへスルーパスを狙うが、サンガDF陣はきっちり対応。しばらくピッチ上に転がるバレー。22分にも、カウンター攻撃のロングボールでバレーを走らせる大宮。しかしこれも鈴木が対応、CKとなったがピンチを切り抜ける。

 23分、松井が前線を“らしい”ドリブルでかき回し、最後は朴がミドルシュートを放つが、わずかに枠の外。27分、辻本にイエローカード。ゴールからやや遠い位置での競り合いだっただけに、少し勿体ない。29分、大宮のCKの流れから、最後はバレーが中盤を省略したロングボールをヘディングシュート。しかし枠を外れる。

 34分、大宮が自陣で回すボールをカット、最後は黒部がミドルシュートを撃つが、やや勢いが足りずGKがキャッチ。36分、大宮は右サイドから大きな山なりのクロスボールを上げてくるが、中河が難なくキャッチ。シュートを狙ったのか、FWが反応してくれるのを期待していたのか。

 前半も終盤となり、大宮が攻めるシーンが増え出す。ただ、パスを回しはするものの、決定的な形を作るまでは至らない。強いて言うなら最後はバレーに預けようか、という意図は見えるが、外池の印象は薄い。43分、右サイドで朴が倒されてFKのチャンス。熱田のキックはDFに跳ね返され、最後は手島がロングシュートを狙うが、枠を越えてゆく。ロスタイムに入り、再びFKのチャンスを得るが、熱田のキックにゴール前で誰も触ることが出来ない。スリリングなシーンの少ないまま、前半をリードして折り返す。

 後半開始。メンバーチェンジは無し。立ち上がりから積極的に仕掛けてくる大宮。最後は中央のバレーがシュートを放つが中河がしっかりキャッチ。サンガもすぐさま反撃、松井のシュートはGKに押さえられるが、ようやく首位攻防の緊張感が出てくる。2分、大宮がCKを得る。キッカーは、いつもの攻め上がりが前半あまり見られなかった安藤。これは中河がキャッチ。3分、サンガのロングフィードが大宮DFに対応された、と思ったらGKへのバックパスが予想外だったらしく、慌てるGK。その流れで黒部がヘディングシュートを放つが、これは枠の外。

 6分、一旦大宮サイドで奪われたボールを再びカットし、松井がドリブルでペナルティエリアまで攻め上がる。ここで得たCKを熱田が蹴り、ニアサイドで松井がヘディングで浮かせてゴール前に流すが、シュートには至らず。8分、大宮が2度ほどチャンスを作るが、決定的とは言い難い。10分、大宮のCKを一旦は跳ね返すがセカンドボールを拾われ、サイドで絶妙のセンタリング。これを中央でMF大塚がダイレクトにシュートするが、中河が片足でボールに触り、枠の外へ。これぞファインセーブ。

 13分、ペナルティエリア外側の密集から、熱田がスルーパスを出すが誰も反応せず。14分、サイドからバレーがドリブルで突破、ペナルティエリア内で鈴木がスライディングタックルし、バレーが倒れるが笛は無し。ちょっと冷や汗モノのプレーではあったが、結果オーライ。15分にも、サンガのDFラインをバレーが個人技で突破、ゴール正面からシュートを放つが、ここでも中河が素晴らしい反応、ピンチを脱する。

 17分、ポストプレーに入った黒部に大宮の選手が後ろからチャージ、イエローカードが出る。FKは朴が蹴ったが、距離もあり枠の外へ。ここで少しサンガの時間帯となるが、決定的なチャンスは得られず。大宮は中盤の選手を交代。20分、黒部が中央でDF3人に囲まれながらシュートを放つが、力無くGK正面へ。しかし中途半端なクリアボールを松井がカットし、そのままシュート。GKに押さえられはしたものの、ここ数試合の松井の存在感を改めて印象づけられる。

 22分、黒部を下げて松川を投入。松井がトップ? それとも上野の1トップ? 23分、大宮の攻撃を跳ね返し、左サイドの松井へ。やや強引にDFを振り切ってスペースを駆け上がり、逆サイドに入ってきた松川へパスするも、決定的な形とはならず。24分、外池が外れ、磯山を入れてくる大宮。やはりまだチームにフィットしていないのか。

 後半も半分を過ぎ、大宮が支配する時間が増えてくる。かなり押し込まれるシーンも何度か出てくるが、最後は若いDF陣が踏ん張る形。彼らの能力の高さに感謝。32分、ペナルティエリアの外から安藤にフリーでシュートされるが、これは中河の正面。ここで、入場者数が4657人とのアナウンス。席の埋まり具合だけ見ると1万人ぐらい入っているような錯覚に陥ってしまうのだけど、入れ物の小ささを思い出さざるを得ない。

 34分、センターサークル付近でスライディングタックルした朴にイエローカード。これで累積4枚、湘南戦は出場停止。不振を極める湘南相手とはいえ、これは痛い。ここで松井が野口と交代。残りも約10分、そろそろ電池切れか、とどこかから声が聞こえる。

 37分、大宮はCKを得るが、どこか淡白な攻めで終わる。サンガが無理をしていないというのもあるのだろうが、終盤にも関わらず、2ndハーフの前半に見せたような決定的なチャンスを作れないでいる。サンガは慌てずクリアし、前線では時間をかけるのみ。しかし43分、大宮はスローインからのボールがゴール前へ。これにバレーが反応、飛び込んでくるが辻本もよく競り合って、ボールを触らせない。バレーが倒されたのに笛が無く、PKを求める大宮サポーターからはブーイング。

 ロスタイムも残りわずか、ゴール正面やや遠目から大宮のFK。一旦サイドに流してセンタリング、CKとなる。このピンチは、ゴール前での小競り合いがファウルとなり、サンガボールの判定、助かった。やや長いロスタイムが終わり、試合終了。運やツキ、大宮の戦力不足も味方したとはいえ、3巡目の天王山を制することが出来た。

 A南と同じ歓喜の輪が、大宮の空の下で広がる。キャベツが飛ぶ光景を見なくて済んだ、と1人安堵する。こんな心配をしたのも多分、自分だけだろう。サッカー場を出て、何となく出待ちをする。野口は愛想が良い。この辺が、長く愛されてきた理由の1つか。何故かバナナが出て、キャベツが掲げられる出口。通りすがりの人が見たら、相当奇妙な集団だったに違いない。バスも去り、勝利の余韻もようやく冷めて流れ解散。大宮駅方面に向かう数名と、霧のかかった夜道を歩く。

 大宮駅近くで、居酒屋に向かう組と別れる。とりあえず何か食べても良かったのだが、残り時間を考えると都内に移動した方が安全だということで、東北本線の電車に乗る。来た時と同じタイプの車両は空いていたが、さいたま新都心で大量の女性客が乗り込んでくる。荷物を見ると、どうやらほとんどがジ・アルフィーのファンらしい。多分さいたまスーパーアリーナあたりでライブがあったのだろう。どう表現して良いかわからないが、独特の雰囲気がある個人の集まり。サッカーファンも人のことを言えた義理は無いかもしれないが。途中、京浜東北線のホームに「人が降りた」とかで、一時スローダウン。幸い、電車はほとんど遅れることなく上野駅に到着。早めの移動で正解だった、と心の中でホッと息をつく。

 午後10時を過ぎ、上野駅改札内の飲食店は全部閉店。予想はしていたのでさして落胆することなく山手線に乗り換え。神田あたりで降りても良かったのだが、残り時間もますます中途半端に減ってゆくばかり、結局は東京駅まで向かう。普通の飲食店は当然全部閉まっているので、一か八か高速バス乗り場へ。幸い、カフェテリアがまだ開いていたので、ハンバーガーセットとビールの夕食にありつけた。食べ終わる頃には、閉店の音楽が流れ出し、ホームへ。ムーンライトながらが出る10番線には、出発を待つ乗客が思い思いに時間を潰している。全席指定なので、自由席を奪い合おうという緊張した空気が全く無いのが興味深い。コンビニスタイルのキオスクで、最後の食料補給。ここもまた、11時半で閉店。買い物を終えるとムーンライトながらが入線していて、そそくさと乗り込む。自分の席には何故かおばさんが荷物を置いている。訊ねると、どうやら窓側と通路側を間違えていた様子。ダブルブッキングでなくて良かった。

 電車は定刻通り出発。横浜あたりで空席も埋まる。記憶に無いので、小田原に着く前には眠ってしまったのだろう。




2001 Aug.24

 朝、web browseしていたら、意外な所でサッカーネタを発見。と言っても人間のそれではなく、ロボットの研究・開発の一環として、サッカーをやらせてみようという研究者が書いた本の紹介。ちょっと読んでみたいのだけど、1,800円かあ。微妙。昨日のGoogle検索が上手く行かなかったのは、Googleで何やら内部的な変更があり、Plug-inがちゃんと動作しなくなったというのが真相らしい。最新版をダウンロードし、入れ換えたらちゃんと検索できた。一安心。

 午後から、河原町方面へ。無目的に出るのも、考えてみればずいぶん無かった気がする。そう、暑くなってからは滅多にこういう街歩きをしていないはずだ。ゼスト御池の紀伊国屋で雑誌を買い、木屋町の松屋で昼食。メディアショップで立ち読みし、Virginへ。故どんとさん(元ローザルクセンブルク、あるいはボ・ガンボス)の宅録デモテープがCD化されていたので試聴。ソロワーク(と言っていいのか?)だと、古いブリティッシュロックに影響された感のある音がストレートにわかって面白い。バックのリズムマシンに、80年代中頃の空気を感じる。とは言え買うにはちょっと財政的な勇気が要るので、泣く泣くパス。空気と言えば、同じ試聴機にまだ入っていた「空気公団」のアルバムが、相変わらず気になる。のだけれども今回も買わず。すごく良いのだけどなあ。ビョークの新譜も素晴らしいのだが、Virginでの売り上げトップとなると、何となく手を出す気になれない。今さらシュガーキューブスの中古盤でも漁ってみようか、などとひねくれたことを考えてみたり。結局、トムとジェリー(笑)のお買得パック第2弾第1弾は既に持っていたりする)を購入。DVDはスタンプ2倍押しキャンペーンに負けた、という説もある。

 Virginを出て、丸善へ。カメラ雑誌を立ち読み。期せずして日本カメラ、アサヒカメラともニコンがらみの特集。FM3AD1H/D1Xという両極端な機種を同時に抱えることの出来るメーカー。ボケ味が汚いと言われようと、Fマウントが小さいと言われようと。そんなニコンが好きだ。上階で件の本を探したら、現物が見つかる。しかしさっき買ったDVDの余波で手を出せず。来月か。河原町OPAのTowerRecordをちらっと覗いてから、四条寺町を歩く。新しいPowerMacG4と初の対面。結構渋いデザインかも。デスクトップ機を買う予定は無いのだけど、液晶ディスプレイの値札を見ると、SXGA機が8万円以下。その安さには驚かされるばかり。ただ、パソコンを長年見ていると、特にここ数年。どこか“煮詰まっている”気がするのも確か。まあ、最初からWindows環境を手に入れよう、なんて思っていないから対岸の火事と言ってしまえばそれまでなのだが。でも、どこかわびしいものはある。

 ちょこちょこと買い物をして、家路につく。御池通まで戻ると、宵闇が街を覆い隠そうとしている。時計を見ると、午後7時前。正直暑いが、秋はゆっくりと、しかし確実にそこまで来ている。

 夕食はパスタ。レトルトのトマトソースに、茄子とズッキーニを加えるという中途半端な手抜き料理。明日は大宮、早起きしなければ。




2001 Aug.23

 サバの南蛮漬けを作ろうと、レシピを検索。MacOSの検索エンジン、Sherlock2にキーワードを入力し、検索ボタンを押すのだが何も引っかからない。最近はGoogle用plug-inばかり使っていたので、他の検索エンジンを使うよう指定してみると、あっさりと数十件がヒット。どうしてGoogleだけがダメだったのかは謎。サーバーのトラブル?

 スーパーを回って材料を揃え、製作開始。サバの下処理――小骨取りが主なのだけど――に手間取ったが、特に悩むことも無く作業は進む。滅多に作らない南蛮酢だが、割と良いレシピを選んだらしく、無難な味になったような気がする。大昔に作ったときは、出汁で割っていなくて、やたらと酸っぱかったような記憶が頭の隅に残っている。今日は食べやすい。こういう季節は、酸味のある食べ物が嬉しい。

 多分1年ぶりの桃。切り方が下手で、ちょっと潰れてしまった。でもこの甘さは素晴らしい。たまにはバナナ以外の果物を、と思って買った甲斐があった。




2001 Aug.22

 8時半起き。台風は去り、今は東海地方にあるようだ。雨は止んで、一瞬だけ眩しい光が雲間から漏れてくる。イジェクトされたテープを戻し、録画を確認。大分戦は消えておらず、スタートレックは4分の3ほど録れているようだ。しかし、元々スタートレック用のテープに大分戦を録画しているので、昨夜録画した話はいずれ消えてしまう運命にある。ちょっと悔しいが自分のミス、あきらめる。

 午後に、国保料の払い込みや買い物と所用を済ませる。スーパーで買ってきたカツオ丼で、昼食。それから作業。今回は1人分しか無いので、作業量自体は少なく、楽ではある。しかし終わったのは午後10時を過ぎてから。その後、遅い夕食。気分的には食べごたえのある肉にしたかったのだけど、ケチって豚肉の冷しゃぶ。初めてズッキーニを使ってみたのだけど、悪くない。1本残っているので、明後日あたりまた使ってみるか。




2001 Aug.21

 結局、本当に徹夜。外は次第に荒れ模様になってくる。あるいは台風特有の、不安だがワクワクするような気分があったのかもしれない。昨日の続きで、大分戦の録画を見てはいるのだが、昨夜見つけたPLOPファイルを読む合間に、という感じになってしまう。松井の動きは良い。DFラインも、横浜FC戦ほどではないが良く粘っている。ベンチーニョや松橋に好きなようにさせていないのが、前半の安定に繋がっているように見える。昼前に限界に達し、2時間ほど仮眠。

 目を覚ますと午後。窓の外の風雨は、TVの中ほどにはひどくない。動けるうちにコンビニへ。辛いものが食べたくて、唐辛子系ラーメンと麻婆豆腐、レバー炒めを買う。食べ進めるうちにも汗がどんどん流れ出て、少し元気になった気がする。夕方からだらだらと作業再開。風雨はますます強まり、時折窓ガラスが内側に押しつけられるような強風が吹きつけてくる。アウェイで移動中に、こんな状況になったら困るだろうなあ、と半分他人事のように考える。ふと気になって、9月の山形―水戸シリーズをシミュレーション。途中はともかく、水戸からの帰り道が問題だ。特急で上野まで出られれば、新宿発の夜行バスで翌日朝には京都に帰れるはずなのだが、延長戦と列車の遅れが重なったりすると、かなり微妙なことになる可能性もある。少なくとも、連泊するホテルはぼちぼち押さえなければならない。さて、どうしたものか。

 睡眠時間が根本的に足りないのか、日付が変わる頃には猛烈に眠くなる。あと15分ほどで、大分戦を見終えてしまうのだが限界だ。うとうとするうちに、いつの間にかスタートレックが始まっている。上書き覚悟で録画ボタンを押したが、何が消えて何が記録されたか判然としないまま、意識を失う。




2001 Aug.20

 身体が妙にだるく、かなり遅く起きる。近所のスーパーで買い物したついでに、ローソンで早々に大宮戦のチケットを押さえてしまったのは、心のどこかに首位決戦への期待があるからだろうか。

 GRPの掲示板、大宮戦の移動に関するスレッドで紹介されていた、鉄道関係のページを読み進めるうちに、何となく徹夜。Project LOP (Longest Oneway-ticket Problem) という、最長片道きっぷを買えるルートを算出し、更にはそれを実際に旅してみよう、という鉄道旅行好きには夢のような企画、いや研究。旅の記録は、こちらからファイルをダウンロードしてオフラインで読んだ方が幸せかもしれず。




2001 Aug.19

 目を開くと、昨夜の状態そのままのテーブル。すっかり寝てしまったようだ。時計を見ると、午前5時。ビデオの再生は止めていたようだが、明かりは点けっぱなし。少し冷えて、身体が重い。日は昇っていないが東の空は明るい。とりあえず後片付けをし、しばらくぼんやりする。酒を飲んだ後の常で、強い空腹感に苛まれる。近所のなか卯へ行き、久しぶりに朝定食を食べる。たまに食べるご飯の朝食は、どうして美味しく感じられるのだろう。食事の合間に、京都新聞を拾い読み。全国紙だと結果しか載っていないのだが、さすがは地元紙、サン ガの扱いは大きい。とは言っても、茨城の地元紙での水戸程度のサイズなのだが。鹿島の記事は、カラー写真で遥かに大きかったのを思い出す。

 帰宅して、コーヒーを飲みながら大分戦の後半を見る。問題のシーン、スターレンスはなぜあのような行為に及んでしまったのか。途中から前線に上がり、自らもクロスバーを叩くシュートを放っていただけに、そのフラストレーションたるや想像は出来る。だが、キャプテンとして試合を――それも現在のみならず向こう数戦も――壊してしまうというのは、たとえ味方であっても許容しえないだろう。喜ぶのは、J2上位数チーム、とりわけ次に対戦する新潟だけ。

 大分系の掲示板を覗いてみると、もはや言葉も無いのか淡白なコメントが散見されるのみ。GRPだと、負け試合の後には長大なスレッドが出来がちなだけに、この温度差は興味深い。9月の東北2連戦の計画を、久しぶりに検討。レトルトカレーを温めつつ、webで宿泊先を検索するがなかなか難しい。もう少し考えてみなければ。

 遅めの昼食を終え、日記を幾らか書き足す。アップロードは明日か。仙台から東京へのバスを押さえに、河原町の近畿日本ツーリストへ。しばらく待たされたが、無事座席を確保。「青春18きっぷシリーズ」の最後は、0泊3日のハードスケジュール。相当疲れそうだが、ここを乗り切る頃には夏も終わるはず。仙台には涼風が吹いているだろうか。

 夜のスポーツニュースで、唯一残っていた鳥栖vs大宮の結果が速報される。2-1で大宮が敗れる。短い映像を見ると、大宮らしからぬ守備のミスで、首位陥落となったようだ。堅い守備から確実に得点して勝ってきた大宮だが、不運としか言い様のないFW陣の離脱で窮地に立たされている。それにしても鳥栖。豪雨の中で敗れた試合も、こんな形で報われたのだと思えるのなら、あるいは受け入れることが出来るかもしれない。




2001 Aug.18

 目を覚ますと、外はすっかり明るくなっている。朝食もそこそこに作業。前節のファイルに間違いを発見。水戸戦なのに、見出しが川崎戦となっている。修正して横浜FC戦のファイルと一緒にアップロード、昼を過ぎて作業終了。

 午後になって、ようやく横浜FC戦の録画を見る。サンガの出来が良いのか、それとも横浜FCの出来が悪いのか。4-0の川崎戦ほどではないが、90分のうち半分程度は良い試合運びが出来ていたのは確かだ。松井がシーズン当初よりずいぶん良くなっているのは嬉しい限り。DFラインも“ザル”だの“スルッとKANSAI”だの言われていたのが嘘のようだ。若い3バック、将来が楽しみだ。火曜日の日記をようやく書き上げるが、アップロードする時間は無し。急いで準備し、出発。四条烏丸へ向かう途中のam/pmで、先週と同じパンとジュースを買い、阪急で西京極へ。5時半頃到着。

 スタジアムでは久しぶりにエキビジションマッチが行われていて、赤組と緑組がちょこまかとピッチの上を駆け回っている。パンを食べていると立て続けに知り合いに発見され、しばし雑談。ミーティングに集まるサンガサポは20人程度しかいないのに、なぜA南の応援はまとまっているのか、という疑問(というか問題提起)が面白い。それが大人の対応でしょう、とわかったような適当な言葉を返してしまったが、考えてみる価値はありそうだ。そのうち、観客も次第に増え、話を聞いて回るタイミングを逸してしまう。あきらめてキックオフを待つ。

 試合開始。今日は松川が出場停止で、トップ下に松井が入る。熱田が復帰、左サイドは中村。鈴木も戻っている。開始1分、CKを得るが左からのショートコーナーはチャンスとはならず。立ち上がりの時間帯は、サンガがボールこそ支配するものの大分の守備を崩せず。4分、大分MF松橋がサイドを突破しセンタリング、サンガDFが一瞬対処し損ねてヒヤッとするが、何とかクリア。そこから黒部へロングフィードするが、シュートはDFに阻まれる。その流れでCK、しかしこれも大分がクリア。6分、鈴木が大分のロングフィードをトラップし損ね、一転して大ピンチ。これは大分FW高松のシュートが精度を欠き、ゴール前を横切って行く。サンガのDFはまだ落ち着かない。

 9分、朴のボール奪取からの攻撃。左で中村が粘り、センタリングするも黒部のヘディングはDFに寄せられてヒットしない。ベンチーニョが初めてシュート、しかし枠の上。セットプレーを蹴らせてはいけない。11分、大分MF山根のロングシュートが、低く鋭い弾道でサンガゴールを脅かすが、中河がしっかりキャッチ。12分、右サイドをドリブルで上がろうとした朴に、大分の選手が激しくタックル。しかし倒れたまま起き上がれないのは大分の選手。朴のボディバランスはいつ見ても素晴らしい。個人的には中田(英)に通じるものがあると思っている のだが。いずれはヨーロッパでプレーする日も来るのだろうか。

 16分、上野のポストプレーから黒部が繋いで、最後は右から熱田のミドルシュート、しかしこれは枠を外れる。今日は時折“帝王”コールが聞こえる。まだサポーター全体のコンセンサスは得られていないようには思えるのだが、ネット的な言説が現実社会にどう広がっていくのか、しばらく注目して見たい。18分、大分のセットプレー。ファーサイドの選手が飛び込んだが、ボールはまたゴール前を横切っただけ。とはいえかなり危ないシーン。19分にも、先ほどとは逆のサイドからのFKを与える。しかももっとゴール寄り、キッカーはベンチーニョ。これは壁に当たりCKが2度続く。ようやくサンガDFの集中も高まってきたのか、ピンチをしのぎきる。

 23分、中河からのロングボールを黒部が流し、上野がDFと競り合いながらループシュートを狙うが、惜しくもゴールネットの上で揺れるボール。25分、久しぶりに松橋にボールが渡り、センタリングを上げられるが鈴木がヘディングでクリア、CKとなる。中河がハイボールをファンブルしかけたが、すぐにキャッチ。以前伺った、中河の弱点が思い出される。

 28分、大分サイドで良くパスが回り、最後は中村の柔らかいパスに朴が反応、しかしペナルティエリア内でスターレンスに阻まれCK。スターレンスがピッチの外に出されていて有利な状況だったのだが、CKは前川がパンチングされる。30分には左からペナルティエリアに切れ込む松井のドリブル。これはDFに阻まれる。32分、早くもスターレンスが上がってクロスを上げる。早くも味方の攻撃に苛立ったのか。33分、朴と松井のワンツーで中央突破を計るが、これは成功せず。

 35分、大分にパスを回される。一旦は松橋の所でカットしたものの、再び奪われてベンチーニョがスルーパス、しかし抜かれた鈴木が自ら絶妙のスライディングでボールを奪い返す。ここからサンガの攻撃。敵陣で粘り強くボールをキープし、最後は石丸のスルーパスを最前線にいた松井が受け、前川の飛び出しをギリギリのタイミングでかわすループシュート。これが決まってサンガが先制。

 38分、中村とのコンビネーションで左を抜け出した松井から、中央の黒部へパス。直接シュートするもGK正面。39分には大分も反撃を試みるが、力無いフィニッシュは枠の外へ。40分、熱田、朴と渡って再び熱田へ絶妙のスルーパス。だが前川の飛び出しも良く、ペナルティエリア内で倒れされるもノーファウル。

 43分、松橋が今日3度目(?)のクロスを上げようとするが、サンガDFもきっちり対応。松橋が今一つ目立たない。個人能力の問題なのか、戦術の問題なのか。高校サッカーでの鮮烈な印象も、2部とはいえプロの世界では周りの輝きにかき消されてしまうのかもしれない。短いロスタイムも過ぎ、前半を1-0で折り返す。

 ハーフタイム、通路を隔てた隣の席の男性に声を掛けてみる。快く応じては頂けたのだが、お話は試合終了後、ということになってしまう。今日はまあ、こんな日なのかもしれない。

 後半開始。選手交代は無し。開始1分、センターサークル付近から上野、熱田のワンツーで最前線へ。上野のセンタリングはGKとDFの間を流れ、飛び込んで来た松井が押し込み、今日2点目を奪う。

 序盤は攻めあぐねた大分だが、6分のCK、そして松橋と竹村との交代あたりから徐々に息を吹き返してくる。7分にはセンタリングから最後ベンチーニョのミドルシュート。これは中河がキャッチ。8分、黒部のチェイシングからチャンスが生まれ、最後は走り込んできた松井がシュート、しかしGKがキャッチ。9分、大分は早くも2人目の選手交代、中盤のてこ入れを図ってくる。

 13分、やや押し込まれていた局面からカウンター。松井が良く粘ってボールをキープしながら前進、中村をターゲットにスルーパスを出すが、これはオフサイド。その後もややサンガ優位な形で推移するのだが、ビッグチャンスを生み出すには至らない。

 18分、大分は3枚目のカードを切る。高松に替えて船越。とりあえずはロングボールを入れようということだろうか。20分、黒部のロングシュートはGKがキャッチ。21分、大分の長いアーリークロスが入るが、その後のセンタリングは精度を欠いてピンチとならず。22分、松井を倒した大分の選手にイエローカード。考えてみると、サンガの選手にはまだ1枚も出ていない。川崎戦あたりを思い出すと、今日は激しいが比較的クリーンな試合だ、とはこの時点での感想。

 後半も半分を過ぎ、次第に大分がボールを持つ時間が増えてくる。26分には、ペナルティエリア前でボールを回され、DFが付いていなければあわや、というシュートを撃たれる。これは中河がキャッチしたが、わずかずつだが守備の対応が遅れてきている――集中は切れていないが――のかもしれない。双眼鏡で、アップする控え選手をチェック。皆同じ様な運動量。まだ誰を出す、という段階ではないのか。27分、大分のロングスローを、いつの間にか前線に上がっていたスターレンスが受け、FW顔負けの動きでそのままシュート。これはクロスバーに 助けられる。

 30分、黒部の動きを良く見た熱田が、スペースにパスを出す。それを受けた黒部、DF1人をフェイントでかわして期待を抱かせてくれたのだが、GKにキャッチされる。33分にも朴を中心に攻撃を組み立てるがフィニッシュには至らず。そこから大分の逆襲。長身の選手をターゲットにセンタリングやロングスローを入れてくる。35分には、ロングスローのボールがゴール前で高くバウンドし、中河もDF陣も反応できないところへ大分の選手が飛び込んでくるが、ヘディングシュートを辛うじてクリア。

 36分、ベンチーニョのセンタリングに、すっかり前線の人となったスターレンスが頭で合わせるがこれは枠の外へ。38分に与えたCKも、ベンチーニョにゴールを許しかねなかった。39分、上野を下げて角田。守備的な位置に入った模様。41分、センタリングに中央の船越が高い打点のヘディングシュート、しかしこれはクロスバーに救われる。

 42分、久しぶりに京都の攻撃。右サイドで松井が踏ん張り、コーナーフラッグ近くからスローイン、黒部がゴールライン際で粘ってシュートするがこれはマイナス方向に流れる。左で中村と石丸がフォロー、時間を使う。44分、松井を下げて野口。あとはボールをキープするだけ、と誰もが思ったその時、なかなかリスタートしない状況に苛立ったのか、スローインしようとライン際に立っていた中村に、スターレンスがボールを蹴りつける。当然、一発レッドカード。残り時間わずかとはいえ、チームをコントロールしなければならないキャプテンが、自らの首を絞めるような行為に及ぶとは信じ難い。混乱で2分ほど失われた分長くなったロスタイムも無難に消化し、試合終了。予想外のクライマックスではあったが、2-0、現時点では大宮を抜いて暫定首位。

 最後のざわついた空気も、勝利の前には吹き飛ばされる。ホームでの不敗記録も更新中。松井が挨拶に来る。最近はチームで意志統一がなされているのか、試合終了後のファンサービスを欠かさない。ピッチとの距離が遠い西京極、こういう工夫はこれからも続けていって欲しい。気勢を上げて行進するサポーターの横で、ハーフタイムに写真を撮らせてもらった方に話を伺う。今日は1人しかアプローチ出来なかったのが、少々残念。でも、こういう日もある。

 帰宅して、ビールを飲みながら早々に録画を再生。松井の得点シーン、実に良い。最高速はそれほどでもないが、安とは違う間合いのドリブルでDFを抜いて行く姿には、ファンタジーがある。とりあえずは見るだけにして、メモも取らないまま前半終了。後半の得点シーンを何度か再生する頃になると、突然睡魔が襲ってきて意識が途切れる。アルコールの仕業か。たまにはこういうのも悪くはない。



2001 Aug.17

 午前中に洗濯。天気図を見ると、遥か太平洋上から台風が近付きつつある。夏ももう長くはない。かつて無い、奇妙な夏。

 テープ起こしの合間に外出。スーパーで買い物して、帰りに梨木神社で水を汲む。帰宅して、テープ起こしを再開。聞き取りにくいことは無いのだが、話をまとめるのに少してこずる。結局、夜中にテープ起こしは終了。ここで集中が切れてしまったので、後は明日やることに。豆腐サラダの夕食、いや夜食か。




2001 Aug.16

 知人(というか大学の先輩で弁護士)のマンションで、五山の送り火を見せてもらう。ちょっと時間が押していたので、タクシーで移動。8時少し前に北山通りに到着し、適当な所で降りたらマンションのすぐ前、バルコニーから声を掛けられる。12/31日生まれの娘さんと初めて対面。3歳にもならないのだが、ずいぶん動くし、喋る。物心があるかどうかは微妙なところ。階上の通路で送り火を見る。大文字と舟形はくっきりと見え、妙法(どちらだろう?)と左大文字は横から見るような形。10年以上京都にいるので今さら感慨など無いのだが、最初にこの行事を考えついて始めた人がいたのだ、ということを思うと、いつの時代にも独創的な人はいるのだと感心してしまう。20分余りを屋外で過ごし、戻る。少しビールを頂き、しばし雑談、というよりはお子さんと遊ぶ。ジグソーパズルがなかなか上手い。幼児のパターン認識能力は大したものだ。




2001 Aug.15

 名古屋あたりで目が覚める。慣れてはいるが、ムーンライトながらの座席は休まらない。今日は大垣までの車両に乗れたので、途中下車することなく乗り続ける。どんよりとした昨日の朝が嘘のような、鮮やかな青い空。大垣に到着、どやどやと乗り換え。米原止まりだと思っていたら、網干行きだったので空いた席を確保し、読みかけの本を消化する。上質でバランスも良く、自然と次のページをめくってしまうような、サッカーのノンフィクション。一部、『サッカー批評』誌で読んだことのある(立ち読みだけど)文章もあったが、改めて読んでみて、その知的な言説に納得。読み終えると京都、午前9時。コンビニに寄って、帰宅。ざっと28時間の旅も、ようやく終わる。

 朝食を済ませてweb browse。最近はmailも少なく、楽ではある。一段落するともう午後。ちょっと横になったら眠ってしまったらしく、次に気が付けば窓の外は薄暗くなっている。やはり疲れていたのか。作業には手を付けず。




2001 Aug.14

 本当に2時間ほどしか寝られず、アラームに起こされる。東の空はまだ暗く、暦の上では夏も盛りを過ぎつつあるのがわかる。前回の轍を踏まないように、5時20分頃には準備完了、部屋を出て烏丸御池の駅へ向かう。今朝は余裕でセーフ。この夏2枚目の青春18きっぷに、改札で最初のスタンプを押してもらってホームへ。駅のコンビニで買ったジュースを飲みながら、電車を待つ。6時15分の普通電車。しばらくは見たような時間と風景が流れ去ってゆく。

 米原で乗り換え、関ケ原あたりに差しかかると突然の雨。山の天気だ。山形での通り雨を思い出す。美濃平野に降りるとすっかり止んで、夏の暑さが戻ってくる。大垣で新快速に乗り換え。お盆休みで、通勤客が多かった前回ほどには込み合ってはいない。大きな荷物を抱えた人や家族連れが目に付く。豊橋、浜松と普通電車を乗り継ぎ、沼津に着いたのは12時半近く。ここで休憩。

 沼津駅前をちょっとだけ歩く。見たところ、それなりの規模の街なのだが、どことなく派手さのない街並み。西武も丸井もあるのだけど、築25年ぐらいのビルばかりに見える。再開発されていない街並みか。心なしか、お年寄りの姿も多いように見受けられる。どことなく田舎びた空気が流れる街。駅ビルのカフェテリアで、サンドイッチとアイスティーの昼食。

 1時過ぎに、御殿場線に乗り換え。トンネルも海もほとんど見えない、山あいの路線。左手に富士山が見えるはずなのだが、今日も雲の向こう側。裾野に広がる、自衛隊の演習場の若草色が奇妙な違和感を醸し出している。高速道路の渋滞状況をチェックしているのか、時折ヘリコプターが頭上を通り過ぎる。乗客は駅ごとに減り、楽が出来るなと思っていたら、御殿場駅には大きな荷物を抱えた人々が列を成している。半分は富士登山、半分は観光か。一気に混雑。途中の駅でも更に乗客が増え、ちょっとした通勤電車のような様相を呈してくる。車窓からの眺めは悪くない。谷川を流れる心地よさそうな水に触れてみたくなる。1時間20分ほどで、国府津駅に到着。快速アクティーに乗り換え、3時過ぎには横浜駅に到着。

 しばらく横浜駅周辺で時間を潰す。時間を見計らって、三ツ沢目指して歩き出す。コンビニでパンと飲み物を買い込み、あの急坂へ。一度登った道なので、辛くはあるものの先が見えているだけに気は楽だ。計ってみると5分ちょっとで坂を登り切り、開門前に入場の列に並ぶことが出来た。

 5時、開門。お盆休みとはいえ平日、仕事帰りという格好の人もちらほら。横断幕を張り終え、みんな一息つく頃にはビール売りが間断なくやって来ては、大声を張り上げる。5月にも感じたのだが、三ツ沢はどうも声を掛けにくいと思ってしまうのは、彼/彼女らにペースを見出されているせいではないだろうか。ひょっとしたら、横浜FCのホーム不敗神話(もう負けたけど)の一翼を担っていたのは、実はビール売りではないかと邪推してみたり。なにせ、試合中にも同じペースでやってくるのだから、ひそかにアウェイ側の応援を妨害しているのかもしれない、と。だが良く見ると、ホーム側のサイドスタンドにも常時巡回しているようなので、この仮説は間違っている可能性が高い、はず。

 時間もだいぶ押してきたので、練習が終わりかけた頃に、右側におられた男性4人組にお願いしてみる。とりあえず1人にお話を伺い、ハーフタイムや試合終了後にも対応して頂けるよう、アポを取る。スタメン発表。熱田が出ていないが風邪とのこと。中村が右サイドに入る。3バックは右から辻本、手島、角田と若いメンバー。朴と松川が並んで、左には野口。トップ下に松井、2トップは黒部と上野。

 キックオフ。開始早々、横浜FCの縦パスに角田が上手く対処。今日の動きは良さそうだ。前半3分、右からFKのチャンス。朴のキックは一旦跳ね返されるが、再び朴が3人に囲まれながらキープ。そこからボールは左サイドに渡り、野口がセンタリング、最後は松井がボレーシュートを決めて、早くもサンガが先制。

 5分にもCKのチャンス。これは跳ね返されるが、自陣から中村が大きくクリアしたボールは直接ゴール前へ。このバウンドが微妙で、慌てる横浜FCのGK水原。9分、松川にイエローカード、次節の大分戦は出場停止。11分、右サイドを松井、中村で突破、センタリングを黒部がダイレクトで合わせるがGKが弾き出す。

 13分、上野のヘディングシュートはわずかに枠の左。横浜FCも反撃を試みるが、ボールを大きく動かしてチャンスを作ろうとする、いつものスタイルが影を潜めている。15分、松川が倒され、横浜FCに移籍してきた神野にイエローカード。16分、角田が前線にロングフィード、これを黒部が受け、個人技でDF2人をかわし、GKが詰め寄るゴール右サイドにきっちりシュートを決め、追加点を奪う。ここ数戦の得点力不足が嘘のようだ。

 18分、左からの朴のCKはGKに弾かれる。19分、横浜サイドでボールを回すがフィニッシュには至らず。22分、ゆっくりとした展開からシュートチャンスを窺い、野口のセンタリングがDFに当たってCK。直接のチャンスとはならなかったが、クリアが甘かったりと横浜DF陣の対応も中途半端だ。

 26分、横浜FCもようやく攻め込んでくるが、全体できっちり対応。最後のミドルシュートも、中河がしっかりと押さえる。29分、左サイドの野口から中央、右とボールの良く動く攻撃。シュートには至らないが悪くない。32分、右サイドから、左のスペースに開いていた野口へサイドチェンジ、センタリングに松井が飛び込むがこれはDFに跳ね返される。しかしクリアボールを何度も拾って波状攻撃、最後は野口がロングシュートを狙うが枠を外れる。33分にも、黒部のシュートを皮切りに連続攻撃、しかし追加点は奪えず。

 36分、朴から黒部へのスルーパスはDFに阻まれる。横浜FCも逆襲、しかしオフサイド。若いサンガDFのラインコントロールが素晴らしい。43分、横浜FCはセンタリングからヘディングシュート、しかしサンガDFも身体を寄せ、枠に飛ばさせない。前半はほとんど危なげなく試合を支配し、2-0で折り返す。

 ハーフタイム、サンガには珍しいボディペインティングな方に話を伺う。饒舌な方ではないが、その分を身体表現が補って余りある、という印象。今シーズン一番インパクトのある1枚が撮れた。

 後半開始。横浜FCは早くも選手交代、攻撃的な選手を入れ換えてくる。1分、中村のクロスに黒部が飛び込むが、わずかにタイミングが合わず。4分、右のライン際で松井がキープ、倒されてFKを得るがシュートには至らず。5分、中央をドリブル突破しようとした野口が倒され、担架で運び出されるが大事には至らず。

 8分、横浜FCの小野にミドルシュートを打たれるが、中河がキャッチ。9分、右から松井がドリブルで上がりセンタリング、松川のシュートはゴールの上。10分にも中央の朴から右の松井、最後はペナルティエリア内の朴に折り返してシュート、しかし枠の外。

 中盤に差しかかり、横浜FCの攻撃も、前半に比べると徐々に本来の形を取り戻してくる。そして18分、サンガの右サイドで粘られセンタリングを上げられるが、それをファーポストでクリアしようとした角田がミス、ボールはゴールに吸い込まれてしまう。彼方のゴール前、座り込んで肩を落とす角田。

 22分、横浜FCのFKは中河がパンチングでクリア。23分、上野が下がって安が入る。25分、横浜FCの縦パスに神野が走るがオフサイド。マリノス時代――Jリーグ草創期だ――には、ずいぶん縦に早い選手、という印象があったのだが、それも今は昔。26分、安の粘りからCK。黒部のヘディングシュートは惜しくも枠の上。27分には左から野口がグラウンダーのロングシュート、しかしGKが押さえる。横浜GKとDFの中途半端な連携を突いて黒部が詰め寄るが、ギリギリのところでクリアされる。

 28分、横浜は中盤の選手を入れ換え。終盤に差しかかり、横浜FCの攻勢も強まってくる。しかし31分、ペナルティエリア内を左から安がDFをドリブルでかわしながら、中央で構える松井へパス。絶好のチャンスだったが、シュートはDFに阻まれる。34分、中河がボールをキャッチできないところに横浜FCの選手がプレッシャー。ちょっとヒヤリとさせられる。

 36分、横浜FCは3人目の選手交代。サンガも、松井に替えて今シーズン初めての宮崎。去年の前半には右サイドでおなじみだったのだが、実に久しぶりだ。早速右から中央に切れ込んでクロスを上げるが、呼吸が合わないのか誰も反応できず。

 残り時間もわずかとなり、横浜FCの猛攻。走って、ボールを動かし、激しく当たってくるスタイルがようやく出てきた感じ。電車で読んでいた『Eat Football』の中で、老ジャーナリストがワールドカップで優勝したイングランドを評した嘆きの言葉「ファイトボール」が思い出される。“フットボールの進歩”には何も寄与しない、という厳しい意見には異を唱える向きもあるかもしれないが、少なくともそこにファンタジーが無い――感動はあるかもしれないが――のは事実。横浜FCの攻撃をしのぎ切り、タイムアップ。2-1での勝利。

 試合も終わり、今日3人目の方にお話を伺う。小学校で中河とプレーしていたとのこと。電光掲示板には、大宮敗れるの一報。これで勝ち点2の差。混戦深まる夏。

 蒸し暑さの残る道を歩き、1人横浜駅を目指す。坂を下り切った交差点で、知り合いのグループに追い付く。どうやって時間を潰そうかと思っていたのでそのまま飲み会に混ぜてもらう。居酒屋で、他愛のないサッカー話その他に鼻が咲き、あっと言う間に11時半。横浜駅で解散。大阪から来た人、宿は見つかっただろうか。コンビニで食料を買って、ホームで電車を待ちながら食べる。12時を過ぎ、ムーンライトながらが到着。季節柄、親子連れの姿もちらほら。席に座り、浅い眠りを貪る。




2001 Aug.13

 素晴らしくストーリー性のある夢を見る。これまで見た中でもおそらく1、2を争う出来(?)だったのだが、ディティールはあっと言う間に薄らいでゆく。記憶は儚い。人の夢も。

 平塚で貰ったココアとバナナで軽い朝食。未読処理を済ませるともう昼近い。自転車で河原町方面へ。ブックファーストでぴあとサッカーのノンフィクションを購入。書評、というか紹介を読んで本を買うなんて滅多に無いのだが、たまには悪くないかもしれない。明日の車中で読めるだろうか。その後サカエに寄り、食料品を買い込んで帰宅。

 これも一種の逃避だなあと思いながらも、めったにしない風呂掃除をする。詰まり気味な排水口に、買ってきたパイプ洗浄剤を注いで放置。その間に水戸戦の後半を少し再生。適当なところで風呂に戻り、水を流す。何故か湯あかも気になり、洗剤とブラシでゴシゴシ。やはり逃避だ。ややポジティブだけど。夕方、水戸戦を見終える。

 ゴーヤーを切って、夕食の下ごしらえ。ぴあを見ながらビデオの録画予約。2週間で6本、やや多いか。読売テレビの深夜枠で、クレイジーキャッツや美空ひばりの出る60年代の邦画特集があるのに気付くが、いかんせん本数が多く、フォローできなさそうなので放っておく。みなみ会館でまたやらないかなあ。

 テープ起こしと画像処理を終え、日付が変わった頃に作業終了、アップロード。これからゴーヤーチャンプルーを作って食べてたら、また寝る時間が無くなってしまう。2時間でもいいから寝ることにしよう。ふう、ようやく日記が追い付いた。




2001 Aug.12

 昨日の試合をプレイバック、前半までチェック。得点シーンは良いコンビネーションの賜物。熱田のクロスも良かったのに、あのバックパスで危うく帳消しになるところだった。黒部も、何かきっかけ――要するに得点――があれば復調しそうな気もするのだが、まさにニワトリと卵の関係か。

 ちょっと大丸方面へ。地下で買い物。何故か水が安く、2リットルを2本買ってしまい、ふうふう言いながら帰宅。途中で買ったコロッケをつまんで昼食のつもり。画像をPBG4に転送し、作っておいたテンプレートをデジカメへ。ここで作業を終えてしまうのが、我ながら手抜きだ。残りは明日。




2001 Aug.11

 溜まった日記を無理やり書いて、なんとかアップロード。昨日の分まで追い付いたことになる。作業が終わる頃には午後4時をすっかり回り、そそくさと準備、出発。途中のコンビニでパンとジュースを買って、阪急電車で西京極へ。

 5時20分ごろ、競技場に到着。とりあえず腹ごしらえ。久しぶりの土曜日のゲーム、少しだけ出足が良いように見える。だがそれもA南だけ。しばらく辺りを見回し、6時頃から動き出す。最前列、2人のお子さんを連れた、よく日焼けした男性に声を掛ける。予想通りサッカー経験者にして指導者の方だった。テンプレートと合成したら、ちょっと画像が隠れてしまったのは失敗。撮る時にちゃんと計算しなければ。その後、鳥取でお会いした方と再会。かわいいお嬢さんも一緒で、しばし談笑。USB接続のカメラで撮られてしまった。次の人を探していたら、前節の等々力で話を伺った方と偶然お会いし、お連れの方を紹介していただくことが出来た。西京極競技場の魅力の無さについて、しばらく話す。専用スタジアムが出来るのはいつの日か。あっさりと2人の方にお話を伺うことが出来たので、早々にまったりモードに突入。

 スタメン発表。辻本はナビスコカップ以来の登場か。噂通り、松川の前に上野、黒部を並べる2トップ。左サイドは中村と手堅い布陣。今日はビッグフラッグをVゾーンで広げるスタイル。ミーティングで話し合われたのだろうか、「京都のゴールが見たい」コールを久しぶりに耳にする。緊迫感に欠けるきらいはあるのだが、2試合連続無得点だけに、それも仕方がないのか。チアリーディングは立命館大学で、噂の男性チアリーダーが頑張っている。想像していたよりは違和感も無く、あるいはこれから流行るのかもしれない。

 キックオフ。立ち上がりは大きな動きも無かったが、ボールは概ね支配できているようだ。4分、松川が黒部へループパスを送るがこれはGKがキャッチ。5分にはDFラインからのフィードに上野が反応、ペナルティエリア付近で倒されるが流される。6分、水戸も攻撃を仕掛けてくるがシュートは大きく外れる。

 ふと電光掲示板を見ると、メンバー表示におかしな点を発見。16番辻本が「スジモト」になっている。修正される前に、証拠写真を撮っておく。

 9分、最初のCK。熱田のキックはファーサイドに流れてGKが反応、チャンスとはならず。10分、水戸はサンガの3バックの外側に出来るスペースを突いてくるが、中央へのクロスに合わせることが出来ない。

 15分、朴のCKがクリアされるが、中村がミドルシュート。しかし枠は捉えず。このあたりから水戸も中盤でのパス交換が機能し、サンガサイドでボールが動く時間が増えてくる。19分、朴がドリブルで突破を図るが、フォロー無くDFに囲まれ、潰される。20分、右から左へとテンポ良くパスを繋ぐが、最後に松川がパスを出した左前方のスペースには誰もおらず、ゴール裏からは溜息。中村が上がっていればチャンスだったのだが。

 21分、水戸に右サイドを上手く突かれるが、熱田のスライディングタックルでCKに逃れる。24分にも水戸に素早い攻撃を仕掛けられるが、DFは慌てることなく守りきる。27分、良いタイミングで右サイドを上がった熱田へ良いパスが通るが、水戸DFも対応、チャンスを作れない。

 33分、黒部が右サイドを個人技で突破し、コーナーフラッグ近くでキープするがフォローが無い。しかし35分、朴を起点に右サイドを熱田が突破、上野がDFを引きつけて出来たスペースにセンタリング、そこに朴が飛び込み待望の先制点をヘディングで奪う。

 36分、石丸のスルーパスに中央の黒部が反応しペナルティエリアまで入り込んだところで倒されるが、水戸ボールとなる。遠いサイドでの出来事、詳細がわからないA南からはブーイング。38分には熱田から良いクロスボールが出るが、GKが黒部よりもわずかに早く反応、追加点は奪えず。

 42分、辻本からのロングボールを黒部が頭で繋いで、最後は松川がシュート、しかしDFに当たってゴールならず。その後、黒部がフリーでシュートするシーンがあったのだが、ボールは枠の上へ。動き自体はそう悪くないだけに、フィニッシュに必要な何かが足りないとしか思えない。それが運なのか、技術的あるいは感覚的なものなのかはわからないのだが。

 ロスタイムに入り、このまま1点リードで終わればという局面で、熱田のバックパスが辻本を越えて直接ゴールラインを割り、CKを与えてしまう。大ブーイングの中、何とか守り切ったが一つ間違えば同点という、ひどいミス。すっきりしない流れのままハーフタイムに。

 後半開始。大嶽コールで、メンバーチェンジに気付く。鈴木を下げた様子。立ち上がり早々、サンガのビッグチャンス。水戸の中途半端なディフェンスラインを突いて、左から松川が突破、中央の黒部にラストパスを送るがファーストタッチの体勢が悪くシュートに至らず。30秒と経たないうちに再び黒部のシュート、しかしこれはゴールポストを直撃、追加点の絶好機を逃す。3分にも、中村からのクロスに頭で合わせる黒部、だがDFに挟まれながらで枠に飛ばない。4分、黒部のポストプレーをファウルで潰されたようにも見えたがノーホイッスル、A南からはブーイング。5分には朴が相手のプレッシャーを上手くかわしてスペースに飛び出したところで笛が鳴り、水戸の選手にイエローカード。訳のわからない判定に、ますます高まるブーイングの嵐。この流れからCKを得て、黒部が再び中央でシュートチャンスを得るがこれも体勢が今一つで撃ちきれない。ここで水戸がカウンター、しかしサンガDFも良く対応し、難を逃れる。7分、8分と上野がシュートするも、GKに阻まれる。

 9分、水戸は元サンガの小川を下げ、DFを入れ換える。13分、水戸は中距離のFKを得るが、ボールは枠の上へ。14分、水戸がFWの選手を交代。その矢先、長いクロスボールの処理が中途半端で、中河と水戸の選手が交錯、こぼれ玉を押し込まれるがファウルの判定、一瞬ヒヤリとさせられる。

 17分、自陣で上手くボールを奪った朴を起点に攻撃、最後は松川のクロスにオーバーラップした朴が飛び込むが、わずかに届かず。20分、中盤でキープし、石丸から左サイドの中村にスルーパスが出るがオフサイド。22分、水戸は中盤から前線へ縦パス、オフサイドは無くセンタリングを上げられるが、手島が直接クリア。CBも板に付いてきた。

 25分、朴がドリブルでキープしながらペナルティアーク付近まで上がり、上野を経由して最後は黒部がミドルシュート、しかしこれも枠を大きく越える。水戸はここで3人目の交代、元サンガの山崎が入る。ひたちなかの芝生席、やや離れた場所で試合開始前に団長さんと何か話をしていた姿が思い出される。27分、熱田のFKは枠を逸れる。28分、水戸のFW須藤がミドルシュート、A南から見ると恐ろしく変化する弾道が京都ゴールへ、しかし中河が素晴らしい反応でパンチング、今日一番のピンチを逃れる。

 32分、安がピッチサイドでスタンバイするが主審は認めず水戸のFK、A南からは野次が飛ぶ。33分、ようやく黒部と交代。しばらく水戸が攻めるシーンが続いたが、38分、ようやく安らしいドリブルで右サイドを突破、センタリングを上げるシーンが出てくる。盛り上がるゴール裏。

 残り時間も5分を切り、水戸も1点をもぎ取ろうと積極的に攻撃してくる。しかし冷静に対応するサンガDF。ベンチを見ると、控えの選手は誰もアップしていない。監督は選手交代無しに乗り切る腹積もりなのか。松井や野口を見たいサポーターから若干の野次。ロスタイムに入る頃、石丸にイエローカード。これで累積4枚、勿体ない。横浜FC戦には誰を使ってくるのか。ソーヴィシュか、角田か。ロスタイム、決定機も無いが危ないシーンも無く、そのままタイムアップ、1-0で勝利。

 電光掲示板に大宮が敗れるとの情報が表示され、どっと沸くスタジアム。他の上位チームは順当に勝ち、いよいよ混戦の様相を呈してくる。新潟、山形は好調を維持し、川崎も堅いチームになってきた。鳥栖が横浜FCに0-3で敗れたのが個人的には何だかなあ、という所なのだが。次節はその横浜FC。また厳しい試合になりそうだ。

 帰り際、最初にお話を伺った方に挨拶し、暗い中を西京極駅へ。ここ2戦味わった重苦しい気分と無縁で歩けるのは、やはり有り難い。コンビニに寄って、10時過ぎに帰宅。




2001 Aug.10

 金曜日になって、ようやく川崎戦の録画を見る。あの試合のもどかしさを改めて確認。川崎は、今年2回対戦したあのチームとは別のそれになっている。良くも悪くもエメルソンのチームから、守備意識の高い、負けにくいチームに仕立て上げつつある石崎監督の手腕は流石である。ただ、カウンター以外でどうやって点を取るのか、それはしばらく川崎の課題となりそうな気もする。将来J1に昇格できるかどうかも未知数。サンガは、惜しいシーンで決まっていれば、といういつものパターン。それにしてもセットプレーの精度の低いこと。あれでは全くチャンスではない。水戸戦では2トップに戻すかも、との情報もあることだし、また良い方に流れが向かってくれることを願う。




2001 Aug.9

 ようやく日記を更新。と言っても日記の中ではまだ川崎に到着していないという体たらく。まだ録画に手が付かない。




2001 Aug.8

 川崎戦の録画は後回しにして、作業を進める。合間にスーパーへ買い出し。ゴーヤーが安いので、豆腐と共に購入、晩飯決定。帰ってから画像処理。ちょっとシャープさに欠ける気もしないではない。松川のお父さん、掲載は出来ないけど味のある方だ。松川も30年後には、あんな風になるのだろうか。当たり前のことではあるのだが何となく不思議。

 午後11時を過ぎて、ようやく完成、アップロード。日記は完全に後回し、と言うかサボっている。月をまたがってしまったというのもあるが、各ファイルの修正が面倒だ。明日やるか。




2001 Aug.7

 今日も怠惰。マクドでバリューセットを買ってきただけ、というのは相当ダメかも。銀行で記帳。通信費の引き落としが大きい。夏の電気代が消えてゆくのは来月あたりか。夏はジリジリとした季節。




2001 Aug.6

 月曜日はダレる。特に、次の試合が週末だとなおさらだ。近所のスーパーに買い物に行っただけ、というダメな日。




2001 Aug.5

 ムーンライトながらの指定券を予約。考えてみれば、9/5の仙台戦に向かうための足だから出発は9/4、1カ月前の昨日のうちに手を打たなければならなかったのだけど、すっかり勘違いしていた。ところがJRのプッシュホン予約であっさりと確保完了。9月の平日、もうピークは過ぎているということなのだろうか。いずれにせよ、一安心。

 午後に京都駅方面へ出て、青春18きっぷと指定券を買う。夕方ともなると待ち行列もあまり長くない。 琵琶湖方面の観光パンフレットを見る。どこか静かなところに行きたい。トワイライトエクスプレスの豪華な旅、2人で北海道を1週間豪遊して100万円オーバー。妥当な額なのだろうが、パンフレットを見ただけでその数字に圧倒される。




2001 Aug.4

 乗務員さんに起こされ、ハッと起き上がると周りは既に無人。バスはもう浜大津に到着し、自分が最後だ。慌てて荷物を抱え、バスを降りる。外はすっかり夏の朝。京阪に乗り換え、京都を目指す。曲がりくねった線路を電車はガタゴトと登り、やがて地下へ。土曜の早朝、乗客も少ない。市役所前と烏丸御池で乗り換え、40分ほどかかって丸太町に到着。コンビニに寄ってから帰宅。

 web browseと洗濯。今日はこれだけ。




2001 Aug.3

 まだ夜も明け切らないうちに朝食。準備をするうちに、東の空が白んでくる。地下鉄の始発、烏丸御池は5時37分発だ。荷物を確認し、部屋を出る。時計をにらみつつ、急ぎ足から最後はダッシュで階段を駆け下りる。改札を抜けると、電車到着のアナウンス。ギリギリセーフ。歩いていたら間に合わなかっただろう。

 京都駅に着き、青春18きっぷにスタンプを押してもらい、ホームへ。電車を待つが、妙に汗が出て、心臓が早鐘を打つように鼓動しているのがわかる。運動不足の上徹夜という悪条件で走ったからか。6時15分の普通電車で、米原へ。途中、少しだけうとうとする。気が付けば彦根の手前あたり。高校生が乗っては降りる。米原で乗り換え、大垣へ。新快速に乗り換えると、通勤客の多さに平日の朝であることを思い知らされる。それにしても今朝は、空気が靄がかっていてすっきりしない。琵琶湖沿岸だけかと思っていたら、愛知県でも大差無い天気。寝不足でぼんやりしているだけではなさそうだ。途中、隣に座った男性が、HPのJordanaにDDI-PのAir-H"を挿して通信開始。つなぎ放題だろうか、と羨ましくなる。

 豊橋で普通電車に乗り換え、浜松へ。いかにもギャンブルファンという風情のおじさんたちは、浜名湖競艇の見える駅で降りていった。浜松でまた乗り換え、静岡に11時半頃到着。すこしだけ駅前を歩くが、すぐに駅ビルに引き返し、居酒屋でお昼御飯。サバの味噌煮と豆腐の定食で、500円。かなりお買得感高し。それにしてもやけに涼しい。体感気温で30度以下なのは間違いない。ここ数日関東は涼しかったらしいが、この調子で暑くなければ楽なのだけど。駅ビルの本屋でF1雑誌を買い、12時半の普通電車に乗るべく改札を抜ける。

 少し早めに行ったつもりだったのに、ホームはやや混雑している。電車が到着。かなり混んでいる。降りたのと同じ位の人が乗車、座れない。途中の停車駅でも一向に減る気配は無い。沼津あたりまで来て、ようやく空間が広がったような気がする。しかしすぐに熱海。結局、1時間半ほど立ったまま。快速アクティーに乗り換え、やっと一息つく。初めて座った2階席から車窓を眺めても、あまりスピードを感じないのが不思議だ。線路が見えないからだろうか。空はようやく青くなり、相模湾も夏の色に輝いている。午後3時を回って、ようやく川崎駅に到着。

 しばらく駅ビル内を歩き回り、フードコートで休憩。4時頃に、南部線で武蔵小杉を目指す。途中の駅前は、おしゃれというよりは生活感のある風情で、街並みもどこか雑然としている。これが、東京あたりの人が考える、川崎のイメージなのかもしれないと思ってみたり。NECの巨大なビルが建つ駅には、専用の改札口が。富士通のお膝下のすぐ近くにライバル会社の風景があるとは知らなかった。10分余りで武蔵小杉に到着。

 駅前に出ると、フロンターレを応援するポスターや旗が思いの外目立つ。春にバスで来た時にはあまりわからなかったのだが、ホームタウンとしてそれなりの雰囲気を作ろうという思いは感じられる。要所には競技場や駅への方向を示す立て看板が。入り組んだ道だが、15分ほど歩いただろうか、さして迷うことなく等々力競技場に辿り着くことが出来た。

 開門30分前だというのに、入場ゲートには数人の姿が。相変わらず早い。どこかで見たような顔も。サングラスの某総監督(バレバレ)だ。何やら若干の裏地上を交えた雑談の様子。よほど暇なのか、サポーターとのコミュニケーションを図ろうということなのか。まあ、別に悪いことではないので、暇潰しに耳を傾ける。大した話は無かったけど。ふと3月を思い出して、青葉の生い茂る桜の木を撮る。あれから4カ月、長かったのか短かったのか。

 5時を少し過ぎて、開門。平日だけあって、出足は遅い。横断幕を張り終え、しばらくうろうろ、ぼんやり。2階席に上がると、見慣れない松川の横断幕を張るおじさんを発見。声を掛けるつもりでしばらく目を離していると、いつの間にか姿を見失ってしまった。試合終了後に探すことに。大嶽のレプリカを着た女性――湘南戦で一度お会いしてはいる――に話を伺う。もう1人ぐらい、と思ってもいかんせん今日は人が少ない。あきらめて、試合開始を待つ。一説によると石崎監督就任以来無くなったと聞いていた、あの“腰砕けな”サポートソン グ、しっかり流れてきた。

 キックオフ。3バックの右には佐藤仁が復帰、野口の位置に中村。安ちゃんは本当に坊主頭だ。しかも黒いので中村と区別が付かない。4分、川崎にFKを与えるが、これは枠を外れる。サンガも7分、ペナルティアーク手前からのFKを得るが、黒部が直接狙ったボールは曲がりきれずに枠の上。序盤は両チームとも大きく崩されるような局面は無く、堅い展開。

 12分、中村の突破からCKのチャンスを得るが、ニアサイドへの熱田のキックは川崎の選手に跳ね返される。そこから川崎が逆襲するが、手島のクレバーな守備でゴールキックに。15分には、クロスボールへの中村の対応が遅れ、33番の選手にフリーでシュートを打たれるが、これは枠を外れて難を逃れる。エメルソンだったら、確実に枠を捉えていたに違いない。

 18分、朴にイエローカード。京都はここまで効果的な攻撃を仕掛けることが出来ないでいる。前線へのロングボール、安のドリブル突破、いずれも厳しいチェックで潰されている。20分、ゴールライン際でセンタリングを防いだ熱田にイエローカード。危険な位置からのFKを、ファーサイドにややフリーでいた選手にヘディングされるが枠の外へ。

 25分、ようやくサンガの時間帯となるが、組織的に川崎の守備を崩せない。28分、朴がドリブルで突破を図りCKを得るが、熱田のゆるいキックはGKに直接キャッチされる。29分には前線に残っていた佐藤がドリブルして倒されるがノーファウル。30分には再び朴のドリブルから安へパス、センタリングを上野がダイレクトでシュートするがこれも枠を越える。

 31分、川崎は少ない人数でドリブルとパスを折り交ぜ、シュートまで持ってくるが、サンガDFの対応で事なきを得る。攻めは低調だが、守備の集中は悪くない。

 38分、中村のセンタリングをクリアされCK。朴のキックに上がっていた佐藤が頭で合わせるが、ジャストミートせず。41分にも、やや遠目からのFKを得るが、朴のキックは大きく枠を外れる。42分、狭いエリアでのパス交換から最後は朴がミドルシュート、しかしこれはGKが正面でパンチング、クリアされる。前半はこのまま0-0で終了。どこかまったりとした試合展開。これは簡単には得点出来そうにない。

 ハーフタイム、試合開始前に声を掛けられた方に話を伺う。サッカー経験者だけあって、かなり詳しい分析を話して頂けた。中河の弱点など、指摘されるまで気付かなかった。ありがとうございます。

 後半開始。選手交代は無し。開始1分余りで、左からのFKのチャンスを得るが、朴のキックはGKがパンチングで弾き返す。3分には、似たような位置から川崎のFK。これはそのままゴールラインを割る。4分、中村にイエローカード。7分、ペナルティエリアの少し手前でFKを与えてしまう。ここで佐藤が下がって大嶽が入る。痛めている太股の調子が思わしくないようだ。このピンチは中河が判断よく飛び出して直接キャッチ。

 9分、CKのチャンス。熱田のキックに黒部がダイビングヘッドを試みるがDFに寄せられ、ボールは再び熱田へ。鋭くシュートするもボールは枠を捉えきれない。しばらく倒れ込む黒部。11分にも幾らかボールを回すシーンが見られたのだが、シュートには至らず。その後、安のドリブルとペナルティエリア内でのキープには期待したのだが、サポートが遅くクリアされる。14分には、DFラインからの放り込みが川崎GKの判断ミスでビッグチャンスに。しかし黒部のシュートはわずかに精度を欠き、ゴール前を流れてゆく。

 19分、中盤での競り合いの中で、石丸にイエローカード。20分には大嶽にまでもカードが出される。今日はちょっと多すぎだ。局面で厳しく競り合う場面の多さを示す指標になっているのかもしれないが、主審の笛にはどこか釈然としないものがある。21分には、安が左サイドの深い位置で起点となり、最後は朴がミドルシュート。しかしこれも枠を外れる。

 23分、黒部を下げて松井を投入。27分、ようやくその松井が左サイドからセンタリング、DFのクリアでCKを得る。ショートコーナーから、最後は松井のオーバーヘッドキック。惜しくも枠は捉えられなかったものの、久しぶりに目の覚めるようなプレーを目にする。

 29分、鈴木に替えて野口。攻撃的なシフト。31分、右サイド遠目からのFKに上野が頭で合わせるが、これも枠の外。その後、熱田がセンタリング何本か上げるのだが、いずれも精度を欠いてチャンスを作れない。川崎も3人目の選手交代。

 36分、ペナルティエリアの少し手前で朴がファウルを受け、FK。熱田が直接狙うが、これも枠に飛ばない。38分、朴がロングシュート。これもわずかに枠の上。ボールはキープ出来ているのだが、ペナルティエリア内で決定的な形を作る場面が見られない。41分には、松井の粘りから右サイドでCK。熱田のキックに松井が反応よくシュートするがGKに跳ね返される。

 ロスタイム、前がかりになっていたところでカウンター攻撃を受ける。2対3の圧倒的に不利な状況だったが、最後のセンタリングの精度が悪く、ピンチを切り抜ける。サンガも石丸のミドルシュートで川崎ゴールを脅かすが、結局両チーム無得点で90分が終了、延長戦に突入する。

 延長前半のキックオフ。4人目の交代枠で、安を下げて松川。立ち上がりから1点を奪おうと、積極的に攻勢に出るサンガ。川崎は空いたスペースに逆襲。3分にはサンガの右サイドを突破されピンチとなるが、ラストパスの精度を欠いて決定的場面には至らず。4分には松井が良い位置からセンタリングを上げるが、DFに阻まれる。5分には、野口が良い動きを見せ、最後は松井が押し込むがGKの好守に阻まれて得点ならず。

 川崎も6分、4人目の選手交代。9分、熱田のCKも活かせず。10分、右サイドから松井が上手い動きでセンタリング、松川が合わせるが、DFに身体を寄せられてシュートは枠に飛ばない。川崎の攻撃は散発的で、前線との呼吸が合わないのかしばしばオフサイドとなる。しかし13分、冷や汗物の危ないセンタリング。しかしこれも合わず。延長前半が終了。

 すぐに延長後半開始。いきなり川崎がCKを得るが、これは防いでゴールキックに。サンガもすぐさま反撃に出るが、川崎の守備意識は崩れる気配を見せない。5分、ゴール正面のやや遠い位置から川崎のFK。壁の間を抜けてきたボールに中河が反応するが、キャッチできずCK。しかしこのピンチもどうにか切り抜ける。

 8分、ペナルティアーク付近での攻めぎあいから、最後は松川がミドルシュート。しかしこれも大きく枠を外れる。10分、石丸のシュートがDFに当たりCK。この流れから最後、大嶽がセンタリングを上げたのだがボールは川崎DFの手に当たり、CKの判定。これにキレた一部サンガサポーターが、とうとう柵を乗り越え陸上競技のトラック部分まで降りてしまう。ここはすぐに周囲の制止で収まったかに見えたのだが、再び誰かがエキサイト、2分ほどゴール裏が混乱する。ピッチ上、はるか彼方ではサンガのピンチ。耳慣れない誰かのサンガコールでみんな我に返ったのか、なんとか応援が復活。しかしゲームは動かず、0-0のまま延長戦も終了。

 疲れた足を引きずるように挨拶にやってくる選手達に拍手と檄を送るゴール裏の面々。前節とは違い、選手の気持ちは明らかに伝わってきた。課題は幾つもある。しかし、鳥栖戦での絶望から少しでも前に進んでいるのは確かだ。次は水戸戦、ここで勝てばまた上向きの流れを掴めそうな気がする。

 2階席に上がり、松川の横断幕を外していたおじさんに声を掛け、少し手伝う。あまり色よい返事を貰えない。そのうち、横断幕を他のと一緒に預かってもらえるだろうか、と相談される。団長さんに頼めば大丈夫でしょうと、1階席に降りる途中、おじさんが松川のお父さんであることが判明。無茶なお願いをしてしまったものだ。非礼を詫び、写真だけ撮らしていただいてプリントを渡す。

 照明が半分ほど落とされたスタジアムを後にし、駅を目指す。夜になって、昼間来た方角がわからなくなる。何とか看板を頼りに武蔵小杉に向かっているつもりだったのに、辿り着いたのは東急の新丸子駅。間抜けだ。横浜まで直通なので、結果オーライではあるが。210円の切符を買い、桜木町行きの普通に乗る。そこそこ混雑した、金曜の夜。

 横浜に着いたのは10時半を幾らか過ぎてから。駅前のコンビニ――と言ってもコンビニとブランド品のディスカウントストアとドラッグストアを足したような店――で夜食を買い込み、東口へ向かう。西口に比べるとわびしく、バスターミナルも夜行バスをじっと待つ人々が静かに佇んでいる。ベンチでおにぎりを齧り、発泡酒を飲む。時計を気にしながら、ひたすら空腹を満たす。定時より少し遅れてバスが到着。中央の列、前から2番目の席に身を沈めると、間も無く消灯。いつの間に高速道路に入ったのかも気付かないまま、意識は闇の中へ。




2001 Aug.2

 今朝はどうにか早起き。朝食を済ませ、web browseと未読処理。ようやく録画を見直し始めるが、通しで見ることが出来ない。何とか前半を消化した頃には午後になっている。煮詰まり気味なので、外に出る。

 自転車のタイヤに空気を入れ、京都駅方面を目指す。東寺近くの王将に行ったら休み。仕方なく、吉野家まで引き返し、並とサラダの昼食。時計を気にしながらみなみ会館に入ると、ちょうど入れ換えのタイミング。リザーブチケットで入場し、まだ慣れない新しい椅子に座り、汗を拭う。

 一部で話題の映画『レクイエム・フォー・ドリーム』(原題:Requiem 4 A Dream)は、これまた一部で注目された映画『π』の監督、ダーレン・アロノフスキーの最新作。冒頭、TV中毒な母親とジャンキーな息子とを、左右2分割された画面の中で巧妙なカット割りでコミュニケート(あるいはディスコミュニケート)させるシークエンスに強く惹きつけられる。この後にも同じ様な映像が何度か使われるのだが、そこにはコミュニケーションがあるようで実は断絶している、現代人の病がかつてないほど新鮮に――個人的にはヴェンダースの『パリ、テキサス』での鏡のシークエンス(多少違うけど)以来の鮮烈さで――描き出されていたように思う。

 そして、コニーアイランド。滅んではいないが限りなく廃墟に近い、20世紀アメリカの夢。主人公のガールフレンドが赤いドレス――主人公の母親がダイエットの果てにそれを着てTV出演しようともがいていた、あのドレスと同じ色の――を着て、大西洋の彼方を眺めて佇んでいるショットは、宿命として夢を求め続けなければならないアメリカ人――もう旧大陸には戻れない――が、空虚な夢に追い詰められ行き場を失っている様を凝縮した名場面であると言って良いのではないだろうか。登場人物それぞれの持つ夢は一見異なって見えるが、「“4つの顔を見せる1つの夢”に対するレクイエム(鎮魂曲)」とも解釈できる原題に示されている様に、それらは1つの「アメリカン・ドリーム」がその姿を変えて現れているに過ぎないのだ。最初から夢=幻想であるが故に決して滅びはしない、しかし中空な夢が。

 映画館を出ると、雲が厚く垂れ込めている。降られる前にとペダルを踏んで、堀川通を北上する。何となく三条商店街の西友へ入り、買い物。生鮭その他を買って、帰宅。

 鳥栖戦後半を見る。惜しいシーンはあるのだが、鳥栖の粘りにことごとく封じられる。プレーに精度やアイデアが無いのは今に始まったことでは無いのだが、1ファンとしては、あの試合に関しては気持ち――集中力や執念――の差で負けたとしか総括できない。次節には良くなってくれれば、と言ってももう明日なのだが。

 夕食を済ませ、サボっていた日記書きをまとめて片付けようとするが、いかんせん日が経っているので思い出せないことが多すぎる。とは言え、大したこともしていないので、大雑把に覚えていることを書き殴る――キーボードで書いていても、この表現は有効なのだろうか?

 webを更新して残り時間を計算。どう考えても2時間と眠れない。下手に寝ると、絶対寝過ごしてしまう。矛盾しているけど、勢いでだらだらと徹夜する。明日、いや今日は辛そうだが自業自得。




2001 Aug.1

 やっとテープ起こし。録画は後回し、と究極(?)の逃避。鳥栖サポーターの方との会話は、録音されていない部分の方が長かったかもしれない、と思い起こす。記憶だけでは書けないのだけど。試合終了後の録音には、遠くから響く拡声器の音がバックグラウンドノイズより少し大きく入っている。あの後、一部のサポーター有志(とここでは書いておこう)がバスに乗り込む選手達を“叱咤激励”したとmailで情報を頂いた。選手達も、決してわかっていないはずは無いのだけど、Jリーグ昇格以来、完治する気配のない「サンガ病」。症状は様々で、あのカズでさえも治せなかった病。特効薬は無いのだろう。思うに地道な体質改善こそが、遠回りかもしれないけれども確実な手段なのかもしれない。

 写真を加工し、htmlに落としてアップロード。日記は放置、トップページに自虐的な言葉を書き連ねる。録画は明日か。逃避3日目。

 久しぶりに近所のお好み焼き屋へ。赤だしには粉山椒を入れると美味しいというのを初めて知る。軽いカルチャーショック。




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