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e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻111号  2011.08.03発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻112号 2011.12.31発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻113号 2012.04.26発行
通巻106号 2009.12.31発行 通巻114号 2012.10.31発行
通巻107号 2010.03.30発行 通巻115号 2013.03.20発行
通巻108号 2010.06.30発行 通巻116号  
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[115]
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2013/03/20[15-01-115]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 115号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 気が付けばほとんど読まなくなっていたので、朝日新聞の購読を止
   めました。心残りなのは朝刊の「ののちゃん」と水曜夕刊のグレゴ
   リせんせの連載(大阪本社版)が読めなくなったことだけで、あと
   はネットで十分間に合います。おかしかったのは、朝日の販売店に
   中止の電話をしたら「やはり何か記事がお気にさわったのでしょう
   か?」と聞かれたことで、どうもそういう理由で止める人が増えて
   るらしい感じでした。ちかごろの大新聞の記事は、消費税増税の提
   灯持ちとか、ろくでもないことばかりですが、これは今に始まった
   ことではありません。「国境なき記者団」が「閉鎖的な記者クラブ
   制度の存在が日本のランキング上位進出を阻んでいる」と指摘して、
   2013年の報道の自由度ランキングを53位にしていることを見ても、
   そのだめさは明らかです。(2013.1.31 共同)
   
   まだ京都新聞はとっていますが、これももっとローカルに徹すれば
   よいのに、中途半端に滋賀県のことまで載せているのがうっとうし
   い。アメリカのバフェットという投資家が、ネット時代でもコミュ
   ニティ新聞は必要だと言ってますが、京都新聞も滋賀と京都府下の
   新聞を別会社にして京都市内だけに絞ったほうがよいでしょう。
   
   
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「(歌集)窓、その他」内山晶太 六花書林
  ◆「(歌集)木立ダリア」花山多佳子 本阿弥書店
  ◆「(歌集)さよならバグ・チルドレン」山田航 ふらんす堂
  ◆「(歌集)饕餮の家」高島裕 TOV
  ◆「アナキズム・カレンダー2013」アナキズム文献センター※完売
  ◆「みすず 2013年1-2月合併号 読書アンケート特集」みすず書房
  ◆「情況 2012年11-12月号“特集・吉本隆明の「カール・マルクス」論
  ◆「現代詩文庫502 岡井隆歌集」解説・吉本隆明ほか 思潮社
  ◆「フランシス子へ」吉本隆明 講談社
  ◆「吉本隆明『共同幻想論』の読み方」宇田亮一 菊谷文庫 
  ◆「吉本隆明―詩人の叡智」菅野覚明 講談社 
  ◆「流砂 第6号 [追悼]吉本隆明その重層的可能性」批評社  
  ◆「写真集 吉本隆明」吉田純・写真 河出書房新社
  ◆「吉本隆明が最後に遺した30万字(上・下)」ロッキング・オン
  ◆「書評紙と共に歩んだ五〇年」井出彰 論創社
  ◆「遠くに在りて思うもの」末次弘 文芸社
  ◆「生涯一編集者(飢餓陣営叢書)」小川哲生 言視舎
  ◆「三浦つとむ 意志論集」編集・解題/津田道夫 績文堂出版
  ◆「古本の雑誌」本の雑誌社
  ◆「福島の美術館で何が起こっていたのか」編集グループ〈SURE〉
  ◆「詩人 高木護――浮浪の昭和精神史」青柳瑞穂 脈発行所
  ◆「Myaku 15号 特集・島尾敏雄と写真」比嘉加津夫・編集 脈発行所
  ◆「Myaku 14号 特集・特集・詩人 高木護」同上  
    沖縄のリトルマガジン「Myaku」は12号の吉本隆明追悼号から扱っ
    ていますが、ちかごろは旧在庫も仕入れるようになり、いずれもそ
    こそこの売れ行きです。詳しくはブログ「三月記(仮題)」でどうぞ。
    

[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「吉本隆明論集―初期・中期・後期を論じて」アーツアンドクラフツ
  ◆「笠井叡 講演・講義録集」笠井叡オイリュトミーの会※入荷済み
  ◆「開店休業」吉本隆明 プレジデント社
  ◆「続々 河野裕子歌集」砂子屋書房※入荷済み
  ◆「加藤一雄の小説」 用美社
    最初の予告から6年以上過ぎましたが、こんどこそついに出そうな
    雰囲気です。もしまた遅れても、いまさら驚きはしませんが。
    詳しくはブログ「三月記(仮題)」でどうぞ。
    
    

[#03]  日販への返品率

   2004年   書籍17.0% 雑誌28.4%
   2005年   書籍20.6% 雑誌34.5%
   2006年   書籍17.4% 雑誌28.0%
   2007年   書籍18.6% 雑誌26.8%
   2008年   書籍22.6% 雑誌29.1%
   2009年   書籍21.9% 雑誌28.0%
   2010年   書籍23.5% 雑誌28.4%
   2011年   書籍23.5% 雑誌27.2%
   2012年   書籍21.3% 雑誌31.0%   

   書籍の返品率は世間よりもかなり低いようなのでまずはけっこうなこ
   とです。この率には常備は含まれていませんが、それを足しても25%
   以下です。常備は減る一方で1990年代に比べると八割以上減っていま
   す(ただし当時は鈴木書店からの常備の方が多かった)。常備につい
   ては、出版社の方から断られたのはほとんどなくて、ほぼ全部こちら
   から辞退しました。とにかく、いま現在、人文書関係で売れているの
   は、新刊か在庫僅少品ばかりで、常備セットに組まれているような本
   の売れ行きは悪くなるばかりです。うちの場合、常備を減らして空い
   た棚を新本特価で埋めているような具合ですが、量的には全体の15%
   程度です。そして、その売上効率は比較にならないほど特価本のほう
   が優秀であることは言うまでもありません。雑誌の返品率については、
   定期改正が困難なムックのせいなので、いまのところどうしようもあ
   りません。たとえば、河出夢ムックだと「いしいひさいち」とか「諸
   星大二郎」が大量に売れたので、毎号20冊ほど来てしまいますが、そ
   の多くは数冊売れればよいほうで1冊も売れないのも珍しくはありま
   せん。うちの店の雑誌の売上は全体の2割以下ですから、少々高くと
   もトータルではまずは問題ないでしょう。
      
   
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その77)   

  ○みすず書房の書店別売上げランキング(2011/12〜2012/11)
   今回も京都関係の書店のみ、売上げ冊数の前年比を計算してみました。
   
   1(2) ジュンク堂BAL店    前期比▲ 4%
   2(1) 京大生協ルネ        ▲17%
   3(3) ジュンク堂京都店        2%
   4(5) 立命館生協存心館       12%
   5(4) アバンティBC        ▲21%
   6(6) 大垣書店烏丸三条      ▲18%
   7(8) 同志社生協今出川       21%
   8(7) 恵文社一乗寺        ▲15%

   今回も全体としては下降気味のようです。同志社は田辺から今出川に
   かなり大量の学生が戻ってくることになったので、次回は増えるでしょ
   う。京大生協ルネは耐震工事のための仮店舗の影響があったのかどう
   かは知りません。市内最大級の大垣書店イオンモールKYOTO店は、筑
   摩書房の最近のデータだと、ジュンク、ジュンク、ルネの次で4番目
   なのですが、なぜみすずのには出てこないのでしょうか。たんに売上
   短冊を送付していないだけかもしれませんが。恵文社は前回から急に
   出てきたような印象ですが、もともとみすずの固い目の本を多く並べ
   ているような書店ではないので、大人の本棚シリーズか何かがよく売
   れているのでしょう。そして、この15%減という数字も、たいして深
   い意味はないような気がします。ジュンク堂BAL店は閉店しましたが、
   その売上分が京都店と朝日会館店にどの程度回るのか、あるいは雲散
   霧消してしまうのか、次回の発表が楽しみです。

  ○前号に閉店の噂を載せた「ジュンク堂書店京都BAL店」が、やはり1月
   末で閉店しました。ビルの建て替えのためで、新ビルは2015年4月に
   開業予定だそうです。出版業界の先行きは真っ暗ですから、2年先の
   ことなどどうなるかわかったものではありませんが、ジュンク堂は再
   出店の予定と言ってます。それまでのつなぎとして、数百米北の「京
   都朝日会館」の3階と4階に専門書を中心とした200坪程度の店を、2
   月20日に開店しました。この店はあまり繁盛しそうには思えませんが、
   詳しくは「三月記(仮題)」をお読みください。
   
  ○京都のジュンク堂の状況について、同社の福嶋氏が人文書院サイトの
   連載のコラム
にかなりぶっちゃけたことを書いておられます。とくに
   おどろいたのは、閉店前の「BAL店」と四条の「京都店」の2店の売上
   を合わせても、1990年代の「京都店」1店の売上に届かないとはっきり
   書いておられることです。1990年代の四条河原町周辺には「丸善」、
   「駸々堂京宝店」を初め大小の書店が多数ありました。それなのに
   “界隈の大型店としては、四条富小路の京都店とBAL店のジュンク堂
   2店が残った。「ライバルがいなくなって万々歳!」などとは、とん
   でもない。2店合わせても、かつて書店で賑わっていた90年代の京都
   店1店の売上に届かなくな」ったのだそうです。
   しかし、いくら出版業界が1996年以来、売上減少が続いているとはい
   え、全体としてはまだ三分の二程度にまで縮小したに過ぎません。そ
   れなのに、数百坪の「京都店」と千坪強の「BAL店」を合わせても90年
   代の「京都店」1店に届かないということは、ジュンク堂の売上の落
   ちかたはそれ以上であり、売場面積比で言えば、半分以下の効率になっ
   てしまっているということになります。しかも、競合店がほぼ皆無に
   なっているわけですから、これはジュンク堂の商法そのものが世間に
   合わなくなりつつあるのかもしれません。あるいは、四条河原町周辺
   の商店街全体の落ち込みが、出版業界の落ち込み以上に激しくて、ジュ
   ンク堂の足を猛烈に引っ張っているのかもしれませんが。
   
  ○「ジュンク堂京都店」の数店西の「ブックストア談京都店」が業態変
   更しました。「ブックストア談」は10年ほど前に文教堂グループにな
   りましたが、この店は「ブックストア談」の名前のままで営業してい
   ました。しかし、「ジュンク堂」も同じ系列になったので張り合って
   営業する必要もなくなったのでしょう。現在は昨年末に開店した同じ
   文教堂グループの「アニメガ京都店」という、成人向けコミックなど
   がメインの店になっていますが、見学していないので中の様子は知り
   ません。これも「三月記(仮題)」 に記事があります。
   
  ○集英社の季刊誌「kotoba 2013年春号」の特集は“本屋に行こう”で、
   うちの店もグレゴリ青山氏の「京都個性派書店案内」に大々的に登場
   しています。グレゴリ氏の本にはうちの店も何回か出して貰っていま
   すが、店主としてフルネームが出ているのは今回が初めてです。この
   漫画はもったいないことに、集英社のサイトで無料公開されています
   からごらください。それにしてもこの特集で一番の目玉商品を無料公
   開するというのは気前が良すぎるのではないでしょうか?
   
   うちと一緒に出てくるのは「ガケ」「恵文社一乗寺」と「パルナ書房」
   ですが、この「パルナ」さんは残念ながらこの4月25日に閉店される
   ことが決まったそうです。この漫画の欄外に「ホンマに閉店の危機な
   んだそうで」とありますが、ホンマになってしまったわけです。この
   書店は五条通りの丹波口駅前にあり、日販京都支店がそのすぐ西にあっ
   たころは、しょっちゅうその前をバイク走っていましたが、見学した
   ことはありませんでした。又聞きですが「TSUTAYA 京都リサーチパー
   ク店」が数百米西に開店したのがかなりこたえたらしいとのことです。
   
  ○ほかにも「男の隠れ家 2013年1月増刊」特集“「本」のある空間”ほ
   か多数のガイド雑誌類に、うちの店も「ガケ」や「恵文社」に混じっ
   て紹介されてますが、どれも似たようなものでいちいち覚えられませ
   ん。玄光社から今月末に刊行予定の「KYOTO本屋さん紀行」は丸ごと
   1冊京都の書店本ですから、とりあえずは乞うご期待。
   

[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など

  ○武田ランダムハウスが昨年末に倒産しました。講談社ランダムハウス
   以来、フリー返品の版元だったので少し在庫していましたが、最近は
   あまりうちに向いたのがなかったので、最終在庫は単行本と文庫をあ
   わせても10冊以下のようです。
   
  ○どうぶつ社が昨年末に廃業されたそうです。うちの店でも過去には仕
   入たことがありましたが、最近は何も在庫がありませんでした。
   どうぶつ社の廃業については朝日デジタルに記事があります。今日現
   在は無料で読めますが、こういうのはいつまでアップされているので
   しょうか。   
    
  ○サバト館がほぼ廃業されました。昨年10月に地方小センターとの取引
   を解除されましたので、一般流通からは完全に撤退です。うちの店は
   サバト館が京都にあった頃からの付き合いなので直接取引が現在も続
   いています。うちの分も含めた在庫の処理について、関係者が協議中
   らしいですが、まだうちの店に連絡はありません。倒産ではないし、
   債権者もいないので、とくに急ぐ理由もないのでしょう。詳しくは
   「三月記(仮題)」に記事があります。
   
   今日現在の在庫はこちらをごらんください。いまのところ、故人の意
   向で値引き販売の予定はないようです。   
   
  ○「中小企業金融円滑化法」はどうやらこのまま打ち切りのようですが、
   全国で倒産続出ということになるのでしょうか?さすがに何らかの対
   策を打ち出すのではという声もありますが、その一方で貸し剥がしが
   復活しつつあるといううわさもあります。4月以降どうなるのか、ちょ
   っと不気味です。
   

---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎-----------------------------------------

  ☆出版人に聞く 9「書評紙と共に歩んだ五〇年」井出彰
      (聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
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  ☆出版人に聞く 10「薔薇十字社とその軌跡」内藤三津子
        (聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜115号)」はHPにて公開中です。
     
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