ホメーロスの「バラの指をした暁の女神」のこと。マーテル・マトゥタ(古代ローマの出産、夜明け、港、海の女神)、オーロラあるいはへーベー(青春と春の女神)と同じ生誕の女神。エーオースのバラの指は日の出のときのピンクの雲を表すと通常思われていたが、それ以上に文字通りの意味があったのかもしれない。つまりエジプトやアジアの巫女たちは、宗教的儀式のために指を赤く染める習慣があったが、そのことを言っているのかもしれない。 Henna.
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)
(アッテイカ方言形へオース+EwvV)曙の女神。ローマのアウローラAurora。
彼女はラムポスLampos《光》とパエトーン Phaethon《輝かしきもの》と呼ばれる二頭の馬にひかれた戦車に乗って、太陽神へーリオスの先駆として天空の門戸を開いて、空を馳せ,《ばらの指もてる》、《サフランの衣をまとえる》女神と歌われている。彼女はアレースと通じたために,アプロディーテーの怒りをかい,常時恋に身をやつすこととなったといい、多くの恋人をもった。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)
バーバラ・ウォーカーも、「バラは赤い」という先入観から抜け出せないようだが、これについては「薔薇色とは何色?」の項(Rose.)を見よ。