「全女性の知恵」を意味する保護仮面。アテーナー、あるいはヘビ-巻き毛に囲まれたメドゥサの顔。ゴルゴー、ゴルゴーン、ゴルゴピス、すなわち「恐ろしい顔」は死の女神としてのアテーナーの添え名であった[1]。アテーナイ人はアテーナーのアイギス(盾)に描かれたゴルゴーンの顔を、ぺルセウスが切り落として、女神のところへ持ち帰ったメドゥサの首だという神話で説明しようとした。しかし、これはアテーナーの根源がリビアにあることを隠そうとして考えられた、あとから作られた神話であった。そのリビアではアテーナー自身がメドゥサ・メティスと呼ばれていた。
他の古代の女神の場合と同じように、ゴルゴーンもギリシア・ローマ神話では三相一体であった。その名前はメドゥサ、ステイノとエウリュアレで、それぞれ知恵、力、普遍性を表していた。ギリシアの著作者たちはこの女神が怪物であるふうに装ったが、本当は怪物ではなかった。三相の月-母の添え名であった。オルペウス教の神秘主義者は月を「ゴルゴーンの頭」と呼んできた[2]。
ゴルゴーンの視線が人を石に変えるという話がある。その話は、女神の秘儀に関して、タブーを強制するためにゴルゴーン-頭を用いたことから生まれたが、女神は亡くなった自分の恋人たちを記念して昔建てられた石柱に守られていた。
Athene.
Medusa.
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)
ゴルゴーンは、他の古代の女神の場合と同じように、三相一体で、その名前はメドゥーサ Medusa(女王)、ステンノー Sthenno(強い女)、エウリュアレー Euryale(広くさまよう、あるいは、遠くに飛ぶ女)であった。これらはみな月の女神の称呼で、オルペウス教徒たちは、月の面を「ゴルゴーンの首」と呼んでいた。グライアイはその姉妹である。彼女たちははるか西方の死者の国、ヘスペリスたちの園、ゲーリュオーンの住処の近くに棲んでいた。
ゴルゴーンというのは、三面相の女神の代表者たちが、女神の秘教の儀式に外来者を寄せつけまいと、しかめつらをして眼をぎらつかせ、むきだした歯の間から舌をつきだした鬼面をかぶっていた、その仮面のことを云うらしい。ギリシアのパン焼き職人たちは、おせっかいな連中がかまどの扉を開けて、なかをのぞきこみ、そのとき隙間風を入れてパンを台無しにしないようにと、かまどの上にゴルゴーンの仮面を描くならわしであった。(グレイヴズ、p.189)
詳しくはAlicial Le Vanの論考を参照。