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メリッサ(Mevlissa)

 「ハチ」を意味する。エリュクス山のハチの巣神殿にいるアプロディーテーに仕える女大司祭の添え名。エリュクス山における女神の呪物は金のハチの巣であった。イスラエルの巫女デボラに相当し、デボラの名もまた「ハチ」を意味する。point.gifAphrodite.; point.gifHoney.


Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



1.クレータ王メリッセウスの娘で、姉のアマルティアとともに赤児のゼウスを、姉が乳で、妹は蜜(メリッサは《蜜蜂》の意)で育てた。のち、彼女は大地の女神(レアーか?)の神官となった。

2.デーメーテールの老女神官。女神は彼女に秘教入会を許した。彼女の隣人の女たちがその際に見たことを教えるように頼んだが、彼女が応じなかったので、女たちは彼女を八つ裂にした。女神は疫病を送り、彼女の死骸から蜜蜂を生ぜしめた。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)

 腐敗した死体からミツバチが生まれ出ることについては、マリヤ・ギンブタス『古ヨーロッパの神々』p.180以下を参照せよ。