「輝く月」を意味し、デルポイの神託を告げる女神テミスと、この女神から放射されたアル-テミスの添え名。この添え名はポイボス・アポッローンに引き継がれた。したがってアポッローンは自己矛盾する「月の太陽」という名を持つことになった[1]。それにもかかわらず、アポッローンの祭司はこの添え名に固執した。ときにはアポッローンは単にポイボスとだけ呼ばれ、太陽神としてよりは、月神としてのアポッローンを示した。
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)
「輝ける女」の意。ウーラノスとガイアの娘。コイオスの妻となり、レートー(アポッローンとアルテミスの母)とアステリアーの二女を得た。彼女はときにデルポイ神託創設者とされ、孫のアポッローンにこれを贈ったとも言われる。
ポイベーなる名は月神にも用いられ、アルテミス・ディアーナの呼称となっている。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)
Foivbhを男性形にしたFoi:boV「輝ける男」は、アポッローンの呼称のひとつである。ここからわかることは、Foib-という語は、太陽と月という双生姉妹神の母神たる月の輝きを意味しているらしいということである。バーバラ・ウォーカーの云うのとは異なり、アポッローンの呼称が自己矛盾しているわけではない。