~形成外科~ 唇裂口蓋裂、小耳症、皮膚腫瘍、瘢痕などの治療。 
概略・Q&A・写真症例

形成外科 Q&A

唇裂口蓋裂(みつくち)

唇裂口蓋裂はいつ頃手術を受けるのが良いですか?
通常、唇は生後3ヵ月頃、口蓋は満1歳と2歳の間で手術をします。 口の中はあまり早く手術をすると顎の発育に影響し、遅すぎると言葉の発達に影響します。

 

唇の手術を受け唇は良くなりましたが、鼻が歪んでいます。どうしたら良いのですか?
乳幼児期に鼻を手術しても、鼻の軟骨がまだ十分発育していないので完全に直らず、年長児になってからの手術をやりにくくしてしまいます。 従って初めの手術では軟骨にはさわらず、できるところ、すなわち、鼻翼の付け根の位置と、鼻の穴の幅が左右対照的になるように手術します。変形がかなり目立つ時には小学校に入るまでに小修正をすることもありますが、最終手術は鼻が大人並みに発育してから、すなわち13-15才頃にします。

 

唇の手術を生後3ヵ月頃受けましたが、傷痕が目立ちます。 もっと綺麗になるのでしょうか。ケロイド体質といわれましたが。
手術後の経過により、即ち術後2-3ヵ月ではまだ赤く目立つもので、日と共にだんだん自然に綺麗になります。一年以上経つと、傷痕はそれほど変わりません。 しかし唇は滅多にケロイドになることはなく、形成外科の専門医が縫い直せば綺麗になると思います。

 

唇の手術の痕は比較的目立たないのですが、上唇が凹み、下唇が前に突き出した様になり、横から見ると余計目立ちます。どんな治療を受けたら良いのですか。
程度にも依りますが、下唇の一部を上唇に移動する手術をすれば、上下のバランスは良くなり、きれいな人中ができます。下唇にも線状のきず痕は残りますが、殆ど分からない位です。 1週間上下の唇の一部をつけておかねばならず、その間だけ我慢していただかなければなりません。

 

唇裂と口蓋裂の手術を受けましたが、上の歯並びが悪く、噛み合わせも旨く合いません。歯列の矯正が必要と言われましたが、いつ頃何処で受けたら良いのですか?
歯列の矯正は通常永久歯が生え出す頃、すなわち、小学校の3ー4年頃からになりますが、それより早くすることもあります。 早めに矯正を専門とする歯科医に治療方針について相談するとよいでしょう。

 

 

口蓋裂の手術を受けた後も、飲みもの、食べたもの特にチョコレートなどが鼻から出ます。直ぐ手術を受けたほうがよいのですか?
硬口蓋や歯列部に穴があいていると、鼻にチョコレートが出たりします。手術後まもなくで、穴が小さいと、術後一年ぐらいで穴が自然に殆ど閉鎖し、飲食物も出なくなります。 穴がある程度以上だと発音にも影響しますので、手術で閉鎖するか、プロテーゼで暫定的に閉じる必要があります。

 

口蓋裂の手術を受けた後も、鼻に抜けたような声でバイバイがマイマイに聞こえ、咽頭弁の手術を受けましたが、鼻が詰まり、いびきがひどく困っています。治るのでしょうか?
咽頭弁手術直後にはいびきが強く、少し鼻が詰まる位のほうが、咽頭弁が効果的に作られた証拠で、心配いりません。多くの場合3ー6ヵ月でその様な症状は無くなります。 術後1年以上たってなお鼻閉が強い場合には咽頭弁の両側の呼吸用の通路を広げてやる必要があるかもしれませんが、広げすぎるとまた開鼻声に戻ってしまう危険もあり、慎重に治療を選択する必要があります。

 

 

唇裂・口蓋裂・小耳症などの先天異常は、本人にとっては一生を左右する極めて重要な問題です。 最も重要なのは手術成績の良い、経験豊かな形成外科医を選ぶ事です。 実際に手術を受けた人の成績を見せてもらう、或いは本人と会う位の両親の熱意が必要です。

 

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