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2003年4月下旬 |
【4月24日(木)】
▼三枝和子死去の報。フェミニズムSFにとってたいへん惜しい人を亡くした。もっとも、こういう惜しみかたをしているのはSFファンくらいだろうし、しかもその少数派だろうとは思うけどな。一発くらい世間が仰天するようなどこから見てもSFらしいSFを書いてくれそうな気がしていたのだが、その願いはかなわなかった。残念である。まあ、《響子》シリーズをSFだということにしておけばいいじゃん。
三枝和子の本格SFは読めなかったが、榎本正樹氏の指摘を逆に考えれば、大原まり子が三枝和子のような小説を書くことは、可能性としては充分あるだろう。
【4月23日(水)】
▼なんでも、とうとう「NOVAうさぎのうた」なるCDが出るそうなが、唄っている人たちはちょっとフクザツな気持ちではなかろうか。話題になったのはいいものの、どんなにヒットしても、けっして紅白歌合戦では唄えない。
だけど、ほんとにあのCM、耳につくねえ。“平成の「帰ってきたヨッパライ」”だと思っているのは、おれだけだろうか。♪いっぱい聴けて、いっぱいしゃべれーる、いっぱい聴けて、いっぱいしゃべれーる、天国よいとこ一度はおいで、酒はうまいしねーちゃんはきれいだ、ふわっ、ふわっ、ふわっふわぁ〜。
【4月22日(火)】
▼あっ、いけねえ。今月の初旬に大迫純一さんからご案内を頂戴して、日記に書こうとメモしたつもりがうっかり忘れていた。「ゾアハンタープロジェクト」というのが立ち上がって、ウェブサイトができたのである。なんでも、大迫さんの《ゾアハンター》シリーズ(角川春樹事務所)を映像化したりゲーム化したりする形で、二次的に展開するためのプロジェクトなのだそうだ。大迫さんご本人や角川春樹事務所は、直接には関与していない。俳優の稲宮誠氏をプロジェクトリーダーとする《ゾアハンター》に惚れたクリエータたちが、手弁当で立ち上げているプロジェクトなのである。こういう動きが出てくるほどに、“血が合う”人々を惹きつける魅力を持つシリーズだということだろう。《ゾアハンター》ファンはぜひ行ってみてください。
【4月21日(月)】
▼土曜日から三日連続風邪でダウン。
以前は古畑任三郎をやっていたNHKテレビ『中国語会話』の藝達者な先生、今年度になって初めて観たら、今度は「MAO's EYE」と称して、筑紫哲也の「多事争論」をパロっている。爆笑問題の太田か、あんたは。ほんまに藝達者やなー。まあ、べつにあんなもんは、手書きのフリップを胸の前に置いてしゃべれば、誰がやってもそれなりにそれだとわかる程度のパロディにはなるだろうが、この相原茂という先生がやると、洒落にならないくらいにサマになっているのだから怖い。商売まちがえてないか。ちゃんとカメラワークを“らしく”パロっているところも徹底している。まさか、そこまで相原先生の演出指示じゃあるまいな。
相原先生もおもろいが、なんといっても『中国語会話』は、盧思さんである。おれはあんまり丸顔は好みではないのだが、なんちゅうかこの人の顔を見て、その中国語や日本語を聴いていると、こちらがほわほわほわほわと溶けてゆきそうで妙に癒される。おれは『中国語会話』で、“可愛らしい”という日本語の意味を真に知った。
と思っていたら、田中哲弥さんが3月11日の日記に、「なんで中国語講座なんかぼくが見ているかというとこの先生がおもしろいというのもあるけどとにかく北川エリともうひとりの中国の女性が可愛いからで」などと書いている。女目当てで『中国語会話』を観ているとは、田中哲弥さんらしい不純な動機である。どうもこの人とは妙なところで趣味が一致するので気色が悪い。前世は田中さんがモリアオガエルで、おれがシュレーゲルアオガエルだったのではないかと思うほどだ。
カエルといえば(無理やりやな)、今年度の『ドイツ語会話』の市川実和子も、たぶん前世はカエルである。しかも、前世の因縁を相当引きずっているようだ。たしか、リプトンのCMに出てるコだよな。だが、不思議なことに、今年度のNHK語学講座の生徒役では、おれはこのコがいちばん気に入っているのである(盧思さんは生徒じゃないもんね)。口さがない連中であれば「今年のコの中でいちばんブス」と言うかもしれないが、おれはなんだかいちばん惹かれる。少なくとも、桂小米朝よりはセクシーである。なんかこう、いびつな雰囲気がいい。最近『ドイツ語会話』を観るたびにどんどんファンになってゆく自分が怖い。
『イタリア語会話』の土屋アンナも悪くはない。投げやりな感じのガラガラ声が魅力的である。なに、『フランス語会話』の池澤春菜はって? うむ、まあ、嫌いではない。が、おれが池澤春菜に萌えたのでは、あまりにも驚きがなくてつまらんだろう。池澤春菜のほうは、その道の達人である谷田貝和男さんに任せておこう。それにしても、なんだかNHKは『フランス語会話』を贔屓しているような気がする。井川遥といい、仲根かすみといい、最もアイドル性の高いコは『フランス語会話』に起用するというルールでもあるのであろうか。がんばれ、市川実和子。桂小米朝の後任であるという過酷な運命にくじけてはならん。フランス語などというぐじゅぐじゅした締まりのない言葉をしゃべるおもちゃ声のぶりっ子声優などに負けてはいかん。痰が飛ぶくらいに激しい呼気を出せ! 摩擦熱で火傷するほどの気流で硬口蓋を擦れ! 舌を巻け! のどチンコを震わせろ! イッヒ! ドッホ! ナッハ! シュプレッヒェン、ジィー、ドイッチュ! Ich bin ein Berliner! そういえばケネディ大統領、ドイツ語の初等教本によれば、そこには ein は要らんとおれはずっと思ってたんだが、なんでもこれについてはけっこうあちこちで論争やら都市伝説やらがあるようで、この機にウェブで調べてみてたいへん勉強になったぞ。
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