三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[082]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第9冊[81〜90号]
通巻081号 2005.07.20発行 通巻086号 2006.04.18発行
通巻082号 2005.09.20発行 通巻087号 2006.06.22発行
通巻083号 2005.11.15発行 通巻088号 2006.08.06発行
通巻084号 2005.12.31発行 通巻089号 2006.09.28発行
通巻085号 2006.02.21発行    
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[082]
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2005/09/20[07-04-82]  (c)SISIDO,Tatuo      

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 082号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

 ◆「危ない写真集246」飯沢耕太郎 ステュディオ・パラボリカ 
 ◆「水平記:松本治一郎と部落解放運動の一〇〇年」高山文彦 新潮社
 ◆「別冊太陽:画人熊谷守一」平凡社
 ◆「縮図・インコ点理教」大西巨人 太田出版
 ◆「子供はぜーんぶわかってる」吉本隆明ほか 批評社
 ◆「13歳は二度あるか」吉本隆明 大和書房
 ◆「猫々堂主人」松岡祥男 ボーダーインク
 ◆「『二重言語国家・日本』の歴史」石川九楊・著 青灯社
 ◆「白隠」芳澤勝弘 中公新書
 ◆「BOOKISH 09号:山田稔特集」ビレッジプレス
 ◆「ぼくの交遊録」岡井隆 ながらみ書房 
 ◆「寵歌變」塚本邦雄 短歌新聞社 
 ◆「現代詩手帖特集版 塚本邦雄の宇宙:詩魂玲瓏」思潮社
 ◆「『赤光』の生誕」岡井隆 砂子屋書房 
 ◆「(歌集)セイレーン」辰巳泰子 邑書林 
 ◆「山田富士雄歌集」 砂子屋書房
  
   
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

 ◆「古書肆・弘文荘訪問記」青木正美 古書通信社 ※入荷済み 
 ◆「横山未来子歌集」邑書林 ※入荷済み
 ◆「吉本隆明の東京」石関善次郎 作品社
 ◆「京都読書空間」光村推古書院 
 
   この秋は例年に比べて売れそうな歌集がほとんど見あたりません。
   昨年の売上げデータは80号に掲載してありますので見ていただけば
   わかりますが、20冊前後売れたのが10点ほどありました。今年はい
   まのところ10冊を越えそうなのすらほとんど見あたりません。そも
   そも昨シーズンに河野裕子さんと小池光さんがほぼ同時に歌集を2
   冊ずつ出されたときから、次のシーズンはさびしくなりそうな予感
   はしてました。逆に言えば今年は賞狙いの歌集を出されるのならチャ
   ンスかもしれませんから、来年あたりに予定されている方は前倒し
   されてはいかがでしょうか。
   
   
[#03] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その45)

  ○京都近鉄百貨店はヨドバシカメラに全館売却して、2007年2月に閉
   店することを7月末に発表しました。ヨドバシは改装するだけです
   ますのか、建て替えるのかはまだ発表してません。京都最大の売場
   面積(公称約1000坪)の旭屋書店はこのまま閉店まで営業するのか、
   ヨドバシ後もテナントとして残るのかは未発表です。しかし、真偽
   は不明ですが、今回の売却発表以前から、売場の縮小あるいは撤退
   を検討中とのうわさもあったようですから、このまますんなり継続
   とはいかないかもしれません。売上げがどの程度かというようなこ
   とはまったく知りませんが、万引きが多くてたいへんらしいという
   ことは聞いています。開店初年度は月に1000万近い被害があるとい
   う、信じられない数字も耳にしましたが、その後もレイアウトの変
   更はほとんどなかったような気がします。
   この近鉄百貨店は10年前に大増床したものの売上げが伸びず、5年
   前に旭屋、ソフマップ、GAP、無印良品などが大部分を占める専
   門店に衣替えしましたが、これもだめだったというわけです。
      
   京都では、ヨドバシのほか、ビッグカメラ、ヤマダ電機、コジマな
   どの大型電器店の出店競争が加速しつつあり、おかげで、以前は秋
   葉原や大阪日本橋に次ぐとまでいわれていた寺町電器屋街(四条通
   〜松原通)が壊滅しかけています。これは秋葉原や日本橋に比べる
   と、ハード系の電気店ばかりで、おたく系や萌え系の店がほとんど
   育たなかったことが原因のひとつでしょう。現在はファミコンショッ
   プも中古ソフト屋もほとんどなくなり、目立つのは数年前に来た信
   長書店だけです。パソコン関連書の売上げは全国的に落ちているよ
   うですが、電器店の書籍コーナーも縮小の一途で、残っているのは
   上新電機(J&P寺町店)だけではないでしょうか。
  
  ○丸善京都支店は8月から閉店モードに入り、洋書最終バーゲンなど
   が次々に催されています。わざわざ八木書店から借りてきたらしい
   新本特価セールなどもありました。9月からは徐々に閉鎖する階が
   増えつつあり、10月10日が最後の営業日です。3月末の閉店発表時
   には、秋までに移転先を決めたいとのことでしたが、いまのところ
   何の発表もありません。
   
  ○以前から建て替え時期が近いといわれていた、京都宝塚劇場もつい
   に閉館を公表したようです。閉館時期は不明ですが、おそらく来年
   の正月興行が終わる頃ではないでしょうか。閉館後に跡地をどうす
   るのかも不明ですが、ブックファースト河原町店も一時閉店という
   ことになりそうです。この京宝ビルは築50年近いので、このまま営
   業を続けるのは限界だと以前から言われてましたが、いよいよ閉館
   を決めたのは、東宝系のシネコンが二条駅前にできたからのようで
   す。同時に裏寺の京極東宝の閉館も決定し、三条の東宝公楽も検討
   中とのことですから、もし京宝劇場の跡地に東宝系のシネコンがで
   きなかったら、この界隈の映画館は松竹系のMOVIX京都(紀伊
   國屋書店がテナント)ほか数館になってしまい、ますます寂しい街
   になることでしょう。(美松劇場も閉館済み。残るは弥生座と八千
   代館だけ)。

  ○河原町商店街は毎号お知らせしていますように、質的な低下が急激
   ですが、突然ジュンク堂が河原町BALのテナントとして公称1000
   坪の店を出すと8月末に発表しました。10月から医学書と洋書売場
   を部分開業し、来年2月に5〜8階で全面オープンするそうです。
 http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=2005082909140ea
   これで、丸善とブックファーストの穴は、売場面積だけでいえば十
   分に埋まることになります。もちろん丸善とBFは重複する商品も
   多いわけですから、むしろ専門書に関しては以前よりも品揃えがよ
   くなるはずです。うちの店はいつも言ってますようにスキマ狙い専
   門なので、大型書店があまりふらふらしていると、スキマが安定し
   なくて居心地がよくありませんから、ジュンクの出店は歓迎すべき
   ことでしょう。いまのところ、四条通りのジュンク堂については何
   の発表もありませんから、そのまま営業を続けるようです。
   それにしても、ブックファーストも閉店してしまうと、河原町通り
   の三条〜四条間には、新刊書店の路面店がついにゼロになります。
   コンビニが数店あるとはいえ、雑誌1冊買うためだけに上層階のジュ
   ンク堂まで行くのはかなり面倒です。数年前まで丸善の向いにあっ
   たさわや書店さんが雑誌専門店として復活されれば、かなり繁盛す
   るのではないかと思いますが、これは知ったことではありません。
   このBALは1960年代末にオープンした、地上8階地下2階のファッ
   ション関係の雑居ビルです。ファッション関係はまったく弱いので
   よくはわかりませんが、70年代には京都でも最先端の店がぎっしり
   と詰まっていて、デザイナーズブランド全盛期には大繁盛していた
   ようです。しかし、現在では無印良品が2階分占めている以外はど
   の階もスカスカになりつつあったようで、数年前に地下1,2階に
   入っていたヴァージンメガストアが退去した跡もなかなか埋まりま
   せんでした。ジュンクの入居後は3、4階が無印良品になり、雑居
   部分は残りの4階分のみとなります。先に河原町ビブレが大部分を
   LOFTに丸投げしたように、この程度の規模のファッションビル
   はどこも不景気のようです。ちかごろは河原町オーパもかなり寂し
   いようで、日曜の夕方でも、9階のタワーレコードへ行くときに利
   用するエレベーターが、途中階で止まることがほとんどありません。
   オーパは解体処理中のダイエーの関連会社のはずですが、不調にみ
   えるのはその影響もあるかもしれません。ここも大部分の階を東急
   ハンズとかヨドバシカメラとかに丸投げしたらどうでしょう。
      
  ●まったくの余計なお世話ですが、丸善とか近鉄百貨店とかBALと
   か京宝劇場とか、どれも石綿を使用してないのでしょうか。70年
   代から80年代にかけてのビルの新築や補修には、ごくふつうに使
   用されてたようです。うっかり契約してから石綿の使用が発見され
   たら莫大な処理費用がかかりますがどうするのでしょう。負担割合
   で紛糾して幽霊ビルになったりしないようにしてほしいものです。
   それにしても土方巽の「アスベスト館」というのは、さすがという
   か何というか、やはり先見性のあった命名というべきでしょう。マ
   イナス札ばかり集めてるように見えて、いつの間にか大勝ちしてい
   るというような芸風に見えましたから。
   http://www.hijikata-tatsumi.com/index.html
  

[#04] 雑、雑、雑、…

  ○今月末で紙の図書券の発行が終了になるため、やむをえずいやいや
   ながら図書カードの読みとり器を導入しました。電話回線に接続す
   るのが一番ややこしそうでしたが、分配器を買ってきてクレジット
   カードの認証器と二股につないだら何とかなったようです。この回
   線には他に固定電話もつながってます。FAXとADSLは別の回
   線につないでますが、もし1本しか回線がなくても全部つなげるの
   かどうかはかなり疑問です。図書カード読みとり器を導入したくな
   かったのは、この電話回線の錯綜の問題とカードシステム自体の将
   来性が疑問なこと、そしてあとひとつ切実な問題があったのですが、
   こちらはまだしばらく解決の見込みがないので内緒にしておきます。

  ○アマゾンのマーケットプレイス(AMP)にて、特価本の通販を始
   めたことは前々号に詳しく書きましたが、今度はヤフー・オークショ
   ンにも進出してみました。今のところペヨトル本程度ですが、これ
   は元社長の希望通り、ちゃんと旧定価で値引きせずに売ってます。
   ヤフオフ利用者にはいまさら説明不要でしょうが、いわゆる即決と
   いうスタイルですと出品者が落札価格を決定できるのです。ヤフオ
   フは全体では年に8000億円の取引があるといわれてますが、出品者
   の多くはプロの業者です。アマゾンと違って本のシェアはわずかと
   思いますが、手数料が数パーセントと安いので、AMPと使い分け
   ればなかなか便利なようです。まだ手を出して1週間ほどなので何
   とも言えませんがそこそこ売れそうです。詳しいことは次号あたり
   で報告するかもしれません。それにしてもヤフオフとAMPに参加
   している新刊書店は珍しいのではないでしょうか?ふつうに取次か
   ら仕入れた本を出品しても経費倒れは確実ですから。
   
  ○高野文子さんのファンの方へお知らせ
   「THE BIG ISSUE JAPAN 2005.9.1(34号)」に高野文子さんの漫
   画「希望とは。」が掲載されています。3色刷りの1頁ものですが、
   A4判の雑誌にコマがびっしりなので、もしも今後単行本に収録さ
   れても味わいはがっくりと落ちるでしょう。E・H・カーの「歴史
   とは何か」を参考書?として希望とは何かを語ってるような、語っ
   ていないような漫画です。1冊200円。
   この「ビッグイシュー」はホームレスの仕事をつくり自立を応援す
   る雑誌で、大都市の駅前などでホームレスの方が立ち売りされてま
   す。この号はすでにバックナンバーになってますが、商売熱心な売
   り手の方は在庫を持っておられるかもしれません。販売は原則とし
   て立ち売りのみですが、バックナンバーに限り5冊以上まとめれば
   発行所のサイトから購入できます。このサイトで販売場所もわかり
   ます。http://www.bigissuejapan.com/
   ※言わずもがなですが三月書房では販売不能です。
   
  ○「彷書月刊」編集長からご依頼をいただいたので、9月号に寄稿さ
   せていただきました。この号は創刊20周年記念号ということで、三
   月書房のこの20年の回顧をというようなお話でした。このメルマガ
   の読者の方々には何一つ目新しいネタはないと思いますが、どこか
   で立ち読みでもしてみてください。「三月書房近況報告」というタ
   イトルを編集長がつけてくださってます。
   うちは新刊屋ですから、「出版ニュース」とか「新文化」のような
   新刊業界誌に載せてもらうのはありがたいこととはいえ驚きはあり
   ません。しかし、古書業界を代表する雑誌に載せていただくのは、
   新刊書店としては極めて珍しいことでしょうから、たいへん光栄に
   感じています。以前「京ふるほんや往来」に載せてもらったことが
   ありますから、次は「古書通信」に載せてもらえれば「三冠制覇!
   ?」といえるかも。思いがけずといったら失礼ですが、けっこうな
   原稿料をいただいたので、何か無駄遣いしてささやかながら景気を
   刺激したいと考えてます。
   なお、以前に「京ふるほんや往来」に載せてもらった拙文はいまで
   もここで読めます。
   http://www1.kcn.ne.jp/~kosho/koshoken/ourai/ourai79.html
   
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   「彷書月刊 2005年9月号」特集:20 Twenty

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  彷書月刊のサイトは→http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/
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