e-mail 版
三月書房販売速報(仮題) 旧号合冊 第9冊[81〜90号] |
通巻081号 | 2005.07.20発行 | 通巻086号 | 2006.04.18発行 |
通巻082号 | 2005.09.20発行 | 通巻087号 | 2006.06.22発行 |
通巻083号 | 2005.11.15発行 | 通巻088号 | 2006.08.06発行 |
通巻084号 | 2005.12.31発行 | 通巻089号 | 2006.09.28発行 |
通巻085号 | 2006.02.21発行 | 通巻090号 | 2006.11.28発行 |
※各号の最終版を一部修正して掲載しました ※非営利目的の転送は歓迎します |
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三月書房販売速報[088] &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 2006/08/06[08-04-88] (c)SISIDO,Tatuo e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 088号 ※いちおう出版業界向けに制作してます※ &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& [#00] ブログ(三月記(仮題)http://3gatsu.seesaa.net/)は慣れてきて、 7月はほぼ日刊ペースでアップできました。今のところ毎日の訪問 者が300人、ページビューが900というところです。ただし、訪問者 の半分近くはどうやら検索ロボットのようです。グーグルのページ ランクも予定通り4がつきました。三月書房のサイトは最初から5 のままですが、これを6にするのはほぼ不可能でしょう。 ブログのネタは、その大部分が直接的な売上げには結びつかないも のばかりですが、たまに本の紹介をすると何冊かは売れましたから 無駄でもなさそうです。しかし、今のところは、ブログから三月書 房のサイトに回ってもらえればというような感じです。全体として、 当初の予定通り、あまりブログっぽくない感じに見えるようなので まずまずでしょう。どうもハテナとかミクシとかは、何となく好き になれません。 [#01] 最近売れてるような気がする本(順不同) ◆「山田稔:何も起こらない小説」編集グループ<SURE> ◆「(歌集)匿名の森」林和清 砂子屋書房 ◆「焼かれた魚」小熊秀雄・文 市川曜子・画 パロル社 ◆「自閉症:これまでの見解に異議あり!」村瀬学 筑摩書房 ◆「舞台評論3」・東北芸術工科大学東北文化研究センター ◆「戦後日本の明暗とその本質」宮城賢・著 星雲社 ◆「戦後戦記:中内ダイエーと高度経済成長の時代」佐野真一 平凡社 ◆「日本という国」小熊英二 理論社 ◆「日本ジャズ者伝説」平岡正明 平凡社 ◆「ぼくのしょうらいのゆめ」吉本隆明ほか ◆「もじを描く」平野甲賀 編集グループ<SURE> [#02] これから売れそうな気がする本(順不同) ◆「栗木京子作品集」柊書房 ※入荷済み ◆「うつうつひでお日記」吾妻ひでお 角川書店※入荷済み ◆「アナキズム読本」 アナキズムFAO編集コレクティヴ 「アナキズム」誌編集委員会※入荷済み ◆「(歌集)環状線のモンスター」加藤治郎※入荷済み ◆「(歌集)木香薔薇」花山多佳子歌集 砂子屋書房 ◆「思想とは何か(仮題)」吉本隆明 春秋社 [#03] 日販への返品率 2004年 書籍17.0% 雑誌28.4% 2005年 書籍20.6% 雑誌34.5% 2006年前期 書籍17.8% 雑誌30.9% 書籍はなかなか上等ですが、雑誌はあまりよくないようです。しか し書籍と雑誌の売上げ比率はせいぜい85:15ですから、書籍と雑誌 を合計しても返品率20%前後です。そこへ常備と長期を足すと数% 増加しますから、今年の上半期の総返品率は25%程度と思われます。 世間の平均は40%を超えるとかいう噂ですから、これでもよい方で しょう。もう少し下げることも不可能ではありませんが、現在の配 本システムでは、この程度の無駄は避けられそうになく、あと少し 返品率を下げるには、かなりのエネルギーが必要な上に、仕入れ損 ねが増加しそうなので割にあわないような気がします。それと、う ちの場合、返品は金額でなくて量で判断しているので、返品額とか 率はたいして気になりません。量というのは、棚から溢れたら、溢 れた分だけ返品するということであって、たとえば毎週1函づつな らふつうだが、2函が続くとやや多いかなというような程度のこと です。それよりもどの本を並べて、どの本を返品するかに頭を悩ま しっぱなしですが、その結果、ここ10年くらいは常備がどんどん減 少しつつあります。これはやはり個々の本の寿命が、どんどん短く なりつつあるからでしょう。常備を出してもらってる出版社も減り ましたが、それぞれの出版社の冊数もかなり減少しています。実際、 返品条件付きなら常備はいつ廃止になってもかまわないくらいです。 そのあたりが、常備や長期がなければ絶対に成り立たないであろう 大型書店との違いでしょう。 無伝返品は慣れてきたのでたいへんに楽になりました。いまのとこ ろ、理解不能な逆送品はほぼありません。入帖冊数は軽くチェック してますが、金額はいちいちチェックしていません。しかし、メモ は残してあるので、たまに試算してみるとほぼ問題ないような感じ です。 [#04] 短歌本の売り上げtop10(2005/05〜2006/06) ※期間が14ヶ月と変則ですが、80号に掲載した前回分と連続させまし た。通算売り上げ冊数を補ってあるのが、この期間以前の発売で、 それ以外はこの期間中の新刊です。 01 27冊 吉川宏志歌集 曳舟 短歌研究社 02 26冊 永田和宏歌集 百万遍界隈 青磁社 03 20冊 大口玲子歌集 ひたかみ 雁書館 04 19冊 吉川宏志歌集 海雨[通算43冊] 砂子屋書房 05 18冊 小島ゆかり歌集 憂春 角川書店 06 13冊 昭和短歌の精神史(三枝昂之) 本阿弥書店 07 11冊 江戸雪歌集 DOOR 砂子屋書房 07 11冊 吉川宏志集[通算17冊] 邑書林 07 11冊 未青年の背景(春日井建) 雁書館 07 11冊 中沢系歌集 uta 0001.txt[通算23冊] 雁書館 前回に比べると、全体としてあまり成績がよくありません。しかし とくに悪いというほどでもないのでまずまずでしょう。昨年末、有 名歌人をほぼ網羅した「角川短歌叢書」という新歌集のシリーズが はじまりました。上のリストでは「憂春」のみですが、すでに10点 ほど出ていて、今後の予定にはかなり売れそうな名前も10名程度は 見えています。ただし、このシリーズは仕入れがたいへんに厄介で、 編集部が手配してくれても、営業が確約してくれても、発売日には 入荷したことがありません。督促すると遅れて入荷しますが、原因 は不明だそうです。以前編集部の人に聞いた話ですと、ふつうの取 次ルートに回るのは100〜200部程度だそうですから、おそらく角川 書店が構築した配本システムだと、最初から在庫ゼロと認識される のでしょう。以前は、角川の歌集類は角川学芸出版の発行発売で、 書店ルートには一切流れず、すべて直販のみでしたから、それに比 べれば、さいそくしたらいずれは入荷するだけまだましです。 [#05] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その50) ○ブログにて「京都の書店のうわさ別冊」は順調に頁を増やしつつあ ります。消えた書店と健在な書店の写真入りレポートが本編で、8 月05日現在20件、過去の紙の「三月書房販売情報(仮題)」掲載の 「京都書店地図(テスト版)」の再録が「資料編」で現在5件、そ してその他の関係情報が「番外編」で現在4件、以上アップ済みで す。 ○これもブログにて速報済みですが、寺町通蛸薬師下ルに「ランダム ウォーク京都寺町店」が7月29日にオープンしました。もとは「喜久 屋書店漫画館II」があった場所です。「喜久屋書店漫画館II」は数 軒北にあった本館に吸収されましたが、その際本館は1月近くかけ て改装されました。1階と2階合わせて60坪位でしょうか。よくは わかりませんが、ここか「信長書店」(寺町通四条下る)のどちら かがこのジャンルでは京都で一番店なのでしょう。アダルト系は 「信長」とか、ボーイズラブ物は「喜久屋」というような棲み分け があるのかもしれませんが、そのあたりはぜんぜんわかりません。 あるいは「アニメイト」(京極通四条上る)も含めた3店が鼎立し ているというべきなのかもしれません。「まんだらけ」が京都にも 出店してくれるといいのですが。 「ランダムウォーク京都寺町店」は間口のごく狭い、そしてかなり 奥行きのあるビルの1階から3階に入店しています。合計で75坪と いうことですが、いままで京都にはなかったタイプの書店なので、 こういう店ができたことはたいへんけっこうなことでしょう。寺町 通りの三条〜四条間は、河原町通の同区間が急速に下流化しつつあ るのと反対に、ちかごろまともな店が増えつつあって、人通りもか なり増えてきたようです。あと何店かこのレベルの店が増えること を期待したいと思います。 雑、雑、雑、… ○第3次「石油ショック」は来るのでしょうか? イラクもレバノンもひどいことになっていますが、もしもアメリカ がイランとも戦争を始めたら、石油価格はさらに高騰して1バレル 100ドルを超えること確実といわれています。いわゆる「第1次石油 ショック」は1973年のことでしたが、紙製品が高騰して出版業界も 大きな影響を受けました。とくに雑誌類は目に見えて頁数が減少し、 しかも定価が短期に大幅に上昇しました。書籍の重版は頁数を減ら せないので、定価を上げるしかなく、たとえば筑摩書房の「柳田國 男集」は980円があっという間に2500円になったことをよく覚えてい ます。このように重版時に定価を上げるのはしかたありませんが、 ばかげていたのが、在庫品の定価をシールを貼って値上げするとい う、実に安易な策をとった出版社が少なくなかったことでした。そ の代表が1974年に倒産した三省堂でしたが、出版社はそれ以降は、 奥付けや本体に定価を表示せず、カバーにのみ表示という方式を採 用して現在に続いています。もちろん出版業界の売上げも大きく落 ちましたが、落ちたのは販売冊数であって、販売金額そのものはイ ンフレのおかげでむしろ増加しましたから、帳簿上は大きな傷には ならなかったようです。 現在は、当時よりも省エネ技術が向上し、リサイクル率も上がって いるので、以前ほど直接的な物価上昇や品不足は起きないであろう といわれていますが、中東戦争が長期化すればそうも言っていられ ないでしょう。過去2度あった石油ショック時には、テレビの深夜 放送の中止とか、ネオンサインの自粛要請とかもありました。当時 とは比べようがないくらい、24時間営業の店が増えていますが、こ れらの店を目の敵にしている旧体制派が、その機会にそれらの業界 をいじめるかもしれません。しかし、いまはインターネットがあり ますから、もしもリアル世界が深夜活動を制限されたら、いまより もさらに急速にオンライン化が進行することになるでしょう。その 時一番先に消えそうなのは新聞と雑誌ではなかろうかと思います。 もちろんインターネットが使えないほどの電力不足になればそうも 行きませんが、その時はリアル社会も崩壊していることでしょう。 ====[受贈本 勝手に御礼広告]======================================= 「舞台評論 vol.3(特集:東北からの大衆芸能)」 A4版/160頁/モノクロ写真多数 定価2000円+税 責任編集・森繁哉 発行所・東北芸術工科大学東北文化研究センター ※詳しくはブログ「三月記(仮題)」をご覧ください =================================================================== ------------------------------------------------------------------ この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版 をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。 ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊 ◆「バックナンバー(01〜87号)」はHPにて公開中です。 ※新規購読のお申し込みはメールでどうぞ (c)SISIDO,Tatuo 三月書房 ------------------------------------------------------------------ |
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