三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[116]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻111号  2011.08.03発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻112号 2011.12.31発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻113号 2012.04.26発行
通巻106号 2009.12.31発行 通巻114号 2012.10.31発行
通巻107号 2010.03.30発行 通巻115号 2013.03.20発行
通巻108号 2010.06.30発行 通巻116号 2013.10.22発行
    通巻117号 2014.03.11発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[116]
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2013/10/22[15-02-116]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 116号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] またまた発行が半年ぶりとなってしまいました。面白いネタがぜん
   ぜんないからしかたありませんが、それにしても隔月発行くらいに
   戻さないと、「速報」とは言えないので、来年からは何とかしたい
   と思います。消費税も上がりますが、いまだに軽減税率要求活動な
   どしている、新聞業界や書店業界のまぬけぶりはあほらしくて話に
   もなりません。それでも、この件に関しては週刊誌などがまともな
   記事(たとえば「週刊文春」の“宮崎哲弥の時々砲弾”)をときど
   き載せてくれるだけ、10数年前の大政翼賛会もどきといわれた、再
   販制護持活動のときよりはましです。しかし、週刊誌の売れ行きも
   落ちる一方のようなので、いつまで持ちこたえられるか心配です。
   新聞はなくなっても通信社があれば困りませんが、週刊誌がなくな
   るとかなりつまらないことになるでしょう。ネットでも面白い記事
   は週刊誌からの転用が少なくありませんから。
   
   
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「(歌集)八月のフルート奏者」笹井宏之 書肆侃侃房
  ◆「(歌集)水仙の章」栗木京子 砂子屋書房
  ◆「(歌集)純白光:短歌日記2012」小島ゆかり ふらんす堂
  ◆「岡井隆詩歌集2009-2012 ヘイ、龍 カム・ヒアという声がする(まつ暗だぜといふ声が添ふ)」思潮社  
  ◆「吉本隆明論集―初期・中期・後期を論じて」アーツアンドクラフツ
  ◆「開店休業」吉本隆明 プレジデント社
  ◆「吉本隆明はどうつくられたか」松崎之貞 徳間書店
  ◆「吉本隆明 煉獄の作法」宇野邦一 みすず書房
  ◆「吉本隆明がぼくたちに遺したもの」加藤典洋×高橋源一郎 岩波書店
  ◆「戦う吉本隆明:六〇年安保から七〇年安保へ」渡辺和靖 ぺりかん社
  ◆「吉本隆明と『二つの敗戦』」とよだもとゆき 脈発行所
  ◆文藝別冊「宮沢賢治」吉本隆明ほか 河出書房新社
  ◆「石原吉郎 寂滅の人」勢古浩爾 言視舎
  ◆「飢餓陣営 39号」佐藤幹夫・編集 飢餓陣営発行所
  ◆「Myaku 17号 特集・詩人 山之口獏」脈発行所
  ◆「ねこと国芳」パイ・インターナショナル
  ◆「川瀬敏郎 一日一花」新潮社
  ◆「夜の話」秋原勝二 編集グループ〈SURE〉
  ◆「民俗衣装を着なかったアイヌ」瀧口夕美 編集グループ〈SURE〉
  ◆「もうひとつのこの世」渡辺京二 弦書房
  ◆「エディターシップVOL.1時代を画した編集者」トランスビュー
  ◆「余白の時間:辻征夫さんの思い出」八木幹夫 シマウマ書房
  ◆「笠井叡 講演・講義録集」笠井叡オイリュトミーの会
  ◆「高橋巖講演録3 わたしの悪」日本人智学協会・関西
  ◆「内臓とこころ」(河出文庫)三木成夫 河出書房新社
  ◆「南方熊楠の世界」(TOWN MOOK)徳間書店
  ◆「旅のグ」「旅のグ2」(ちくま文庫)グレゴリ青山 筑摩書房
  ◆「うちは精肉店」本橋成一 農文協
  ◆「本屋図鑑」得地直美ほか 夏葉社
  ◆「離島の本屋」朴順梨 ころから
    この2冊についてはブログ三月記(仮題)に記事あります。
    
  
   去年に比べるとタイトル数こそ減っていますが、あいかわらず〈吉本〉
   本はよく売れています。気になるのは、晶文社が4月に告知した「吉
   本隆明全集」がはたして売れるのかどうか、そして予定通り来年3月
   から無事配本開始できるのかどうかですが、「委細は近々ご報告申し
   上げる予定
」の委細は半年たっても発表されません。
   
   うちの店では2003年刊行の「吉本隆明全詩集」も2008年刊行の「吉本
   隆明50度の講演」も、高額にもかかわらず、各数十冊売れましたから、
   もちろん全集もたくさん売りたいところですが、いまのところさほど
   売れそうな予感がありません。
   一番の問題は、全42冊の完結までにいったい何年かかるのかという点
   です。さる関係者から聞いた話では、いくら頑張っても最速で隔月刊
   行とのことなので、10年近くかかることになります。それに、全集と
   いうものは過去の景気のよかった時代ですら、いろいろな理由で完結
   が大幅に遅れることが普通でした。正確なデータはありませんが、う
   ちの店の〈吉本〉本の購読者の平均年齢は、うんと控えめにみても60
   歳は超えてそうです。その方々が早くて10年、遅れれば20年もかかる
   であろう全集を予約することをためらわれても不思議ありません。そ
   れと、それぞれの巻には単行本未収録の分が増補されるはずですが、
   全集だからといって、またもや「宮沢賢治」「柳田国男」「親鸞」
   「詩集」「共同幻想論」等々、何度も何度も出版されて、文庫にもなっ
   ているものを買わねばならないのもややうんざりでしょう。それで、
   先の関係者の方には、単行本未収録のものばかりを集めた巻を何冊か
   先行発売してほしいと要望しておきましたが、全巻の構成を考えると
   やはりむつかしいでしょう。
   注目は初公開の「書簡集」ということになりますが、これはその性質
   上、収集と編纂に時間がかかりますから、おそらく最後の方になるで
   しょう。そして残念ながら、日記をつける習慣はなかったので「日記」
   巻はないそうです。講演、対談、鼎談、インタビューの類はすべて後
   回しにし、手書きの全著作を20巻位にまとめて第1期として、5年以内
   の完結を目指すのが次善ではなかろうかと思うのですが…。
   
   
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「(句集)隕石」渡辺松男 邑書林
  ◆「沖縄の文学を読む」松島淨 脈発行所 ※入荷済み
  ◆「(歌集)エフライムの岸」真中朋久 青磁社※入荷済み
  ◆「前登志夫全歌集」短歌研究社※入荷済み
  ◆「(歌集)やがて秋茄子へと到る」堂園昌彦 港の人※入荷済み
  ◆「流れに抗して」鶴見俊輔 編集グループSURE※入荷済み
  ◆「異端論争の彼方へ」野崎六助 インパクト出版会※入荷済み
  ◆「努力する人間になってはいけない」芦田宏直 ロゼッタストーン
  ◆「徹底検証古事記」村瀬学 言視舎 
  ◆「古本の時間」内堀弘 晶文社※入荷済み
  ◆「千本組始末記」柏木隆法 平凡社※入荷済み
  ◆「失踪日記2 アル中病棟」吾妻ひでお イースト・プレス※入荷済み
  ◆「ブンブン堂のグレちゃん」グレゴリ青山 筑摩書房
  ◆「yaso#少女」ステュディオ・パラボリカ※入荷済み
   ペヨトル工房の解散が2000年で、当時その旧在庫を委託販売させて
   もらったらろおどろくほどよく売れ(※詳しくは冬弓舎刊「ペヨトル興
      亡史」参照)、その余熱がまだまだあった2003年にパラボリカから
   出た復刊夜想の1冊目(yaso#ゴス)は軽く100冊以上売れたものでした。
   それが近年は、旧在庫はめぼしいものはほとんどなくなり、それとと
   もに復刊夜想の売れ行きも落ちるばかりで、再近号では10冊を超える
   のがやっとです。しかし、これがうちの店の本来の実力であってペヨ
   トル工房の解散以前の状態に戻ったという感じです。旧ペヨトル時代
   は、うちの店で売れる号は世間では売れず、うちで売れない号は世間
   でよく売れるという傾向があったと、今野編集長が言ってたような記
   憶がありますから、ちかごろの「yaso」はまた世間ではよく売れるよ
   うになっていることでしょう。
   
     
[#03] 短歌本の売上げ(TOP10) 2012/06〜2013/05

  01 25冊 「(歌集)燕麦」吉川宏志 砂子屋書房
  02 17冊 「(歌集)饕餮の家」高島裕 TOY
  03 14冊 「現代詩文庫:岡井隆歌集」思潮社
  04 13冊 「(歌集)金の雨」横山未来子 短歌研究社
  05 12冊 「(歌集)河骨川」高野公彦 砂子屋書房
  05 12冊 「(歌集)窓、その他」内山晶太 六花書林
  07 11冊 「(歌集)蝶」渡辺松男 ながらみ書房[※通算31冊]
  08  8冊 「(歌集)あやはべる」米川千嘉子 短歌研究社
  08  8冊 「(歌集)トリサンナイタ」大口玲子 角川学芸出版社
  10  7冊 「(歌集)木立ダリア」花山多佳子 本阿弥書店
    
   今年も発行が遅れたため、ちょっと古くなってしまいましたが、5月
   までの1年間の短歌本の売上冊数です。今回もいまいち売れ行きがよ
   くありません。6月以降だと書肆侃々房の“新鋭短歌シリーズ”がわ
   りと好調です。このシリーズはB6判並装で定価1700円+税と歌集と
   しては廉価です。この20年ほどの歌集はA5判又は四六判の上製で定
   価3000円+税が大部分でしたが、数年前の短歌研究社「たんぽるぽ
   る」のあたりから2000円以下のが徐々に増えています。この程度の
   定価のほうが、売るのも買うのも楽なので歓迎すべきでしょう。2
   位の「たうてつの家」の発行所TOYは、著者本人(あるいはご家族)
   の経営のようですが、なぜもう少し出版社らしい名前にできなかった
   のかとちょっと残念です。
   
   短歌の電子本がぼちぼち出始めていますが、売れているのかどうか
   はぜんぜん知りません。2010年にながらみ書房が渡辺松男氏の「自
   転車の籠の豚」を重版するかわりに電子本にするという、同社には
   似つかわしくない画期的な試みをされましたが、さほど売れてはい
   ないような感じです。これは読者の平均年齢の高さとか、この電子
   本のプラットホームが弱小であるとかが主因でしょう。紙で重版す
   ればそれなりに売れたはずなのですが。
   
   第一歌集「鈴を産むひばり」(港の人)がたいへんよく売れた光森裕
   樹氏が、第二歌集「うづまき管だより」をKindle版のみで刊行され
   ましたが、このような販売形態が好成績をおさめるようなら、若い
   世代の歌人はそちらに少し移行するかもしれません。しかし、電子
   本が短歌界で一定のシェアを獲得するには、短歌のオンライン雑誌
   が商業ベースにのることが必須でしょう。
   上記をクリックすればわかりますが、第二歌集は333円、そして第一
   歌集も456円で販売しています。こちらの元版は2500円+税ですから
   大幅な割引です。まだ絶版ではないはずですが、Kindle版には元版
   の発行所の名前はありません(現物未見。Amazonサイトのデータに
   よる)。もともと自費出版だとすれば問題はないのかもしれません
   が、装幀(表紙画像)は元版と同じですから、なんらかの同意が必要
   だったはずです。


[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その78)   

○「出版ニュース 2013年10月中旬号」掲載の「2011年度書店売上実績」
   にランクインしていた京都市に本社のある書店グループは下記の3
   店でした。

   ・038位 大垣書店   82.8億円 3.6%増
   ・060位 ふたば書房  36.4億円 0.5%減
   ・221位 恵文社     5.6億円 4.3%減

   大垣とふたばは支店数の変動が激しいので、これらの数字だけでは
   順調なのかどうかはぜんぜんわかりません。恵文社は昨年に続いて
   減ですが、売り場面積の変動はないはずなので、この程度はとくに
   どうということもないでしょう。
   このリストは京都市内だけに限っているため、数店ある府下の書店
   は無視していますが、長岡京市のリーブル京都新社は、ネットで検
   索したところ、京都市北区紫野となってます。長岡京に移転したの
   かどうか、この社のサイトが見あたらないのでよくわかりません。
   リーブル京都は20年ほど前には京都市内に10店ほどありましたが、
   その後ほとんど消えてしまいました。この新社がいつごろからある
   のか、支店が何店あるのか、京都書店組合加盟のリーブル千中店も
   同一グループなのかはすべて不明です。   
   (331位 リーブル京都新社 3.0億円 0.3%減)
   
  ○前号で閉店をお知らせしたパルナ書房の元経営者の方が、「図書新聞
   に「京都の有名書店はなぜ閉店に追い込まれたのか」を全3回寄稿さ
   れましたが、それが丸ごと「図書新聞」のサイトにて無料で読めます。
   閉店に至った事情はさておき、河原町三条上ルにあった「マップラン」
   という地図の専門店もパルナの支店だったことは知りませんでした。
   この支店は1990年代前半に3年ほど営業し、3000万円ほどの負債を残し
   て閉店したそうです。いま、うちのブログの2006年07月06日付「1993
   年夏「河原町三条北周辺の書店地図」を見ると、「パルナ書房マップ
   ラン」はちゃんと載っていますから、知らなかったというべきではない
   かもしれませんが、五条の店と同一経営とはまったく気づいていません
   でした。   

  ○今年も“京都”や“書店”、あるいは“京都の書店”に関する雑誌の
   特集号が大量にあり、うちもその多くに載せていただきましたが、も
   ちろんうちの店が載っていないのも多数あり、いったい何種類出たの
   かまったく把握できていません。それにしても、ほんとに“京都”や
   “書店”の特集の売れ行きはよいのでしょうか。うちではほとんどあ
   るいはまったく扱っていない雑誌が多いので何ともわかりませんが。
   
  ○集英社の季刊誌「kotoba」は春号で“本屋に行こう”特集をして、グ
   レゴリ青山氏のマンガにて“企画も行き詰まりですか”と描かれたば
   かりなのに、秋号の特集は「読書人のための京都」です。いよいよど
   ん詰まりというわけではなくて、この方向に活路を見いだされたのな
   らよろしいのですが(ちなみに夏号は“夏目漱石”で、次の冬号は
   “美術館”)。この号にグレゴリ氏は「京都個性派古書店案内」を載
   せてます。出てくる古書店は「町屋古本はんのき」「其中堂」「あっ
   ぷる書店」ですが、三月書房も名前だけちらと出てきます。
   
  ○「婦人画報」の8月号は“夏の京都は最高です!京都「黄金の一泊二
   日」”で、“[ジュエリーコーディネーター]井村佳代子さんが提案す
   るバーと本屋さん巡り”に三月書房も出てきます。同誌の11月号には
   メインの特集ではありませんが、「人生の宝物を探して 本屋さんぽ」
   があり、その中の「井浦新さんが巡る京都の本屋さん」に竹苞書楼、
   恵文社、萩書房、赤尾照文堂、BOOKS&THINGSと三月書房が載ってます。
   
  ○マガジンハウスも毎シーズンのように、どれかの雑誌で京都や本屋の
   特集をやりますが、うちの店が取材を受けたのは「クウネル」7月号
   の特集“京都のはしっこ”と「ポパイ」8月号の特集“カレーと本”
   でした。「クウネル」では武田好史氏、「ポパイ」では恵文社一乗寺
   の堀部店長が三月書房を紹介してくださってます。「クウネル」では
   別の箇所でBooksS&Thingsと芸艸堂も大きく紹介されてます。
   
  ○集英社の「Mariso」というまったく知らない雑誌の10月号も“そうだ、
   本屋さんへ行こう!”で、その中の“浅生ハルミンさんの京都へ、本
   を買いに”には、メリーゴーランド京都、三月書房、恵文社一乗寺が
   イラスト入りで載ってます。
   
  ○JTBパブリッシングの「京都おさんぽノート」にも本屋の項あり、
   ガケ書房、レティシア書房、三月書房、恵文社一乗寺、ブックカフェ
   の項には雨林舎、月と6ペンスなど数店、ほかの項にメリーゴーラン
   ドも。
   
  ○多数出た中で、玄光社から4月に出た「KYOTO本屋さん紀行」は丸ごと
   1冊京都の書店本です。本業がカメラ雑誌だけあって、さすがにきれい
   な写真で全23店載ってますが、そのほとんどが古本や雑貨も扱うか、
   カフェやギャラリーを併設しています。新本しか置いていないのは、
   三月書房と建築書専門の大龍堂だけではないでしょうか。
   玄光社のサイトでこの本の紹介がされていて、うちの店の掲載頁も見
   開きでアップされていますが、解像度が低いので拡大しても字はほと
   んど読めないようです。
   
   先日、何かの本を1冊買ってくれたやや年輩のご婦人が、この本のう
   ちの店の頁を開いて、スタンプを押して欲しいといわれました。そん
   なことを言われたのは初めてだったのでちょっととまどいましたが、
   ちょうど適当なサイズのスペースがあったのご要望に応えました。
   よーするに寺社巡りのスタンプラリーと同じようなことを、独自にさ
   れているわけですが、本にもいろんな楽しみ方があるものです。
   
   掲載書店は、メリーゴーランド京都、恵文社一乗寺店、 FUTABA+京
   都マルイ店、大垣書店高野店、 ミシマ社の本屋さん、三月書房、古
   書善行堂、 ガケ書房、町家古本はんのき、London Books、Hedgehog
    Books and Gallery、レティシア書房、アスタルテ書房、大龍堂書店、
   書肆砂の書、Green e books、MEDIA SHOP、山崎書店、Books&Things、
   赤尾照文堂、世界文庫、nowaki、NOT PILLAR BOOKS。
   
   この本は眺めて楽しむのにはよいと思いますが、実用的なガイド本と
   しては、2011年に光村推古書院から出た「京都読書さんぽ」のほうが
   便利でしょう。ただし、2年過ぎても全店健在かどうかは未確認です。


[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など

  ○前号以降「常陽新聞」「四季社」「人文社」「(有)池田書店」などの
   破綻があったようですが、びっくりするような事件は何もなく、表面
   上は平穏でした。中経出版に吸収合併された新人物往来社や、インプ
   レスの子会社になった山と渓谷社のように、いつの間にか別の出版社
   に救済されているケースが増えているからかもしれません。
   角川書店は上場後、毎年のように組織替えをしますが、あれはちょっ
   と決算書を見ただけでは、前年同期比の増減がわからないようにする
   ためなのでしょうか。それはともかく、今秋の改編では中経出版ほか
   の子会社がすべてKADOKAWAの社内カンパニーとなってしまいました。
   その結果、KADOKAWAの文庫ラインナップには、中経の文庫、新人物往
   来社文庫、電撃文庫、富士見文庫、MF(メディアファクトリー)文庫、
   ファミ通文庫などシリーズ名だけで20個以上も並んでいます。
   

[#06] etc.…

  ○「海文堂書店」の閉店にはちょっとだけ驚きました。新聞報道などを
   みると、人件費をおさえていわゆるローコストオペレーションにすれ
   ば、まだまだ続けることは可能だが、そうまでして続ける意味がない
   というのが経営者の考えだったようです。よーするに余裕があるうち
   に、先の見込みのない書店業界から撤退されたわけで、近年の書店の
   廃業のなかでは、うらやましいくらい上手な引き際だった思います。
   海文堂とはほとんど付き合いがありませんでしたが、10年以上前に一
   度だけ自由価格本の仕入について聞きにこられたことがありました。
   それで八木書店を紹介したのですが、いろいろ行き違いがあり、あま
   りうまく行かずに、早々とあきらめられたようでした。
         
  ○2013/06/18に届いた「地方・小出版流通センター通信NO.1303」に決算
   報告が載っていますが、“今年は更に厳しい決算で”“総売上は12.33
   %の減少”そして“今後、売上げが回復する見込みは薄く、この環境
   を深刻に受け止めてい”るそうです。よーするに出版業界全体の落ち込
   みよりも、同社の落ち込みの率がかなり大きいわけです。理由の分析
   は載っていませんが、TUTAYAなどで売れているような軽い本の扱いが
   少ないのが一番の原因でしょう。それとちかごろ、新規の小出版の多
   くが地方小との取引を避けているような気がするのですが、なぜなの
   でしょう。とくに東京の版元にその傾向がみられるようで、JRCとか
   鍬谷とかが多いようです。JRCはともかくとして、鍬谷はもともと医
   学書取次なので、正味が高くて困ります。うちとしては、地方小にま
   とまっているほうが便利なのですが。そして、地方小よりももっと具
   合がよいのが星雲社なのですが、ちかごろここもあまり元気がないよ
   うな感じです。さらによいのがトランスビューですが、ここはちかご
   ろ扱い版元を増やしつつあるので、今後がたのしみです。
   
---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎---------------------------------------

   「本屋図鑑
     得地直美 本屋図鑑編集部
      
       定価1700円+税 夏葉社
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  ☆出版人に聞く 11「名古屋とちくさ正文館」吉田一晴
      (聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
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  謄写技法第七号
  「ぐろりあ工房・丹羽善次の一九三〇年代
    坂本秀童子 編集・発行・印刷 1500円+税
 
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜115号)」はHPにて公開中です。
     
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