三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[117]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻111号  2011.08.03発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻112号 2011.12.31発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻113号 2012.04.26発行
通巻106号 2009.12.31発行 通巻114号 2012.10.31発行
通巻107号 2010.03.30発行 通巻115号 2013.03.20発行
通巻108号 2010.06.30発行 通巻116号 2013.10.22発行
    通巻117号 2014.03.11発行
    通巻118号  2014.08.19発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[117]
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2014/03/11[16-01-117]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 117号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 消費税が3%から5%に上がったときは、いわゆる駆け込み需要が
   うちの店でもかなりありました。今回は今のところほとんど何も影
   響がありませんが、前回はたしか、最後の10日間ほどがとくによかっ
   たような記憶がありますから、まだ結論を出すのは早いでしょう。
   そんなことよりも、うちの店としては、前回よりも大幅に増えてい
   る直接取引の清算を今月中にしないとみすみす損をするのがちょっ
   とめんどうです。直の場合は買取もありますが、委託で売上分のみ
   とりまとめて送金している版元が大部分です。およそ三月毎とかが
   多いのですが、年1回とか半年1回のところもあり、不定期のところ
   もあります。それらの多くを今月下旬に計算しなくてはなりません。
   それとは逆に、日販への返品は3月は最小限にして4月以降に回すと
   得するような気がしますが、それもわずらわしいので、気にせずに
   例月通りのペースで返品するつもりです。
   いずれにしろ、4月以降の売上は落ちるであろうと思いますが、前回
   がどうだったのかの記憶がありませんし、データは残してあるもの
   のワープロが壊れたので呼び出せません。それでも、前回のように、
   出版物の税額表示が内税から外税に変わるというようなこともなく、
   外税表示にほぼ統一されている点だけはまだましです。直取引の版
   元はそのあたりがかなりでたらめなところが多いので困ったことで
   すが。
  
      
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「(句集)隕石」渡辺松男 邑書林
  ◆「前登志夫全歌集」短歌研究社
  ◆「(歌集)やがて秋茄子へと到る」堂園昌彦 港の人
  ◆「(歌集)galley/ガレー」澤村斉美 青磁社
  ◆「シュタイナーの老年学」丹羽敏雄 涼風書林
  ◆「生命とリズム(文庫版)」三木成夫 河出書房新社
  ◆「流れに抗して」鶴見俊輔 編集グループSURE
  ◆「海路としての〈尖閣諸島〉」山田慶兒 編集グループSURE
  ◆「千本組始末記」柏木隆法 平凡社
  ◆「吉本隆明 孤独な覚醒者」上村武男 白地社
  ◆「〈戦争〉と〈国家〉の語りかた」井崎正敏 言視舎
  ◆「すばらしい日々」よしもとばなな 幻冬舎
  ◆「橋爪大三郎のマルクス講義」(聞き手・佐藤幹夫) 言視舎
  ◆「myaku19 特集・吉本隆明と沖縄」比嘉加津夫・編集 脈出版社
  ◆「徹底検証古事記」村瀬学 言視舎
  ◆「万象の訪れ わが思索」渡辺京二 弦書房
  ◆「近代の呪い」渡辺京二 平凡社
  ◆「アナキズム・カレンダー2014」アナキズム文献センター
  ◆「みすず 2014年1-2月号 読書アンケート特集」 みすず書房
  ◆「京都の中華」姜尚美 京阪神エルマガジン社
  ◆「街を変える小さな店」堀部篤史 京阪神エルマガジン社
  ◆「京職人ブルース」米原有二/堀道広 京阪神エルマガジン社
  ◆「失踪日記2 アル中病棟」吾妻ひでお イースト・プレス
  ◆「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」諸星大二郎 朝日新聞出版
  ◆「妖怪ハンター 夢見村にて」諸星大二郎 集英社
  ◆「謄写技法第七号:ぐろりあ工房・丹羽善次の一九三〇年代」
       坂本秀童子 編集・発行・印刷
  ◆「ブンブン堂のグレちゃん(文庫版)」グレゴリ青山 筑摩書房
  ◆「グだくさんのグ」グレゴリ青山 メディアファクトリー
        
    
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「飢餓陣営40」佐藤幹夫・編集 飢餓陣営発行所
  ◆「流域7」批評社
  ◆「惑星の風景 中沢新一対談集」吉本隆明ほか 青土社    
  ◆「吉本隆明全集 第6巻」晶文社
   いよいよ今週末が第1回配本ですが、11日の朝日新聞によれば、初版
   三千部で重版も決定済みだそうです。三千部と言ってもおそらく半分
   位は書店の店頭に並ぶ仮需要でしょう。ジュンクや紀伊国屋の支店な
   ら5冊〜10冊程度は仕入れないと平積みもできません。おそらくその
   レベルの書店は全国で100店位はあるのではないでしょうか?ほかに
   1〜2冊の配本がある書店や生協は少なく見ても数百店はあるでしょう。
   他店のことは置いといて、うちの店では今日現在の事前予約が21名あ
   ります。ただし残念ながら、全巻予約は4名のみ、4回配本までの予約
   が3名あるのをあわせても7名しかありません。発売後に現物を見てか
   ら買われる方もおられますから、第1回配本に限っては30冊は売れる
   のではないか予想しています。問題はこの第1回を買った方が引き続
   き次回以降も買ってくれるかどうかですが、いまのところそれが何と
   もわかりません。とにかく、完結まで元気でいられる自信がないとおっ
   しゃる方が多い上に、こちらとしても出版社の予定通りに7年で完結
   するのかどうか、正直なところ安請け合いはしかねる状況ですから。
   先の朝日新聞によれば、総経費約2億円とあります。全38巻で割ると
   1巻当たり約530万円、平均本体6000円の60%が出版社の取り分とする
   と3600円ですから、およそ各巻1400冊売れれば経費が回収できるとい
   う計算になるような気がします。したがって平均2000冊近く売れれば
   予定通り完結するでしょうが、1000冊近くに落ちると隔月刊はむつか
   しくなるでしょう。それゆえ、全集本の常として逓減がさけられない
   とすれば、初回が3000部からのスタートというのも納得できる数字の
   ように思えます…が、部外者が気楽に計算してみただけなので、あま
   りあてにはしないように。
   それはともかく、この第6巻の実物見本を実際に見たところ、幸いなこ
   とに編集も造本も上出来のようですから、これなら続巻も買おうとい
   う気になられる方が増えてくれそうな気はしています。
   
  
[#03]  日販への返品率

   2004年   書籍17.0% 雑誌28.4%
   2005年   書籍20.6% 雑誌34.5%
   2006年   書籍17.4% 雑誌28.0%
   2007年   書籍18.6% 雑誌26.8%
   2008年   書籍22.6% 雑誌29.1%
   2009年   書籍21.9% 雑誌28.0%
   2010年   書籍23.5% 雑誌28.4%
   2011年   書籍23.5% 雑誌27.2%
   2012年   書籍21.3% 雑誌31.0%   
   2013年   書籍21.8% 雑誌30.0%
   
   今回もたいした変化はなかったようです。上記の数字はいうまでもな
   く返品金額による返品率ですが、じつのところ返品するときに金額の
   ことはほとんど考慮していません。ただただ、新しく入荷した本を棚
   に並べるためには、同量の本を返品しないと物理的に並べられないと
   いう法則?にしたがって返品しているだけのことです。ただしこれは
   ほとんどパターン配本がない書籍の場合のはなしであって、注文して
   いないムック類が大量に入荷したり、1冊で十分なのに3冊とか5冊とか
   多い目に入荷するコミックなどのおかげで、雑誌の返品率はいっこう
   に下がりません。
   近年、日販の返品入帖はどんどん早くなり、現在は締日の10日ほど前
   のようですが、4月からは3日前になるそうです。よーするに15日締め
   の場合は13日に返品センターに到着した分までが入帖になります。む
   かしはふつうに30日前後かかっていたことを思えばえらいものです。
   常備の場合などは、請求期日の1月前に返品入帖されることすらあり、
   その気前のよさには驚いています。もっともうちのように僅かな取引
   額だと、100%以上支払っていても分戻しはありませんが、大口取引
   の所にとっては、返品入帖が早いとかなりありがた味があるようです。
      

[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その79)   

 ○みすず書房の書店別売上げランキング(2012/12〜2013/11)
  今回も京都関係の書店のみ、売上げ冊数の前年比を計算してみました。
   
   1(3) ジュンク堂京都店          23%
   2(2) 京大生協ルネ           ▲15%
   3(7) 同志社生協今出川          208%   
   4(4) 立命館生協ブックセンターふらっと  ▲4%
   5(6) 大垣書店烏丸三条          14%   
   6(5) アバンティBC           ▲14%      
   7(8) 恵文社一乗寺             0%
   8(-) ジュンク堂京都朝日会館店      --%
   9(-) 大垣書店イオンモール京都店     --%
   
   今回の注目は前回の1位だった「ジュンク堂BAL店」が2013年1月に
   閉店した結果その売上がどうなったかということでしょう。「ジュ
   ンク堂京都店」はさすがに23%の増ですが、「BAL店」再開までの
   仮店舗として2013年2月に開店した「朝日会館店」は「BAL店」の前
   回に比べると75%ほどの減少です。前回の「京都店」と「BAL店」の
   合計と、今回の「京都店」と「朝日会館店」の合計とを比較すると
   32%の減少となっています。しかし移行期間に1月ほど空白があった
   ことを考えると、これでも比較的減少を押さえられたほうでしょう。
   「同志社」の倍増はキャンパス再編で、京田辺から今出川に多数の学
   生が戻って来たためでしょう。「立命館生協ブックセンターふらっと」
   というのはたぶん昨年までの「立命館生協存心館B&C」と同じなのだ
   ろうと思い、そのよう処理しましたが確かではありません。「アバ
   ンティBC」は落ちる一方ですが、これはおそらく2010年にオープンし
   た「大垣書店イオンモール京都店」の影響でしょう。その「イオンモー
   ル店」は今回初めてリストに登場しましたが、千坪級の店としてはか
   なりショボイ売上なのはなぜなのでしょう。開店時に見に行ったきり
   なのでよくは知りませんが、大垣がというよりも、モール全体がいま
   いちよくないらしいとのうわさは聞いています。なお、リスト全体の
   増減はめんどうなので計算していませんが、上位5店の前回比は約11%
   の減少でした。ちなみに2005/12〜2006/11のと比較すると、約35%
   の減少です。   

 ○あいかわらず、京都ないし書店の特集をする雑誌がやたらに多いですが、
  どれを見てもたいてい1店くらいは知らなかった書店が載ってます。た
  だしどれもこれも、古本系ないしは洋書系で、ギャラリーあるいはカフェ
  などを併設しているような店ばかりです。そしてほぼどれもアルファベッ
  トやカタカナの店名ばかりで、ぜんぜん印象に残らず覚えられません。
  これは歳のせいかもしれませんが。
  
  「ソトコト2月号」は“特集・なじみの本屋”でした。うちの店は
  “京都の本屋さん、ぶらり町さんぽ。”に「レティシア書房」、「ガケ
  書房」、「アンジェ河原町店」、「本と紙のお店homehome」と載せても
  らってます。「homehome」というのは初耳でしたが、金土日だけオープ
  ンして外国製の紙製品と古本を売ってるそうです。あと別の場所に「恵
  文社一乗寺」も載ってます。
  
    
[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など
 
 ○あいかわらず、目だった破綻はないようで、まずはけっこうなことで
  す。もっともあの「新文化」ですら“出版社の社長の中にはカードロー
  ンやキャッシングで資金を調達している人たちもいる”という記事を
  平気で載せるような情況になっていますから、絶体絶命の会社も少な
  くないことでしょう。(※出典「出版情況クロニクル70」)
  
 ○まだ正式な発表はないようですが長崎出版が何かまずいことになってい
  るようです。同社のサイトは昨年の10月以来更新されていません。
  補充がちっとも戻ってこないので日販のサイトで検索すると、昨年12月
  以降新刊が何も出ていない上に、ほぼすべてのタイトルが品切れとなっ
  ています。また、一番の売れ筋らしい「こびとずかん」は著者が設立し
  たロクリン社というところが、昨年末に新装版を出し、以後の新作刊行
  も予定しているようです。
  うちの店では「こびとずかん」はまったく縁がないのでかまいませんが、
  たいへん残念なのが、パロル舎の破綻後に長崎出版から再刊されたばか
  りの、金井田英津子さんの「猫町」「冥途」「夢十夜」が1年足らずで
  またまた仕入不能になってしまったことです。これらはここ10年以上、
  うちの店のロングセラーなので、長崎出版が立ち直ること、あるいは
  3社目の出版社あらわれることを期待しています。
   

[#06] etc.…

  ○例年春と秋は、京都特集や書店特集の雑誌等の取材を受けることが
   多いのですが、今春はとくに多く先週は3日連続というのもあって
   ちょっとおどろきました。取材を受けて近日掲載予定のは、「男の
   隠れ家」「ディスカバージャパン」「朝日新聞大阪夕刊」、「ケト
   ル」、マガジンハウスの何とかという雑誌など。そして、本の雑誌
   の別冊「本屋の本」?の取材の予定もあります。本の雑誌はともか
   くとして、ほんとに書店の特集というのはそんなに需要があるので
   しょうか。
   
  ○前号以降にうちの店が掲載された雑誌もいろいろあったはずですが、
   全部は覚えていません。上に載せた「ソトコト」以外では、JALの
   ファーストクラス(他にJALのクレジットカード会員にも)で配る雑誌
   の「AGORA」と、久しぶりの「新文化」がなかなかけっこうな記事で
   した。「AGORA」2013年11月号では、“ビジネストレンド 書店の未
   来”というタイトルで下北沢の「B&B」、代官山「蔦屋書店」、「紀
   伊国屋書店グランフロント大阪店」とそしてなぜか「三月書房」が載っ
   てます。取材してくれた方が優秀で、書店のことをたいへんよく理解
   されていたので、とてもちゃんとした記事になってました。こんな雑
   誌はうちのお客とは関係ないだろうと思っていたら、2名の常連客が
   読んだと言ってくれたのはちょっと意外でした。
   
   「新文化」は2014年1月30日号で“隙間狙いの店づくり”というけっ
   こう大きな(最終面の3分の2位)記事。この記事は、昨夏に元パルナ書
   房氏が紹介してくれた、元書店員の砂川氏によるものですが、たいへ
   んよくまとまっていました。「新文化」には何回かコラムの連載をし
   たこともあり、取材を受けて記事になることも数回はありましたが、
   ここしばらく縁がありませんでした。こうして載せて貰うと、まだ潰
   れていないことを業界に告知できてありがたいことです。

   なお元書店員の砂川氏は、去る2月22日に奈良県の大和郡山市で個人
   書店をオープンされました。新刊本のほか、リトルプレス、古本、雑
   貨を扱っておられるそうで、店名は「とほん」。詳しくは同店の公式
   ブログをどうぞ。

   それにしても、版元の「ころから」と同様に、絶対に検索では見付け
   てもらえない店名です。ひらがなが好きなら、せめて「ぷねうま舎」
   程度にしておけばよかったと思うのですが。
  
---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎---------------------------------------

   「街を変える小さな店 京都のはしっこ  
     個人店に学ぶこれからの商いのかたち。」
      恵文社一乗寺店店長 堀部篤史
       定価1600円+税 京阪神エルマガジン社
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---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎---------------------------------------

  ☆出版人に聞く 12「『奇譚クラブ』から『裏窓』へ
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       定価780円+税 ポプラ社
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜116号)」はHPにて公開中です。
     
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