三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[118]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
 
通巻101号 2008.10.21発行 通巻109号 2010.10.26発行
通巻102号 2008.12.31発行 通巻110号 2011.03.30発行
通巻103号 2009.03.10発行 通巻111号  2011.08.03発行
通巻104号 2009.06.09発行 通巻112号 2011.12.31発行
通巻105号  2009.09.29発行 通巻113号 2012.04.26発行
通巻106号 2009.12.31発行 通巻114号 2012.10.31発行
通巻107号 2010.03.30発行 通巻115号 2013.03.20発行
通巻108号 2010.06.30発行 通巻116号 2013.10.22発行
    通巻117号 2014.03.11発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[118]
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2014/08/19[16-02-118]  (c)SISIDO,Tatuo    *転送歓迎* 

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 118号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#00] 去る4月のWinXPのサービス終了に際して、3月中旬にWin7への移行
   をしましたが、その作業中にこの「販売速報(仮題)」定期読者の
   メールアドレスが消えてしまいました。バックアップを外付けハー
   ドディスクにコピーしたつもりだったのに、うっかり本体にコピー
   していたという、よくある間違いでした。商売に必要な通販用のメ
   ルアドは必死でサルベージしたためほぼ復旧したのですが、「販売
   速報」の方は人数も多いのでめんどくさくて放置してあります。ど
   うも申し訳ありませんが、無料サービスなのでご容赦ください、と
   いうか、今回のメルマガが届いている人に謝る必要はないし、謝る
   べき人には送信できません。というわけで、推定500名はおられたで
   あろう読者は、今回約100名ほどに減少しています。6月5日に号外を
   送信し、ブログにも告知したのですが、あまり効果がなかったよう
   でした。自分のことを考えても、ちかごろは「本のメルマガ」や
   「ももんが通信」などが届いても、ほとんど読んでいないので、う
   ちのもほとんど読まれていないのでしょう。
   なにしろ年に2回程度しか発行しないのでは忘れられてもしかたあり
   ません。もしもこの先、10年ほど前に駸々堂や鈴木書店がつぶれた
   ときのような混乱状況になれば、こちらの発行頻度も上がるでしょ
   うから、それまではのんびりと続けたいと思います。
   ※
三月書房販売速報[号外](三月記)
   
      
[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「それでも猫は出かけていく」ハルノ宵子 幻冬舎
  ◆「吉本隆明全集 第6巻」晶文社
  ◆「吉本隆明全集 第7巻」晶文社
  ◆「飢餓陣営40」佐藤幹夫・編集 飢餓陣営発行所
  ◆「流域7」批評社
  ◆「惑星の風景 中沢新一対談集」吉本隆明ほか 青土社  
  ◆「浄土からの視線」菅原則生 弓立社
  ◆「吉本隆明」田中和生 アーツアンドクラフツ
  ◆「人はなぜ過去と対話するのか 戦後思想私記」近藤洋太 言視舎
  ◆「吉田純 写真展」編集・蔵前ノリ子 (有)ジュンフォト
  ◆「大西巨人 叙情と革命」吉本隆明ほか 河出書房新社
  ◆「『現代思潮社』」という閃光」陶山幾朗 現代思潮社新社
  ◆「谷川雁 永久工作者の言霊」松本輝夫 平凡社
  ◆「(覆刻版歌集)踏繪」柳原白蓮 ながらみ書房
  ◆「(歌集)ひだりききの機械」吉岡太朗 短歌研究社
  ◆「(歌集)坂」岡部桂一郎 青磁社
  ◆「(歌集)泥と青葉」小島ゆかり 青磁社
  ◆「塔(2014年4月号)創刊六十周年記念号」塔短歌会
  ◆「21世紀俳句時評」筑紫磐井 東京四季出版
  ◆「佐々木マキ アナーキーなナンセンス詩人」河出書房新社 
  ◆「夜がらすの記」川崎彰彦 編集工房ノア
  ◆「脈 80号 特集:作家・川崎彰彦」比嘉加津夫・編集 脈発行所
  ◆「ぽかん4号」山田稔ほか ぽかん編集室   
    
   「吉本全集」1回配本は、予想よりはよく売れて何度か補充し、いま
   のところ実売36冊です。数回増刷して4000部は超えているそうです
   が、書店店頭の在庫がまだ多くあるはずなので、実売はいいとこ
   3500部あたりでしょうか?岩波などの予約出版と違ってフリー入帖
   なので、どこの書店もわりと気楽に多めに在庫しているはずです。
   ちなみに当店の在庫は2冊、Amazonは8月12日現在5冊となってます。
   6月の2回配本は現在実売26冊ですが、今後伸びたとしてもせいぜい
   30冊止まりでしょう。とにかく、中心的な読者層の高齢化が避けら
   れないため、全巻予約がちっとも増えません、それどころか1回配
   本直後に全巻予約読者がお一人急逝されるという、避けられない事
   態に早くも遭遇しました。うちの店の常連客でも、10年前なら絶対
   に買われたであろう方々の、腰が引けているのが鮮明です。このま
   まの雰囲気ですと、うちの店の場合、いいとこ20冊程度が固定読者
   数となりそうですが、もちろん将来的に逓減は避けれらないでしょ
   う。1回配本の状況から、仮にうちの店の実売数が全体の1%だと仮
   定すると、実売2000部は刊行継続が可能なぎりぎりの部数のはずで
   す。いずれにしろ、年内にあと2回配本予定ですから、その結果を
   見れば、およその見通しがたつことでしょう。
   
      
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「(歌集)声を聞きたい」江戸雪 七月堂※入荷済
  ◆「(歌集)午前三時を過ぎて」松村正直 六花書林※入荷済 
  ◆「塔事典」塔短歌会※入荷済
  ◆「竹山広全歌集」ながらみ書房
  ◆「薄幸日和」グレゴリ青山 小学館※入荷済
   この本にも小生らしき人物が出てきます。これでザコキャラとし
   て5回目の登場(内2件は単行本未収録)です。
   
    
[#03]  短歌本の売上げ(TOP10) 2013/06〜2014/05

  01 15冊 「ヘイ、龍 カム・ヒアという声がする(まつ暗だぜとい
       ふ声が添ふ)」岡井隆 思潮社
  02 13冊 「(歌集)水仙の章」栗木京子 砂子屋書房
  02 13冊 「(歌集)泥と青葉」小島ゆかり 青磁社
  02 13冊 「(歌集)純白光」小島ゆかり ふらんす堂
  05 11冊 「(歌集)Galley」澤村斉美 青磁社
  06 10冊 「(歌集)やがて秋茄子へと到る」堂園昌彦 港の人
  06 10冊 「短歌練習帳」高野公彦 本阿弥書店
  08  8冊 「前登志夫全歌集」 短歌研究社
  08  8冊 「(歌集)タンジブル」鯨井可菜子 書肆侃々房
  09  7冊 「(歌集)エフライムの岸」真中朋久 青磁社
  09  7冊 「(歌集)八月のフルート奏者」笹井宏之 書肆侃々房
  09  7冊 「(歌集)あかゑあをゑ」馬場あき子 本阿弥書店
    
   全体としたら、いまでも短歌本の売れ行きは悪くはないと思うので
   すが、このリストでわかるように突出して売れるのが見あたらなく
   なっています。1位のわけのわからないタイトルの本は、短歌本とし
   てよりも、〈吉本〉本(※追悼文を数本収録)としてよく売れまし
   た。大森静佳歌集「てのひらを燃やす」は仕入れさえ順調なら20冊
   近く売れたはずですが、角川は重版する気がないらしくて、5冊ほど
   しか売ることができていません。5月に出た吉岡太朗歌集「ひだりき
   きの機械」は10冊ほど売れているのですが、データは5月末締めのた
   めに期またぎでランク外です。そして、いま現在よく売れているの
   が、柳原白蓮の覆刻版歌集「踏繪」ですが、この本についてはブロ
   グ(三月記)の記事をごらんください。   
   
   
[#04] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その80)   

 ○2006年6月発行の「三月書房販売速報[087]」に、京都書店組合中京支
  部は32店とありますが、2014年8月現在、22店に減少しています。減
  少率は全国平均とあまりかわりはないようですが、その中身を見ると、
  ジュンク堂、喜久屋、紀伊國屋京都営業部、ブックファースト、大垣、
  ふたば、JEUGIA等の多店舗展開のとこと、其中堂、文栄堂、平安堂、
  洛風書房、文華堂などの古書店系はほぼすべて健在。また退会された
  大書堂(古書店)は健在、能楽の檜書店は二条の京都店は閉店になり
  ましたが、岡崎の観世会館内に売店があります。したがって減少した
  大部分は独立系の新刊書店であり、約19店から約9店に半減です。
  それにしても古書店系が新本組合に入ってるメリットがよくわかりま
  せんし、ジュンクや紀伊国屋などの超大手の支店は、たぶん義理でつ
  きあってるだけでしょうから、組合の主体たるべき地場の中小新刊書
  店は半分程度まで減っているようです。もっともこの傾向は中京区に
  とくに顕著なだけであって、他区では一般書店の率はもう少し高いよ
  うですが。
  ちなみに、正確な数字はわかりませんが、同期間の京都古書組合では
  入退会は何件かあったものの、組合員数はほぼ変わらずと、新本組合
  よりは踏ん張っているようです。

 ○「男の隠れ家2014/05」は“特集・本に出会う空間、本と過ごす時間”
  で、“セレクトブックストア20”に京都では恵文社一乗寺店、レティ
  シア書房、ガケ書房、三月書房、カライモブックスの5店、“ブック・
  カフェ”にUNITE(新先斗町)、prinz(茶山)、Cafe Bibliotic
  Hello!(晴明町)の3店が載りました。無料で宣伝していただいてこん
  なことを言うのも何ですが、この手の企画は完全にマンネリのような
  気がします。それでも需要があるのならまことにありがたい話ですが。


[#05] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社など
 
 ○前号以降に中央図書新社、インフォレスト、広告ジャーナル社、青空
  出版、ひくまの出版などが破綻したようですが、少なくともうちの店
  には直接的な影響はほぼありません。
  
 ○これはまだ未確定ですが、小西甚一の超超ロングセラー「古文研究法
  「国文法ちかみち」の版元洛陽社がどうもまずいことになっているよ
  うな感じです。上記2冊はこの春以来補充が戻りません。日販のサイト
  で検索すると2012年10月を最後に新刊は出ていませんし、ほぼすべて
  の既刊本が品切れとなっています。ネット情報によれば電話も通じな
  いそうです。いずれ廃業等が確定したら、小西本2冊はちくま文庫か講
  談社学術文庫になることを期待しています。


[#06] etc.…

  ○あいかわらず京都特集や書店特集の新聞雑誌(※テレビもたまには
   あるが固辞)の取材を受けることが多いのですが、4月8日の朝日新
   聞夕刊の記事はやたらに大きく、写真もでかかったのでかなり反響
   がありました。とくに書店業界のことを知らない友人、知人、近所
   の人たちには、なぜあんなシケた本屋が大きく取り上げられるのか、
   まったく理解できないようでした。いちおう個人経営の書店は絶滅
   危惧業種のようなものだからと説明したのですが、たぶんよくわか
   からないようでした。次に彼らを驚かせようとするならば、閉店報
   道のときぐらいでしょうが、いまのところ急な予定はありません。
   それにしても腐っても鯛というか、まだまだ新聞の影響力はかなり
   残っているようです。朝日新聞は公称750万部位のようですが、実
   際には押し紙、残紙、セット割れ、統合版などの関係で、夕刊はせ
   いぜい300万部台の実売でしょう。それでも家庭、職場、喫茶店など
   で複数の人が読むのがふつうですから、この記事を目にしたひとは
   実売数よりもかなり多いかもしれません。
   掲載後の土日や連休には、新聞に載ったからという理由で来店され
   る方が少なくありませんでしたが、その多くは話題になれば廃坑で
   も製糸工場跡でも見に行くという人々のご同類のようでした。そう
   いう人たちは、もともとうちの店との相性はぜんぜんよくないので、
   あまり売り上げには結びつかず、ましてやリピーターになってもら
   える可能性はほぼありません。それでも、消費税増税後の4月、5月
   がわりと好調だったのは、少しは好影響があったのでしょう。
   
  ○4月にでた「本屋の雑誌(別冊本の雑誌17)」では、驚いたことに巻 
   頭カラーで4頁も載ってます。ここ45年ほど改装したことがない、
   おんぼろの店なので写真うつりはよくないはずですが、実際には本
   棚のアップばかりなので、さほど見苦しくはありませんでした。本
   の内容は過去記事の再録が大部分ですが、書き下ろしもあって400頁
   超で本体1980円はお買い得でしょう。ただし残念ながら、うちの店
   では2012年に出た「古本の雑誌」の半分も売れていないようです。
   「古本」は191頁で本体1600円もするのですが、世間でもよく売れて
   いるようで版を重ねています。むかしから、新本業界本は古本業界
   本に比べるとあまり面白くない(取次業界本はさらにつまらない)
   のでどうしてもそうなるのでしょう。いま、ちょっと読み比べてみ
   ましたが、やはり「古本」のほうがコクも深みもあってはるかに読
   み応えがあるようでした。
     
本屋の雑誌 (別冊本の雑誌17)」定価1980円+税
  
  ○「ケトルVOL.18(2014年4月)」“旅に出たら本屋に行くのが大好き!”
   京都ではなぜか三月書房がメインでした。そのほかにもいろいろ
   な雑誌や新聞にいろいろ取り上げていただき、無料で宣伝できてあ
   りがたいことですが、誌名を思い出せないのも少なくありません。
   ネット関係では「ガジェット通信」の「書店・ブックカフェが選ぶ
   今月の一冊」京都編に、いまのところ2回載りました。3回目もある
   のかどうかは知りません。無料サイトですがなかなか読み応えがあ
   るのでごらんください。レティシア書房、恵文社、100000t、カライ
   モ他の回も読めます。*その1 *その2 
   
---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎---------------------------------------

  ☆出版人に聞く 13「倶楽部雑誌探究
      塩澤実信(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
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---◎受贈御礼 勝手に宣伝◎---------------------------------------

  ☆出版人に聞く 14「戦後の講談社と東都書房
      原田祐(聞き手・小田光雄)
       定価1600円+税 論創社
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜117号)」はHPにて公開中です。
     
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