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原始キリスト教世界

エジプト修道者史





[エジプト修道者史について]

 古い『エジプト修道者史」(Historia monachorum in Aegypto)はバトラー(Edward Cuthbert Butler 1858-1934年)によると、アレクサンドレイアのティモテオス(Timotheos 400年頃活動)という人物がギリシア語原本を書いたとされ、アクイレイアのルフィヌス(Rufinus 345頃-410/11年)がラテン語に翻訳した(むしろ翻案した)ものである。同書は体系化からは最も遠く、最も素朴なものであろう。しかしそれはけっして今日的な意味で厳密に「歴史的」なものであるわけではない。そこには空想家によって美しく思い描かれた不思議なことが盛り込まれている。たとえば四世紀の終わりにオクシユリュンコスで二万の修道女と一万二千の修道士が住んでいたなどという記述である。しかし三九四年九月と三九五年一月とのあいだに、リュコポリスからディオルコスまで、すなわちエジプト全土を北から南へ旅した七人のエルサレムの修道士の旅行記は、真実らしい具体的な記述に満ちており、また他の資料とも合致するので、敬度な物語として無視されてはならないものである。
 (『キリスト教神秘思想史1:師父と東方の霊性』p.406)

[底本]

TLG 2744
HISTORIA MONACHORUM IN AEGYPTO
fort. auctore monacho Hierosolymitano
(A.D. 5)
1 1
2744 001
Historia monachorum in Aegypto, ed. A.-J. Festugière, Historia
monachorum in Aegypto.
Brussels: Société des Bollandistes,
1971: 4-138.
5
(Cod: 20,865: Hagiogr.)


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