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2004年5月中旬 |
【5月18日(火)】
▼ウェブアクセシビリティ関連のサイトを調べていると、『支援技術(AT)情報サイト「夏への扉」』というのを見つけてのけぞる。このサイトで公開されている身障者支援ソフト群のネーミングがまたすごい。どこにでもSFモノがいるものである。
▼企画モノほかのコーナー「しわよせの理由」にある「三鷹ういホームーページ研究」へのアクセスが二、三日前から爆裂している。おおかた、またどこぞで三鷹ういがたわけたことをほざいては、世間を笑わせているのであろう。
そのうちまたこういうこともあろうかと、「三鷹ういホームーページ研究」の本の広告に bk1 や amazon のアフィリエイト(アソシエイト)IDを埋め込んでおいたのが、今回初めて功を奏しそうだ。案の定である。あれ作るのだってそこそこの手間だったから、どれ、ここらで小遣い稼ぎをさせていただこうか。なにしろ、Google で「三鷹うい」を検索すると、おれんとこの「三鷹ういホームーページ研究」がトップに来るのだから、これは強い。いまから取ろうたって、なかなか取れるポジションではない。三鷹ういがウェブのどこかで暴れれば暴れるほど、おれに小銭が落ちる確率がぐんぐん高くなる。不労所得とはまさにこのことだ。
ちなみに、オーバーチュアの入札価格チェックツールで「三鷹うい」を検索してみると、「このキーワードに対する最低入札価格は、\9です」「現在、このキーワードに対する入札は行われていません」と出てくる。チャンスかもしれん。おれはSEOだけで充分トップが取れているので、金を払ってまで広告を出す気などないし、ウェブ書店のアフィリエイト手数料が入れば御の字だが、もし三鷹ういをエネルギー源に使ってそこそこの金儲けをしたいという人があれば、アイディア次第では、他人にせっせと働かせて自分の商売の効果的な宣伝をさせることも不可能ではないかもしれない。アイディア次第では、だが。起業家精神旺盛な方は、三鷹ういも喜び、見物人も喜び、あなたも儲かるというビジネスモデルを考案してみていただきたい。まあ、経営資源としては不安定だけどねー。かといって、安定して暴れられても、今度は見物人のほうが飽きてしまうのだ。ビジネスというのは難しいものである。
【5月17日(月)】
▼《ご恵贈御礼》まことにありがとうございます。
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川端裕人の新作である。bk1 の「著者コメント」には、「少年・少女時代、川で遊んだ記憶のあるすべての人にお勧めです」とある。なるほど。となると、おれは読まなくてはならない小説にちがいない。いつも川端裕人は、おれたちの中の少年・少女を巧みに掘り起こしてくる。
川は駅に似ている。少年少女にとって、それは見慣れた生活圏の中にあり、自分たちがいまいる場所に属しているものであるが、そこにはどこか知らない遠い世界からの道が入ってきて、どこか知らない遠い世界に向かって出ていっている。とても不思議な場所だ。おそらく、少年・少女というものは、駅を見て人工の世界を知り、川を見て自然の世界を知るのである。川端裕人が“川”をどう料理するのか、これはじつに楽しみである。
中学校でおれは理科クラブに入っていて、部の研究で、子供のころからたいへん馴染み深い山科川(京都市伏見区の源流から山科区に入り、また伏見区に入って淀川へと注ぐ)の水質調査・生物調査をやったことがある。サワガニがうようよいるような源流付近から、メジャーな(?)川と合流して川の名前が変わってしまうところまでひとつの川の流れにつきあったことなど、おれの人生であとにも先にもあのときしかなく、おれにとってはとても貴重な経験となっている。運動部に入ったのではないぞと思うほど、真夏に歩き倒し自転車をこぎ倒し、体力のないおれはくたくたになった。なんの役に立ったというわけでもないが、「川というのはこういうものなのか」と足で追いかけた体験は、なにかこう、ひとりの寡黙で魅力的な人とつきあったかのような、忘れ難いものをおれの中に残している。
小学生から中学生にかけて、おれはその川のすぐそばに住んでいて、夏ともなると堤防を降りてサンダルのままばしゃばしゃと川に入っては遊んでいた。しばしば一日中、川で遊んでいた。秋になると、無数のアキアカネがちょうどこのサイトの壁紙のように空を舞い、たまたま捕まえた一匹がおれの掌に卵を産みはじめて驚いたりした。よくよくこの川に縁があるのか、高校生のときに引っ越したにもかかわらず、なにを隠そう、おれはいまでもこの川のすぐそばに住んでいる。引っ越し先がまたもやこの川の流域だったのである。いま、走ってゆけば、二分以内に飛び込めるくらいだ。六歳のときからだから、かれこれ三十五年以上、この川の姿がいつもおれの日常にある。
というわけで、川をテーマにした青春小説と聞けば、これはもう、俄然期待してしまうのである。さらに、前述の「著者コメント」によれば、なんでもこの作品は『本邦初の「本格ペンギン小説」』なのだそうだ。本格ペンギン小説! なんじゃ、それは? 川にペンギンがいるわけないしなあ。なにがどうペンギン小説なのかも、じつに気になるところである。
ペンギンといえば、以前テレビで聞いて仰天したのだけれど、人間に飼育されているペンギンの四割は日本にいるんだってな。ほんまかいな、と思ったね。日本人はかくもペンギンが好きらしい。ずん胴で短足なところに親近感を覚えるのかね(いや、「ペンギンの脚は長い」と『トリビアの泉』でやってたぞ)。そういやおれんちにも、冷蔵庫を買ったときにおまけに付いてきたペンギンのぬいぐるみがあるなあ。「本格ペンギン小説」なるものが登場したとしても、なんの不思議もない国なのだ。
【5月16日(日)】
▼おれの読んでいるあちこちの日記で、「面白くないから観るのをやめた」という脱落者を次々と出している『仮面ライダー剣(ブレイド)』(テレビ朝日公式サイト/東映公式サイト)であるが、あきれたことにおれはまだ観ている。もちろん面白くない。まあ、惰性というやつだ。粟田麗の女医さんはけっこう気に入っていたのだが(御都合主義的にあちこちに適当に現われクサい台詞を吐くしょーもない役だ。女優はいいのにもったいない)、先日早くも死んでしまった。こうなっては、もはや山口香緒里しか観るところがない。
仮面ライダー剣(ブレイド)の剣崎クンが今回ぼやいたところによれば、仮面ライダーってのはたいへんな仕事らしい。「給料は安いし、残業“テワテ”はつかないし……」だそうだ。命がけで怪人どもと闘っているのだから、危険テワテくらいはついているのではないかと思うが……。ま、今回は、万引き容疑でスーパーの事務所にしょっぴかれた仮面ライダーというのを観られただけでよしとするか。前の『仮面ライダー555(ファイズ)』(テレビ朝日公式サイト/東映公式サイト)では、仮面ライダーが免停になるという、おれの知るかぎりではシリーズ初の事態が生じたことだし、つまらない『仮面ライダー剣』としては、万引き容疑で捕まるくらいのことをしなくては、とても最終回まで保たないのだろう。
▼突然、替え歌が口をついて出る。「♪山間部、山間部、住まいは山間部〜」 誰かがそばにいたらついに発狂したのかと思われるだろうが、さいわいおれは自分の部屋で独りで唄っている。それも怖いかもしれん。でも、これはやばいなあ。頭の中でエンドレスに回り出す類の歌だ。「♪山間部、山間部、住まいは山間部〜」 ほうら、回り出した。二、三日、いや、下手すると一週間くらい、あなたの頭の中でも回り続けるにちがいない。さあ、ご一緒に! 「♪山間部、山間部、住まいは……」
【5月15日(土)】
▼「特定非営利活動法人 ウェアラブルコンピュータ研究開発機構(通称:チームつかもと)」から、「会員募集開始」のお知らせメールを頂戴した。公式ウェブサイトにも案内が掲載されているので、ここでも宣伝しておこう。
大阪大学大学院情報科学研究科の塚本昌彦助教授見学会(塚本先生ご自身を見学するのだ)に参加してから、もう一年以上経っているのだなあ。ウェアラブル、神代もきかず竜田川とはよく言ったものだ。その後も塚本先生のご活躍はウェブの報道などでウォッチしていたが、たしかにみながHMDを装着して歩く未来に着実に近づいているようである。塚本先生のようなヴィジョナリーの活動を見ていると、未来というのはやってくるものじゃなくて、創るものなのだということがよくわかる。
あのときの千里中央の中華料理屋のウェイターの兄ちゃんは、その後ウェブの記事とかを見て、「あ、あのときのかっこいい先生だ」と気づいたりしただろうか。兄ちゃん、待ってろ。キミらが「三、四万」であんなHMDを買える未来も近いぞ。いまはまだ十九万九千五百円ほどするけどな。
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