三月書房HOME販売速報総目次三月書房販売速報[099]


e-mail 版 三月書房販売速報(仮題)
旧号合冊 第10冊[91〜100号]
通巻091号 2007.01.23発行 通巻096号 2007.12.14発行
通巻092号 2007.04.10発行 通巻097号  2008.02.13発行
通巻093号 2007.06.05発行 通巻098号 2008.04.16発行
通巻094号 2007.08.14発行 通巻099号  2008.06.18発行
通巻095号 2007.10.18発行 通巻100号 2008.08.19発行
※各号の最終版を一部修正して掲載しました
  ※非営利目的の転送は歓迎します
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三月書房販売速報[099]
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2008/06/17[10-03-99]  (c)SISIDO,Tatuo     

     e-mail版 三月書房 販売速報(仮題) 099号
     
      ※いちおう出版業界向けに制作してます※
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[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

  ◆「新編 今氏乙治作品抄(2分冊)」編集・発行 宿沢あぐり
  ◆「資料・米沢時代の吉本隆明について その九」監修・発行 齋藤清一
  ◆「飢餓陣営33号 特集:精神科医・中井久夫の仕事」編集・佐藤幹夫
  ◆「方法としての吉本隆明」 室伏志畔 響文社
  ◆「内村剛介ロングインタビュー」陶山幾朗・編 恵雅堂出版
    
    〈吉本〉本の売れ行きはあいかわらず順調です。「今氏」と「米沢時代」は純然たる自主刊行
    物で、他店ではほぼ見かけないはず。「方法として」はほとんど吉本氏と直接的な関係はあ
    りません。「内村剛介」は吉本氏の跋文がなければ、まだ数冊しか売れてないでしょう。20冊
    ほど売れたので、たいへんけっこうですが、けっこうでないのは、ここの仕入れ正味が89%と
    めちゃ高いことです。おそらく取次店の仕入れは80%なのでしょう。うちのような極小書店相
    手だと、9分口銭をきっちり取れるのでよいでしょうが、こういう本を仕入れるのは、大部分が
    一本正味の大書店ばかりのはずなので、おそらく逆ざやになっているはずです。なぜ、取次
    がこういう出版社の取引条件をいつまでも許しているのか、不思議で仕方ありません。

  ◆「火用心」杉本秀太郎 編集工房ノア
  ◆「ひっつき虫」杉本秀太郎 青草書房
    この2冊については「三月記(仮題)」に記事があります 
  
  ◆「(歌集)雨の日の回顧展」加藤治郎 短歌研究社
  ◆「(歌集)ゆきあひの空」石川不二子 不識書院
  ◆「(句集)玉すだれ」山中智恵子 砂子屋書房
  ◆「街角の歌」黒瀬珂瀾 ふらんす堂
  ◆「もっさい中学生」グレゴリ青山 メディア・ファクトリー
  ◆「猫の絵画館」平凡社
  ◆「土方巽 絶後の身体」稲田奈緒美 日本放送出版協会
  ◆「白洲正子と歩く京都」新潮社  
  
  
[#02] これから売れそうな気がする本(順不同)

  ◆「狩猟と編み籠:対称性人類学2」中沢新一 講談社※入荷済み
  ◆「栞と紙魚子の百物語」諸星大二郎 朝日新聞出版※入荷済み
  ◆「未来歳時記」諸星大二郎 集英社
  ◆「内村剛介著作集 第1回配本」陶山幾朗・編 恵雅堂出版
  ◆「(歌集)存在の夏」村木道彦 ながらみ書房
  

[#03] 近ごろちょっとまずいことになったらしい出版社。彌生書房ほか。

   前号以降ちょっとまずいことになった出版社は、歴史春秋出版、九天社、そして彌生
   書房と続いています。歴史春秋社は福島県の地方出版社、九天社はパソコン関係
   だったそうですが、どちらもほぼ縁がありませんでした。しかし、彌生書房は1960年代
   から1980年代ごろまでは、文学関係の出版社として、なかなかよい本を多く出していて、
   うちの店でも常備も新刊もわりとたくさん在庫していました。ここ数年はまったく新刊も
   出ていないようで、在庫も少しずつ売り切れが増えつつあり、基礎代謝のみで生きて
   いるというような感じでしたから、「出版活動を当面休止」という告知を見ても、さほど
   意外な感じはありませんでした。これはまったくのあてずっぽですが、この会社は世間
   の出版大不況とはあまり関係なく、創業者がご高齢になり、それとともに会社のほうも
   生命力が弱くなったように思えます
   
   この休止のお知らせは5月30日付けになっていますが、ネットでうわさを見たのが6月
   10日過ぎでしたから、まことに静かに発表されたようです。この告知によれば、在庫の
   販売はなぜか法蔵館が引き受けることになったようですが、おそらく曽我量深などの
   仏教書を多く出しているからなのでしょう。創業者で当時会長だった津曲篤子さんの、
   1998年のインタビューが京都新聞のサイトで読めます。ご健在なら87歳ですが、現在
   も会長なのかどうかは知りません。(※2008/07/20補記。この会長は何年も前にお亡
   くなりだそうです。また、法蔵館も在庫販売から手を引いたようです。)   
   
   ここの出版社の代表的な出版物は「村山槐多全集」「吉野秀雄全歌集」「リルケ全集」、
   「定本八木重吉詩集」、「定本 種田山頭火句集」、「尾崎放哉句集」、そして「世界の
   詩」シリーズなどでしょう。単行本では富士正晴や杉本秀太郎などの著書や訳書、そ
   して1970年代には吉野せいもよく売れました。しかし、現在の目録を見ると、著者も高
   齢だったりお亡くなりになったりが大部分のようで、編集者の世代交代が順調ではな
   かったのではと感じられます。
   

[#04] 2007年の短歌本の売上げ(TOP17) 2007/06〜2008/05

 01 23冊 永田和宏歌集 後の日々        角川書店
 01 23冊 小島ゆかり歌集 ごく自然なる愛    柊書店
 03 22冊 前登志夫歌集 落人の家        雁書館
 04 21冊 花山周子歌集 屋上の人屋上の鳥    ながらみ書房
 04 21冊 永田紅歌集 ぼんやりしているうちに  角川書店
 06 16冊 高野公彦歌集 天平の水煙       本阿弥書店
 07 14冊 小島なお歌集 乱反射         角川書店
 08 13冊 栗木京子 名歌集探訪         ながらみ書房
 08 13冊 吉川宏志 風景と実感         青磁社
 10 12冊 魚村晋太郎歌集 花柄         砂子屋書房
 10 12冊 横山未来子歌集 花の線画[通算17冊]  青磁社
 10 12冊 永田和宏 作歌のヒント        日本放送出版協会
 13 10冊 岡部桂一郎全歌集           青磁社
 13 10冊 吉川宏志歌集 曳舟[通算61冊]     短歌研究社
 13 10冊 米川千嘉子歌集 衝立の絵の乙女    角川書店
 13 10冊 渡辺松男歌集 〈空き部屋〉      ながらみ書房
 13 10冊 竹山広歌集 空の空          砂子屋書房

   「93号」に掲載した前回は、10冊以上売れたのが10点だったのに対して今回は17点
   もありましたから、まずは順調でした。ただし、前回のトップは37冊で、以下29冊、29冊、
   27冊だったのに対して、今回はトップが23冊ですから、そのあたりはいまいちでした。
   上記のうち、「衝立の絵の乙女」と「天平の水煙」は初版と再版の間が、やや長期間品
   切れ状態でしたから、在庫を切らさなかったらもう少し売れていたと思われます。
   ランキング外では「山中智恵子全歌集」が全2巻で各12000円と高価にもかかわらず、
   8組ほど売れたのが目立ちました。うちの店も他ジャンルの本の売れ行きは落ちっぱ
   なしですが、短歌本と〈吉本〉本だけはあいかわらず好調なのでけっこうなことです。
   
   
[#05] <天に唾する>京都の書店のうわさ(その61)

  ○今回は良いのも悪いのも何もネタがありません。

  ○「アートを楽しむ京都地図本」京阪神エルマガジン社
    書店関係は「恵文社一乗寺」が大々的に載っているほか、全17店ですが、ちょっとだけ
    面白かったのは、索引頁に「恵文社」「ガケ書房」「メディアショップ」「ランダムウォーク
    寺町」などは“ブックショップ”、「萩書房」は“古書店”、「メリーゴーランド」は“子どもの
    本専門店”、そのほか“洋書”、“古本・雑貨”、“古書・ギャラリー”、“バー&本棚”など
    がある中で、わが「三月書房」のみが“本屋”と記されていることです。いわゆるふつう
    の新刊書店は“本屋”と呼ばれるのを嫌い、“書店”と呼ばれたがっているということを
    以前に聞いたことがありますが、うちは“本屋”と呼ばれる方が好きなので、この索引
    はたいへん気に入りました。
    
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◎受贈本御礼 勝手に広告

 「高祖保書簡集 井上多喜三郎宛」外村彰・編 
 
      頒価3000円(税込) 龜鳴屋・刊

 ※この本に関しては「三月記(仮題)」をご参照ください。
  
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この「販売速報(仮題)」はe-mailの性質上,簡単に改訂することができ
ますが、その度に全読者に送信するのは、お互いに煩わしいので、最終版
をおよそ1ヶ月後にHPに掲載します。

   ◆1998/11/27 創刊準備号(通巻01号)発刊
   ◆「バックナンバー(01〜99号)」はHPにて公開中です。
     
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