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 東京海上 けんぽファミリー 誌 1993年7月号掲載記事

忘れかけていた文字の心が甦る・・・

「文字は“文明”と“未開”を分ける標識」ともいわれる。
ましてや私たち日本人は、漢字・かな・カタカナ・そしてローマ字までを使い分ける。
だからといって私たちはいま、文明の最先端にいるとは決していえない。
いえないどころか、自然を破壊し続けるさま同様に文字を氾濫させ、その一方で手紙を書かない、書いても誤用が多いなど文字をないがしろにしている感を強くする。
京都在住の心書家・園家文苑さん。
彼女の作品を見ると、そんな私たちが忘れかけていた文字への『尊親』、そしてあるときは『人への思いやり』までもがふつふつと甦ってくる。

ニューヨーク個展での出来事
福  まずはじっくりこのページにある絵をご覧いただきたい。後述するが、これこそ文字を絵にした『心書』である。はたして、あなたには何の文字がモチーフになったと見えるだろうか?

 昨年九月、ニューヨークのギャラリーで初の海外個展を開いたときにも、会場にこの作品が置かれた。現地新聞に取り上げられ、多くの人々が訪れた。何日目のことだっただろう。園家さんは作品の前にたたずんでいる婦人を見つけた。「じっとたたずむその姿に思わず声をかけてしまった」という。そして、振り返ったその婦人の目は涙でぬれていた…。

 「この作品を見ていると、涙が出てくるのよ」と英語で訴える婦人。「漢字を知らなくても私の作品、そして漢字の持つ心を理解してくれたんだ」。園家さんはそう思った。モチーフとなった漢字は『福』。園家さんはこの文字から『福祉』をイメージして描いた。そして、車椅子と介護者という構図が心書となって表れたのだ。

 「墨絵ですね」。日本の個展会場ではよくこう聞かれるという。そんなとき園家さんは「いえ、文字を書いているのですよ」と答える。モチーフはすべて文字、それも漢字一文字である。  「私たちが日常的に使っている文字のイメージをふくらませて、その文字に生命をよみがえらせることができたら…。心書と名づけたのも私の心の中にある文字のイメージを書に表したいという願いを込めたからなのです」  ニューヨークでの個展は大成功をおさめた。

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